那須高原ドライブ&那須岳トレッキング(未遂)        2002/04/07



夜半から降り続いた雨の割に、ずいぶんとぐっすりと寝てしまった。最近寝不足だったからなぁ。
そんなわけで出発はずいぶん遅い時間になってしまった。雨が降り止んだところを見計らってテントを素早くたたみ、お世話になった管理人のおばあちゃんにお礼を言ってキャンプ場を発つ。

昨日鹿の湯まで行った道を戻る形でEK9を走らせる。路面は濡れているが雨は降っていない。



鹿の湯まで来ると、その正面の殺生石はすでに観光客でいっぱい。駐車場待ちが発生しているくらい。モノとしてはこの間箱根で見た大涌谷みたいようなもんなので、今回はあっさりパスすることに。

そこを過ぎると道は急激に高度を上げ、山岳道路となっていく。ここからはボルケーノハイウェイと呼ばれる有料道路。那須岳の異様を眺めながらドライブできる絶景のワインディングだ。

なーんて期待していたら、このザマである。ボルケーノハイウェイはすっかり霧の中。一寸先も見えやしない。
せっかくこの道走るために遠路はるばるやってきたのに残念。

起点から登山口まで数kmの短い道路だが、高度はどんどん上がっていく。路面はウェット。
高度が上がってくるにつれて霧が晴れてきた。
目の前に雪を冠した山が徐々に姿を現す。

やがて霧は晴れ、那須岳がその全容をさらけ出す。山はまだまだ冬の様相。


クルマで行ける最高点は「峠の茶屋」まで。駐車場には結構たくさん人がいました。
寒くはないけど、残雪がそこまで残っています。

実は今回のツーリングのもうひとつの目的は、この那須岳(正確には茶臼岳)を歩くこと。雪は残ってますが、気温はすっかり春。茶臼岳の山頂はロープウェイであっという間。現役の活火山の山頂を極め、散策することにかなり期待していたのですが・・・。

そのロープウェイが改修のため運行休業中との看板が。がびーん、楽しみにしていたのに。。。
山歩きに関してはかなり綿密に情報集めしていたのですが、ロープウェイ休業中なんて情報はどこにもなかった。那須町や付近の観光関係のHPにもまったくそういった情報は告知されておらず、もうすでに運行しているようなことを書いているものばかり。まったく、バカにしてるなぁ。

峠の茶屋からとは言え、ここから歩いて登頂するのは装備の整っていない状況ではつらすぎる。というわけで、今回は泣く泣くあきらめました。麓から眺めてしっかりと目に焼き付けておきました。



後ろ髪引かれながら那須岳を後にする。次は絶対に登るのだ。

ボルケーノハイウェイを下っていくと、途中に北温泉への分岐があります。林の中を数百m行くと、小さな駐車場が。そこから奥深い渓谷を歩いて降りていきます。こんなところに温泉宿が?と疑いたくるような道のりですが、やがて古めかしい建物の一軒宿、北温泉が見えてきます。


谷の奥深くに佇む北温泉。
騒々しい現代の生活とはまったく無縁の地に建つ、秘湯の中の秘湯。

建物が何とも風情豊か。
木造3層の建物が幾重にも重なる姿を前にすると、何だかタイムスリップしてしまったよう。
湯宿の手前には、その名も「温泉プール」という湯船が。私が来たときは誰も入っていませんでした。この解放感はすさまじい。

湯宿の中に入ると、そこは幻想の世界!?のような不思議な空間が。
黒光りした床や壁に囲まれて、何だかよくわからない昔の道具が並べられてたり、戦前の軍人のポスターが貼られたままになっていたり、時間の流れも何も関係ないような空気が流れています。
そんな中でも妙に懐かしさを覚えてしまう、とにかく不思議な場所です。

お目当ての温泉。源泉がエライ勢いでどどどどどっと流れています。単純温泉だけど湯の花が浮き、温泉独特のいい香りがします。
天狗の飾り物があるので、ここは「天狗の湯」。天狗、つまりは子宝の湯ということで(理由はわかるでしょ)、願い事が書かれた絵馬がたくさん吊されていたりします。別にそれが目的で来たわけではないですが。
この天狗の湯ですが、脱衣室の奥にあるというわけではなく、廊下の突き当たりに何の仕切りもなく唐突にあるので、かなりセンセーショナル。つまりは廊下で脱衣してそのままドボンなわけです。給仕のおばさんやら泊まり客やらが通ったりするわけで、それがまた妙に新鮮味がありました。ちなみに混浴ですが、さすがにこの時間女性はおりませんでした(それどころかほぼ貸し切り状態!)。湯治客のみになる時間になればそうでもないでしょうが。

この隣には打たせ湯「湯滝」と寝湯「笹の湯」があって、そこには裸一貫で一回外に出て隣の建物に入っていくという仕組み。建物が建物なら、温泉も温泉ですねぇ。

他には女性専用の「目の湯」、渓流を眺めながら入れる露天「河原の湯」、あと「温泉プール」と、まさに温泉天国。古めかしい木造の建物の中を探検するだけでも楽しい。温泉でゆっくり休んだ後は、囲炉裏のまわりで一服っていうのもすごく気持ち良かった。今まで行ったことのある中でも、間違いなく1、2を争う最高の温泉でした。




北温泉で大満足し、クルマに戻ってボルケーノハイウェイを下ります。
途中から那須甲子道路にスイッチ、福島県方面を目指します。

那須甲子道路は、那須から北の甲子高原に向けて高原を縦走する爽快なワインディング。距離の割に高い通行料(930円)がネックになっているのか、通行するクルマはほとんどありません。
コースは、中高速コーナー主体のどちらかと言えば高速コース。3速から4速で回転を維持しながら走るのが気持ちのいいコースです。時折曲率のきついコーナーが連続する区間が現れますが、道路の状態もいい(これだけ通行料とってれば当然か)ので、終始安定して走れます。

それにしてもクルマが通らない道だなぁ。
途中運悪くのろのろレンタカーに引っかかってしまったので、道路脇で休憩。
山肌はさすがにまだ冬枯れています。新緑の頃はもっと爽快だろうに。でもそのくらいになったら混雑するだろうな。
あまりにクルマが走ってないので、何往復かして走りを楽しもうかと思ってたら、出口のずいぶん手前に料金所があって、つい通過してしまいました。
こんなに自分のペースでワインディングをかっ飛ばせることってそうそうないから、まあいいか。


昼メシは幻のそば(らしい)、追原そば。メニューにはもりとざるしかないという気合いの入ったそば屋「追原庵」で食しました。これがかなりおいしい。しかもそばで満腹になってしまった。さすが幻だ。
サービスで水そば(写真左下)が付いてきましたが、さらにこの後「そばがき」まで付いてきました。ずいぶん気っ風のいいサービス!
地元の村民が共同でやっている感じで、建物はプレハブの公民館のようなところでしたが、そばの内容には大満足。う〜ん、今日はいい日だ。

温泉、ワインディング、そばですっかりお腹いっぱいになってしまった。本来今日は山歩きに時間の大半を割く予定だったので、この時点でまだお昼過ぎたばかりだったが、もう結構満足感いっぱいになったので帰途につくことに。

県道68号で那須高原にとんぼ返りし、那須IC近くの那須高原ビール醸造所で地ビールをお土産に買い、東北道へ。予定外の事故渋滞でガソリンを激しく消費して、危うくガス欠で止まってしまわないかというピンチもあったが、明るいうちに無事帰宅。

今回は建築あり山歩きあり(してないけど)と、いつもとはちがった趣向を取り入れてのツーリングとなりました。あまり天気が良くなかったので、その辺はイマイチでしたが、北温泉が久々の大ヒットを飛ばしてくれたのでかなり満足。
さぁ、次はどこへ行こうか!




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