というわけで、2008年度版九州ツーリングは無事終了。
走ったルートは結構シンプルで、適当なプランの割にはムダが無かったように感じる。意外にも、九州全県を足跡を残してるし。(これは九州ツーリングシリーズで初のこと)

ただ、これまでのようなインパクトの強い目的地があったかというと、これまでと重複する部分も多くてちょっと弱かったかもしれない。
初上陸の対馬は、島の規模としては十分で、歴史的なスポットも多くてそこそこ楽しめはしたけど、ワインディングロードという面ではちょっと物足りなかったかも。
まぁ全てを求めるのは元々難しいわけで。。。

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個々の印象としては小粒かもしれないが、改めてちゃんと振り返ってみると、このツーリングにはひとつ大きな特徴があったことに気付く。
それは、これまでR styleで築いてきたツーリングスタイル、とゆーかツーリングを構成するエッセンスが、9日間の旅の中にほぼ余すところ無く詰め込まれているということ。

ワインディングを走って楽しむことはもちろん、その種類もバリエーションに富んでいて、中高速のステージから低速登山的ステージ、そして狭路ワインディングのアドベンチャードライブ。移動途中にまるでラリーのSSの如く立ちはだかるワインディングの数々を、その都度楽しむことができている。
加えて、ロングツーリングでは好んで取り入れる離島ステージもしっかり走破。対馬はワインディングとしてはイマイチだったけど、その大きさから走り応えは十分だった。

景色は前半の大海原の景色から中盤の山深い景色、そして後半の離島ならではのちょっと独特の空気感漂う景色まで幅広い。それがドピーカンの青空や土砂降りの空模様の中で展開している。晴れた日もあれば雨で景色がすぐれない日もあり。その極端なビジュアルの差も、ツーリング風景の重要な要素だろう。

また、久しぶりに温泉巡り。昔のツーリングでは、メインになることも多かった温泉だが、ここ最近はややフェードアウト気味で、久しぶりに温泉巡りを取り入れたような気がする。
教会や寺社、民家という歴史的建造物も多く訪れている。温泉と入れ替わるような形でここ最近勢力を広げる建築探訪も、抜け目無く取り入れた結果となった。

そしてキャンプ。
今回は出発前の準備段階から、キャンプツーリングのスタイルをもう一度確立しようという思いがあって、そのために道具を揃え直したり吟味したりして臨んだのだ。
毎回キャンプする場所に悩まされる九州だが、今回はその強い意思もあってか、全8泊のうちキャンプが5回、ビジホ2泊、フェリー1泊、車中泊無しと、かなりの好成績だった。
野営時の食事も実は充実していて、毎回わざわざスーパーで買い出しをしている。正直荷物も増えるし、毎回野宿地に頭を使うし、やっぱり多少は疲れが残るし、というのがキャンプの現実だが、それとは別に言いようのない豊かさをツーリングに付加してくれるというのも紛れも無い事実なのである。

・・・そんなカンジで、R style的ツーリングのトピックがまんべんなく散りばめられていることが、今回のツーリングの特徴になっている。大きなトピックが無い代わりに、今までの総復習的な感じに結果的になっているような。

それが今回の一番の収穫だったから、この旅を、R style Touring の美味しいとこちょっとずつ全部載せ、ってことで「幕の内ツーリング」と命名することにしたのだ(^ ^;

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ロングツーリングなので、今回のツーリングデータを紹介しておくと、、

総走行距離:4018.5km
感覚的にはもっと走った気がする。しかし、九州への往復だけで約2000kmを費やしていることを考えると、7日間で約2000kmとなり、1日平均走行距離は何と300kmにも届いていないのが現実なのだ。

1日中走り回っといて、たったそれだけ!?っていうのが正直な感想だが、冷静に振り返ってみると、案外要所要所で立ち止まっている時間も多く、またキャンプツーリングってことで早々と停滞しているのも大きな要因。
2日目と5日目に至っては、たったの200kmしか走ってないのである。

それでも過去のデータを紐解いてみると、九州ツーリングでは過去最高だった奄美大島ツーリングをわずかに追い抜いて最長記録。
北海道から見れば全然短い。まぁ北海道は無条件で距離延びるから、比べても仕方無いけど。
距離走れば偉い、って世界じゃないしね。

平均燃費:10.93km/L
良くないね。ちょこちょこと走ってる場面を考えるとこんなもんかなとも思うけど、北海道ツーリングと比べちゃうと衝撃的に悪い。(←だから比べても意味ないって)

区間燃費で一番良かったのは、最終日の東名高速の13.06km/L。東名の上りって毎回なぜか凄く燃費がいい。絶対何か理由がある気がする。

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前にも書いたけど、ひとつひとつのスポット的には印象不足が否めないのが今回のツーリングだった。
その分、豊富なバリエーションでというかツーリングメニューみたいなのを武器に、誰が食べても美味しいストーリーに仕上がっている気がする。

もちろん狙ってこういうツーリングになったわけではない。
むしろ今回ほど事前に考えなかったツーリングというのは珍しく、行ってみた結果こうなった、というのが、個人的には面白く、気に入っている部分でもある。

つまり無意識のうちに自分が楽しめるツーリングのスタイルを実践できている、という側面があり、長いこと続けてればこんな能力も自然と身に付いてきているのかな、と後からしみじみと感じたりもした。

 

捉えどころが無いけど、何だかいろいろやってて楽しそうなツーリング。
一言で言えばそんな感じの今回の旅。
いつまでやってても飽きずに楽しめる旅のスタイルは、無意識のうちに身に焼き付いている。

今のスタイルでいつまで旅が続けられるのかはわからないから、今できる旅のひとつひとつを大事にしたい。
それが自然にできているということに気付いたのが、このツーリングの一番の収穫だったのかもしれない。

 

おしまい

 
     
 
プロローグ / Touring S2000