中国山地横断Touring
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4日目 三瓶山北の原キャンプ場の朝。 |
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昨日も訪れた、南側山麓の草原地帯へとやってきた。 それはそうと、三瓶山てどこかで見た山のカタチにに似てるなと思ってたのだが、その景色は田代平から見る八甲田の雰囲気にそっくりなのだということに気が付いた。 三瓶山も八甲田も、複数のピークからなる総称。どちらも周遊が可能な道路が通り、木々の隙間から眺めたり、草原の直中に立って眺めたりというシチュエーションも似ている。 |
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三瓶山を県道40号で離れることにする。県道40号と言っても、昨日アプローチに使った道を戻るわけではない。三瓶温泉街から南の方角、美郷町方面へと続く道である。 前回訪れた時もこの道を通り、千原温泉へと向かっている。でもほとんど記憶には残っていなかった。 |
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美郷で見つけたポプラで朝食タイム。 最近はキャンプ場で朝食を摂ることはあまりなく、起きたらさっさと片付けて走り出すのが定番のスタイルになっている。 |
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ツーリング中は、起きたらすぐにでも走りたい欲求に駆られるのは今も昔も同じ。車中泊中心で走っていた頃の名残なのかもしれない。 | |||||||||||||||||
美郷からも県道40号を走ることにしたが、今度は蛇行する江の川に沿う景観よろしきルートとなった。 |
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山陰地方を代表する河川である江の川はさすがの存在感。JR三江線も道路に絡むようにして並行しているのだが、こっちはほとんどその存在感がない。 | |||||||||||||||||
たまに見かける駅もホームしか無い無人駅。すれ違う列車も1両編成。山陰の山中ではこれがアタリマエの風景なんだろうな。 水量豊かな江の川と絡むようにして県道を進む。 町を通過すると、それまで左岸を走っていたのを右岸に切り替え、やがて国道261号に突き当たった。 |
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川本から出ると、暗い渓谷沿いの道となる。江の川とはさっきの国道交差点で別れているので、その支流の渓谷だ。 渓谷はそれほどは長く続かず、やがて平坦な盆地の道となる。陽は登り、走り始めの頃よりはかなり眩しさを増している。 |
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道の駅「瑞穂」でトイレ休憩。 道路に出たら、たまたまブルーのロードスターを追いかける形になったが、すぐに脇道に入っていったのでオープンカーランデブーとはいかなかった。 |
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平坦で走りやすい道路を程々のペースで走り抜けていく。 走っている間ずっと高速のICの看板が出ていたが、やがて大朝ICの入口に突き当たった。 |
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R261との蜜月はそれからしばらくも続いたが、国道433号が分岐する所で別れを告げた。 ここからはしばらくR433にお付き合い。 |
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さすがの400番台国道、一気にローカル色は深まり、本当に国道だか怪しい感じが増してくる。連れ立って走るクルマももちろんいない。 | |||||||||||||||||
なだらかな分水嶺の峠を越えたところで、道端に大きな灯籠を見つけてエスを停めた。 | |||||||||||||||||
停まった場所の山側には、雰囲気の良い石段の先に神社があった。八幡宮と書いてある。 どれほど由緒あるお宮かはわからなかったが、そこにある空気感には魅せられるものがあった。 |
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晴れた明るい空の下、木陰に覗く社の佇まい。夏の休日を思わせる風景は、自分の原風景に近い。 それゆえ、懐かしさを帯びた感情に浸ることになったのだ。 |
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目線を反対側に向けると、山に挟まれた田園地帯が広がり、そこでは田植え作業の真っ最中だった。 農村ではGWだろうが関係がない。季節の移り変わり、気温の変動によって、1年のスケジュールは決まっていく。 |
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八幡様の目の前で田植えの風景を眺めながら、しばらく羽根を休めた。 その後のルートを地図で確認すると、辿ろうと思っていた県道との分岐を通過してしまっていたことに気付いた。どうもさっきの分水嶺の手前で右に折れる交差点があったらしい。 |
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そんな表示あったかなと思いつつ引き返してみると、わかりにくい分岐が確かにあった。 そこからは予定通り、県道40号を行くことにした。 |
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県道40号はさっき三瓶山からR261まで走った番号と同一だが、あれは島根県道だった。ここは広島県であり、同じ番号でも県違いなので全く違うルートである。 |
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途中スキー場の目の前を通過するので、そのアプローチ路なんだなと思ったが、快走できるワインディングロードとしても名乗れるだけの魅力があった。 | |||||||||||||||||
この日いくつもスキー場を目にすることになったが、山中とはいえそれほど標高の高くない広島県内のこの辺りで、スキーができるほどの雪が降るというのは、なかなか想像がつかない。 東京からずっと西の方、九州の近くへとやって来たという気持ちの前提があるので、ゲレンデが賑わう真冬の風景がまるで思い浮かばないのである。 |
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そんなことを考えながら走っていると、あっという間に国道186号に突き当たった。これを左に折れて、再び進路を南に取る。 地図からはダム沿いの山道のような印象で、まぁそれは確かに間違ってはいなかったが、何と言うか、凄く高所感のある山道が続くことになった。スカイラインを名乗ってもおかしくないような、山岳ワインディングロードである。 |
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最初は山の峰の形状に沿って、細かいコーナーをいくつもクリアする典型的な山岳路だったが、2つ目の大きなダムに差し掛かると、今度はトンネルで山を串刺しにするハイウェイと変化した。 ある意味、山岳ワインディングの典型的な部分を短区間で味わえるルートであるとも言える。 |
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ダム下の加計を通過し、戸河内へと向かう。 戸河内という地名は、中国自動車道のICで覚えのある地名。東京方面から走ってくると、広島への分岐を過ぎてトンネル区間が連続する、取り立てて特徴のない山中にひょっこり現れるICという印象なのだ。 高速上でしか知らない地名の場所に、いろんな道を乗り継いで辿り着いたことで、今回の旅のキッカケとなった最初の思いをひとつ達成したのかな、という気分になった。 |
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その戸河内ICに入る交差点で、国道191号に入る。 この交差点周辺がやけに賑わっていて、道の駅「来夢とごうち」を中心に、何かの公共施設やら大型店、コンビニ(久しぶりにセブンイレブン)やら出店やらと多くのスポットが密集し、このエリアを訪れるクルマで周囲はごった返していた。有名観光地を思わせる盛況ぶりだった。 |
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道の駅の駐車場は、そもそもそれほどの許容量がなかったので既に満車。その向かいのコンビニと出店側の駐車スペースに停めた。 | |||||||||||||||||
道の駅ではなく出店の方を覗いてみると、地元の方が切り盛りする地元の食が売られていたので、つい鳥の炭火焼をおやつに、後ほどの昼食時にと田舎寿司を購入。 気温もどんどん上昇して暑いので、上着を脱いで出発。R191で再び中国山中へと走り込んでいく。 |
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と気合いを入れたのに、すぐに気になるスポットが出てきてしまった。 中国山地の名称として帝釈峡と並ぶ三段峡である。 |
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すぐに大きな駐車場を見つけて入ってみると、だだっ広いその場内には1台しかクルマが停まっていなかった。 | |||||||||||||||||
アレ?三段峡って名勝なんじゃないのかなと不安になった。さっきの戸河内の賑わいの後だから尚更である。 駐車場の管理人が言うには、入口まで多少歩くそうである。まんま畑の畦道を歩いていくと、どこの地方の観光地にでもありそうな土産物店が立ち並ぶ通りに出た。その近くに駐車場があり、そこにはちゃんとクルマが停まっていた。「第一駐車場」という表示に騙されて、一番離れた所に停めてしまったみたいだ。 |
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三段峡 三段峡の入口で案内地図を見てみると、渓谷の巨大さ(というかエリアの広さ)に初めて気が付いた。 近くにいたバスの運転手が言うには、ある程度見所を歩いて見るだけで1日仕事になるらしい。標高差も大きく、見れば見るほど完全にトレッキングである。 今回の旅はそれほど歩く準備をしていない上、そもそもここでそんなに気合いを入れて歩くという気持ちの準備も時間も想定していなかったので、設定された周遊ルートを歩くという選択は消すことにした。 バスの運転手はしきりに自らが運転する回送バスに乗れば効率良く回れると言っていたが、そのバスに乗って山道を延々行く時間が勿体無い。かと言ってせっかく来たのに引き返すのも勿体無いので、ここからちょろっと歩いて適当な所で引き返すことにした。
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三段峡の名所と言われるスポットはほとんど見ないことになるが、別に人が決めたスポットを見なければ行ったことにならないという理由は無い。 自分で決めた範囲内で渓谷を歩くだけでも、その魅力は体感できるんじゃないかと思うのだ。 |
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かくして三段峡へ。一応ここが正面玄関?のはずである。 最初から深く刻まれた渓谷の岩肌に設けられた歩道を歩くことになる。 |
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途中には大きな滝がある。 その他にも、渓流の流れが狭まって速くなったり緩やかになったり。 |
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水面は美しく輝き、新緑が映えた。入口からいくらも歩かないまでも、渓谷の道は充分に爽快な気分にさせてくれた。 | |||||||||||||||||
三段峡の名所は、その名前にもなっている三段滝と二段滝、のような印象を受けさせられたが、こちらからアプローチするには標高差も大きく時間もかかり過ぎた。 そっちの滝に行くには、別の入口を利用した方が便利なのである。 | |||||||||||||||||
そんなことも全く知らないまま来てしまったので、一番の名所に行かないことになり中途半端に見えなくもない。しかし、そこに来たという事実を作りに旅をしているわけではないのだから、そんなことはどうだっていいのだ。 大切なのは、自分がいま目の前にある景色を見てどう感じたかということなのだから。 |
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渓流沿いの遊歩道を歩いているとどこまでも深入りしていきそうだったが、来た道を戻らなければならないので、適当な所で引き返すことにした。 さすがにGWだけあって、家族連れのハイキング客に会うことも多かった。 |
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帰りは帰りで逆方向から見た渓谷の景色を楽しみながら、来た道をそのまま戻り、相変わらずガラガラなままの大駐車場で再びエスのコックピットに収まった。 | |||||||||||||||||
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国道191号に戻って更に先へと進んでいく。 すぐに豪快な登坂路が始まる。 |
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さっきの三段峡入口から出ていたバスは、大きな登坂路を伴ったR191をここまで走って、更に渓谷の奥まで行くわけである。 どんだけ時間かかるんだろうと気が遠くなる。乗らなくて良かった(^ ^; |
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周囲が林に囲まれ爽やかな青空が視界に広がるようになった頃、R191から大規模林道に折れた。 今回の旅ではちょくちょく登場することになった広域農道の類。今日も行き先とは関係なく、走ってみたいから走るのである。それがR styleツーリングの原点なのだから。 |
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大朝鹿野林道 幅広の2車線で、独特のザラザラした舗装面は、一次産業向けという名目で造られたこの類の道路の特徴なのかもしれない。 どこまで続くんだろうと不思議に思わずにはいられない、豪快に山を切り取り延びていくフル2車線の高規格な道路。地形に忠実にアップダウンとコーナーを繰り返すので、結果的にとっても楽しいワインディングロードになる。しかも走ってるクルマも皆無に近い。 |
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そんな道路のひとつと目される大朝鹿野林道も、走り始めからその期待を裏切らなかった。 林道という名に隠されたその正体は、ひたすらステアリングとアクセル、ブレーキをシンクロさせて走るのがこの上なく楽しいワインディングロードだった。 |
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そうやって走っていると、ふと道路端にそこそこ奥行きのありそうな公園のような広場を見つけた。 真ん中にちょっとした東屋がある他には、多少植え込みがしてあるくらい。奥にトイレと水場が見えたので、まるで簡素なキャンプ場そのものという感じ。 |
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しかし、キャンプ場という文字は一切無く(キャンプ禁止とも書かれていない)、ただ「緑の広場」という名のもと解放されている緑地のようだった。 | |||||||||||||||||
一瞬のヒラメキで、ここでお昼にしようと企んだ。先ほど、戸河内の道の駅の前の出店で、田舎寿司を買っていたのだ。それをお弁当代わりに、東屋でコーヒーでも入れてのんびりしようと考え、エスを停めることにした。 緑地は誰にも認知されていないが如く寂しいものだったが、かなりのお金をかけてわざわざ整備したのがありありとわかるものだった。 |
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東屋で食した田舎寿司は相当に美味しかった。 |
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ジェットボイルで入れたインスタントコーヒーもだ。 | |||||||||||||||||
最近発売されたスタバのインスタントコーヒーを今回持参しているのだが、豆から淹れるコーヒーには及ばないものの、こういう速攻性を求められる場面でそこそこの味を追求するには高バランスである。要は、お手軽な割に美味い(^_^) | |||||||||||||||||
食事を終えて回りを偵察すると、水芭蕉が群生する小さな湿原があった。あるものと言ったらそれくらい。 水もあるしトイレもあるので、キャンプは充分にできそうだったが、それが良いのかダメなのかは定かではない。 |
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そうこうしているうちに、同じように東屋でお弁当を、という老夫婦がクルマで現れた。その2人と入れ替わるようにして出発の準備をしていると、今度はロードスターのツーリングチームが現れ、公園で昼食兼オフ会?の準備を始めた。 意外と人気があるのか。誰も知らないんだろうな、と勝手に思い込んでいたのだが。 |
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大朝鹿野林道を再び走り出す。 ところで、先ほどの緑の広場、その先にも似たような空き地が名を変えつつ何カ所も出現した。 |
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林道は、国道186号に突き当たって終焉を迎える。 この道を今度は反対方向に進み、すぐに県道307号に折れた。この道で再びR191へ。三段峡付近のR186とR191を行ったり来たり。端から見れば、まったく目的地のわからないメチャクチャなルートである。 |
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でも、ツーリングでは走りたい道があるからそこを走るわけで、まるで無駄な仕草だとは思わない。 好き道を好きなだけ走ることが理想なのだから。 |
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R191に戻るとすぐに島根県に入った。 イベントの大音響が鳴り響く道の駅「匹見峡」の真ん前で、またまた県道307号へ。 |
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その渓谷、匹見峡へと続く県道は、道路脇に花が咲き誇り、カラフルで美しい景色が展開した。 GWの中国地方の旅は、ちょうど花の季節ということもあり、行く先々で車窓から見る景色にはこんなにも花が存在するのかと驚いたほどである。 |
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その匹見峡は、新しくバイパス的に掘られたトンネル2本で一気にカットしてしまう状態になっているが、わざわざ渓谷のドライブを楽しみに訪れた身、そこは迷わず旧道へと走り込んだ。 | |||||||||||||||||
匹見峡 三段峡ほど深くタイトな渓谷ではなく、結構普通っぽい山中の渓流って感じがしなくもなかったが、、それでもクルマで走りながら楽しめるというのは、自分に取ってはポイントが高い。 新緑が青空に映え、眩しいほどに生命力に満ちた景色を楽しんだ。 |
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匹見峡の旧道は、ほとんどが1車線プラスα程度の狭路で、すれ違いには気を使いそうだが、この渓谷に訪れる以外はトンネルを通過するのが通常なので、根本的に交通がほとんどないに等しい。 | |||||||||||||||||
そんな旧道を端まで行った所で折り返して往復し、R191に復帰した。 |
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R191を益田方面へと向かうわけだが、豪快なダウンヒルのワインディングが現れる。 中国山地の山中から、山陰の海沿いの地方へと降りていくわけだが、益田までは相当距離が残っていた。 益田の市街地へと入る頃には、既に14時半頃になっていた。 |
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島根県芸術文化センター「グラントワ」 その益田で、立ち寄ってみたかった施設に訪れた。 どの部分を見ても赤、というかオレンジ、てゆーか褐色の色彩で統一された不思議な建物。 褐色の瓦は、山陰地方が山地である石州瓦で、この地方独特の農村風景を形成する伝統的な建材である。 石州瓦の甲冑を身にまとったかのような建築は、一部の大ボリュームを除いて低層で、大きな屋根が空間を覆っているように見える。 |
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広い中庭には、突起物が一切無い。あるのは、床面と同一面に張られた水面だけだ。 象徴的な水面と回廊を覆う大きな勾配屋根が呼応して、静寂な空間が生み出されている。 |
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建築が生み出したこの景色を眺めているだけで、静かな心持ちになり、また、この地方独特の景観を楽しんでいる気分にもなる。建築の技術的な側面も感じ取られて、好奇心と感性に刺激を受けることもできる。 何とも素晴らしい空間だ。 |
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ここに来て何するわけでもなく、ただぼんやり空間を味わっていたのだが、せっかくなのでミュージアムカフェでコーヒーを頂いていくことにした。 | |||||||||||||||||
昨日のカフェロッソ、その前の高梁の喫茶店といい、今回のツーリングではちょっとオシャレなカフェで、毎日のように一服している。別に意識的にそうしたわけでもないのだが。 | |||||||||||||||||
最後にミュージアムショップを探索。 とても気になった石州瓦のミニチュア(機能的には箸置き)を数個購入して、この褐色の空間を後にした。 |
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横に細く長い益田の町をR191で通過する。 あと少しで町は終わろうかという所で給油。その隣にパワーセンターがあったので、夕食の買い出しもついでに済ませた。あとはキャンプ場に行ってテントを張るだけ、という時間が迫っていた。 |
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R191は益田から海岸線沿いの道となった。この道は、海沿いを辿って下関に至る爽快なシーサイドロードである。 道の駅「ゆとりパークたまがわ」に到着。 |
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ところが、道の駅の管理室で受付しようとすると、何か雰囲気がおかしい。「え?これからキャンプするんですか?」みたいな。 クルマで来た=オートキャンプ→面積取るからダメ、という図式で仕分けする発想が腹立たしく、絶対にテント張ってやると意固地になって交渉。バイク並みのテントであとは何にも無いんですよと責任者らしき方に直接主張して(実際そうだし)、何とか許可を得た。 サイトには確かに、所狭しと大きなテントが。。 |
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それでもちょっと探せば、愛用のツーリングテント、ムーンライト3が立つスペースはすぐに見つかった。 確かに家みたいなバカでかいオートキャンプ用テントを立てられるスペースは残っていなさそうだったが、そもそも大したスペースを必要としないツーリングテントは、どこの隙間にだって立てられそうだった。 何食わぬ顔で、テントを立てる。周囲では子供がはしゃぎ回っていたが、おかまい無し。 |
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キャンプ場には大きな入浴施設も隣接していた。 仕方なく、先にテントの前で夕食の宴を開き、暗くなってから温泉へと赴いた。 |
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6年前は同じGWにもかかわらず、人っ子一人いなかった田万川キャンプ場。
<<< 駐車場はなぜかスッカラカン |
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