那須高原ドライブ&那須岳トレッキング(未遂)        2002/04/06



今年の桜は早かったですねぇ。あまりに急に咲いて散っていったもんだから、私もご多分に漏れず見逃してしまいました。
だからというわけではないですけど、春の訪れを歓迎して、さっそくお山のワインディング求めて行ってまいりました。
行き先は那須。夏ともなれば、渋滞で身動きがとれなくなるほどの、関東有数の行楽エリア。しかしここは高原と言うだけあって、冬期はそれなりの積雪があり、標高の高いところでは春まで道路が閉鎖されるところでもあります。

今回のツーリングは、実質今シーズンの開幕戦ということで、まずは肩慣らしに冬期閉鎖が解除になったばかりの那須ボルケーノハイウェイと那須甲子道路の2つの有料道路を走ることを目的に据えて行くことにしました。また、それだけではちょっとお手軽すぎるので、ちょっと早い気もしましたが、那須岳(茶臼岳)を歩くことも予定に入れ、いざ準備万端、あとはお天気勝負ってな感じで、いそいそと出かけたのでありました。



初日は予定に余裕があるので、いつもより若干遅めの出発。8時に家を出て、東北道浦和ICで高速上へ。

渋滞も全くなく、順調な滑り出し。

ちなみに我が家は、東京から各地方へ伸びる高速(東名、中央、関越、東北、常磐)へのアクセスが抜群の立地。通勤とツーリングの利便を高レベルで両立する数少ない地域であると勝手に自負している。関越練馬ICのすぐ近くと言えば、土地勘のある人にはわかってもらえると思います。

余談はそのくらいにして、10時頃宇都宮ICで高速を降り、そこから国道293号を淡々と東へ走ります。
教習車やトラックの後ろをのろのろ走ること1時間くらいで、栃木県は馬頭町というところにやってきました。ここに来た目的は、広重美術館なるところへ行くこと。広重とは、あの東海道五十三次の歌川(安藤)広重のことですが、今回はもっぱら建築を観にやってきました。


建物は平面で見ると長辺が50mくらいはありそうな細長い長方形。切り妻の屋根と壁面はすべて木のルーバーに覆われている。
エントランス付近。
広重の知名度からか、こういう地方の小さな美術館にしてはたくさんの人が来ていた。年配の方が多かったが中には私のような建築目当ての若者も。

裏側ですね。
砂利が一面に敷かれているだけなんだけど、シンプルな要素の対面が美しい。
レセプションに向かう内部通路。
林の中にいるみたい。ちょっと体験したことのない空間でした。

内部から庭園を見る。
美術館なので、展示室撮影は御法度。ですが、展示物ははっきり言ってたいしたことなかったです。よほど浮世絵大好きだとか東海道の宿場町に興味があるとかでもない限り、ね。



建築の細かいハナシは遊遊建築紀行(いまだ制作中)に載せるとして、次に行きましょう。

広重美術館を後にする頃にはお昼を過ぎていたので、道の駅「ばとう」でそばを喰らう。
定番のおおもりを食した後、EK9を北へと走らせる。道は国道294号。走りやすい田舎の一本道で、快調に北上。やがて那須町に入り、芦野という集落にたどり着く。
ここでの目的は、早くも2つ目の美術館として「石の美術館」を訪れること。



集落の街並みの中にこういうのが普通に並んでいます。
それもそのはず、昔農協の倉庫だった建物を再生した建物だから。
石の美術館とはその名の通り、「石」を題材にした美術館。で、この美術館の変わったところは、展示物がないところ。石でできた建築や空間がそのまま展示物ということになっているという、ちょっと意味ありげな場所なのです。

ちょっとしたラビリンスですね。こういうの好きな私。
手前と奥の切り妻屋根の建物が、倉庫を石を使って改修したもの。その他は石の新築です。

石と光のギャラリーと銘打たれたこのハコは、中が真っ暗で、表面のスリットに埋め込まれた大理石から光が透けて差し込んでくるというもの。
大理石って光を通すんです。知ってましたか?
新築の建物は、芦野石というこの地方で採れる石を何とかっていう新工法で積み上げてできている。この美術館はその工法を考えた地元の石材店がつくったものなんですねぇ。

一応建築が主役ですが、石の彫刻や見本なんかが飾られています。

この他に石でできた茶室何てのもあって、そこでふっと座って佇んでいると、何となく懐かしさが蘇ってくるカンジで、気に入ってしまいました。

とにかく何から何まで石でできていて、トイレの洗面台もこんな感じ。

実は先の広重美術館と設計者が同じで、設計した時期もほぼ重なっているので、この洗面台なんかはまったく同じものが使われていたりします。



いやいや、久しぶりに等身大の建築を堪能できて、意外と満足できました。
わけわかんないくらいデカイ建物見るより、このくらいの方がいろんなものが見えてくるから面白いね。

そう言えば、広重美術館で一眼レフでばしばし写真を撮っていた若者2人にここでも会ってしまった。建築見に来る学生の定番ルートなんだろうか。

美術館2つで思わず長居してしまったので、石の美術館を出る頃にはそろそろ3時というところ。今晩はキャンプの予定なので、早めに場所の確保、夕食の調達何ぞを終わらせておきたいのだ。今日はあと温泉に行って終わりだな。



県道28号から21号に乗り継いで、那須湯本温泉を目指す。まだ春先とはいえ、那須高原のメインストリート県道17号は結構な混み具合だ。温泉街に入ると急勾配のくねくね道。那須岳の山腹にさしかかってきた感じである。
温泉街を抜けると、殺生石という景勝地があって、とても混んでいる。とてもじゃないが駐車できる状態ではなかったので、その正面にある「鹿の湯」という日帰り専用の温泉に直接行くことにしました。

   

木造のかなり年季の入ったクラシックな外観。ここも人気の場所らしく入る前からかなりにぎわってます。
日帰り入浴施設ですが、そこらの町興し系の施設ではなく、那須湯本の源泉にもっとも近い湯治場で、本来そういった目的の人がやってくる施設のようです。

浴室は脱衣場と一体となった共同浴場のようなつくり。4人くらいが入れる正方形の湯船が6つ並んでいて、それぞれで微妙に湯温が違っています。
お湯は白濁していて硫黄臭がぷんぷん。水で薄めたりとかはしておらず、かなり濃厚な感じがします。
長く入っていると肌がぴりぴりしてきます。pH2.54、酸性硫化水素泉。う〜んこれぞ温泉ってなカンジ。草津で入った共同湯「白旗の湯」に似ています。まああそこまで強烈な熱さの湯船は遠慮しておきましたが。

湯治に来ている人から観光客までで湯船はいっぱい。かなり混んでました。お湯は最高に良かったので、もう少し落ち着いて入れれば最高かと思います。



春とは言え4月初旬。いくら何でも夜は寒そう。昨年GWに箱根で凍えた経験を糧に、那須岳を下ってなるべく標高の低い場所をキャンプ地として選びました。
今シーズンに向けて寝袋も新調し(安物ですが)、準備万端のつもりです。

途中食材などを買いつつ到着したのは、青木オートキャンプ場。民宿の脇にある広い草地っていうだけですが、そのシンプルさが好印象でした。

日没は近い。さっそくテントを張る。
こんな時期にキャンプをするのかと言いたげな管理人さんでしたが、突如訪問した私たちのために流しを掃除してくれたり、畑で採れた野菜を分けてくれたり、とてもよくしてくれました。

しぎさんと東北に行ったとき以来のポトフを夕食にし、とっとと就寝。
滅多にキャンプ場を利用することなんてないんですが(大抵道の駅で野宿)、今回はたまにはということで利用してみました。周囲に気兼ねなくテントをたてたり火を使えたりするのはいいんですが、やっぱり料金がねえ・・・。利用するならオートじゃなくて野営場みたいなとこの方がいいよね、やっぱり。




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