早朝5:30過ぎ、道の駅「錦秋湖」を出発。国道107号から県道320号、県道40号と乗り継ぎ、国道342号を急ぎ足で南下していく。
この道をこのまま走り続けると、栗駒峠を経て一関の方に向かっていってしまう。
北陸の方に向かうには、当然日本海側を目指さなければ遠ざかってしまう一方なので、並行する国道を横切る形で鬼首道路に向かうことにしました。
 
                       

栗駒峠の山道に入る前に、隣を並走する国道398号に入るため、地図上で県道323号を確認して狭い地道を入っていく。

これが失敗だった。
地図上では県道の表示。ダートの記載もなかったが、実際はほとんど誰も使わないような林道。しかも未舗装路。砂利は大きく踏み固められてもいないので、グリップが極端に落ちる。すれ違いも困難だ。

                       
 

狭いのは別にいいんだけど、未舗装はできるだけ避けたいんだよなぁ。
EK9は市販状態でもかなり車高が低いクルマ。お世辞にもダートが得意なクルマではありません。

ところで、写真をよく見ると、あれ?クルマが傾いてませんか??

そうです。やっちゃいました。
前から来た対向車とのすれ違いを、横着してそのままやり過ごそうとした結果。
急ぎはやる気持ちが正確な判断を鈍らせてしまったんだと思います。明らかに無理なすれ違いだった。少し戻ればよかったものを。。不覚。。。

もう完全に腹がつっかえてしまってるので、もう押せども引けども動きません。道路脇は高さはないものの川になっているので、下手に動かそうとしたらそれこそ帰れなくなるかも。。
なので、悪あがきせずJAFを呼びました。

さすがに辺鄙な場所なので、待つこと1時間、2トン車でやってきたJAFの若い隊員(ていうのかな?)は、状況を見るなり「危ないとこでしたね」と私をビビらせながらも手際良く牽引ロープを引っ掛けて、落ちかけたクルマを見事に引っ張り上げたのでした。

軽く世間話をしながら笑顔で私を見送った彼に何度も感謝の意を伝えて(会員なのでお代はとられません(嬉))、さらに続く砂利道を、今度は慎重に進む。
地図に描いてある以上に長く感じたなぁ。ようやく舗装路に出てきた時は、さすがに力が抜けました。
しばらくはシャシーに引っかかった石ころが、音をたてて落ちていくのが聞こえる。
ちょうどオイルパンの辺りでつっかえたので油圧が心配だったが、幸い何ともないようだ。
家に帰ったら一度点検しないとなぁ。。。

   

気を取り直して、国道398号から今度は県道51号に入り、川原毛地獄に向かいます。

川原毛地獄はその名の通り、草木の生えない荒涼とした風景が広がる一帯のこと。それはそれで見ごたえあるが、今回ここに向かった目的は川原毛の温泉に入ること。
とは言っても、これまでのように温泉宿に日帰り入浴しに行くわけじゃありません。
どういうことかというと・・・

   
   
   
     

川原毛の駐車場から歩くこと15分、そこには豪快な滝があります。
この滝の水、触ってみると暖かいことからわかるように、実は温泉なんですねぇ。つまり、天然の滝壷が湯船になった、何とも野趣溢れる豪快な温泉なのです!(写真じゃよくわからないと思うけど、実際はもっと迫力あるんですよ!)

本州にもあるんですよ。あのカムイワッカのような温泉が。

               
         
               
  すでに9:00頃になっていたので、先客がたくさんいます(空いてるとき入ろうとしたから急いだのに(涙))。  

ほとんどが水着を着て川遊びしているような人たちばっかり。温泉はやっぱり全裸で入らな気分が出ん!ので、タオル1枚で滝壷に滑り込みました(一応水着は持ってきていたが、やっぱりやめた)。

お湯は熱くはないですが、寒くなるほどぬるくもない。ちょっとぬるめという程度かな。
ここはいつでも入れるわけではなくて、夏じゃないと冷たくて入れないそうです。また、大雨なんかの後もダメらしい。 来てみないと入れるかどうかわからないので、今回はかなりラッキーだったような気がします。

滝は天然の打たせ湯?のようですが、この落差なのでまともに受けると腰が抜けそう。
ていうか、水飛沫が目にしみてまともに目を開けていられません。これは温泉が強い酸性だからで、今まで入った中では玉川温泉の次くらいに強烈な酸を感じました(飲むとすっぱーいレモン味。おいしい(笑))。駐車場にはちゃんと泉質分析表もあって、結構本格的な温泉です。

  下の滝壷でも十分楽しいですが、私のイチオシは上の滝壷(写真矢印の部分)。ここが最高!!
仰向けになって滝を眺めたり、寝そべりながら下の滝壷の様子を眺めたりしてお湯に浸かっているのが最高に気持ちいい!普通では考えられないシチュエーションがそう感じさせるのでしょうか。
人ひとり入るのがやっとのスペース(2人でもいいが、男同士では入りたくない大きさ)なので、混んでていても一人占めって思えるのがまたいいですね。
 

こんな川原毛大湯滝ですが、想像以上に人気があってひっきりなしに人がやってきます。見物人もいて、シャイな人にはなかなか難しいかもしれないですが、入っちゃうともうどうでもよくなります(笑)。

遊園地のプールのような状況に思えなくもないですが、温泉そのものも素晴らしいので評価は高いです。女のコも入ってます(もちろん水着ですが。あ、夏場だけ簡易脱衣所があります)。

近くに来たら是非来てみてほしいな(カムイワッカより全然ラクな道のりだし)。来たら絶対入りたくなります。

   

川原毛からは県道310号を利用して鬼首道路に抜ける。
この道には途中、川原毛地獄を見渡せる展望台があります。

道は1.5車線の典型的な山道で、コーナリングが楽しい。
タイトなヘアピンコーナーが連続する区間もあり、なかなかタフなコースだ。

 
鬼首道路(国道108号)に出たら、鳴子温泉方面に南下を開始。
高規格のこの道路は、トンネルでストレートに山を串刺しにするハイウェイ。運転してても面白くないが、こういう時間がないときにはありがたい存在だ。
この後、鳴子温泉から国道47号で新庄市に向かい、最後の給油を済まし、最上川沿いを鶴岡市に向かう。  
                   
               
                 

最上川の流れに沿って気持ち良く走っていると、メーターが77777kmに。思わず激写。

思えば、66666kmは春の四国ツーリング、高松での達成だった。
あれから5ヵ月ほどしかたってないのに、距離が増えるのって早いなぁ。人間の年と同じだ(汗)。

庄内平野を突き抜け、鶴岡市の市街地を過ぎると、あとは出発した日に通った道を逆向きに走っていく。

笹川流れは海水浴客でごった返していた。
今日は決して暑くはないが、5日前は台風だったことを考えるとそれだけで懐かしく思えてしまう。

瀬波温泉あたりからぽつりぽつりと雨が落ち出し、日本海東北自動車道中条ICから高速に乗る頃には完全に雨天となってしまう。
雨に始まり、雨に終わるか。。。


中条ICから富山の実家の最寄、滑川ICまでは豪雨の中、一気乗り。これが効いて、家に着いたのは19:00頃。意外と早く着いた感じかな。昨晩は岩手県にいたのがウソみたいだ。

 

ということで、今回青森は津軽半島、下北半島、十和田・八甲田エリアを目指したロングツーリングはおしまいです。
いや〜大満足でした。東北ってやっぱりいいですねぇ〜。
極上のワインディングと極上の温泉、この2つがばっちり揃っている素晴らしいところでしたよ、青森は。
さすがに本州最果ての地なのでなかなかおいそれとは行けない場所ですが、これだけの魅力が詰まってるんなら、無理してでもまた行きたいなぁ。

それにしても、どこ行っても観光客が多かった。それも首都圏ナンバーの自家用車が多いこと。青森ナンバーと同じくらいいたんじゃなかろうか(さすがにそれはないだろうが)。
こんなところまではるばるやってくる人がこんなにもいるものなのかと、正直驚きました。私のような一人旅ならまだしも、ほとんど家族連れor2人の普通車(やっぱりミニバンが圧倒的に多い)。カーナビ全盛のこの時代、普通の人でもラクに遠出できるようになったんでしょうかねぇ。

それでも、それを受け入れるだけのキャパシティがここにはあるので、窮屈な思いはしません。道路が混んでいると言っても十和田・八甲田の一部だけだし、駐車場に困ることもない(酸ヶ湯は別かな)。ついでにいうと、野宿にも困ることがないのもいいね。
青森県は相当観光に力を入れているようで、県内の幹線道路には有名な観光地への距離を示す表示や、トイレが設置された駐車帯が数多く設置されてます。これも八戸新幹線効果!?

温泉は予想通り大変素晴らしかった。
今回はとにかくここだけは押さえておきたいというような温泉を片っ端から入った感じですが、どこの温泉も個性的でひとつひとつに満足できました。
今回行った青森県内の温泉の中で、敢えてイチオシするとすれば、やはり青荷温泉。今度はぜひ泊まりに行きたい!単純泉ですが、この温泉宿の雰囲気は素晴らしいの一言に尽きます。
マニアな向きには恐山温泉。この素朴さとシチュエーションがたまりません。
まぁどれも最高レベルの温泉だったので、どこに行っても満足できるかとは思いますが。ちなみに、蔦温泉以外はすべて混浴がありました。これも混浴上等の土地柄なんでしょうか(元々湯治宿だからだよ)。

ワインディングベストは、龍泊ラインかな(計3本も走ったし)。あと下北の国道338号も良かった。
青森は四国と違って、2車線でしっかり整備されている道路が多いので、安心して走りを楽しむことができます。その分スピードレンジが上がりがちになるので、そこんところは十分注意して、自制しながら楽しみましょう。

総走行距離は2770km(富山まで)。平均燃費は12.59km/l。高速は新潟まわりなので安かった(練馬IC〜新潟西ICは6950円)し、宿泊にかけたお金は滝ノ沢キャンプ場の350円のみ。その分私にしては結構いいもん食ってましたが、全体的にはお金のかからない旅だったというのが率直な印象。
四国行くより断然安い(高速代が違い過ぎる)。これならまた行ける。時間さえあれば。

そんなわけで、今年の夏休みはとっても充実した時間を過ごすことができました。
また行っちゃうよ、東北。
それでは、また。

 

追伸:
後日、クルマの下に潜って打ちつけた下回りを点検したところ、致命的なダメージはありませんでした(そんなのあったら帰って来れなかっただろうけど)。
ただ、オイルパンやフロントのロアアーム、スタビライザーが傷だらけに(涙)。
まぁこんなくらいで壊れはしませんが。。
クルマがかわいそうなので、あんまり変な道には迷い込まないよう気を付けます。。。

 

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