かっぱと入る豪華な無料温泉   泉質:★★★(湯の花?が多い単純泉)
情緒:★★(ワイルドさならある)
環境:★★★★(紅葉時期が良さそう)
 
大畑町から県道4号線を山の方に走っていくと、うっそうとした森の中に薬研温泉がある。
ここには大きなホテルやキャンプ場などの施設が充実しているが、さらにそこから2kmほど山を分け入ったところにある奥薬研温泉は、温泉施設が1件あるだけの静かな場所である。
1件と書いたが、温泉自体はいくつか存在し、すべて露天風呂のみである。そして特筆すべきは、これらが全部無料で楽しめるところにある。この「無料」の「露天」でという響きが、全国のツーリストを虜にした(と思う)。ウワサがウワサを呼んで、全国からライダーを中心とした旅人が集まる有名温泉に成長した。
ここでは私が入浴した2つの露天風呂を紹介する。
               

■かっぱの湯

渓流沿いに設けられた露天風呂。
県道4号線を大畑方面から走ってくると、左手に看板がある。そこの広い駐車スペースに車を停め、かっぱの湯の由来について書かれた看板の脇から川に降りていくと露天風呂がある。
設備は簡単な脱衣所とプラスチックの桶が数個のみ。しかしここが無料であることを考えると十分な設備である。

 
         
 

お湯は無色透明だが、海苔のような湯の花がたくさん浮いている。この湯の花(本当に湯の花か?ただの藻かもしれない)のせいか管理する人がいないからかはわからないが、岩でできた湯船は相当ぬるぬるで、気を抜いては歩けない。慎重にそろりそろりと歩いていく必要がある。こういうぬるぬる感が生理的にダメな人は、ここは入らないほうがいいかもしれない。
最初どこから温泉が注がれているのかわからなかったが、奥の方に進んで底の浅いところに寝転がろうとすると、そこが注ぎ口だった。あまりの熱さに思わず飛び上がってしまった。
しかし、湯船が広いせいか全体としては適温だ。

渓流のせせらぎが気持ち良く、木陰になる感じなので、夏でも十分楽しめる温泉である。
湯船にはかっぱがあぐらをかいて座っている(もちろん銅像)。近くで見ると結構マヌケな顔してた(余計なお世話か)。
無料ということで当然誰も常駐していない。維持はそこを利用する人のマナーにかかっている。地元の好意に感謝しながら大切に利用したいものだ。
     

■夫婦かっぱの湯

かっぱの湯は混浴である。脱衣所は簡素なもので、ほとんど隠れるところもない。これでは女性には厳しいだろうという声があったかどうかは知らないが、かっぱの湯からさらに少し進んだところに男女別浴の夫婦かっぱの湯(めおとかっぱのゆ)がある。施設を見る限り、できてからそんなに長い時間はたっていないようだ。
こちらにはちゃんと建物があって中に人もいる(売店などがある)。しかし、温泉はやはり無料という太っ腹な施設だ。

     
渓流沿いに脱衣所と湯船があるだけという構成には違いがないが、こちらは人工的で、かっぱの湯のような自然の中で入浴しているという雰囲気はほとんどない。
お湯はやや熱め。渓流は静かに流れていて、気にしなければ気付かないくらい。私が行ったときはアブが多く、刺されないためには熱いお湯にずっと浸かっていなければならなかった。
男女の境の壁の上には夫婦かっぱの銅像がある。
     
夫婦かっぱの湯はどちらかというと万人向け。入浴客も家族連れや地元の人が多かった。
雰囲気に欠けるし温泉もそんなにいいとは思えなかったので、個人的にはあまり好きなタイプの温泉ではない。ただ、無料であることを考えると、こんなに豪華な無料温泉は他にはないと思った。
     

この他にも河原の湯などいくつかあるみたいだ。

「無料」の「露天」で有名になった奥薬研温泉だが、皮肉にも「無料」で「露天」なだけで温泉の良さをあまり感じることができない。
私が温泉グルメなだけかもしれないが、あまり過剰な期待はしない方がいいかもしれない。

     
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