若狭湾 /南国風情の日本海を行く


5時起床で速攻で撤収。道の駅シーサイド高浜に移動して顔を洗って、正式に出発。

昨日小浜から走ったR27を戻る形で東へと行く。
途中、小浜線と並行する区間では、ローカル列車と並走。
ほぼ同じような速度で並んで走る。

小浜市街は港を通って通過。町はまだ完全に目覚める前。
朝のキリリとした空気の中、小浜を通過した後は、国道162号を小浜湾に沿って走る。

   

阿納尻という交差点で県道へと折れる。

ツーリングマップルを眺めていた際に、小浜湾を形作る東側の半島、内外海半島の中心部を走るワインディングに目を引かれていた。
県道107号泊小浜停車場線と書かれたこの道路は、半島の中心部の久須夜ヶ岳の山頂近くまで伸びている。
全線眺望良好のマークに彩られているし、行って帰ってくるにしても、朝の散歩程度のワインディング走りには丁度いいボリュームかも。

                         

エンゼルライン

て思ってたら、ゲート締まっとるやんけ。
バリケードの向こうには、何やら有料道路のゲートのようなものが・・・

ここに来るまで知らなかったのだが、この良さげなワインディング、通称「エンゼルライン」というらしい。以前は有料、今は無料開放、生活道路ではないために夜間は通行禁止、っていう奥多摩周遊道路みたいな扱いの道路なんだろう。

エンジェルではなく、エンゼルなのはナゼ・・・?

     

7時ゲートオープンのところ、6:30くらいに着いたので、開くまで待ってからコースイン。
しばらくはストレート主体のコース配置が続き、最も長い↑の右の写真の直線では4速に入れたくなる。
山肌を縫うテクニカルな複合コーナー区間を走っていくと、あっという間に山頂の駐車場に着く。

駐車場って言っても何にも無いとこ。ただ本当に山頂付近にあるらしく、空の広がり方がハンパじゃない。
素晴らしい開放感を味わえる。
 
遥か眼下に日本海。・・・・ん? 赤潮発生か??
                     

山頂には2ヶ所駐車場があって、もう片方の方は相当広いスペースが確保されていた。
こちらはあらゆる方角に海を望める類い稀なる立地の駐車スペース。付け根が辛うじて繋がっているだけの内外海半島の山頂からだからこその眺めだろう。

                                 

山頂からは元来た道を戻る形になる。復路はダウンヒルステージに早変わり。エンゼルラインが描くコーナーのラインを読んで、朝イチから気持ちイイ汗をかく。

短いけど、なかなか密度の濃いワインディングなのだ。

                     
    中間点の展望の効く区間からは小浜湾を望む。
ちょど小浜湾は、今いる内外海半島と、昨日ちょろっと立ち寄った大島半島に挟まれた内海だ。地図で見ると、カニの両ハサミのような半島にすっぽり囲まれているように見える。
             
     
                       
しばらくじっくり小浜湾の眺望を楽しみながら、この先に続くワインディングロードの道筋を確認し、向かうべき方向を定める。  
アクセルとブレーキコントロールのコンビネーションを楽しみながら一気に残りのエンゼルラインを下った後は、もう一度R162に戻って、更に東へと進む進路を取ることにした。
                     

国道162号 小浜〜三方

若狭湾を構成する小さな湾の数々を紡ぎながら、海岸を沿っていくR162。
ツーリングマップルでは、相当狭い道が延々と湾に沿って続く、典型的な海沿いの酷道として描かれている。

だけど走り出してみると、R162は良く整備された2車線の道路と連続するトンネルで、そんな面影は微塵も無い。バイパスの整理が進み、かつての狭道は地元の人でも通らない旧道として放置してあるのは容易に推測ができる。

・・とか思いながら走っていると、ちゃんと昔の狭道は健在だった。こういう時に限って、今まで現れなかった対向車が出てきて気になったりして。

狭路区間と改修の澄んだバイパス区間を入れ替えながら、三方湖の手前まで来たら、本日のメインと思われる三方五湖レインボーライン方面に向かうため、県道216号にスイッチする。

波立つことの無い静かな三方湖に沿って北上すると、程なくしてそのレインボーラインの入口との分岐が現れたけど、一旦直進するルートを取った。

                             
 

県道216号 常神半島

三方五湖の先、若狭湾にひょろ長く突き出ている半島が常神半島だ。その先端の集落に向かって唯一通っているのがこの道。

いつもながらその場で地図で「ここを走ってみよう!」と判断しているのだが、この道もご多分に漏れずビビッ!とくるものがあったので、前知識も無く急遽先端までは知ってみることにしたのだ。

         
         
                                       

半島の山肌を、適度なコーナーとアップダウンで繋いでいく。
小さな湾口が現れる度に、小さな港の小さな集落を走っていく。そのどこもが釣り客で溢れんばかり。

ワインディングは果てしなく続いていくようにも思われる。
青と緑が視界を覆い、アスファルトのグレーだけが僕とエスを未知の世界へと導いている。

                           
 

それまで連続してきた港の中でも一際大きな港を通過すると、そこで道路は途切れていた。
そこがこの半島の最終到達地点、常神港だった。

県道沿いに立ち並ぶ民宿の宿泊客で、集落全体が人とクルマで溢れている感じだったが、運良く突き当たりの公園の駐車スペースが空いていたので、一旦エスを降りて軽く散策することにする。

   
県道からすぐ覗き込めるような場所で水揚げが行われていた。小振りな魚が水色の篭に詰まっている。飛び交う海鳥の鳴き声と漁船のエンジン音が、港の情緒を演出している。
山側には民宿が所狭しと密集している。
やけに「そてつ」の文字が目立つけど、何でも天然記念物の大ソテツがこの集落にはあるとか。
 
                 
その大ソテツは、民宿の庭先みたいなとこにあった。モジャモジャし過ぎてて形態が判別できないんですけど・・・
北陸日本海側のこの地でソテツが植生しているのは珍しいとか何とか。
     
 

散策を終えて来た道をレインボーラインの分岐まで戻っていく。
前半は単独走だったが、すぐにミニバンに追い付き、やがて数珠繋ぎへと発展。。民宿や釣り客が多いから、クルマも多いのは仕方ありませんな。

あまり地図上でも意識したことの無い常神半島の道だったけど、若狭湾の眺望と走り甲斐のあるワインディングが揃った良道だった。

 
   

三方五湖レインボーライン

さて、改めてレインボーライン。ツーリング本には結構登場する頻度の高い道だと思われるこの道、まずは完全観光向けの有料道路である。
ゲートに着いて初めて知った普通車通行料金は、なんと¥1000!!(正確には1020円で、20円は地元協力金とある・・意味ねー表記・・・)
10kmそこそこの道である。あまりに高額。その分交通量が少なければ、たまに来る分には文句は無いのだが。。。

のっけから運悪くバンに引っ掛かって登るハメに。。

前走車から逃れるために、最初に現れた広い駐車場で小休憩。眼前に広がる景色を前に、幾度かシャッターを切る。

新緑が茂る山肌を切り裂くようにしてコーナーが眼下に見てとれる。どこかの雑誌かなんかで見たことのあるコーナーの眺望だ。
自分とエスがあのコーナーを駆け抜けていく姿を想像ながら風景を楽しむ。

この背後にはケーブルカーが見えていて山頂の公園へと続いているようだったが、公園で遊びに来たわけではないのでパス。

 

再度走り出すと、またしても次の展望台。ここからは三方五湖が一望できた。

三方五湖というのは、常神半島の付け根にある5つの湖のこと。見方を変えれば、常神半島が根元で陸続きになっているために、囲まれた水域が湖に見える、とも解釈できる。

三方湖、水月湖、菅湖、久々子湖、日向湖の五湖は、どれがどれだか判別しないまま何となく眺める。別に何がどれだかわからないまでも、目の前に広がる景色とそこに至るまでの景色が楽しめればそれでいいのだ。

 
   
 
この展望台でコペンに遭遇。渋いブルーメタリックでカッコいい。
   
 

更にちょっと走るとまた展望台(というか駐車スペース)。クルマを停めて景色を眺め、写真を撮るには申し分の無いコースだ。

3番目に停まったここは、湖じゃなくて海側に向いているからか人気が無く、じっくりと景色を楽しむことができた。

   
   

それはそうと、今日になって愛機の心臓部から明らかなノッキング音が響いているのだ。特に3速でアクセル踏み込んだ時に、カリカリ音が耳に刺さる。

これまで散々ワインディングを楽しんできて、今まで気付かなかった、というのもちょっと信じ難い。今日になって急に具合が悪くなった!?としか思えない急変ぶり。

原因を思い巡らせてみると、案外簡単に思い当たる節が見つかった。昨日入れたガソリンだ。

昨日ほとんど空タンクに近い状態で入れた、マキノの国道沿いのハイオク。
残量に余裕ある時は、昭和シェルのスタンドを選んで給油しているのだが、昨日は見つからず、別メーカーのスタンドで給油したのだ。

   
 

そのメーカー自体は国内有数の有名銘柄なのだが、入れた場所が家族経営的な非常に小さなスタンドで、今考えれば本当にちゃんとしたハイオクが提供されているのかな?と思われるような所だった。あまり考えたくないが、ハイオクのつもりがレギュラー入れられてたということも・・・(レシートはちゃんとハイオクになっていた)

いつもシェルなのでECUが学習してしまっているのも要因だったかもしれないが、おそらく原因は今タンクの中にあるガソリンの質だろう。

今更どうこうできないので、とりあえず使い切っていつものピューラを入れて確認するしかないな。

                                       
そんな一抹の不安を抱えつつも、三方五湖レインボーラインを走破。やっぱり短かった。。
県道&農道経由で国道27号に出て、またすぐに県道33号へ。敦賀半島へと向かうシーサイドロードだ。

県道33号 敦賀半島

美しい砂浜の海水浴場が並ぶ敦賀半島の西海岸から、馬背峠で半島を横断、東海岸を南下して敦賀の気比の松原へと至るコース。
ハイライトはやはり前半のシーサイドロードで、ダイヤ浜とか水晶浜とか、いかにも!って感じの浜が連続する。

 

中でもキレイだったのが水晶浜。
白い砂浜、水色で透き通った海。ここどこ??って思わず疑いたくなるような景色が眼前に広がっている。
ここは日本海で北陸敦賀の海、なんてことを意識しなければ、ほとんど南国の海と偽ってもおかしくないような、そんな海と浜と空が迎えてくれている。

写真には写ってないけど、この右手遠方には、高速増殖炉もんじゅが見えてたりするのだが。

   

馬背峠のワインディングは全区間クリアラップだったけど、背後のクルマが猛烈にプッシュしてくるので、こちらもそれなりのペースで走り抜けることになった。

峠を越えて下りになると、テクニカルなコーナーが連続する。
前回の白馬ツーリング終盤で調整した減衰力を、今回そのままの状態で走っているのだが、確かに姿勢変化は多少なりともしにくくなる。
ただこういう峠道をハイペースで流すと、結局はこれでもロールは多く感じられるので、今の仕様でバランスがいいのは一番ソフトに振った減衰なのかもしれない。

     
 

敦賀市街は、気比の松原を通ってモロに市内を通過し、気比神宮前で国道8号にスイッチした。ここからは更に北上のルートを取る。

R8はさすがに交通量が多く、バイパスの合流点では少々待たされたりした。そろそろ頭上の陽も強くなり始めていたので、コンビニに寄って水分補給。

                     
   

すぐさまR8に復帰し福井方面へと走行再開。
この辺りのR8は断崖上のシーサイドロードで、交通量は多いもののなかなか気持ちがいい。

と思いきや、杉津で早くもR8と別れを告げる。
内陸に入っていくR8を避け、ひたすらにシーサイドロードを求めていく。
今日はとことん若狭湾のシーサイドドライブを極めるのだ。

                       

河野海岸道路

杉津から河野に至る海岸沿いの有料道路。
ここも10kmもない非常に短い道路なのだが、通行料金¥890の高額有料道路である。福井の有料道路はどこも暴利だなぁ。。まぁその分混雑せずに、静かにドライブと景色を楽しめる、って利点はあるわけだけど。

ちなみに河野海岸有料は、来年(平成20年)10/1に無料開放されるそうな。

 

予想通り走ってるクルマは少なかった。
単独走でフラットな海岸道路はいくらでもペースが上げられそうだが、高額な有料道路をあっという間に終わらせるのはいかにも勿体無いという貧乏根性がはたらいて、のんびり緩やかにシーサイドロードを堪能する。

あまり停車するようなポイントもないが、うまい具合に路肩が広がってる部分を見つけ、路肩の小さな堤防の上から若狭湾越しみ見える敦賀半島立石岬を眺める。

コースレイアウトはシーサイドロードというだけで特筆すべき点は特に無い。北陸の道路にありがちな、少しざらついた舗装面が海面と一定のレベル差を保って伸びている。
ゆえにアップダウンも皆無に等しく、それを楽しむなら断崖上のR8を走る方がいい。

敢えて特徴を挙げるとすれば、一部橋で海の上を走る区間が用意されてるってことくらいか。

 
 

純粋にこういう道を楽しめる人には価値のある道路だけど、そうでない人にはただの高額な暴利道路にしか感じられないだろな。
ワインディングというとちょっとイメージが違うけど、気持ちイイ道であることには違いない。

 
この日みたいな天気のいい日には、R style的にはオススメしてもいい道かな。
       
 

国道305号 越前海岸

河野海岸有料が終わった後は、やはり海岸線を行く国道305号をひたすら北上していく。
越前海岸に沿うこのルート、ところによっては日本海の海岸沿いらしく、トンネルで断崖をくり抜いていく。

その中のひとつ、呼鳥門に立ち寄ってみたが、観光客で騒々しくイマイチ。国道がこの下を潜っていた時代なら迫力を感じただろうに。。

         
 

越前海岸はひたすらに長く、そして真昼の太陽が容赦無く照り付けて暑く、気合いの走行。それ以上にひたすらハンドルを握っている時間が気持ちイイわけだが。

三国の福井港で越前海岸は終了、らっきょう畑を眺めながらストレートをズバッと走り切ると九頭竜川を渡る。
渡り切ってすぐに左に折れると東尋坊なわけだが・・・

                           
 

ご覧の通りの大渋滞で近付くことはもはや不可能。(まーベタな観光地だしねぇ)

それほど思い入れのある場所でもないのでさっさと引き返し、国道で迂回。再びR305を走り続ける。

   

芦原まではどことなく混雑していたが、北潟湖沿いの長閑な区間はゆったりと流れていた。
やがて石川県に入って、今回のテーマだった若狭湾の福井県はおしまい。

大乗寺を通過した後、国道8号に復帰。金沢方面へと走り出すが、ここで渋滞にハマる。
渋滞は小松バイパスが始まるとこまで続いた。

                         
       
         

小松バイパスからはすーすー。信号の全く無いバイパスで、一気に距離を稼ぐ。
金沢バイパスに切り替わって2車線になり、更にペースは上がる。あまりの天気の良さに当然紫外線も強くて両腕がヒリヒリなので、オープンのまま冷房つけて火照った腕を冷やしながら走る。

野々市で若干混雑したものの、ペースに大きな影響も無く、北陸道下のバイパスで金沢通過。

     
金沢東ICの国道沿いで本日の給油。今度は幹線道路沿いの大きな昭和シェルのスタンド。これでノッキングとはオサラバできるか!?

森本から国道304号→国道359号で県境越え。
道幅の広いハイスピードな峠越えで富山県入り。石川県は完全スルーした形だ。また今度改めて再訪してみたい。

小矢部から砺波は、典型的な散居集落を眺めながらのドライブ。
砺波市街はチューリップフェアで混雑してたけど、もう帰り時の時間なので、それも一過性の混み具合。

そのまま庄川渡って神通川渡って、富山市街をぐるっと迂回してまたまた国道8号へ。

時間は17時過ぎで、ゴールするにはいい時間。富山の実家に顔を見せてく予定だったので、丁度夕飯前のいい時間に辿り着くことができた。

・・・・・・

     

富山から帰京したのはGW最終日。この日は何も特筆すべきことも無く、滑川ICから練馬ICまで高速でイッキだった。

最終日の混雑を避けて昼間に移動。
唯一のトピックは、糸魚川の蓮台寺PAにて30000km到達ってとこ。まー早いこと。。。

我ながらちょっとどうかなと思うくらい最近走行距離が伸び過ぎなんですが、今回のツーリングに限って言えば、総走行距離は1460kmだった。
これまでエアポケット状に訪れていなかった若狭湾周辺を攻めてみたわけだが、素晴らしい天候に恵まれて、終始気持ち良いドライブができた。そこに尽きる、それがイチバン、そんな感じ。

今年のGWはこんなカンジで、いつもと比べると小粒のツーリングを2度行ったことになる。
偶然、前半は山の章、後半は海の章、というふうに対照的な風景とワインディングを楽しむことができた。結果として、例年に引けを取らない中身の濃いツーリングができたような気がする。

長い旅じゃなくても思い出に残る旅を創ることができた時の充実感は、何物にも代え難いですな。

追記:金沢で給油した後はノッキング音は出なくなった。給油は場所を選ばなきゃダメだね。

 

おしまい

 
1日目 / Touring S2000
 
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