津軽平野/温泉銭湯巡り


前回の男鹿半島、入道崎へのイッキ乗りの翌週、今度は青森に向かって再びイッキ!
のつもりですが、さすがに青森日帰りは勿体無さ過ぎるので、青森市内のビジホを確保してから出発することに。時期が時期だけに、余裕を見て楽しく走りませう。
 

軽く寝坊して(1泊できると思ったら気合い抜けしてもうた)、9時頃、泉ICから東北道へ。天気は快晴。冬の太平洋側は結構晴れてるんだよね。当然これが最後まで続くとは思ってもないけど。

案の定、花巻の辺りで軽く吹雪いてたけど、おおむね順調。今回は贅沢に高速使って、目的の青森での時間を十分確保するのだ。

       

盛岡過ぎると岩手山が見えるはずなんだけど、厚い雲で全く所在がわからず。逆に西根IC過ぎたら八幡平がキレイに見えた。

 

岩手山SAでブランチ、辛みそラーメンというのを食べたが、味の方はイマイチだった。

安代JCTからは山間のルート。やっぱり山は雪だった。
この辺から周囲にクルマがほとんどいなくなり、雪景色の2車線道路を単独行。路面に雪があるわけじゃないので走りに支障があるわけではない。

<<< 秋田県に入るとこ

                                               
ここでウォッシャー液が切れるというハプニング発生。雪国ではウォッシャー液を大量に消費するので、先日も足しておいたばかりなのが、先週のツーリングで使い過ぎたらしい。高速で視界不良は困るので、花輪SAで水を補給。夜間凍るかもしれないが、応急処置ということで。

大鰐弘前ICで一般道へ。
既に12時を回っている。やっぱ青森は結構距離あるわ。
ETCレーンをばしーんと通過して国道7号へ。

今回の旅のテーマは温泉銭湯巡りである。青森には銭湯的な地元密着型の素朴でマイナーな温泉が多く存在して、そのどれもが個性的でとてもイイらしい。

前の日の夜に行ってみたい温泉をいくつかピックアップしておいた。調べた住所とツーリングマップルだけを頼りに探索しなければならない。果たして何湯行き着くことができるのか?

   
                   
 新屋温泉

まずは平賀町(現平川市)の新屋という地区にある新屋温泉ていうとこにやって来た。
途中の道のりは明らかに地元の人しか使わないような道で、本当にこのまま突き進んでいいのかかなり不安になったけど、無事発見。神社のある交差点のちょっと先(って全然説明になってない)

一歩中に入れば、集会所のような素朴を地でいく飾り気の無い内装。受付(っぽい所)で世間話をしていたおばちゃんに300円(安い!!)払って脱衣所へ。

脱衣所も浴室も広い。浴室は銭湯の趣。中央に浴槽があって、そのまた中央部分に源泉が湧き出るパイプが突き出ている。

このパイプからこんこんと湧き出てくる温泉が、澄んだライトグリーンに表情を変えてタイル張りの浴槽に溢れているのだ。とにかく美しい色彩である。

地元の方々が次々と入ってくるので、使われ方としては銭湯そのもの。しかし、ほのかな硫黄臭でこの色だから、銭湯と言われてもピンと来ない。

泉質がいいのはもちろん、湧出状況になぜだか趣が溢れてて、とても落ち着いて入浴ができた。

<<< 脱衣所にある単純明快な分析表 詳しいのは別に貼ってある

飾り気はカケラも無いけど、泉質や湧出状況が素晴らしいのは、温泉の本質を楽しめる。そういった意味でこういう温泉は大好きだ。

いきなり大満足の温泉に当たった。幸先良いスタート。

泉質:含硫黄-ナトリウム-硫酸塩 塩化物泉(硫化水素型)
住所:青森県平川市(旧平賀町)大字新屋字平野84-14 MAP

           

弘前に向かって走って、再び国道7号へ。バイパス状の2車線道路を北上。

弘前市街を過ぎた頃に現れた街路樹が続く直線路 >>>

常盤村のバイパスでセルフスタンドを発見、給油。ウォッシャー液を更に補給しようと思ってたのに忘れてしまった。

 
                       
 ポパイ温泉

意味不明な外観にこの名称・・・ちょっと入りたくなるような印象を持たせてくれないが、こんなナリでも源泉掛け流しとか。
青森県はつくづく恵まれた温泉県である。

経験上こういう健康増進施設みたいのは法外な料金設定だったりするのだが、ここは何と350円である。

更に温泉がまた個性的。ここの温泉は濃くて濁りの無い焦げ茶色。例えれば濃く入れ過ぎたダージリンティーのような感じ(見た目の話ね)なのだ。

浴室は歩行浴とかあって健康温泉の名の通りの雰囲気になっている。内湯は熱めだったけど、思わず「いい湯だぁ〜」と声が出てしまったほど気持ちが良かった。何となく肌触りがキュッキュッとしそうな色合いだが、実際はかなりヌルヌルする。それもそのはず、pH値は何と9.01。強いアルカリ性の温泉なのである。

一応露天もあるけど、かなり小さめ。目隠しの塀に囲まれてて開放感も全くない。けど、かなり温めで長湯ができた。冷たい外気に頭部が冷やされてスッキリとした入浴感。露天は冬に限るね〜。
後から考えてみると今回の旅で唯一の露天風呂だったけど、それ以上にお湯の個性に印象が残る温泉だった。

泉質:ナトリウム-塩化物 炭酸水素塩泉
住所:青森県青森市(旧浪岡町)浪岡大字下十川字扇田189-1 MAP

 
 たらポッキ温泉

続いてまたまた珍名の温泉に入湯。
この摩訶不思議な名称は、温泉を運営する食品加工会社の珍味(チーたら)の商品名。

小さな温泉施設で、休憩スペースがあったりするけど基本的には銭湯に毛が生えた程度の規模。
やはり地元客で賑わっていて、路線バスでわざわざ入りにくる人までいた。

温泉は掛け流しで小さな浴槽に溢れている。お湯は薄く黄緑がかって見えるけど、タイルの色のせいでそう見えるのかどうかは判断つかなかった。湧出する源泉を飲んでみると少し塩辛い。
浴室内には、この温泉の由来やどっかの写真が壁に飾られていて、やたら賑やかな雰囲気。人も多くてゆっくりしていられるスペースが無かったのが少し残念。

     

受付の前にこの会社で作っている珍味がたくさん売っていた。どれも安価だったので思わず買いだめてしまった(もちろんたらポッキも)

泉質:ナトリウム-塩化物 炭酸水素塩泉
住所:青森県青森市大字鶴ヶ坂字田川88-3 MAP

       

たらポッキ温泉を出ると、雪が大量に降っていた。路面はいつの間にやら真っ白。しかし目指す青森市には既に入ってるので、さほど心配はしていない。国道7号に戻って北上を続ける。

7号青森環状バイパスに曲がる交差点、右折レーンに入ると信号が変わりそうな気配。前が空いてたので、ちょっと無理なスピードで進入、曲がれんのかよーと思った通り、ブレーキロックで全く減速できず、そのまま直進してしまった。。。(恥)

青森環状バイパス 市内に向かうほど積雪が増えて行く >>>

                   
 

三内丸山遺跡

温泉3湯も連続して入って、ちょっとクールダウンしたいと思ってここにやってきた。
国内最大級と言われる縄文遺跡だ。

この真冬に雪の積もりまくった遺跡に来て、いったい何が見れるんだろう??って思わないでもなかったが、とりあえず開園しているようなので、ちょっくらタイムトリップすることにした。

                   
         

薄暗いトンネルを抜けて縄文時代に Let's go ! >>>

     
   

広い園内には縄文集落があって原始の生活が・・・ってなことより、やたら厚い雪に覆われた人気のない公園って感じ。

三内丸山遺跡は5500〜4000年程前の縄文時代前期から中期にかけての遺跡で、この時代では他に例のない大集落を形成しているところが特徴的だそうだ。この時代の人が特定の土地に定着して、何らかのルールのもと集団生活をしていたというのは、考古学上かなり興味深い発見だったのではないだろうか。

まず目に入ってきたのが、この一番大きな建物。長さ32mもあって、とても竪穴住居に見えない。集会所かなんかの用途に使われていたという説だそうな。

19本の柱の間隔は、全て70cmの倍数になっているそうだ。ちゃんとした長さの単位があったという事実にオドロキ。

←中に入るとこんなカンジ(あ、復元ですからねモチロン)。縄文時代の人たちは、ここでどんな話をしてたんだろうね。
   
 

→このよくわからない櫓のような建造物は、発掘された柱穴から推定されて復元されたものだそうな。本来の柱穴は、このすぐ近くの展示室で見ることができた。

各柱穴は4.2mの規則的な間隔で、柱材はクリだったそうだ。本当にこういうカタチをしていたかは謎で、建物だったかそうでなかったかもよくわかっていないという。

どちらにしろその規模からして、ムラのシンボル的な存在だったことは確かだろう。

 

←掘立柱建物。床が地面に接地していないので、高床式倉庫を思わせる建物だ。

高床式と言えば、稲作の始まった弥生時代特有の建物だが、耕作をしない縄文人が何のためにこの倉庫をつくったのだろうか。
(住居という説もある)

 
                         
 

→お馴染み竪穴住居。何千年もの間一般的な住居として使用されてきた、ある意味もっともスタンダードな住宅建築だ。それだけ合理的だったんだろう。

完全に雪に埋もれていて、まるでかまくらそのもの。昔の人は、こんな環境の中で冬を越したのだ。

 

遺跡の閉園間際で、写真を見ての通りどんどん暗くなっていくので、急ぎ足で走り回るように園内を散策した。

深い雪に埋もれているので、除雪してあるルートでしか歩けない。しかも園内にいるのは自分一人で、先頃降り積もった雪で半分ラッセル状態。それでもなかなか見応えのある遺跡群で面白かった。

遺跡のビジターセンターである縄文時遊館も、遺跡の雰囲気を上手く表現している建物だった。

今年の夏には隣接する敷地に青森県立美術館がオープンする。建築的にはかなり注目の美術館なので開館が楽しみだ。

 
 三内温泉 三内ヘルスセンター  

その三内丸山遺跡のすぐ近くにあるのが三内温泉だ。遺跡の近くと言えども、ここも列記とした青森市内である。それでも源泉掛け流し。何度も言うけど素晴らしい温泉県である。

施設は結構大きめ。休憩室を横切り、脱衣所へ。結構混んでるみたいだ。夕食前のこの時間なら仕方ないか。で、浴室に入るとビックリな空間がそこにあった。

天井の高い容積の大きな浴室である。そこには硫黄臭が満ちていて、一種独特の空間を感じずにはいられなかった。何だろうと思いつつも、大きな浴槽に溢れる温泉に対峙する。

お湯は白濁した緑色だ。わかりにくい表現かもしれないけど、そうとしか言いようがない。無理矢理例えるならクリームソーダみたいな色。これは独特である。この個性的な源泉が、やたらと大きな浴槽にたっぷりと注がれているのが圧巻。めちゃくちゃに混んでいたにもかかわらず、全然狭っ苦しい気がしなかった。

かつ内装が独特。単に鄙びているのとは少し違う。平滑な仕上げの天井が緩やかに弧を描いている。そこに小さな四角い穴がポツリポツリと規則的に空いている。なぜだかローマ時代の公衆浴場に来てるみたいな気分になった(謎)

とにかく、独特の空間であることは間違いない。圧倒的な温泉の存在感がそうさせているのかもしれない。あまりにも気持ちがいい温泉&空間だったので、暫く寝っ転がってじっくりとそれらを味わうことにした。

泉質:含硫黄-ナトリウム 塩化物泉(硫化水素型)
住所:青森県青森市三内字沢部306-1 MAP

 

本日最後の温泉に大満足して青森市街へ。降雪が強まる中、駅前のビジホへ向かった。そう言えば、遺跡を探索してた時は一切降られなかった。その前後は大雪だったので、かなりツイてたな。

チェックイン後は駅前を散策。せっかく青森に来たんだから、たまにはいいもん食べよっと思って、「玉寿司」という寿司屋に入った。特上が2100円と格安で、しかも美味かった!これまた大満足。
言うこと無しで明日に続く。。

 
2日目 / Touring Top
 
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