走行距離が10万kmを超えたのを機に、EK9購入当初からの懸念部位だったクラッチを交換しました。
EK9購入間もなくしてクラッチに不具合有りと指摘を受けてから、騙し騙し乗ること約6万km。結局クラッチが明らかに滑ることもなく今日まで乗ってきましたが、サーキット走ったりするような使用条件ではそろそろ限界。旅先で
いきなりブローして帰れなくなっては困るので、思い切って交換に踏み切ったわけです。

クラッチ交換にはミッションを脱着します。さすがに大仕事で、青空駐車場で作業する自信も設備もないので、作業はショップに依頼。
交換するのは擦り減っていくクラッチディスクのみでもOKですが、クラッチのフィーリングも考慮して、クラッチカバーも交換。エンジンノーマルなので高価な社外の強化品は不必要と考え、安価で信頼性も高い純正品を選択しました。ただし、EK9用ではなく、
インテグラタイプR(DC2R)'00specです。シビックRにインテRの部品を流用するのはもはや定番ですが、クラッチも然り。インテRのクラッチの方が圧着力が若干強いんです。しかもシビックRの物と同価格。これは流用しない手はないでしょ? 純正流用でお手軽クラッチ強化は美味し過ぎです。
また、クラッチ交換時にはレリーズベアリング(右写真)も交換するのが鉄則。これはインテもシビックも同じ物なので、EK9用を使用します。

交換はプロの手にかかればあっという間(2時間くらい)。ドライブシャフトを抜く等のシビアな作業が含まれているので、自分でやったら1日で終わるかどうか・・(それ以前に車体を上げる術がありませんが)

車体から外されたクラッチは、サビ色の摩材に塗れていかにもヘタってそう(左がクラッチディスク&カバー。右は後述するフライホイール)。でも致命的なキズ等は見受けられません。
作業をしてくれたメカニックの方曰く「10万km超のクラッチの割に程度がいい」そうな。フィーリングからして相当イッちゃってると思ってただけに意外。ディスクそのものよりも、むしろカバーやベアリングがヘタってたってことか?

交換後、シートに座ってクラッチペダルを踏んでみると、これが異様に軽い! ペダルストロークも若干ながら浅くなり、格段に操作がし易くなりました。新車の状態を知らない私だけに、この操作感は感動モノ。本来はこんな感じだったんだぁと、マジで感動してしまいました。
走り出すと、かなりパキッとクラッチが繋がる感じ。これまでクラッチミートの感触はわかるものの、圧着の弱さでパワーロスしてる印象でしたが、新品はカッチリ繋がってトルクがしっかりタイヤに伝わります。インテR純正だからということではなく、単に新品になったことで
ダイレクト感が復活したんだと思います。

また、ペダルを踏み込む度にギィギィと鳴っていた異音もすっきり消えました。これはレリーズベアリングのへたりとグリス切れが原因。シビック系のミッションではよく出る症状なので、根本的な解決には今回のような作業が必要だと思われます。

購入時からずっと、ペダルストロークが長い上にやたらと重いクラッチフィーリングでしたが、ようやく本来の姿を取り戻しました。これまでクラッチってこんなもんだと思ってた(タイプRだし)だけに、この変化にはかなり驚き喜んでます。EK9の本当の姿に近づけたような、そんな気分♪
また一段と運転が楽しくなりそうです。

HONDA INTEGRA TYPE R
純正 CLUTCH DISK
 
HONDA INTEGRA TYPE R
純正 CLUTCH COVER
 

SEEKER FLYWHEEL

クラッチ交換ついでにフライホイールも交換しました。

フライホイールとは、エンジンのクランクシャフトの先に付いている円盤状の物体で、自重によってエンジンの回転に慣性を与える役割を担ってます。フライホイールが付いてないと、エンジン回転が路面から伝達される抵抗によって急激に変化し過ぎて運転できたもんじゃないハズ。また、クラッチディスクを押し付けて駆動を伝達するという重要な役割も担ってます。

このフライホイールの重さというのがキモで、重いほどエンジンの回転が緩やかに変化するので滑らかな運転ができますが、エンジンの軸に重いもの付いてるわけだから重た〜いフィーリングになってしまいます。アクセル操作に即座に反応しない、いわゆる「レスポンスが鈍い」状態になってしまうわけです。
逆にフライホイールを軽くすると、レスポンスがいい!エンジンが軽く回る!という利点がある反面、アクセル操作に対してはナーバスになる(エンストし易くなったりアイドリングが安定しなくなったりする)デメリットが生じます。

メーカーが純正装着するフライホイールは、誰でも運転できるようそこそこの重さがあるのが普通。EK9はタイプRってことで、通常より1割程度軽いもの(7.0kg)に変更されてます。これでも十分レーシーな感じですが、競技車等はレスポンス重視で軽量なものに交換するのが定番です。

最初は交換するつもりはありませんでした。ツーリング主体のクルマ生活になっている現在、普段乗りで運転し難くなっては気軽に知らない道へと繰り出すことができません。フライホイールの軽量化によって、登り坂で失速したりゼロ発進がナーバスになったりするのが気になります。
でも、現状よりさらに鋭いエンジンレスポンスを求めていたのも事実。 高回転までイッキに吹け上がる快感がもっと欲しい!と思ってたので、軽量フライホイールを装着するかどうかで結構悩みました。

結局ショップの方からの勧めで装着してみることに。モノは3.8kg!ってことで、市販品では最軽量の部類に入る恐ろし気な代物ですが、普段乗りでも案外弊害もなく普通に乗れてしまうという誘惑にグラッときてしまいました。ま、ここは騙されたと思って試してみるかと。。

実物はさすがに軽く(純正の半分程度しかないわけだからなー)、また、外周に穴がいくつも開けてあります(上の写真の純正品との違いに注目)。材質はクロームモリブデン鋼。フライホイールには最適な材料なのか、アフターの製品は判を押したようにすべてクロモリです。ちなみに現行シビックR(EP3)は純正でクロモリ4.7kg!!メーカーがそこまでやっちゃっていいのか!?

さてさて、装着後の印象は・・・
幾分半クラを多めにクラッチをつないで加速。。。おおっこの加速感!エンジンが
別物のように軽く回る!これはハッキリ言って凄い!とにかくエンジンの軽さがハンパじゃありません。ビュンビュン回る回る。カチッと繋がるようになったクラッチと相まって、知らぬ間にスピードに乗ってしまいます。
心配された扱い難さはほとんど無し!ゼロスタート時は今までのようにクラッチ繋ごうとするとエンストしかけますが、それはあっという間に慣れたし、アイドリングも安定していて全く問題ありません。ダイナミックバランスを施工した製品だからかな?静かにしてれば、
いたってフツーなんです。
でも、ひと度アクセル踏み込めば、ホンダNAエンジンの本領発揮とばかりにタコメーターの針がレッドゾーン目掛けて吹け上がっていきます。この刺激を求めてたんだ!

エンジンレスポンスもかなり鋭くなってます。一番感じるのはヒール&トゥした時。アクセルを煽って回転を合わせるのが非常にやり易くなりました。なぜだかすごくリズム良く操作できるんだよな。今まで操作に対するクルマの反応に微妙なタイムラグがあったのかな?その微妙なズレがレスポンスの向上によって追いついた感じで、かなりイイカンジでドライビングできます。

工賃合わせると決してコストパフォーマンスに優れてるとは言い難い軽量フライホイール導入ですが、求めていた性能の向上が得られたので大満足。
今後は、エンジンレスポンスの鋭さに見合ったトルク感が欲しいところなので、吸排気を見直す等して更に気持ちイイクルマを目指します。

 
   
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