晩秋の十和田&八甲田 short touring
                                               

秋も深まり、東北では冬の足音さえ聞こえる季節。
今年も幾度となく夜を明かしたEK9のナビシートにて、日の出と共に目を覚ます。。
サイドウィンドウからは、豊かな水を音もなくたたえる十和田湖が間近に見える。

許された時間はたった半日だけど、久しぶりに八甲田周辺のワインディングを楽しもうと思う。この季節に訪れるのは無論初めて。遅蒔きながら、東北でも有数の紅葉の楽しみながら走ろう。

 
 

十和田湖畔のホテルが集中する休屋を通過し、国道103号を半時計回りに周回を始める。

タイトなワインディング区間を登り詰めると、湖を見下ろす瞰湖台。朝日を浴びつつある十和田湖。色鮮やかな色彩が、徐々にその姿を露にする。

急峻な崖地が湖畔の大部分を占める十和田湖。巨大なカルデラ湖が成す地形美にはいつも見とれてしまう。

             
 
         
朝日が一層はっきりと路面を照らしてきたら、走行再開。昨晩はすっかり暗くなってから十和田湖入りしたので、この色彩にはまるで気が付かなかった。それだけに徐々に明るくなるにつれて展開する色鮮やかな景色に、言葉もなくただただ見入ってしまう・・・
         
 

時期的にも最盛期は終わっているようだが、却って色彩の深さが際立ち、晩秋の朝の物憂げな雰囲気を醸し出している。

誰もいない極彩色の森で、たった一人佇む贅沢。。

         

宇樽部から子ノ口までは、十和田湖周遊道路随一の疾走区間。湖畔に沿ってフラットな路面をハイスピードで流す。夏の三陸ツーリングでも走った区間だ。季節は違えど、そのキモチ良さは変わらない。爽やかなドライブフィールが残る素晴らしいワインディングロード。

         
         
子ノ口の交差点をまっすぐ行けば、にも走った十和田湖を周遊するワインディングロードを行くことになる。
今回は右折して八甲田山の方へと向かってみよう。

子ノ口を曲がれば、すぐに奥入瀬渓流だ。
渓流に沿う国道の路面高さとほぼ同一に水面があるという類い稀な地形。こんな条件が揃った道はそうそうあるわけじゃない。

超有名な観光渓流で更に時期が紅葉と来れば、大混雑は必至。けど時間はまだ早朝7時前。豊かな自然とワインディングを楽しむのは早朝に限るのだ。
と思ってるからか、青森ツーリングの時に引き続き、今回も早朝の訪問となった。

   
       
定番の銚子大滝。マイナスイオンをたっぷり浴びる。
渓流沿いにはほとんど駐車スペースはないので、さくっと訪れるには、やはり人のいない朝がいい。
                       
             
十和田湖畔よりは紅葉が進んで、ほとんど終わりかけている。
が、 所々キレイに感じれる色彩もあって満足できた。
                           
奥入瀬渓流沿いに北上していくと、やがてビジターセンター等が建ち並ぶ一角を通り過ぎ、国道103号との分岐に差し掛かる。右折すれば十和田市方面、左折すれば八甲田山の麓を経由して青森市へと至る。
今回も良質のワインディングが豊富な国道103号へとノーズを向け、八甲田の山中へと飛び込んでいく。
                             

十和田ゴールドラインという通称を持つこの道は、八甲田山の西側を縦断していくロングワインディング。様々な景色が次々と展開していく絶好のドライブルートとしてお気に入りの道のひとつだ。

特にこの日は、蔦温泉を経由して谷地温泉に至るまでの区間の紅葉が見事だった。まさに「ゴールド」ライン。
盛夏に走ると、豊かに茂ったブナの森のトンネルを疾走する実に爽快な道路だが、秋の極彩色の美しさも特筆モノ。

 
         
   
                       
  谷地温泉を過ぎると、木々から葉が落ちて冬の様相となってしまった。ゴールドラインは上り下りの感覚が比較的薄いワインディングだが、はっきりとした地形的な違いがあるからここまで景色が異なるのだろう。
それにしても、あまりに急激に様相が変わったもんだから少々びっくりしてしまった。

と思ったら今度は周りから木々がなくなって、高原風景に様変わり。いつの間にか高度を上げていたのか。

実際この辺りは湿原地帯で、傘松峠を越えるまで、八甲田山を眺めながらの雄大なドライビングビューが楽しめた。

                                           
 

峠を下りて地獄沼を過ぎると、お馴染みの酸ヶ湯。混浴の千人風呂と真っ白に白濁した温泉が人気の秘湯!?だ。

この日も駐車場は県外ナンバーのクルマでいっぱい。まだ朝早いので騒々しいわけではないのだが、静かな山間の湯宿という雰囲気はまるでなく、そういうのをイメージして来る人はガッカリするだろうなぁといつも思ってしまう。ある程度現代的なサービスを求めて来る人なら一石二鳥だろうけど。。

温泉自体は実に素晴らしいんだけどね。今回は入浴はパス。売店でお土産だけ買った。

酸ヶ湯を過ぎると、すぐに城ヶ倉の分岐。国道394号を選べば、城ヶ倉大橋を渡って黒石へ。
この道には、今年始めの厳冬にホワイトアウトに遭遇して吹き溜まりに突っ込んでリタイアしたという苦い思い出がある(^ ^;)

ここは直進してゴールドラインをトレース。やがて八甲田ロープウェイとスキー場が見えてくる。写真がちょうどその辺り。

これをパスして次に現れる田代平への分岐で右折。ゴールドラインにとりあえず別れを告げ、八甲田山の東側山麓へと回り込んでいく。
県道40号に出たら南下。途中、みちのく深沢温泉や八甲田温泉への分岐がある。

 
     

田代平は、八甲田山の北東に広がる広大な湿原地帯だ。
知られざる名所という印象があって、ここから眺める八甲田山の景色は実に素晴らしい。

         
     
 

八甲田山は、八ヶ岳や蔵王の様にいくつかの山々の総称として呼ばれる名称。
その山々を取り囲み周回できるようにワインディングが配されている。そのどれもが爽快なドライビングルートなのだ。

                                 

田代平より見る晩秋の八甲田山

                                 
  EK9を停めているこのスペース、実は2003年の青森ツーリングの際、寂しく野宿した思い出の地。当時はまだ軽装備で少々不安な夜だったのだ。
田代平と八甲田山の雄大な風景は今も変わらず。些細なことだが、この場所があの時と変わらず存在していたのが何だか嬉しかった。そういう場所が旅するごとに全国に増えていくのが、何だかとても貴重なことだという気がする。
 
                               
   

田代平を通る県道40号は、ハイアベレージな高速コース。すぐに国道394号との交差点まで来た。

国道にスイッチしてゴールドラインに戻るルートを取る。ゴールドラインとの合流点にあるのが、谷地温泉だ。

         
                                   
   

八甲田の秘湯の中でも抜群の素朴さを誇る谷地温泉
完全な湯治メインの宿で、余計なものは何もない感じ。宿舎も山小屋といった風情で、実にミニマムな造りだ。

素朴を地でいく湯小屋には、濃厚な硫黄泉が2種類。熱いのと温いので交互に入って病を癒すのが谷地流。
2年前と同様、自分の好きなように入浴して楽しんだ。
八甲田で早朝から入浴を受け付けるのは、ここ谷地温泉だけ。それだけに朝早いツーリングには重宝する。

 

手前の売店の入口が玄関を兼ねている。店先で売っていたもぎたての青森リンゴを2個お土産に購入して車内へと戻った。

       

ここからはさっき走ったルートの逆走。極彩色のゴールドラインを、奥入瀬方面に向かって走る。

こんな森の中の道だが、ヘアピンが連続するような区間もあってなかなか気が抜けない。

前を行くランクスは、この後蔦温泉へと吸い込まれていった。さらに前の軽四は、老夫婦のドライブらしく超ノンビリ運転で、2速で走っても追突しそうで少々困った。適当な所でパスさせて頂き、国道102号を戻っていく。

 
       

奥入瀬はもう混んでるだろうし、観光バスの排気ガスを浴びてまで走りたくはないので、バイパスで十和田湖に抜けることにした。

十和田八甲田周辺の国道で、唯一走ったことのないのがこのバイパスだった。奥入瀬渓流を迂回するルートなので、「奥入瀬バイパス」と勝手に呼んでいる。

すぐにノロノロトラックに掴まって忍耐を強いられたが、やがて登坂車線が現れた。VTECの威力を生かしてここぞとばかりに抜き去る。
すぐに1車線に戻ると思ったら延々と続くので、あれよあれよという間に先行車を次々と料理。ハイカムゾーンを維持して、結構タイトなコーナーを次々クリア。ノーマルサスではちょいと恐いような荷重領域だけど、オーリンズのサスと無限のバケットによって、タイヤの設置状況が的確に身体に伝わってくるので不安はない。

結局、十和田湖の周遊道路に出るまで登坂車線は続いた。
恐ろしくハイスピードなヒルクライムを楽しめてしまった。

 
     
                               

十和田湖の周遊道路を左回りに走り出す。

← にも寄った御鼻部山展望台からの十和田湖

                                 
                   
                 
滝ノ沢峠手前から、遠くに影で見えるのは岩木山 →    
                           
     

滝ノ沢峠から国道454号で湖岸を南下。妙に交通量の多い中に入ってしまい、大隊列を組んで走行するハメになってしまった。
オマケに逆光で眩しいのなんの。写真はヘアピンの折り返しで順光になった時撮ったもの。

湖岸はいい感じに色付いていたが、この辺に関しては結構黄緑色が目立った。日光が当たる方向によっても違うもんなんだろうか。

                           
                                               

この後、発荷峠を越えて国道104号に入り、田子方面へ。県道181号で浄法寺に抜け、安代から県道30号で岩手の「田代平高原」を通り、国道4号へ。
西根で給油&食事を済ませて、そのまま高速で仙台へと帰還した。

たった半日のショートツーリングだったけど、ツーリングステージとしては申し分のないボリュームとクオリティの十和田&八甲田。紅葉を見るにはもう遅いだろうと思ってたけど、思いもかけず美しい色彩に出会えて満足のいく内容だった。
これから東北は厳しい冬。何かと行く手を阻まれる季節だけど、今年は極力走りたいと思ってます。

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2003年青森ツーリングの際に作ったページをこの機会にもう一度! →→→ 青森名湯案内

                                               
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