能登半島一周ツーリング 2002/05/06 |
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眩いばかりの朝日で起床。空は青く澄み渡っている。 今日の天気は期待できるかもしれない。テントをたたんでさっそく出発。 |
キャンプ場を出ると程なく狼煙(のろし)という集落に入る。ここが一応半島の先端らしく、禄剛崎(ろっこうざき)と呼ばれる岬には、白亜の灯台が日本海を望んでいる。 禄剛崎の有料駐車場にクルマを停め(早朝だったのでタダ)、丘を登ること約10分、高台に芝が拡がった先に禄剛崎灯台がありました。 |
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明治時代にイギリス人が設計した灯台で、それなりに由緒あるものであるそうな。 しかし、この景色もこの日に体験する景色の序章に過ぎなかった・・・。絶好の天気に恵まれて、能登半島ツーリング2日目の幕開けです! |
禄剛崎から海沿いを走る県道28号を輪島方面に向かって走る。集落を抜けると人気はなく、最果ての様相を十分に呈している。 |
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道は所々2車線になるが、基本的には1.5車線の狭路。しかし、道行くクルマは当然ながらまばらなので、案外気楽に走れる。 |
国道249号に合流し、さらに海岸をドライブ。 外浦の海岸を代表する名勝曽々木海岸で「窓岩」に遭遇。 文字通り穴が空いた岩のことですが、海水があたらないにもかかわらず穴が空いているのは珍しいとのこと。 |
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能登半島の特に国道249号を走っていると「ポケットパーク」と名の付いた駐車スペースとトイレがかなり頻繁に現れます。窓岩のような景勝地には必ずあって、気兼ねなくクルマを停めて景色を楽しむことができます。 たぶん石川県のオリジナルだと思いますが、商業色もなく非常にうれしいシステム。 |
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さらに海岸を行くと白米の千枚田。海に落ち込む斜面に段々状に拡がる水田です。 千枚と言いますが実際は全部で二千枚近くあると案内に書いてありました。 あぜの曲線が重なり合う様と水平な海が織りなす景色が美しい。ちょうど田植えの時期で、部分的に苗が植えられていました。稲が成長した後の夏場の緑や、金色の稲穂がひしめく季節の方が、素晴らしい景色を提供してくれそうです。 |
やがて道は輪島市街に入っていきます。このときまだ9時前だったので、日本3大朝市のひとつ輪島朝市に立ち寄ってみることに。 |
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市中心部のある通りで朝市が開かれている。思っていたよりかなり大規模。さすが観光名所だけあって、かなりの人出でした。 |
地元のおばあちゃんが売ってるものは、民芸品や干物、野菜が多い。その他にはカニ、海産加工品、輪島塗の店など。完全に観光客向けといった感じ。まあどこでもそうだと思うけど。でも雰囲気はいいよ。 |
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朝メシ代わりにサザエ焼きと揚げカマボコを食す。ウマい。 |
輪島市からは249号から県道38号にスイッチ。これまた海岸線を行く爽快なドライブルートである。 |
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途中こんな高所まで登っていく。これまでの平坦な道と異なり、アップダウンを繰り返しながら抜けるルートになる。 |
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荒々しい豪快な岩場の海岸を、EK9の軽快なフットワークで走り抜ける。小刻みに連続するコーナーが心地良い。 |
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外浦の海岸は本当に豪快だ。上大沢地区から先は断崖絶壁に阻まれ、道は仕方なく一時内陸へと入っていく。 |
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上大沢や皆月など、この辺りの海際の集落にはワラでつくった「間垣」と呼ばれる塀が家を海風から守っている。独特の風情だ。 また奥能登では、北陸地方特有の黒瓦の家並みが特に目立つ。この地方特有の風土が自然な形で残されている。まるで時間が止まっているかのよう。 |
このまま県道38号を走っていくとそのうち国道に戻ってしまう。できるだけ海沿いにこだわるため、県道266号にスイッチ。ここまで奥に入り込んでくると、さすがに行き交う人もいない。こんなにマニアックなドライブする人っていないのか、やっぱり。ライダーにすら会わないのはちょっと不思議なくらい。 皆月地区を過ぎるといよいよ人気もなくなり、道もクルマ1台が通れる程度の幅になっていく。猿山岬に続く遊歩道で車道は途切れる。ここでは若干のドライブシニアに遭遇した。みんな石川ナンバーやけど。 |
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猿山灯台。この日灯台2本目。能登半島の東西の灯台を見たことになるのか。 | かなりの高台にあって高所感があります。 空が広い〜。 |
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新緑の緑と、とことん青い日本海のコントラストがステキ。日本にもまだこんなところがあるんだ。すごいな能登半島は。 |
猿山岬からは若干戻って枝道に入り、岬向こうの海岸に出なければならない。 さて、ここで困った。どの枝道に入ればいいかわからない。細かい地図を持ってきてないので、どこでどう曲がっていけば向こう側に着くのかも不明だ。 とりあえず手前の集落から枝道に入る。絶対にすれ違えない狭路をくねくね行くこと数十分、とある集落に出た。ばっちりか?と思いきや、どこかで見たような風景。何とそのまた前に通った集落に戻ってきてしまっていた! おいこりゃ参ったぞと思いつつ、慌てて分岐まで戻る。今度は猿山岬近くで薄暗い林道に進入。舗装はされているものの、相変わらず狭路ですれ違いなんか絶対ムリ。頼むから対向車来ないでと祈りつつ、ひたすら林道を登る。もうすっかり迷路の中に入ってしまった気分。こんな奥地で遭難したらシャレにならない。 |
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林道を登り切ったところで視界が開けた。そこには緑の海が!その向こうに日本海が拡がるという、ちょっと他では見られない景色が拡がる。 いいじゃないの〜。 |
結局この道をたどっていくと海岸に出ることができた。本当にこの道が正しかったのかどうかはわからないまま。まあいいか。ちなみに結構距離はあったが、対向車にはまったく会わなかった。奥地すぎ。 |
国道に戻り、門前町の日帰り入浴施設「じんのびの湯」で小休止。 その中のハイライトとも言える「ヤセの断崖」に行ってみました。 |
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・・・めちゃめちゃコワイっす(汗)。 そんなに高いところ苦手でもないんだけど、これはちょっと・・まともに下見られん。 眼下50mで日本海の荒波が岩に打ちつけるのを真下に見てると吸い込まれそう。 やはり自殺のメッカらしく、思いとどまらせるためと思われる標語がそこかしこに書かれてました。効果のほどは?ですが。 私は詳しく知りませんが、松本清張の「ゼロの焦点」の舞台になったとこだそうです。 |
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ヤセの断崖から100m程行ったところには「義経の舟隠し」という不思議な入江があります。義経が頼朝の追っ手から逃れるために、この入江に一行の乗る舟を隠したという伝説があるそうな。それより何でこんな形に侵食されちゃったのかが不思議。それにしても海がキレイだ。 |
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どこを見てもキレイで、そして豪快な能登半島。特に海の深く澄んだ青色と途切れず続く新緑の緑色が印象的で、目に焼き付きました。こんなに素晴らしい場所だったとは。期待以上です。 |
さあ、いよいよ能登半島周遊もクライマックス。相変わらずしつこく海沿いをトレースしながら南下し、羽咋市に入ります。羽咋には千里浜という県内では有名な海水浴場がありますが、この砂浜は別の意味で全国的に有名な観光スポットでもあります。 |
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なんとクルマで自由に走れる砂浜なのであります。 通称「なぎさドライブウェイ」は、南北約8kmにわたって拡がる砂浜上の道路。所々標識まで立ってたり、観光バスまで行き交う立派な観光道路です。砂は強く引き締まって硬いため、クルマが通行できるようです。もっともあんまり海際を走ると塩分で下回りがサビるので、なるべく波際から離れて通った方が無難ですが。車線などないので、一応何となくみんな左側通行しています。 夏になると超混雑する海水浴場になるので、ちょうどイイ時期に来た感じです。 |
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波打ち際にEK9を停め、ぼーっと海を眺めていると、いつまでもここに居たい衝動に駆られてしまった。なんて気持ちのいい時間なんだろう。能登はどこも非日常的だ。 今回の能登半島一周の旅はこのなぎさドライブウェイを走破して終了です。氷見市辺りからぐるっと半島を一周して、反対側の付け根に戻ってきました。距離的にはそんなに長くなかったけど、かなりのんびり走ってきた(というか走らざるを得なかった)ので、相当長い旅をした感じです。 能登半島は、想像以上に素晴らしいところでした。大きな町がなく、都会からも隔絶されたような場所なので、環境に大きな変化が見られず、時間が普通よりゆっくり流れているような、そんな感覚を受ける不思議な場所でした。日本の真ん中付近にありながら、こんな場所が残っていることにオドロキです。その景色は感動的ですらありました。 本当に良かった。ありがとう、能登半島。 |
さて、ここから今日中には東京に帰らなければなりません。当初の予定では富山を経由してゆっくり帰るつもりでしたが、天気の都合で1日ずらしているのでそうもいきません。 というわけで今回のツーリングは終わり。いつも以上に内容の濃い旅に大満足なのでありました。 |
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