EK9のフロントシートには、レカロ社製の真っ赤なセミバケットシート(通称「赤レカロ」)が純正状態で装着されています。
さすがレカロって感じで、座り心地もいいし、ちょっとがんばって走ったときのホールド性もあります。乗り降りしにくいと言われるけど、慣れると気になるレベルではありません。サイドから頭部にかけてのスウェード生地が身体のズレを防止してくれる上、見た目も非常にカッコいいので大変気に入ってました(事実、タイプR買う前はこのシートに座るのが憧れだった)。
そんな日常では気分を盛り上げてくれる赤レカロですが、徐々にちょっとした不満(というか気になる部分)が出てきました。
まず、サーキット走行時のホールド性。ワインディングでは気にならないレベルですが、いざサーキットで走るとなると、どうしても上半身が暴れてしまい、コーナリング中は太ももで身体を支えているような無理な体勢になりがちでした。これはシートが万人向けに作られている以上仕方ないことですが、もうちょっと操作に集中できるドライビングポジションが欲しいところです。
第二に、シートバックのガタつき。これはこのシートの持病みたいなものですが、Gがかかった時にコクッと背中が動くのは精神安定上よろしくありません。加えて取り付け部付近からギーギーと異音が鳴り出して、運転中に気になって仕方ないことがしばしば。幾度もグリスアップや増し締めをしましたが、結局解決とはいきませんでした。
第三に、長距離を運転した後の背中の疲れです。レカロなので、国産の他のシートから比べれば非常に疲れにくいのは確かなので、非常に高次元の要求かと思うんですが、長距離を走った後に背中に張りが残る(ていうかムズムズする)のが気になります。一つ目の不満と同様、要はシートが微妙に体型に合ってないというだけなんですが、走る時は1日につき数百kmを何日間も走ることもある自分としては、すぐにでも解決したい問題です。
そんな理由もあって、シートをフルバケットシートに交換しました。
フルバケとは、リクライニング機能のない、よくレーシングカーのコックピットについているアレです。
ホールド性を考えたらフルバケの機能ははずせません。しかも、身体にぴったり合うものならば、長時間の運転でも疲れ知らずというハナシだし。。
モノは無限のフルバケ「S1」です。最近値下げされたレカロのSP-Gと迷いましたが、質感と実際に座った感じで無限を選択しました。(無限はあまり付けてる人を見ないというレアさもポイント)
シートレールも専用品で揃えて装着して走ってみた最初の印象は、すげー楽!ってこと。シートが身体にぴったりフィットして包み込まれるような感じなので、運転中に身体に余計な力が入るってことがありません。これがものすごい楽なんですよね。
また、座面のクッションがない(正確には薄いのか)上、シート自体も低く設置されるので、目線がかなり低くなりました。これがまたレーシーな感じでお気に入り。目線が低いと運転しづらそうですが、実際そんなことはありません。今までステアリングで見えなかったメーターがちゃんと見えるようになったので、かえって運転しやすいくらい。
当然利点だけではありません。
不便になった点としては、まず乗降性。シートをいちいちスライドさせないと、乗り降りできません。シートサイドがせり上がっているので、よっこらせって感じで座ったり立ったりしなけりゃいけません。
あとはシートが倒せないんで、車中泊がしづらくなったことかな。まぁ助手席で寝ればいいんですが。。
とまぁいろいろありますが、いまんとこ利点が欠点をはるかに上回っているので、交換にはかなり満足してます。
装着後、様々な状況で走った感想はというと・・・
まず、コーナリング中でも身体がズレないので、踏ん張る必要がない。ということは操作に集中できて、視界も広くなるってことで、スピードも安全性も上がったような気がします。ヒール&トゥも非常にやりやすくなりました。
そして、何時間走っていても疲れ知らずというのは特筆すべきところ。ご存知のようにツーリングで走りっぱなしという状況が多々ある私ですが、最近走行距離が如実に増えている(!?)のは、シートの影響も多分にありそうな気配。最高1日900km走破という日がありましたが、このシートがなければ無理だったんじゃないかなと思えるくらいです。
残念ながら、フルバケの本領を発揮するはずのサーキットには、現時点でまだ試せていません。どんな感じで走れてタイムは上がるのか、今から楽しみです。 |