VTECはオイルが命!とよく言われるように、エンジンオイルによる影響を受けやすいのがホンダのVTECエンジンです。カムの切り替えを油圧で行っていることからも、その重要性がうかがい知れます。
高回転の吹け上がりとレスポンスの関係から、VTECには比較的柔らかめのオイルがいいとされています。
そういったような情報を集めて、EK9用に自分なりに選んだオイルのインプレです。

オイル交換の方法についてはこちら→Let's オイル交換

 

 

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HONDA ULTRA GOLD
(ホンダ純正 5W-40)

普通に乗る分にはコレで十分
(ていうか贅沢なくらい)

まず最初に試してみたのは、ホンダの純正オイルGOLDでした。100%化学合成で純正オイルとしては最高峰のオイル、ということは、高性能なVTECエンジンを想定してつくられていることが想像できるので、相性もいいだろうと思って選びました。

フィーリングとしては結構軽い部類に入ると思います。軽いのですが、どっちかというとシャパシャパなカンジで、トルク感が少々薄い印象があります。
また、ヘタリが若干速く、交換直後のフィーリングはわりとすぐに感じられなくなってしまいます。オイルのヘタリとともに、エンジンノイズが明らかに大きくなっていく感じです。そんなこともあり、交換はかなりこまめにする必要があるので、結果的にあまりリーズナブルとは言えないような気がします。

とは言うものの、そこは純正オイル。信頼性は群を抜いており、特にコダワリがないようなら、むしろ純正を定期的に換えることがもっとも効率的で良いと思います。

 

EK9を購入してから計3回GOLDばかり入れてきましたが、粘度の低下とフィーリングの悪化が早いことが気になっていたので、今度は違うオイルを入れてみようということで、迷った末SUNOCOを入れることにしました。

SUNOCOオイルは今時珍しい国内精製で、4種類あるX-POWERのうち5W-40は特に、高性能NA、可変バルブ機構エンジン向けを謳っているので、マッチングの面でかなり信頼できそうでした。
実際オイルを入れて走り出した印象は、フリクションが少なくなったなという感じです。それまで回転を上げていくと発生していたエンジンの振動が抑えられ、実にスムーズに回っていきます。軽いという印象はさほどないですが、そのかわりトルクが回転に対してリニアについてくるような感じがします。
ハイカムに切り替わった際の感触としては、結構ガツンとトルクがかかる印象です。B16Bの場合、排気量が小さいこともあって6000rpm前後でハイカムに切り替わる際のトルクの変化がかなり大きいんですが、このトルクの盛り上がりが力強い感じになりました。レスポンス重視の低粘度オイルですが、油温が上がっても粘度の低下が少ないことが、トルク感の維持につながっているようです。この辺が純正GOLDとの大きな違いでしょうか。
もっとも、ハイカムの切り替わりの際のトルクの谷が気になる人にはあまり気持ちいい感触ではないでしょうが、その猛々しさが割と気に入っている私としては、この特性はかなり好印象です。

SUNOCO X-POWER
(5W-40)

モデルチェンジ前の製品です

 
 

RESPOは普通量販店には置いていません(というか見たことない)が、VTECオーナーに口コミで拡がったというマニアックなオイルです。ですが、SUNOCO同様国内精製されており、その性能はモータースポーツなどで実証済みです。

100%化学合成で粘度が5W-40というスペックは、前に使っていた2つのオイルとまったく同じですが、メーカーによってフィーリングは結構異なります。
交換して走り出した印象は、まずエンジンがすごくスムーズに軽く回るということ。SUNOCOと比べると、エンジンの滑らかさが一段上を行っているカンジです。
ところが、走っていくうちにその滑らかさが柔らかいというフィーリングに変化してきました。エンジンは軽く回るけど、ノイズが若干大きく、結構サラッとしたフィーリング。純正GOLDに似た印象です。
サーキットに持っていくとどんな感じになるかは試してないからわからないけど、ちょっと柔らかすぎるフィーリングが気になります。それでも十分な性能は確保してると思うけどね。

価格が純正GOLD、SUNOCOよりも安いのはうれしいところ。高いオイルはいいに決まってるので、このくらいの値段でサーキットにも使用可能なスペックのオイルを選ぶのが私には理想的。その点でRESPOは有効な選択肢になります。

RESPO V-TITAN
(5W-40)

ちょっと柔らか過ぎ!?

 
 

以前使用していたX-POWER(上で紹介してるやつ)がモデルチェンジして、ノンポリオイルになりました。ノンポリとはポリマー(粘度指数向上剤)が入ってないっていうこと。エステルをベースオイルに採用して、油温に関係なく安定した性能が発揮できるようになったわけです。
小難しいハナシをすればキリがないんですが、ここでくどくど紹介してもつまらんと思われますんで省略します。

交換後のフィーリングはモデルチェンジ前のものと大差ありません。基本的にエンジンを回すと粘度が感じられるフィーリング。エンジンの軽快さより力強さを感じるオイルです。
ハイカムに入るまで回してやっても、タレを感じることはまずないです。長時間走り続けても、エンジンの感触の変化を感じることもあまりありません。この辺がエステルベースとなった恩恵でしょうか。
あと、エンジンがやたら静かになります(特にエンジンが暖まった後のアイドリング中)。きれいな音で吹け上がってくのはホント気持ちイイっす。

現在のところ、全体的なフィーリングはかなり気に入ってます。トルクが感じられるフィーリングと、エンジンをガンガン回してもへこたれない性能安定性がいい。これで長持ちしてくれれば言うことナシです。なぜかマイナーなオイルですが、今まで使ったオイルの中では抜群にイイ。走りにこだわるのであれば、かなりオススメできるオイルです。

(2004/11追記)
ここ1年ほどずっとこのオイルを使い続けています。エンジンを回しまくってもほとんど変化のない安定した性能がお気に入り。エステルベースだけにマトモに買うと高価なオイルですが、最近かなり安価に購入する術を見つけたので、当面は銘柄を換えることもないでしょう。むしろ生活環境の変化により、自分でオイル交換し難くなったのが気にかかるところではあるのですが・・・

SUNOCO X-POWER
(7.5W-30)

夏場もサーキット走行も安心
VTECとの相性もいいmy best oil

 
   
 
 

SUNOCOのX-POWERはかなり私好みのオイルで大変気に入っているのですが、サーキットを走らない時期にこれほどの性能のものが果たして必要なのかという慢性的な悩みがありました。性能の割には大変お買得なオイルなんですが、さすがに1ヵ月間で数千km走ってしまう夏場なんかはすぐに交換時期がきてもったいない気がします。さらにお手頃で、その上安心して回せる程度の信頼性を兼ね備えたオイルはないものかと探していたところ、このオイルにたどり着いたのでした。

Mobilは誰でも知っている有名オイルメーカーですが、このプラボトルはなかなか見たことないのでは?
実はこれ、並行輸入品なんです。なので、正真正銘Mobilの100%化学合成オイルなのにもかかわらず、1リッター750円!しかしません。4リッターで3000円!さすがにこの価格で買える100%化学合成オイルというのはなかなかないでしょう。ちなみに売っているのは、ジョイフル本田(HONDAとは関係ありません)という関東にある巨大ホームセンターです。

5W-30とこれまで使ってきたオイルの粘度とさほど変わりませんが、これは本当にさらさらで、サラダ油よりも水っぽい感じ。こんなんで大丈夫なのかなぁと思わなくもないです。
乗ってみると、エンジンの吹け上がりは軽く、典型的な低粘度オイルといった印象。トルク感はやはり薄いような気がします。
普通に街乗りしている分にはほとんど問題はなく、Mobilの化学合成を入れているという安心感もあって、満足度は高いです。ただ、夏場にワインディングを連続して走るとタレを感じるので、高回転を連続して使うような状況は得意ではないかもしれません。

また、オイシイ粘度は長くは続かず、3000kmも走るとオイル交換したくなってしまいます。あくまでフィーリングの問題で、メーカー指定交換時期までは余裕でもつとは思うのですが。。
よって、街乗りや高速道路での移動がかさむ時は、非常にコストパフォーマンスに優れたオイルっていうことになります。ワインディングを何本も走る状況であれば、スノコを入れといた方が無難な気がします。サーキットはやめといた方がよさそうです(^ ^);
それでもJ本田に行くと、つい買いだめしちゃう私なのでした(安いんだもん)。

(2004/11追記)
最近はめっきり使ってませんが、性能的には結構イイオイルだと思ってます。暑くない季節にトコトコと走る分には、これほどコストパフォーマンスの優れたオイルはないよね。最近ちょっと大きめのホームセンターでは結構見かけるようになってきました。

Mobil 1
(5W-30)

コストパフォーマンス絶大

 
   
 

MOTUL 300V POWER RACING
(5W-30)

信頼性抜群のブランド品
私にゃ勿体無い!?

 

フランスのオイルメーカー、モチュールの300Vシリーズです。
SUNOCOと同様、エステルベースの高級オイルで、性能と信頼性は多方面で高い評価を得ています。
私の知る限り、タイプRにマッチするオイルとして特に多くの人が推奨している気がするので、一度どんなものか使ってみようってことで入れてみました。

使用したのは5W-30のパワーレーシング。NA高回転エンジンでの使用を想定している=VTECエンジンを想定していると取れるので、まずこの選択には間違いないと思います(300Vには何種類か粘度に種類があって、混ぜて使うこともできる)。
走ってみての印象は、エンジンが凄く軽く回る!ってこと。とにかくスムーズかつ滑らかに、ヒューンってな具合に回ります。オイル自体かなりサラサラしているので、まぁ当然かもしれませんが。
軽いっていうと、今まで入れた柔らかいオイルのようにトルクが薄い印象があるかもですが、モチュールの場合は質感を伴った軽さで、シットリとしていてなおかつストレスの無い感触があります。

入れてすぐにサーキットを走りましたが、滑らかにどこまでも回るVTECエンジンは、10万km超とは思えないほど。エンジンが年をとる程に、オイルには気を使わなければ気持ち良さは得られませんね。
これだけ軽いとエンジン保護の面で心配になりますが、そこは実力派メーカーの作るエステルベースのオイルなので気にはしてないです(そんなんでいいのか)。

・・が、丁度夏場に5000km以上使用することになったのですが、5000km付近になってくると音も振動も増え、明らかにガサツな回り方になってきました。2速を多用するワインディングでは、水温が上昇しまくって下がらないこともしばしば。明らかな性能低下を感じてしまいました。モチュールともあろうものが、5000km程度で弱ってしまうとは意外。ま、同じ気候条件でガンガン回す状況なら、どのオイルでも同様にヘタってしまうでしょうが。。
でも基本性能は大変高くて、特に入れた直後のフィーリングは最高。ネックはやっぱり値段。。市場価格が4リッターで1万円!では、オイソレと交換する気にならないです。
より正確な印象を得るために連続で入れてますが、やっぱSUNOCOで必要十分な気がするってのが正直なとこでしょうか。

 

HONDA MTF-2
(HONDA純正 ミッションオイル)

EK9のようなマニュアルトランスミッションの車の場合、ギヤボックス内の潤滑にミッションオイルが必要になります。そのミッションオイルの純正品がこのMTFです。

ミッションオイルはエンジンオイルと異なって、非常に粘度が高い(硬い)のが通常ですが、ホンダ車は特別で、エンジンオイル並みに柔らかいオイルを使用します(実際に昔のホンダ車は、エンジンオイルをミッションオイルに指定していた)。よって、安易に社外品のオイルを入れると途端に調子が悪くなってしまうことがあるので注意が必要です。
私もEK9購入当初、某社外品をいれたことがあるんですが、すぐにギヤ鳴りするなど決してマッチしているとは言い難い状態でした。以来ずーっと純正MTFです。

さすが純正品だけにミッションの操作性にマッチしてます。交換直度は特にミッションの入りがスムーズで気持ちイイ。私はMTFでサーキット走行もこなしてしまいますが、全く問題ないです。まぁヘタリがないわけではないですが、シフトが極端に入り難くなったりということはないですね。ホンダの純正オイルは案外タフなんです。
ミッションオイルは通常2万kmとか5万kmとかで交換と言われますが、私の場合シフトフィールが悪くなってきたら、さっさと交換してしまいます。ホンダのミッションは、EK9と言えど決して丈夫なものではないので、良い状態を長く保つために、オイルの交換はマメにするようにしてます。これが功を奏してか、現在でも結構好調を維持してます。

先にも書いたように、普通のミッションオイルは粘度が高いので、非純正品を入れると、少なくともシフトフィールは硬くなります。そもそもホンダのミッションは、柔らかいMTFの使用を前提に設計してあるので、余程のことがない限り社外品を入れるのは良くないと思います。ホンダ車オーナーの皆様、エンジンオイルは各自好きなの入れても構いませんが、ミッションオイルはMTFを入れましょう(機械式LSDを入れた場合は別ですが)

ちなみにディーラーで交換してもらうと、EK9で4000円(工賃込)くらい。
私は自分で交換してます。エンジンオイルと違って重力で入れられないので、注射器のオバケみたいなのを使って(笑)注入してます。

 
  これはオイルではなくオイル添加剤です。添加剤の成分がエンジン内の金属に吸着して、摩擦による動力のロスや部品の摩耗を低減するという効果があります。カー用品店なんかに行くといろんなモノが置いてありますが、このテの商品は効果があるのかどうか怪しいモノが多く、わざわざ何千円も出して買おうという気にならないというのが本音という人も多いと思います。今回のMT105はホンダワークスの無限製ということで信頼性は抜群、一度使ってみるかということでオイル交換時に注入してみました。ま、タダでもらったからってこともあるけど。
効果のほどはというと、まず一番変わったのは燃費。たぶん添加前と比べて0.5〜1km/lくらいは良くなっている気がします。エンジンパワーのロスが低減されたことによって、少ないアクセル開度で速度が上げられ、結果的に燃料を節約できるというカラクリ。かと言って、意識できるほどパワーが上がったわけではないのですが。
もうひとつ、アイドリング時のエンジン静粛性がアップしたように感じました。オイル交換直後はいつも静かになるのですが、それが持続するような感じなわけです。静粛性というよりエンジンのざらつきが少なくなったという感じに近いかも。添加前よりキレイにエンジンが回るような気がします。
体感できたのはそんなところ。添加剤の割には結構効果があった方ではないでしょうか。値段が値段なので、この効果がオイル交換後もある程度持続してくれれば言うことないのですが。
無限 MT105
 
 

ホンダ純正のガソリン添加剤。ガソリンに混ぜることで、燃焼時にエンジン内のスラッジを取り除く働きがあるという、一種のクリーナーですな。
EK9君も相当走行距離が量んできたので、保険的に使用してみました。説明書きには給油時にガソリンタンクに添加、2回連続で2本使用してくれとあります。安くはない代物なので、せめてある程度は効果が出るよう言われる通りに使用しましたが、効果のほどは?です。確認する術がないので。。。

普段から結構エンジン回す方だし、オイル管理もちゃんとやってる方なので、これを入れたからといって劇的に何かが変わるとは最初から思ってなかったんですがね。
ま、距離が伸びた際の気休め程度ってとこしょうか。。

ガソリン添加剤
(ホンダ純正)
 
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