奥日光 水上〜金精峠〜奥鬼怒〜霧降高原へ

 

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梅雨真っ直中のある日曜日。その日の天気予報は曇りだった。
毎日が雨ばかりの今年の梅雨で、休日に雨の予報が出ていないのはラッキーとしか言いようがない。
決して良い天気ではない(それどころか下り坂)けど、次週の英気を養うためにも、新しい相棒であるS2000とワインディングをオープンで走りまくりたいと思い、久しぶりに奥日光へと向かうことにした。

当日は見事に寝坊し、朝8時出発。関越を北上する。
水上から奥利根を抜け、尾瀬から金精峠を経て奥日光へと至るルート。
尾瀬までのルートは今まで走ったことがないので楽しみだ。

                                             
     

月夜野ICで降りて、国道291号を水上へ。

← 上越新幹線をくぐり、水上、奥利根方面へ

水上温泉郷や谷川岳に向かう道路なので、そこそこ交通量があると思いきや、全く走ってるクルマがいない。
並行して走る県道の方が、メインの幹線になってるのかな。

とか思ってたら、この先の奥利根から尾瀬へと抜ける峠が土砂崩れで通行止になってるという電光掲示が出た・・・ここを通らなければ、この先進んでも行き止まりになるだけである。

のっけからイキナリ足止めを食らうことになってしまった・・・

 

道の駅「水紀行館」まで来てしばし思案する。
出鼻をくじかれるカタチとなって、モチベーションは急降下。せっかく高速で距離稼いでここまで来たのに、また沼田まで戻るのか?いっそのことこのまま帰っちまうか?

なんて思わないでもなかったけど、気を取り直して新たなルートで奥日光方面へと向かうことにした。

                                     

ツーリングマップルから読み取った県道と農道で、沼田市街をショートカットすることにした。

まずは県道265号。予想通りの埋もれた峠道を行く。
しかし道筋はわかりやすく、次の農道に出る際も、青看がちゃんとあって間違いなくとレースすることができた。

しかし、この先の農道が鬼門。打って変わって走り易いのはいいけど、行き先表示が出ない。何となく道なりに進んでいくと、どんどん山を登り出し、人気のない森林公園へと入っていく。

 
 

うーん、さわやか。いいコースじゃん、なんて思いつつ進んでいったら、このすぐ先で道は途切れていた・・・
あれー今どこ走ってんだろ?

完全に地図を読み違えて、まったく違う方向に走ってきてしまったようだ。どこで農道を逸れたのか思い出してみても、明確なポイントは心当たりがない。

仕方ない、戻るしかないか・・・

   
 

この森林公園のような所、結局場所の名前は確認しなかったけど、あまり訪れている人もいないようで、駐車場もガラガラだった。
舗装されただけの駐車場が入口付近に何ヶ所かある。

あんまりにも人気がないので、大きな声では言えないが、ちょっとだけ駐車場でS2000を振り回してみた。
購入以来、まだ挙動の限界付近を探る機会が無かったので・・・

               
 

初めてのFRを振り回してみる

1速で定常円旋回。思いっ切りアクセルを踏み込むと、タイヤの鳴きと共に徐々に外へと膨らんでいく。
リア荷重に片寄らせることでアンダーステアを誘発。アクセルオフで荷重をフロントに移して旋回Gを回復させる。微妙なアクセルワークで一定の旋回を保つことより、極端な挙動変化を誘発させて、限界付近の動き方を探ろうと試みる。

アンダーは簡単に発生させられるものの、なかなかオーバーステアにならない。オーバー気味にはなるのだが、スピンするほどの挙動がなかなか出ないのだ。ハイパワーFRだし、もっと簡単にスピンさせられると思ったのだが。。

横Gを思いっ切りかけておいて、ブレーキで瞬時にリア荷重を抜いてやることで、ようやくスピンモードに。
とは言ってもドリフトらしい挙動になるわけではない。車体を中心に駒のようにその場で巻き込むような動きをする。
前後重量配分50:50がこんなトコにも効いてんのかー。実はもっと簡単にリアを滑らせられると思ってたのだが、思った以上に限界が高くてそれを阻むみたい。

04モデルになってサスセッティングも熟成され、初期型に比べて限界付近の特性が非常にマイルドになっていると聞く。実際振り回してみるとナルホドといった感じである。
異様に限界が高いけど、それを越えようとする時のインフォメーションが意外とわかりやすい。決してピーキーな感じはしない。初期型は相当ピーキーな特性を持っているという話を聞いていたので、その先入観からすると少し意外ではある。

ブレーキテスト

その名称不明の公園から、道の駅への方向指示に向かって進路を進める。2車線のキレイな道が麓まで続いている。

最初はタイトな区間が続くが、あとはストレートが気持ち良く伸びる高速区間。通るクルマは当然?皆無。
ってわけで、ここでは思いっ切りブレーキを試させて頂いた。

ある程度スピード乗せたところでフルブレーキング。ノーズダイブはやはり大きいが、効きはそこそこ良い印象。
そのかわりタッチは今ひとつで、カッチリ感は薄い。

             

意外だったのはABS。EK9はガガガッガってな具合に激しく作動したが、Sのは静かにコッコッコって感じで作動する。
ABSが効くタイミングもSの方が粘る。タイヤにかかる荷重のバランス、グリップ力でその辺の印象になるんだろうが、止まらんぞーっていう致命的な感触は無いので、安心して踏めそうな感じではある。

ただ、さっきも書いた通りタッチがイマイチなので、コントロール性がやや物足りない。
パッドをそれなりのものに替えるだけで、いい感じにはなりそう。乗り始めから不安だった部分なので、いずれは替えるつもり。ワインディングでのコントロール性を重視して選ぼうかと思う。

ブレーキテスト後のディスクの状態 →

購入当初からのことなんだけど、パッドが均等にディスクに当たってない感じ。ローターへの当たり面がまちまちな上、早くもレコード盤のような筋が豪快に入っている。。

ディーラーで聞いてもこんなもんでしょうという回答。
フルブレーキでちゃんと当たってくれるかなと思ったけど、別に変化らしい変化は無い。

これだけフルブレーキしまくっても、ダストが驚くほど少ないところがやっぱり純正。捨て難い性能である。

 
                             
                                           

思ってたルートを阻まれた腹いせではないのだが、思わず遊んでしまった。
結局後から地図見ても、どこで遊んでたのかよくわからないんだけど・・・

でも思わぬ収穫だったね。面白かった。もう一回行けと言われても自信無いけど。

                                           
 

川場村で県道64号に出て片品方面へ。
やがて国道120号に合流して、ようやく金精峠への登りに入っていく。

金精峠は、群馬と栃木を隔てるスケールの大きな峠道。
特に群馬側からは、長大な弧を描くように優雅に大胆に走れるビッグなワインディングロードだ。

その分、交通量も多くて自分のペースで走れるのは稀。
タイトなコーナーからスピード感のあるコーナーまでバリエーションが実に豊富なだけに惜しい。

って思ってたら、次々と道を譲られてしまった・・

いや嬉んですけど、、Sに乗り出してからやたらと譲ってもらえるんだよね。。そんなに後ろにつかれるとヤなクルマなんだろうか・・・(もちろん煽ったりしてませんよ)

図らずしも独走体制に入ってしまった。
丸沼、菅沼の湖畔をずばーんと走り抜ける。気分爽快。
右手には関東以北最高峰の日光白根山がそびえ立つ。

この山には3年前の秋に登っている。金精峠もそれ以来ということになる。時が経つのは早い。。

   

菅沼を過ぎると、程なくして金精峠トンネル。
これを抜けると、奥日光にエリアが変わる。

             
ヘアピンカーブを重ねて一気に降りてくると、まずは日光湯元温泉。湯元と名乗る通り、中禅寺湖温泉にも配湯していて泉質が素晴らしい。      
       
                             
 

中でもオススメなのが温泉寺。正真正銘のお寺なのだが、湯元の源泉を管理していて、日帰り入浴に対応してくれる。源泉に一番近いだけに、泉質は折り紙付き。

写真はその3年前の、登山の後に疲れを癒した際のものだ。

 
                               
       
               
 

ついでに紹介しておくと、3年前キャンプした日光湯元キャンプ場。これがなかなか気持ちのいいサイトで、温泉街にいながら自然の中でのキャンプを満喫できる。

この頃まだ新品だったムーンライト3とモンベルのシュラフが懐かしい・・(写真中央)

今回は素通りしたけど、湯元は日光周辺を楽しむ際の拠点としてかなりオススメ。

     

湯元を過ぎると、やがて湿原を縦断するロングストレートが現れる。戦場ヶ原だ。

日光に訪れると必ず立ち寄ってしまう戦場ヶ原。
関東周辺では珍しく密度の濃い湿原風景を楽しむことができるからだ。

ちょうど中間辺りに大きな駐車場がある。その駐車場がほとんど隙間無く埋まってるほどの人出だった。さすがは人気観光地。ここはいつもオートバイが多い。ツーリングの拠点としてもメジャーなのだ。

Sを駐車場に停め、今回も戦場ヶ原の風景を楽しむことにした。

                   
   

この季節の戦場ヶ原の緑は美しい。天気はイマイチなんだけどねー。雲がかかってるけど、向こうには日光白根山が鎮座しているはず。

湿原の中にはトレッキングコースが設けられていて、その気になれば結構ボリュームのあるハイキングができる。
毎年歩きたいなーと思ってるんだけどさ。。今回は時間が遅いのでパスせざるを得ない。雨も降りそうだし。

記念撮影ポイント 見知らぬ2人をモデルにパチリ →

駐車場側にはレストハウスが建ち並んでいる。
演歌が大音響で鳴り響いているような観光地にありがちな雰囲気はなく、どっちかって言うとこざっぱりしている。

ここで牛乳を飲むのもいいけど、オススメはこの近くの光徳牧場のアイス。これが濃厚なミルク味でウマイ。

戦場ヶ原から光徳牧場の案内に沿って行くと、やはりそこにレストハウスがある。このアイスは前回訪れた時に食した。  

その光徳牧場の奥から伸びるのが、奥鬼怒林道だ。
戦場ヶ原から北側の山を越えて、鬼怒川の源流域にある奥鬼怒温泉郷へと至る。

舗装されてるのが不思議なくらい取って付けたような林道で、非常に距離が長く感じる印象がある。
久しぶりにこのタフなコースを走ってみることにした。

   
 

しばらくは→なカンジで林の中だけど、そのうち景色は開けてくる。ストレートとヘアピンで高度を上げて、来るべき峠越えに備える。

この辺まではトレッキング?山菜摘み?に来てるクルマが結構駐車していた。中には観光バスまで・・・

       
奥日光と奥鬼怒を隔てる山王峠を越える。ここまでは拍子抜けするくらいすぐ到達する。
こっからがまた長いんだ。
           
   
下りは林道らしい狭路が続く。駐車するクルマも消えて、完全なる単独行。徐々に雲がかかり出して、視界が奪われる。
ライトオンだけど、オープンは貫いた(笑
 

こーんな風情あるトンネルなんかもある。

国道はあんなに賑やかなのに、有名観光地を繋ぐこの林道は不気味なくらい静まり返っている。
以前紅葉の時期に走った時は、こんなハードな林道でも数珠繋ぎになるくらいの交通量だったが。。。

 

結局今回は、目の前に1台も現れず。それはそれで嬉しい。自分のペースで終始走れるわけだから。

鬼怒川沿いの県道23号に出るまで、約20kmといったところか。この手の林道を20kmっていうのは結構長く感じるものだ。

県道を左に折れると一軒宿の有名旅館(ホテル)が点在する奥鬼怒温泉郷だが、クルマで侵入できる距離は短いので、右に折れて上流方向へ。

すぐに川俣湖畔の道になり、一部荒れた狭路を走ることに。
温泉があるので意外に交通量が多く、バスなんかもよく通るので、自動的に交互通行になってしまうような箇所もあったりする。

それまでの林道に比べたら遥かにイージーで、オマケに前走車に阻まれて走るハメになり、ちょっと眠気を覚えてしまう。
早いとここの道から抜け出したい。前車がようやく譲ってくれたすぐ先で、大笹牧場方面に折れた。

霧降高原道路へと続く大笹牧場までの登りは、タイトコーナーが連続して否が応にも力の入るワインディング。

先程の追い越しの勢いそのままに、少し激しく!?ヒルクライムの走りを楽しんでみる。EK9の時には味わえなかったニュートラルなコーナリングと強烈なトラクションが新鮮。まったくストレスを感じることなく、次々と現れるコーナーをモノともせずクリアしていく。

   
 

やがて大規模な観光牧場に到達する。そこが大笹牧場。ここのミルクも美味い。

牧場の前の交差点を右折すると、霧降高原道路に入っていく。距離の割にはべらぼうに高額な有料道路だが、それなりに気持ちのいいワインディングなのだ。
今日の天気では期待薄だけど、久しぶりだし走ってみることにした。

ほとんど走らないうちから、もう霧の気配。。名前からして霧を連想させる道路だからね。。

         
   

牧場らしく牛の群れが現れた頃には。周りはもう既に霧の中。。

この道路、本当は非常に眺めが良くて清々しい景色が広がる。タイトなコーナーも程良く配置されていて、景色とコースレイアウトのコンビネーションがなかなか絶妙なワインディングロードなんだけど、いかんせん天気が良い時が少ない(ような気がする)

晴れてればホント、気分爽快でスッキリ!なこと請け合いなのだ。

   
 
     

日光では珍しく高所感のあるワインディングだが、この天候ではさっぱり。
峠の高原近くで雨が強くなって、仕方なく屋根をクローズ。

日光周辺にはこの他にも、日塩もみじラインとかいろは坂とか、有名どころのワインディングがいくつも揃っている。 ただ交通量が多いので、ダラダラしたペースで走ってるような印象しか残っていない。
この辺のエリア、平日に休み取って来て思う存分走ると随分違った印象になるような気がする。

     
                                       

霧降高原道路を走り切って日光の町に出る。
日曜の午後だし、これ以上帰るのが遅くなると渋滞になる。今日はこれでお開きってことで、日光宇都宮道路に乗る。

日光宇都宮道路は料金改訂で、この次の週から安くなるそうだ。
いくらになるかは覚えてこなかったけど、これくらいだったら混雑する日光街道を避けて、常時利用しようって気になる金額だった。
この勢いで、もみじラインとか霧降高原道路も安くしてしてくれないかな(そしたら余計クルマ増えちゃうか)

宇都宮から東北道で、あとは真っ直ぐ帰る。クルマの量は多かったけど、目立った渋滞もなく帰宅できた。

                                       

かるーく日光まわって来ただけのショートツーリングだったけど、結構エンジンとハンドル回して遊べたツーリングだった。

よく考えてみると、ツーリングのコーナーで日光を取り上げるの初めてだったんだね。。
実はよく訪れていて、温泉もワインディングもかなり味わっているエリアだったりするのだ。時にはほぼ徹夜明けで、時には親族接待で、時には通りすがりで。特に紅葉の頃の印象が強く、キレイなんだけど尋常じゃない渋滞が発生し、またそれも経験済み(若かった・・・)

それだけ身近で気軽なエリアとして定着してるわけで、何度訪れてもそこそこ楽しめるキャパシティもある。
混まない時間、つまり早朝を狙って行けば、日光と言えど(東照宮ですら)静かなので、ちょっと早起きして朝イチツーリングなんてかなりオススメだね。

                                       
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