四国2009 〜四国西部・山河海街を走り尽くす旅
 
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3日目 Third day

キャンプ場の朝。ファミリーキャンパーが大部分を占める中では、圧倒的な早期撤収である。

しかし凄いテントの数。隙間無く、って程でもないけど。
一番手前に見える黄緑色の三角屋根が僕の寝床。

エスの影に隠れて隣にいるポロGTI。5MTのホットハッチで、キャンプに来てた若い男女2人。
なんかイマドキっぽくなくて(笑)イイ感じだなぁ(^ ^;

旧十和村、現四万十町の十川という集落では、この時期、四万十川を跨ぐようにして鯉のぼりを渡す、川渡しが名物になっているようだ。
今でこそいろんな地域で見られる風景だが、十川はその発祥の地とか。。

   
確かに川幅の広い四万十川を跨ぐ鯉のぼりの群れは、どうやって渡したのかなぁと勘繰りたくなるくらいに長大だ。
   
 
                   

早朝の国道381号を疾走する。途中、道の駅「四万十とおわ」で缶コーヒーを買ったが、車中泊組で駐車場はギッシリだった。さすがGW。
R381はそのまま辿っていくと、四万十川から逸れて宇和島に向かってしまうので、江川崎で国道441号にスイッチする。四万十川下流域を並走する国道だ。

清流沿いの狭い道路にダンプが行き交っている道、というヘンな印象がある道だが、幸いダンプには遭遇せず。狭い区間は狭いままだったが。(それでもだいぶ改善されてきている様子)

               

四万十川って言えば、沈下橋だよねぇ〜。
四万十川には40を超える沈下橋があるそうで、意識して見ていると、いくらでも発見することができる。

その中でも発見しやすいここ、岩間の沈下橋
確か6年前のツーレポのトビラ画像はここで撮った写真ではなかったろうか。。渡り切った地点の風景に、どこか見覚えがあった。

       
緩やかに大きく蛇行しながら流れる四万十川の姿は、下流域に入っても変わらない。
水面見てても、本当に流れているんだろうかと思ってしまうほど水の動きが見て取れない。そんな状況も相まって、非常に静かな風景なのだ。
 

狭い区間も数多いR441、そいつをブイブイ走って県道340号、さらに四万十川沿いを行く。次に訪れたのは、三里の沈下橋

四万十の知名度と、沈下橋の風景が観光資源そのもの。
周辺には観光船の乗船場がたくさんある。
早速近付いてきた。

         

こんな素朴な風景にも、違和感無く溶け込んで風景の一部となるS2000。
訪れる土地にはどこにでも、少なからずその土地固有の風景が存在する。そのここにしかない風景にS2000が入り込むと、今この瞬間しかあり得ない光景が生まれる。
それが意図したものであっても、偶発的に現れたものであっても、今ここでしか出会うことのできないランドスケープとして心に刻まれていく。

三里の沈下橋の下流には佐田の沈下橋があったが、有名な沈下橋なだけに駐車場やトイレ、屋台に交通整理まで出現している有様で、観光客も大勢だったので車窓より一瞬眺めるだけにしておいた。

ここまで来たら、四万十市の旧中村市街はあっという間である。
・・・よくよく考えたら6年前と訪れてる沈下橋が全く一緒じゃないか。。。どうせなら全然行ったことのない沈下橋を選んで行けばよかったな。。

                       
       

中村市街で給油&マックでドライブスルーして国道321号へ。通称「足摺サニーロード」と呼ばれるシーサイドロードで土佐清水方面へ。

ここまで来たら足摺岬は当然ハズせない。これまたよくよく考えたら、早朝四万十川を下ってサニーロードで足摺へと向かうルートは、6年前と何ら変わらないのだが、それはそれ。過去の足取りを辿るのも悪くないじゃないか。

R321は交通量がすこぶる多かった。足摺向かうクルマも、対向してくるクルマも。
それに加えてお遍路さん。実はここまで一人のお遍路さんにも遭遇してなかったのだが、ここにきて道端を歩くお遍路さんが急増。忘れかけていたが、これぞ四国の景観だ。

土佐清水市街までは前走車に続いてジリジリ走っていたが、市街地以後は単独走になった。
足摺岬は土佐清水の街を根元に半島状になっているが、その半島を周遊する県道27号を時計回りに走ることにする。

半島の右側は、集落を繋ぐ素朴で静かな道。時折現れる樹木に挟まれた緑の深い道が南国感を強調している。
四国最南端へと続く緑のトンネルでカウントダウン。

       

足摺岬

県道からの足摺岬の風景は、6年前と何ら変わらないように見えた。
小さな灯台のモニュメントに、青い看板。それに背を向け、太平洋に向かって立っているジョン万次郎像。
違うのは人の数。やはりGW。足摺岬は立派な観光地なのであった。

 
<<<
万次郎久しぶりっ!
混んではいたけど、うまい具合にすぐ前の駐車スペースに空きがあり、すかさず滑り込む。後で気が付くのだが、反対側から来ると、遠く離れた駐車場に誘導されて、相当歩くことになるところだったらしい。

灯台を望む展望台へはすぐに出ることができる。
ここは四国最南端。太平洋に突き出した足摺岬だ。見渡す限りの大海原は、果てしなく広い。この向こうの一体どのくらい先に陸地があって人の住む場所があるのだろうか。。

 
     

潮の流れが打ち寄せ、岩場を叩く音が、雄大な音楽のようにも聞こえてくる。
青く透き通った海水も美しい。

自然の領域って感じがするけど、実際には岩場の上には多くの釣り人が・・・

今立っている展望台にも、非常に多くの人が景色を楽しんでいる。

     

足摺岬周辺は遊歩道が整備され、灯台の麓とか各所に歩いて行けるようになっていた。
前回はそれに気付かず立ち去ったような気がするので、せめて灯台の所までは行ってみることに。

>>> その遊歩道も、生い茂る木々が南国してて雰囲気あってイイ感じ。

<<< 足摺岬っていう四国最南端の突き出た岬という要所の割には、ちょっと頼りないくらい細くて小さな灯台。

まぁ船舶に光が届けばいいわけで、地形が良ければ灯台がデカイ必要もないのかもしれないが。。

 
四国に入ってずーーっと山の中を走ってきて、最南端でようやく海。エエですなぁ。
   
足摺岬にある礼所、金剛福寺に行ってみることにした。
中村からここまでくる間、非常に多くのお遍路さんを見かけたのは、このお寺がここにあるからに他ならない。
この1ヶ所歩いて行くだけで、えらい日数と時間がかかるだろうに。。(こんなトコにつくりやがってって思ってるに違いない)

お遍路さんもそうでない人も入り乱れて参拝。

こっからまた歩いて戻るお遍路さんは大変。
これもまた修行と悟りの道、なんだろうか。

エスに戻って走行再開。
足摺岬と土佐清水を行き来するには、海沿いを走るか、半島中央を貫く足摺スカイラインを走るかという選択肢がある。
ワインディング的には足摺スカイライン(椿の道)だろうけど、前回走ってることもあって、今回は県道27号足摺岬公園線で半島を周遊するように走ることにした。
海沿いの県道は、岬の西側も狭い道が続いている。

 
                             
最南端の岬に通じる道、っていう雰囲気めいたものはあるけれど、ここは尾根道走る方が楽しめるなぁ。
     

土佐清水市街に戻ってきた。
漁港の片隅にある足摺黒潮市場。6年前にも訪れ、カツオたたき丼とウツボのたたきを食し、その地物の美味さに感動したこの場所に再び訪れたわけである。

あの時の感動をもう一度、と思って早速食堂へと向かったわけであるが・・・

刺身は冷蔵ケースから各自取り出して、会計してから食べるという妙なシステムに変更されていた。
選んだのは清水サバ。流石にブランドもの、なかなか美味だが、なんだかちょっと違うような。。

   
楽しみにしていたウツボのたたきも、季節から外れていたとは言え、ちっとも美味しそうに見えなかった。
6年もの時を経て、その味も変わってしまったのか。。
あの時の感動がウソのように、フツーの観光客向け食堂に変わり果てていた。

食堂の味の質には失望したが、せっかく寄ったので、物産展で土産を物色。四万十海苔と芋ケンピを購入。文旦ジュースは自分用。
そんなこんなで、かなり長居をしたおかげで、お昼を回ってしまった。

 
 
 

走行再開し、足摺サニーロードことR321を海沿いに西へ。

外洋に面したシーサイドロードは日差しも強く、キラキラと輝く海原を横目に走る気持ち良さは、まさしくサニーロードの語感にぴったりだ。

竜串を通過し、叶崎の橋梁でワンショット。
青く深い海の色に魅せられて、もうワンショット。

     

柏島

サニーロードは叶崎を過ぎると一旦内陸に入っていく。
大月で県道43号との分岐があり、これを行くと柏島へと向かうことが青看に示されていた。

再び海に出会うために、県道へと寄り道。まだできて間もなさそうな大堂トンネルを抜けると、所々狭い山肌の道に変わり、眼下に海が現れる。

今走っている道の先端に見えるのが柏島。
橋で繋がれた小さな島の裾に、民家が密集しているのがよく見える。
その柏島の港は、漁村の大きさからすると随分と大規模なものに見えた。

この写真は一切展望台という場所から撮っているが、この展望台の東屋に、かなりお年を召された老人夫婦が2組おしゃべりをしていた。
駐車スペースには、紅葉マークも眩しい軽四が2台。失礼ながら、かなりヨボヨボな年頃と見えたが、クルマでダブルデートとはやることはお若いですなぁ(^ ^;;

眼下に見下ろしていた柏島に到達。早速気になった港の埠頭に来てみた。
停泊している船は、どれも漁船の様相とは明らかに異なった。船に乗せられている大量の酸素ボンベが目に入る。そうか、ダイビングできるんだ。
 

港の景色を眺めている間にも、湾の外からダイビング帰りのボートが戻ったり出て行ったりしていた。

>>> 足元の海の色は透き通ったブルーグリーン。ハリセンボンが泳いでいたが、カメラを向けると急いで隠れてしまった。

柏島は有名なダイビングスポットらしい。(ツーリングマップルにも書いてあった)
港のすぐ後ろのペンションのような建物の前では、多くのダイバーがお休み中だった。

僕はダイビングの経験があるのだが、ライセンスは持ってない。
当時シュノーケルでも十分だなぁなんてヒヨっちゃって取らなかったのが、今となってはちょっと惜しい。
今更わざわざ取りにいく気には。。。(エスで潜りにいくのもカッコいい??)

               

港から離れ、一応漁村の方にも入り込んでみる。
・・が、こんな小さな島の集落で、マトモに走れる道なんてあるはずもなく。
雰囲気だけ感じて、引き返そうかと思ったら、1本の存在感ある樹木が目に止まった。

いかにも南国のそれは、神社の入口を覆い被せてしまいそうなほど大きく茂っていた。

               

集落の主の如く生い茂るアコウ樹を柏島の最後の景色として、来た道を戻るルートを取る。
当然ながら県道はこの島で行き止まりだからだ。

R321に戻って道の駅に寄りつつ、宿毛市街へと向かって北上していく。

   

宿毛市街から、再び海沿いの道を求めて県道7号へ。
途中、特段何のイベントも無さそうな、海伝いの崖っペリの道。狭路過ぎるというほどでもなく、思いっ切りワインディングが楽しめるかな、と思ったけどそうでもなかった。

この道も、どれだけ走ってもずっと絶えることなく民家が出現するのにビックリする。
確かに宿毛には近いけれど、平坦な土地も無いこんな断崖の狭路に沿って、わざわざ人が住む家屋が存在している理由っていったい・・・
どこに行っても人が住んでいる、そんな四国独特の景観がここでも炸裂している。

愛南でR56に戻って、市街地のスーパーで今晩の食材買い出し。
停滞するにはちょっと速過ぎる時間だったが、この先良さげなキャンプ場があるので、ちょっと変則的に動くことにした。

食材を積んで(って言っても肉とビールくらいだが)R56を北上すると、間もなく須ノ川公園という所に着いた。
広めの駐車場と、木立と池に挟まれたキレイな芝生の広場が国道からも見て取れる。

この芝生の広場がそのままキャンプ場になっている、というのも一目瞭然で、、昨日に続き既におびただしい数のテントが・・・
メゲズに受付をし、駐車場に近い広場の片隅にテントを張る。

寝てしまうまでにはまだ早い。
再びエスに乗り込んで、この先の由良半島までちょっくらドライブだ。

と思って周回してみた由良半島は、取り立てて特徴の無い静かな半島だった。

海に抜かって突き出た長細い半島には、やっぱり民家がどこにでも張り付いている。
ちょうど中間地点に船越運河という小さな水路に架かる橋があったが、これ以上奥に走っても??な感じだったので、ここで引き返すことに。
まぁでも停滞までの時間つぶしにはちょうど良かったかも。。

 

須ノ川公園に戻った頃にはイイ時間。
国道をはさんで公園の反対側には、うまい具合に入浴施設がある。テントに戻る前にまずは入浴だ。

「ゆらり内海」という入浴施設は、海水を沸かした温浴施設。温泉ではないわけだが、リゾートちっくな雰囲気は悪くなかった。てゆうか、結構リラックスできるなかなかの施設。
何と言っても、キャンプ場&海水浴場の目の前という立地が抜群に良かった。

       
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