ウェア .....

 

山登りに行く時、どんな格好で出掛けるか、というお話。
トレッキングは身体を動かして汗をかくスポーツの一種なので、まさか普段会社に行くような格好をしていく人はいないでしょう。雨風の影響もモロに受けるし、それなりに考えた服装が必要です。
ではどんな服装がいいのか。

まず前提として、トレッキングでは重ね着が基本となります。
トレッキングは運動なので、身体を動かせば暑くなる。でも山では、高度が高くなれば気温が下がり、吹きっさらしにでれば体感温度が下がる。
つまり暑いと感じても、立ち止まると寒く感じたり、また歩き始めると汗をかくというように、ずっと同じ状態でいられることは稀です。
暑いからといって薄着のまま稜線に出ると身体を冷やすし、厚着のまま歩いて汗だくになってもまた、体を冷やす原因になります。身体を冷やす=体力を消耗させることになるので、山登りでは致命的です。下手をすれば命に関わることです。

そこで、体感温度に対してコマメに脱いだり着たりすることが、トレッキング時の基本となります。
そのため、1枚1枚は薄手のウェアを、状況に応じて重ね着することが重要になってきます。こういうシステムを「レイヤリング」なんて呼んだりしますね。
同じ性格のウェアを何枚も着るというわけではないですよ。身体に近い方からインナーレイヤー、ミドルレイヤー、アウターレイヤー(呼び方はいろいろありますが)というような感じで、それぞれに役割があって、それらを基本に自分なりのレイヤリングシステムを組むと、快適なトレッキングになります。

以下は僕の場合の話。
もちろんこれが一般的なわけではないですが、、参考にしたい人はしてみてください(^ ^;


【インナーレイヤー】

多くの場合、Tシャツです。
トレッキングウェアとして、まず何を買えばいいかというと、たぶんコレ。値段的にも手出し易いし(笑

肌に触れるシャツは、まず生地が汗に濡れてもすぐ乾く、つまり「速乾性」であることが重要です。
速乾性を求めるなら、まず化繊のTシャツを買うことになると思います。
化繊の速乾Tシャツは、汗でベッタリ不快な状態は長続きせず、あっという間に乾いてくれます。綿100%とかだと、肌触りは抜群でもなかなか乾きません。
特に汗っかきの僕は、速乾Tシャツだけは絶対に手放せない。何枚も持ってて、普段から愛用してます。(もちろんヤマに着ていく&持ってくのはそのうち数枚ですが)

どこのメーカーのがいいっていうのは特に無いので、デザインで選んでもらってもよいかと(笑
僕は今現在に限定すると、フェニックスとかマムートとかが多いかな。。(特に理由は無いですが)
 

化繊のシャツは、化繊自体に開発コストがかかってるので値が張ります。
その点オススメはユニクロです。なんてったって安いので、最初はユニクロまとめ買い!でしょーか(^ ^;;(僕も使ってましたよ)

寒い時期は、Tシャツの上からさらに保温性のあるアンダーウェアを着ます。
特に冬は、ファイントラックの超薄手のシャツの上に、パタゴニアのキャプリーン3か4(←写真)を着ます。
パタゴニアのキャプリーンシリーズは、化繊ながら肌触りが抜群にいいので気に入ってます。

化繊の弱点についても書いときますね。
まず、洗濯したらダマになることがある。まぁつまりは傷みやすいものがあるってことですね。
特に擦れる部分なんかは傷みやすい気がします。

あと、これは僕みたいな人に限られることなんですが、、、温泉のニオイが取れません(爆
湯上りに化繊のシャツを着ちゃうと、テキメンにニオイが移ります。
濃い目の温泉だと、ホント柔軟剤でも取れないですね。何でなのか良くわかりませんが。
僕の研究(!?)だと、酸性の温泉が特にヤバイです。
そこらの日帰り温泉なら気にすることないですが、成分の濃い温泉の場合は、湯上りは綿とかのシャツを着たほうが無難ですよん。


【ミドルレイヤー】

中間着のことで、インナーレイヤーが汗を吸い取る役割を担うのに対し、ミドルレイヤーの役割はズバリ「保温性の確保」です。
夏はTシャツだけで十分てことも多いですが、春秋になるとこのミドルレイヤーは必需品。(夏でも携帯は必要)

身近なものとしてはフリースですかね。
フリースって言っても、ごわごわの分厚いやつではなく、ぺらぺらの薄手の軽量なフリースジャケットです。

これ着て身体動かすわけなので、動きにくくなっては意味がない。また、ちょっと冷えるなって時にだけ着用するので、ザックの中に収まっている時間もあるわけで、小さく折りたためてかさばらないことも重要。
てことで、山用にそれなりに考えられたフリースを使用することになります。
僕はマムートの薄いフリースを愛用してます。どのメーカーでも、だいたい1万円くらいからかな。
 
 
その他ではダウンですね。
ダウンもコンパクトに収納できるものを選びます。
基本的にフリースと同じ機能を求めるけど、どっちかってゆーとダウンは停滞時に着るイメージが強い。
ていうのは、同じ重さならダウンの方が暖かいからで、歩いてる時にダウンは僕にとっては暑過ぎ、歩いてる時より確実に寒い停滞時にこそ威力を発揮するから。

小さく押し潰して、ザックの片隅に入れておき、食事や幕営時に着込みます。
僕はこれまたマムートの、袖無しのベストを愛用してます。

ここまでのフリースやダウンは、いわゆるインサレーション(断熱)といわれる部類で、その他にもミドルレイヤーとして考えられるウェアはたくさんあります。それこそ長袖の山シャツ(あのチェックのネルシャツみたいな)もミドルレイヤーになるだろうし。
インナーで紹介したパタゴニアのキャプリーンは、一番厚手の4番ともなると、ほとんどミドルレイヤー的役割になります。

最初の一枚なら、やっぱフリースをオススメしますね。


【アウターレイヤー】

一番外側に着るウェアで、雨風雪から身を守る役割を重視します。
また、岩場や藪なんかで身体にキズを負わないための鎧の役割もあるので、総じてハードシェルみたいな呼ばれ方もします。

どこの山に行くかによって大きく変わるのがアウターレイヤーで、岩山をクライミングしちゃうような人は本当にハードなハードシェルが必要でしょうけど、、、僕みたいな山歩きレベルであれば、そこまではおそらく必要無いと思います。
なので僕の場合は、レインウェアとして使っているマムートのジャケットを、アウターの代わりにしています。
てゆーか、マムートのプロシェルアルファジャケット自体、ちょっとしたハードシェルとして位置付けられてたようなモデルだったので、全く不足無しかと。

よく考えれば、雨風雪から身を守るって、言い換えればレインウェアの機能そのものでもあるわけだから、使い分ける必要性もあまり無いですね。
ただ、先に書いたように相手が岩や氷の場合は違う次元のハナシになるので、あくまでライトなトレッキングでの話。
ハードシェルは折りたたんで収納しづらいので、必要な山行専用にならざるを得ない。
本当に必要な頃は、こんなの読まなくても自分の知識で揃えられると思います(笑

・・・・・・・

と、こんな感じでウェアを取り揃えて、気候と条件によって持って行くウェアを選び、現地で脱いだり着たりを繰り返すのがレイヤリングで、山登りでの基本的なスタイルになります。
厚手の一枚より、薄手の2枚または3枚が、山では便利になります。
寒い時期になれば、ミドルレイヤーの枚数が増えるくらいで、オールシーズン使うウェアはあまり変わりません。
本気で冬山をする人は話は別ですが、、僕みたいなスノーシューハイキングレベルであれば、冬専用に特別なウェアも特には要らないと思います。寒さ対策だけですね。


あと、上記には出てこなかった、僕が使ってるウェアを個別に紹介しときます。


(ソフトシェル)

ミドルレイヤーとアウターレイヤーの中間くらいの性格のウェアですね。
アウターほど動きにくくなく、ミドルほど雨風に弱くない。
逆に言えば中途半端なので、あまり山には持って行きません(笑

山じゃ使わないけど、寒い時期のオープンドライブでは活躍します。
僕はソフトシェル歴長いんですが、昔のは風を通して寒かった。けれど、今使ってるホグロフスのソフトシェルは防風性に優れ、寒い季節でも非常に重宝してます。

ちなみに、このソフトシェルのように、山のウェアはそのままツーリングやキャンプにも使えてムダがありません。
特にツーリング時はドライビングしやすい格好でいたいし、ちょっと歩こうっていう時にも動きやすいウェアはトレッキングウェアの右に出るものなし。
なので、下界で人目についてもおかしくない程度の「オシャレ」には気を使ってます(^ ^;


(化繊ダウン)

ダウンジャケットの中身は通常羽毛ですが、この部分が化繊の綿(って言うのか?)になったジャケットがあります。
何のために?
羽毛は濡れると乾きにくく、断熱効果が格段に落ちてしまうらしいです。(ダウンが停滞時向きである理由のひとつ)
天候がイマイチな時こそ寒さに耐えたいところですが、そんな時に羽毛ダウンが使えない。その悩みに応えるのが、化繊ダウンです。

多少濡れても断熱性能が変わらないので、パタゴニアの化繊ダウンを冬場のスノーシューでの停滞用に購入しました。
面倒なのでアウターの上から羽織ってしまいますが(笑)、凄く暖かいです。雪に寄りかかっても気になりません。
唯一にして最大の欠点は、たたんでも小さくならず嵩張ること。コンプレッションかけて無理やりザックに押し込んでます。
 

ただ、ツーリング時はトランクに放り込んでおけばいいだけなので、真冬のワインディングなんかでは結構重宝します。


(ボトム)

ズボンのことです。
意外とこのボトムって何を履いていいやら、という気がしますが、ひとつ言えるのは、ジーパンはダメです。伸縮性が無いし、濡れると最悪なので。
そう言えばウェアと違ってあんまり悩んだこと無いんですが、、化繊のものを選んどけばいいんじゃないんですかねぇ(^ ^;

暖かい季節は、ノースフェイスのボルダリング用の8分丈を履いてますが、これは僕の好みなのでオススメはしません(笑(すーすーしてキモチイイから履いてるだけ(爆
寒い時期に履くノースフェイスのボトムは光電子っていう機能付きで、これが驚くほど暖かい。キャンプにもオススメですね。

まだ山には履いてってないですが、ツーリング&トレッキング用にホグロフスのボトムを新たに購入。
とても機能的でオシャレですv

スノーシュー時には、パタゴニアのキャプリーン3のタイツの上に、レインウェアのボトム(ノースフェイスのドットショットパンツ)を履きます。
寒いんじゃないか、という予想をよそに、動きやすい上に十分暖かでした。
キャプリーンは化繊の割には本当に肌触りがいいので、シュラフの中ではこれだけ履いて寝るのがとても気持ちがイイ(^ ^)
微妙に下着っぽいので、そのままトイレに行くのには抵抗ありますが(笑

   
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