深まる秋に誘われて 志賀草津道路紅葉ドライブ & 万座温泉
2002/10/05,06


湯釜を後にして、志賀草津道路を草津側へ降りてみる。
今回アプローチに使用した県道466号は、志賀草津道路の中間に接続するので、草津側へは下り坂を駆け下がっていくことになります。

    
2000mから1000mへ標高を下げていくダイナミックなワインディング。
その規模からかストレートが比較的長く、ドン突きにヘアピンカーブというレイアウトが主体。普通に走るとスピードがのってブレーキも面白そうだが、走っているクルマが多くてほとんど自分のペースで走ることができない。良く言えばのんびり走れるけど、ただ前のクルマの尻を見ながら与えられたラインをトレースするだけっていうのは、正直あまり面白くない。

それにしても眺めのいいワインディングです。周りに遮るものがないので、九十九折りの道路が山肌にへばりついている様を一望できてしまう。ありそうでなかなかない風景ですよね。
後方の岩山の向こうは、先ほどの湯釜。クルマが数珠繋ぎになって登ってきてます。これだけ交通量が多いにもかかわらず、この道路はほとんど渋滞しません。乗鞍スカイラインのようにひとつしか目的地がないわけでもないし、距離も非常に長いので、交通量の割にはスムーズに流れるんだと思います。

山岳地帯から森林地帯への変わり目のあたりにある殺生河原。
ここだけ灰色の岩石地帯で、ガスが白い湯気を上げてぶしゅーっと噴き出しています。強烈な硫黄臭が車内に充満。
長時間吸うと生命の危険がある毒ガスなので、道端には「駐停車禁止」の看板が。
ないとは思うけど、ここで渋滞に遭って停車するハメになったらどうするんだろう。

殺生河原を過ぎると森林の中の道になり、草津の街まで下っていく。
今回は草津には用がないので、そのまま引き返して来た道を登っていく。
志賀草津道路は山の起伏がさほど激しくないので、おおらかに弧を描くレイアウトになってるんだなぁと走りながら実感。1000m近く標高を上げていく割には、登坂している感覚が薄い。乗鞍もそんな感じだった。そういうワインディングは概してスケールが大きいですね。

    
県道466号の分岐を越えると、眺めはさらに開けてダイナミックに。
この道路は本当に眺めがいい!特に分岐から渋峠はそのハイライトで、道が山の稜線上を惜しみもなく横たわっている。視界の両脇が大パノラマになるので、運転してる人にも同乗してる人にもかなり楽しめる、極上のドライブルートです。

    


渋峠

程なくして越える渋峠が、群馬県と長野県の県境。志賀草津道路はちょうどこの辺りで距離的に中間点で、また標高も最高点になります。
標高は2172m。これは日本の国道でもっとも高い場所です。夏に行った乗鞍は2702mだったのでブッちぎりの日本一ですが、あれは国道ではないので対象外。
まともにクルマが通れるという条件で標高の高い道路のポイントを順に並べると、1位は乗鞍の畳平、2位がこの渋峠、3位が美ヶ原編で通った麦草峠なので、今シーズンは上位3地点を制覇したことになりました。パチパチパチ。

スキー場のリフトで横手山山頂を目指す。
リフトに乗るのって何年ぶりだろう。5,6年ぶりくらいかな。
さむいです。

体も冷え切ったところで、山頂ヒュッテのパン屋さんで「きのこ雲スープ」を食す。あつあつでサイコー。
ちなみにこのパン屋、日本でもっとも高い場所にあるパン屋さんなんだそうな。


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渋峠を越えても相変わらずの大パノラマ。群馬側が山肌が露出した荒涼とした風景が多かったのに対して、長野側は緑豊かな山々の風景が中心でした。
渋峠からは当然下りに変わりますが、相変わらずクルマが多い。しかも所々工事箇所があって片側通行になるのでスムーズに走れません。仕方ないので景色をゆっくり眺めながらドライブしていると、ものすごく印象的な風景を発見!

まるでジオラマを見ているかのような、箱庭的な山の風景。
山肌にランダムに生える木々の一部が黄色や赤に染まっていて、それが本当に絵に描いたような鮮やかさ。自然がつくり出す原色の美しさを初めて見たような気がしました。


    

素敵な眺望を堪能した後は、ヘアピンコーナーをいくつもクリアしながら高度を下げていく。草津側とはうって変わって、黄色くなったブナ(?)の森の中を駆けていく。
たぶんオリンピックのおかげだと思うけど、道が十分広くて走りやすい。おまけに四十八池を過ぎるとクルマも少なくなる。志賀草津道路で唯一エンジンを回して走りを楽しめる区間でした。

ループ橋を渡り終えるとやがて渋温泉。この辺まで来ると平地っぽくなるので、終点ということにしておきました。

志賀草津道路を改めて振り返ってみると、とにかく眺望の優れたワインディングです。これくらい常時視界が開いていて、それによって高所感がある道はそうそうないと思います。
また、今回想定していなかっただけに、素晴らしい紅葉の風景には感動!
よくよく考えてみると、生まれてこのかたまともに紅葉を見たことってなかった私。それだけに心打たれるほど鮮やかな風景には言葉を失いました。

ただし、ここは乗鞍スカイラインや磐梯吾妻スカイラインとは違って無料である(昔は超高額な有料道路だったらしい)ため、非常に交通量が多いです。観光バスはもちろんのこと、トラックも走ってます。そのため、走りを楽しむことはできないと思った方がいいです。空いてたらすごくいい道なのに。。。
おまけにこういうハイシーズンに来ると、めっちゃ危険な場所に路駐してたり、景色のきれいなところでいきなり停車したりする輩が大量に発生していて、結構神経使います。
走る方もそうですが、単に景色を楽しむ人にも最低限のマナーは守ってほしいものです。

風光明媚な所が多く周囲に温泉も豊富なので、一人で何となく来るよりも誰かとドライブに来ると楽しい場所です。交通量が多くて比較的ゆっくりとクルマが流れている上、道路状態もかなり良好なので、初心者の人でも安心して楽しめるワインディングです。
ぜひ、とっておきのドライブルートとしてチェックしておくことをオススメします。



万座温泉

志賀草津道路周辺にはいくつもの温泉がありますが、今回は万座温泉を紹介しましょう。
もともと万座は草津のさらに山奥にある湯治場でした。現在ではスキーリゾートの趣が強いですが、ここの温泉はとっても泉質がいいらしく、ぜひ一度堪能してみたかったんです。で、万座でも一番の老舗である万座温泉ホテルで湯呑みをすることにしました。

これがホテル!?って感じですが、これはホテルの前身「日進館」。昔ながらの湯治棟です。ホテルの本館は、別の所にでかいのがあります。 その日進館の裏にある湯畑。その湧出量はすさまじく、使い切れなくて一部は流れ出していくとか。もちろんポンプ等の機械に頼らずに勝手に涌いてくる自然湧出です。

日進館の「鉄湯」。文字通り鉄分が多く含まれている温泉。
隣には「ラジウム湯」がある。
湯治客専用の昔ながらの内湯には入れなかった。楽しみにしていたのに残念。

こっちはホテルの方にある内湯。全部で6種類もの異なった泉質の湯船がある。
写真はその中でも最古の泉源のお湯とされる「苦湯」。濃厚な硫化水素泉だ。
伝統ある温泉を大切にしている浴室の雰囲気がいい。
露天風呂「極楽の湯」。
泉質は苦湯と似ているが、こっちの方が硫黄の黄色いつぶつぶが多くて、一番気に入った。
湯畑を望む展望も、まあまあ楽しめる。

と、9種類ものお風呂がある盛りだくさんの温泉でした。
産地直送だけに泉質は申し分ないし、効能もいかにもありそうなカンジなので、かなり気に入りました。
ただ大きなホテルなので、大勢の団体客でやたら混雑してた時間もあったので、そういう時間に入るとイマイチ(ていうか全然)楽しめません。また、ホテル自体が会社経営の色が強くて、あまりいい印象は持てませんでした。私は家庭的な新野地温泉みたいなところの方が好きです。
個人的にはキャンプ場をベースにして、いろんな宿のいろんな温泉を楽しんでみたいです。ただそのキャンプ場が近くになさそうなんですけどね。。。

泉質は申し分ないので、温泉らしい温泉に入りたいときはオススメです。特に近くの草津温泉と対称的な環境なので、温泉街の喧噪より開放的な温泉に行きたい、でも泉質の良い場所がいいっていうような時にはピッタリ。

以上、志賀草津道路温泉ガイド「万座温泉」編でした。




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