レースの世界では、速い人はブレーキがうまいとよく言われます。ブレーキはクルマを止めるためにあるものですが、もうひとつ大きな役割があります。それはクルマを曲げる役割です。クルマを上手に曲げるには、ステアリング操作に頼るのではなく、ブレーキをうまく使わなければなりません。
というわけで、私もここぞというコーナリングの時には、ブレーキペダルに触れる右足に感覚を集中します。そのため、ブレーキの操作感はできるだけコントロールしやすいものがいいということになります。どう「コントロールしやすい」のかはその人のドライビングスタイルによっていろいろあると思うので一概には言えないと思うのですが、私の場合はペダルを踏む力によってブレーキの効きが調節できるのがコントロールしやすいということになります。

EK9のノーマルブレーキは良くできていて、上記の意味でのコントロールは非常にしやすいです。SPOON製のスポーツブレーキパッドに換えようと思ったのは、サーキット走行に対する保険のため、といったところです。高負荷のかかるサーキットでは、もちろんブレーキにも厳しい。継続してしっかりとしたストッピング性能が得られなければ、安心してアクセルを踏むことはできません。私の腕では多分ノーマルのままでもあんまり影響ないような気もしますが、まあ万が一の場合も考えて、ですね。

実際使ってみると、非常に満足のいくコントロール性能でした。いきなりガツンと効き過ぎることがなく、それでいてABSが作動するくらいの制動もたやすく引き出すことができます。荷重をより積極的に移動させてクルマの動きをコントロールする際に、非常に大きな力となってくれると思います。

ノーマルパッドの性能もなかなか捨てたもんじゃない(たぶんブレーキが単に大きいからだと思うけど)ので、普段はノーマルに戻しています。スポーツパッドはダストがすごいので、掃除がタイヘンです。。

ちなみにこのパッド、普通に買うと1台分42000円(!)するのですが、たまたま雑誌の個人売買の欄に中古品で10000円と書いてあったのを見つけ、それに飛びついて手に入れました。まだ新品に近いような状態のものだったので、非常にラッキーでした。

(2004/11追記)
使い始めてから3年ばかり経ち、サーキットにも何回も行っているにもかかわらず、今だに無くなりません(謎)。この手のパッドの性格からすると、とっくに寿命を迎えていてもおかしくないはずなのですが。。。
やはり限界走行時のブレーキングがまだまだ甘い証拠だと思います。もっともっとブレーキ性能をしっかり使い切れるようになれば、パッドも「適正な」寿命を迎えることができるんじゃないでしょうか。。
でも、経年劣化というか熱が入ることによる劣化というか(そういうのがあるのかどうかは不明ですが)、性能自体はかなり落ちてきてるような気はします。ブレーキは大事なので、摩擦面が残ってても近々交換しようかと思ってます。

↓↓↓(2005/04)に交換しました

SPOON BRAKE PAD
 

無限 BRAKE PAD TypeS

 

7万km近く走ってサーキットも通って、という使い方にも関わらず、スプーンのブレーキパッドはまだ山が残って(何故だろう?)ましたが、磨耗が進んで若干効きが衰えてきたかなという気がしてきたので交換しました。
モノは例によって散々悩みました。基本的にサーキットで安心してブレーキングできる耐フェード性とコントロール性を得るためにパッドを交換するわけですが、普段乗りも無視するわけにはいきません。あんまりサーキットを重視すると、公道では扱いにくいし音はウルサイしすぐ磨耗するしでタイヘンです。
サーキットは月1くらいで、基本はワインディングでのfun to driveがコンセプト。ワインディングでのコントロール性を重視して、かつ中小クラスのサーキットでも使えるというのが重要。いろいろ検討しました(スプーンは1度使ったので候補外)が、最終的に無限のワインディング仕様であるTypeSを選択。謳われている想定用途が、自分の用途にピッタリなのが決め手でした。適正温度が100℃からなので、そこんとこがどう出るか。

交換後のインプレッション。
基本的に踏んでいけば踏んでいくほどブレーキが効くのは、コントロール性重視のスポーツパッドの常道。ただ、絶対制動力はスプーンの方が上。最初は不安になるくらい制動の立ち上がりが深い感じでしたが、これはアタリが付くに従って改善されました。街中でちょろっと踏む分では効きはイマイチ(これが適正温度100℃からってことか)ですが、サーキットでガツンと踏めばしっかりと効きます。ちゃんとフルブレーキしてコントロールしろってことですかね。
ダストは、出ることは出るけどスプーンに比べればカワイイもの。ホイールの掃除がだいぶ楽になりました。
そこそこ満足できる内容ですが、この値段なら他にいくらでも選択肢があるので、すすんでオススメするものでもないような。。まぁ選んでも間違いないです(なんじゃそりゃ)

ちなみに同時にブレーキディスクも新品にしましたが、これは気分の問題。あまり摩耗が激しい方でもなかったので、特に必要はなかったかも。
距離がかさんでいる場合は、キャリパーオーバーホールやマスターシリンダーを新調した方が効果があるかもしれません。

 
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