秋の大井川渓谷 寸又峡ツーリング
2002/11/04


急に寒さが増した今年の11月。そろそろ山の方では雪が降り出す季節。
今年のツーリングシーズンもあとわずか。とりあえず行けるときに行っとかなければってことで、今回は静岡県の大井川渓谷を日帰りツーリングしてきました。


その昔、「越すに越されぬ大井川」と詠われたほどの東海道の難所だった大井川。
南アルプスが源流で、180kmを南下して駿河湾に注ぐ急流。詠われた通り川幅(というか河原)がとんでもなく広い大河です。

その大井川に沿って走る道は、西岸に国道473&362号線、東岸に県道64&77号線。今回は東名相良牧之原ICからアプローチして、主に国道を走るルートを選択しました。

高速を降りて北上。さすがお茶処静岡。四方をお茶畑に囲まれて爽快に疾走する。
お茶畑は起伏のある土地につくられるもの。緩やかな丘を駆け上がり、高度を下げてまた上げることを繰り返す。国道1号を過ぎたあたりから徐々に山間の道になっていく。

やがて473号は1.5車線の狭路に。奥大井に向かうメイン道路なので交通量が多く、バスやトラックがつくる列の後ろを延々と走る。
でもそれも川根温泉付近まで。川根温泉からはメインの道路が東岸の県道に移るみたいで、県道への分岐から先はまったくの一人旅。とっても気持ちのいいドライブを堪能することができました。

クルマがやっとすれ違えるほどの狭路ですが、走っているクルマは皆無。万が一対向車が来ても安全にやり過ごせるだけのマージンを保ちながら走る。
EK9は軽やかにコーナーをクリアし、次のコーナーまでの短い区間を加速していく。勾配はほとんどないけれど、大井川の脇にそそり立つ斜面にしがみついて蛇行しているので、時折大井川の見せる雄大な川の景色を楽しみながら走っていく。

結局、交通量のある国道362号に合流するまで1台も会わずにマイペースで走ることに。スピードレンジは高くなかったけど、キビキビとステアリングをさばきながら走れた至福の時間。これだけでもここまでツーリングに来た価値ありってもんです。


国道362号に入ると道幅も広くなり、ごく普通の道になります。
中川根町の道の駅の前で小休止。
(注:写真の場所は私とは何ら関係ないのであしからず)

静岡市内に降りていく国道362号から県道77号にスイッチし、さらに上流を目指す。77号に沿って奥地へと分け入っていくと、その突き当たりにあるのが寸又峡温泉。

こんなに奥地なのに、かなりの人出。観光バスが何台も停まり、団体客で溢れ帰っている。温泉の量やら何やら考えると、明らかに許容量をオーバーしている感じがするのだが。
ここまで来る道も、土日のみ片側通行規制が敷かれていて、かなり時間がかかってしまった。有名になりすぎた秘境(それでも秘境と呼ぶのか!?)とでも言えばいいのだろうか。

駐車場にクルマを停めて(寸又峡温泉より先は一般車通行禁止)30分ほど歩くと、大間ダムに架かる「夢の吊り橋」。長さ90m、湖面からの高さ8mと、スペックはそれほどでもないんですが・・
踏み外しそうな足場と、わずかワイヤー1本の手摺でスリル満点。当然かなり揺れます。ちなみに何で「夢」の吊り橋かっていうと、吊り橋の真ん中あたりで2人で願い事すると結ばれるからなんだそうです。
今回は残念ながら一人旅。なので、願い事はしません。


1時間程のハイキングで冷え切った体を温めるため、町営の露天風呂「美女づくりの湯」へ。濁りはないけど腐卵臭のする硫黄泉で、湯触りはかなりぬめぬめする。これが美肌づくりに効果的とか。雰囲気もあって気に入りました。
ただ源泉の量が多くないらしく、お湯割になってたのはちょっと残念です。


寸又峡温泉からもと来た道を引き返し、途中大井川沿いにさらに奥へと分け入る県道388号に入っていく。大井川沿いに走る大井川鉄道を横目に渓谷ドライブが続く。

大井川鉄道「長島ダム」駅にてアプト式鉄道を目撃。
アプト式鉄道とは、急勾配を克服するために歯車式のレールを併用して走る形式。国内では唯一の存在で、こんな人の少ない地域にもかかわらず、結構な人が乗車しているようでした。大井川鉄道はその他にもSLが走っていたりと、観光路線として人気があるみたいです。

さらに上流に向かうと、ダム湖にかかる大井川鉄道名物レインボーブリッジ。運良くアプト式鉄道が汽笛を鳴らしながら通り過ぎていきました。絵になる風景です。

またまた橋。これは鉄道橋ではなく今走ってきた道の橋ですが、コンクリート製のアーチ橋って珍しいので撮ってみました。

コンクリートのアーチ橋を渡り終えると道は一気に狭くなる。大きなクルマは対向車をパスするだけでも相当苦労していました。こんな時コンパクトなボディはとても便利。すれ違いの度に神経をすり減らしているような前走車を他人事にして、ひらひらと走り抜けます。

井川ダムがつくる巨大な人造湖、井川湖の湖畔を走る県道60号を北上すると、またまた変わった橋が現れます。


井川湖に架かる一見ただの吊り橋なんですが・・・

なんとクルマで渡れてしまうんです。クルマって言っても、2tまでっていう制限付きですが。当然すれ違いなんか絶対ムリなのに、特に一方通行というわけでもない。向こう岸がただの林道ってことを考えると、私のようにわざわざ渡りにだけ来る人が何人かいるだけの橋っていう感じがします。


今回の寸又峡ツーリングはこの井川大橋まで行って引き返すことにしていたので(本当はもう少し奥地まで行ける)、井川ダムまで戻って県道60号を静岡市方面に向かって走っていきます。富士見峠まではキレイに色付いた紅葉を楽しみ、峠越えの後は県道189号にスイッチ。今回すっかり走り慣れた狭道を駆け下りる。安全マージンをしっかりとりつつエンジンを回しブレーキングとシフトダウンを楽しむ。狭い山道って面白い。

山中を抜けると安倍川沿いの県道27号線。この辺まで来ると、普通の田舎道。
さらに南下を続けて静清バイパスに乗り、清水ICから帰京。日帰りでしたが見所が多く、なかなか中身の濃い旅ができました。

寸又峡は付近の道路が狭く、そういう道が苦手な人やクルマには大変かもしれませんが、静岡県中部という地の利があり、首都圏からのアプローチも容易なので、ちょっとしたドライブには最適かもしれません。




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