雲上の楽園へ・・・乗鞍スカイライン&エコーライン      2002/08/04



乗鞍岳

乗鞍スカイラインとエコーラインが接続する場所が畳平。自動車が走れる道路としては、日本でもっとも高い場所として有名です。

標高2702m。北海道の最高峰旭岳が2290mだから、それよりずっと高い所。石川県の霊峰白山の頂上とまったく同じ標高です。

畳平から乗鞍岳の頂上を目指して歩きます。このくらい高いと普通登山家の領域ですが、クルマでかなり高地まで登ってこれるお手軽さのおかげで、かなり軽装備でも登ることが可能です。事実、ドライブがてら登っていく家族連れなんかもたくさんいました。

序盤はアップダウンもそれほどなく、ハイキングの趣。周りの山々がとても近くに感じられます。

山の斜面に雪が残り、溶け出して澄んだ青い水面を湛えています。雪によって一年の大半を覆われている斜面が荒々しく削り取られている風景が印象的。

下界にはエコーライン。雲がかかって遠くまで見渡すことはできなかったけど、見えたらきっとすごいスケールのパノラマが拝めたはず。う、残念。

雲がうっすらかかっているのが乗鞍岳頂上付近。ちなみに乗鞍岳とは通称っぽく使われている名前で、正確には剣ヶ峰と言って、周辺の山々の最高峰となります。


登山道の途中には、国立天文台のコロナ観測所や東大の宇宙線研究所など、乗鞍の立地と利便性を活かした施設があります。
これらの施設は冬はどうなってしまうんだろう?
想像したくもないとんでもない環境のような気がします。

肩ノ小屋まで歩くこと約30分。ここと過ぎるといよいよ本格的な登山道。岩場の急な斜面を一歩一歩登っていきます。

それにしてもエラくたくさんの人が登っています。頂上までずーっと人が数珠繋ぎになってつながっているのが一望できて、アリの行列を見てるかのよう。

ところで私の場合、歩きながら何となく頭の奥の方が少しキーンとなるようなカンジがしていました。3000mに近い所まで来て登り道を歩いているので、ヘタをすれば高山病になってしまいます。空気が薄いとか、頭痛がするとかいうようなことはなかったけど、ムリは禁物です。


この写真ではそれほどではないですが、かなりハードな岩場が続くので、足下には十分気を付けましょう。
今回は、いつものトレッキングシューズではちょっと役不足でした。できればハイカットの登山靴で臨みたいところです。

雲がかかって何も見えんくなってきました。
時折風の道を横切る際は、かなりの強風が吹き荒れています。雲がものすごい速さで流れていく中を横切っていきます。この登山、かなり本格的なカンジです。

あともう少し。。。


着いた!残念ながら頂上の周辺は雲。まったく眺望は拝めませんでした。
頂上には山の神様の神社があります。狭い頂上に新宿並みの人混み。ううむ。

眺望が晴れていれば、権現池や槍穂連峰、どこまでも拡がる雲の海なんかが見えたはずなんだが、残念ながらまったく何も見ることができませんでした。
頂上を極めたという事実だけで満足せざるを得なかった。ちょっと心残り。

でも一応初めて3000m超の地を踏んだということで、その点は非常に充足感あります。
剣ヶ峰頂上3026m登頂成功!



おまけ

乗鞍は高山植物の宝庫でもあります。登山道の脇にはたくさんの花々が咲いて目を楽しませてくれました。
種類とかは全然疎いのでわかりませんが、その写真をいくつか紹介しておきます。




・・・・・・・・・


実は、乗鞍スカイライン&エコーラインは今年いっぱいで営業が終了になります。つまり来年度からはこの素晴らしいワインディングを楽しむことはできなくなってしまうわけです。
以前から行きたかったワインディングのうちのひとつでしたが、今回が最初で最後ということになりそうです。

なぜ、走れなくなってしまうのか。
理由はたぶん、というかほとんど確実に、このハイシーズンの渋滞にあると考えられます。
今回週末を利用して訪れたため、一年で一番混雑している状況の中行ったことになるのですが、それはもうとんでもない状態でした。
畳平駐車場前で両道路とも1,2時間待ちの渋滞(最高で4時間待ちらしい)。乗鞍の大自然の中をクルマが延々と列をつくっている風景は、興醒め以外の何でもありません。

    

このクルマの列が平日でも続いていることを考えると、周辺環境への影響は計り知れないものがあります。自分もクルマで行っているため大きなことは言えませんが、停車中は極力エンジンを止めていました。

国内ではなかなか見られないスケールの大きなワインディングだったために、通行不能になるのは非常に残念です。しかし、乗鞍の素晴らしい自然を残していくためには仕方のない措置だったことも、この状況を体験したら頷けます。


自分の運転でスカイライン$エコーラインを走るのは今年が最後(バス、タクシーに限り今後も走れるが、そんなの気持ち悪いだけで面白くもなんともないと思う・・)。
ここで熱く紹介した通り、ワインディングとしても風景としても素晴らしく、一度行っておく価値は十二分にあります。
行くことができり人はぜひ、レンタカー借りてでもなんでも、今年中に行かれることをオススメします。ちなみに11月から冬期閉鎖になるのでお早めに。。。




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