小豆島は寒かった。
地中海的なイメージを勝手に持っていたものだから、てっきり結構暖かいところだと思っていた。しかしよく考えてみれば、今回の旅の中では一番北にいるわけだ。
明け方、寒くて寒くて何度も目を覚ます羽目に。フリースの上からダウンを着て寝袋にくるまってもまだ寒い。暖房かければいいんだろうけど、民家が近くにあるし、第一環境破壊だし。
うーんここは我慢我慢。でも我慢できない。。
暖房付けようかどうしようか葛藤して二度寝三度寝する。そうやっているうちに小豆島の夜は明けた。


そのへんの月極駐車場みたい

結局暖房は使わず乗り切った。偉いぞ自分。クルマから出てみると、ボディにはびっしり水滴が。冷蔵庫の中で寝たようなもんだ。

今日は1日かけて小豆島を周遊する予定。島の規模がどのくらいかちょっと予想つかないのでどのくらい走れるかわからない。まぁそんなに広くもないはずなのでのんびり行ってみようと、遅めのAM8:00の出発になりました。



小豆島のメイン道路となる国道・県道は、海沿いの生活道路と山間部を貫く観光道路の2種類に大きく分けられるだろう。まずは海沿いの道を時計回りに回って島を1周してみよう。

朝の国道436号は通勤と通学の道。通学と言っても小中学生はスクールバスで登校している。それを見守るおじいちゃんおばあちゃんがいたりしてほほえましい。
昨日着いたときはすでに暗かったので気が付かなかったけど、小豆島は海さえ見えなければ四国本土とはまったく変わらない風景。道路沿いに店はたくさんたってるし、車の通行量も多い。その車がほとんど軽自動車なのは、やっぱり規模の知れた島だから?


土庄町の中心を過ぎて県道254号に入る。
隣の島をすぐそこに望んでのシーサイドドライブ。

再び土庄町中心街に戻ってくると、今度は県道253号を北上。この道からは通行量もめっきり減って快適そのもの。青い海を眺めながらクルマの準備体操がてら、気持ちよく飛ばす。

県道26号に合流してすぐに道の駅「大坂城残石記念公園」に到着。まだできて間もない新しい道の駅。
地元のおばちゃん達が掃除の真っ最中だった。大切に管理されているようで、気持ちよく顔を洗わせてもらった(さっきの道の駅は再生水だったために洗えなかったのです)。

小豆島の中心街とは反対側の海岸を走る県道26号は、山肌に沿ってアップダウンを繰り返していく。途中石切場がたくさんあるのが印象的。


小豆島は有名な石の産地でもあるのです

福田港からは国道436号になる。断崖に沿ってアップダウンを繰り返す道は、相変わらず楽しい。はるか下の方に海を望みながらの爽快なドライブ。瀬戸内の海にはいつもたくさんの船が往来している。
島の東岸を走るこの道は、基本的に中速コーナー主体で道も広く新しいので走りやすいです。


島の南東部で国道は内陸をショートカットしてしまうので、県道248号にスイッチして更に海沿いをトレースすることにしました。この道は全線にわたって1〜1.5車線の狭路。
しかし沿道に民家がほとんどないので、クルマの往来もほとんどありませんでした。

またまたラリー気分で元気に走る。練習のためにシフト操作をわざと多用してEK9を駆る。
結局この県道では1台も車に会いませんでしたが、狭路ではいつでも対向車が来ても対処できるようにしておきましょう。

県道248号の途中にある大角鼻灯台にて。
今回の旅だけでもう4本目だ。やりすぎかなぁ。


県道249号で別の半島の岬へ。

ここには映画「二十四の瞳」(壺井栄、だったかな?小豆島が舞台のお話です)の分教場とロケセットが残されてました。
お話をすっかり忘れてしまったので、前を通るだけにしてしまいましたが。



国道436号に戻って西に進むと、今朝出発した道の駅付近に戻ってきました。だいたい2時間くらいだったかなぁ。島1週してみると、やっぱり東側が走り甲斐があって面白かったな。

土庄町のサンクス(小豆島には計3軒のコンビニがあった。全部サンクス)で焼きそばを食べながら、山間部のドライブルートを考える。島の東側から西側へ横断して行くのが効率良さそう。そこでまずは県道26号から27号へアプローチすることに。



 小豆島スカイライン

県道27号は、地図によれば通称「小豆島スカイライン」(実際にそんな表示は見なかったけど)。スカイラインの名に恥じぬ絶景のワインディングロード。
と思ったら、途中の銚子渓からは林の中を通る山道になってしまった。

銚子渓付近では、道路上に猿がいっぱい。
路上で呑気にノミなど採っております。

東側から走ると、この道は急勾配のヒルクライム。ただしコーナーはそれほどきつくないので高速コース。これが反対から走ると・・・(それは後ほど)。

県道31号の分岐を過ぎるとすぐに、寒霞渓(かんかけい)という景勝地に到着。
団体様の観光客の方々で溢れかえってました。小豆島随一の観光スポットでしょう。

岩肌の露出した山を眺めるなら紅葉の時期が一番でしょうが(たぶんめちゃめちゃ混むんだろうな)、山を見なくとも小豆島の町並みと瀬戸内海に浮かぶ島々を一度に眺められる風景は素晴らしいの一言。何だか作られたおもちゃのような出来過ぎた景色。

寒霞渓から一気に西側まで走らずに、島の北側に抜ける県道31号でちょっと寄り道しちゃおう。


 県道31号

この道はすごかったですよ。何がすごいって、超急勾配の上にコーナーが超タイト!
しかもそれがこれでもかってほど連続してるんですよ。私がこれまで走ったワインディングの中で一番ハードなんじゃないでしょうか。
裏磐梯の西吾妻スカイラインもすごいけど、あそこはまだ加速する区間があるからまだマシに思える。ここは道幅も狭いので、うまく走るにはかなりの技術が必要だと思います。

北に向かって走る1本目はダウンヒル。
タイトなコーナーでアウト側のフロントタイヤがインナーフェンダーに擦れる。それくらい勾配が急で、車体の荷重がフロントに寄り過ぎてるってこと。1本目はムリせず、写真を撮りながらそれなりのペースで走ってみた。

港に出たら、今度は2本目、うってかわってヒルクライム。
この急坂はタイプRの強心臓をもってしてもちとつらい。フルターンのヘアピンコーナーから2速だと回転が落ちすぎてしまう。かと言って1速を使うくらい本気で走っても仕方ないので、2速中心で走る。
また、コーナーがタイト過ぎてステアリングを切りすぎてしまい、タイヤをこじってしまう。荷重変動が激しいので、所々で車体が跳ねてちょっとコワイ。

ワインディングスペシャルのEK9でこんな感じだから、他のクルマだとどうなっちゃうんだろう?まぁ普通にゆっくり走れば時間はかかるけど走れるんでしょうが、ちょっと楽しんで走ろうとするとそれなりのクルマじゃないとダメでしょうなぁ。特に変に固い足まわりのクルマで走ろうもんなら、跳ねまくって走りを楽しむどころじゃないはず。逆に柔らかすぎる足だとただ気持ち悪いだけで走るどころじゃないだろう。クルマはパワーと足まわりのバランスが重要なんですよ、やっぱり。(また脱線しちまった・・)

どうもマイナス要素ばかり並べているようですが、実際はかなり面白い道でした。ラフな操作だとうまくコントロールできない(スムーズに次の操作に移行できない)ので、かなりいい練習になったような気がします。こういう道が近くにあったら毎日でも来ちゃうかも。1台もクルマに会わなかったし(真っ昼間なのにこれはすごい)。


 寒霞渓ブルーライン

寒霞渓に戻って、今度は東の方に進んでみます。

ここから東は県道29号で「寒霞渓ブルーライン」というらしい。寒霞渓がかなり頂に近い場所なので、内海町の中心に降りていくこの道はロングダウンヒルということになります。
基本的に中速コーナー中心で、部分的にヘアピンコーナーが出現する構成。視界も海に向かって晴れるので、ドライブしてよし、元気に走ってよしの素晴らしいワインディング。小豆島スカイラインと組み合わせれば、上り下りが合わさったロングワインディングロードになって楽しめることまちがいなし。
私が走ったこの日は平日だったこともあってほとんど車に会うこともなく、独占的に走ることができて大満足でした。



さて、これで予定していた小豆島ツーリングはほぼ終わり。しかしフェリーの出発までにはまだ2時間ほどある。どこかで時間つぶししよう。
そう言えば、さっき走ってた時にしょうゆ工場に土産物屋さんっぽい建物があったな。そこにでも行ってみるか。

と、やって来たのが「マルキン醤油記念館」。

小豆島と言えばオリーブとそうめんしか知らなかったんですが、このマルキンというメーカーの工場があるので、醤油もそこそこ有名らしいです。

ところでこの記念館は行く価値アリですよ。なんてったって、入場料210円で200円のマルキン醤油(消費税込で210円だ)がお土産でもらえて見学もできるんですから。
記念館の展示物もかなり気合い入ってます。やっぱり企業がこういうふうに自分達が刻んできた歴史や技術を公にするのって重要だよねぇ。見学しながらそんなことを考えてました。その点うちの会社は・・・(社会の評価通りです(泣))。

いいもん見せてもらったので、ついでにオリーブオイルも購入しました。



さーて、まだ時間はあるぞ。何しよっかな。フェリー乗り場に行くにはまだ早過ぎるし・・。
そうだ!もう一度ブルーライン&スカイラインを走ってこよう!今度は逆方向で。

というわけで今度は東側から西側に向けて、さっきと同じワインディングロードを走ることに。

逆から走って気付いたんですが、小豆島スカイラインの寒霞渓から銚子渓に至る区間は、すげー急な下り坂で高速コーナーが連続していてとってもおっかない(汗)。それが結構な距離にわたって続くので、ブレーキがフェードして止まれなくなった車のために、緊急退避所と書かれたサーキットのサンドトラップみたいな砂場まで設けてある。実際ここにはまったら車が壊れちゃうくらいの砂山だけど、死んじゃうよりはマシか。
そんな新たな発見もしつつ、ハイペースのまま駆け抜けたのでした。




昨晩の寝床にもなった道の駅「小豆島ふるさと村」
フェリー乗り場に行く前に再び朝の道の駅に寄って、お土産に手延べそうめんを買いました。
道の駅に併設された直売所なんだけど、そこのおばちゃんがコーヒー(らしきもの)を出してきてくれた(ただの道の駅の物産所なのに)。けど、あいにくフェリー出航の時間が迫ってたので、もらわずに出てきてしまった。すごく申し訳ない気がした。四国の人は本当にみんな優しくてフレンドリーだ。実際そうなんだろうけど、今回の旅でそう強く感じてしまうのは自分が都会で廃れてしまってるから?


フェリー乗り場には、次のPM3:30発の高松行を待つ車ですでに長蛇の列。
乗れるかなと不安になったけど、余裕で乗り込めて一安心。





極上のワインディングの宝箱のような小豆島。そこに住む人たちの暖かさも垣間見れて名残惜しさもひとしお。またいつか来れるかな。さよなら小豆島。。。

高松に到着後は、混雑する市街を抜けて国道193号を南へ。ひたすら走って山間の塩江温泉までやって来た。

この温泉地にあった「華の荘」というホテルで日帰り入浴。お湯は湧出量が少なくしかも沸かしで大したことないけど、露天風呂の雰囲気が良かった。石敷きの湯船っていうのはありそうでなかなかない。宿の人も露天は自慢のようで「良かったでしょう?」と言っていた。実際露天はいい。ただ1000円はちょっと高い。

風呂から出ると、すでに時間はPM7:00前。本日の寝床はホテルのすぐ近くにあった道の駅「しおのえ」。「行基の湯」という立ち寄り湯が併設されてるじゃないか。何だ高いお金払わなくてもここでよかったな。
ま、いいや。今晩も寒くなりそう・・・


DATA

この日の走行距離:230km
見かけたお遍路さん:0人



5日目 / 7日目


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