Treck & Drive !! 美ヶ原&ビーナスライン          2002/06/08



ビーナスライン(大門峠〜霧ヶ峰〜和田峠〜扉峠〜山本小屋)を攻める

白樺湖ほとりのキャンプ場で目を覚ますと、周囲は霧に包まれていた。1000m以上もあるんだもんな。それに寒い。
ここからすぐに今回のメインステージであるビーナスラインの旧有料区間に入ります。この霧ではせっかくの美ヶ原高原の眺望も望み薄。でも霧(雲?)が晴れるのを待ってるとどんどん混んできそう。走ってればそのうち晴れるでしょと決め込んで出発しました。




むむう、寒々しい。これでは景色を楽しみながらドライブというわけには到底いきません。
しかし、さすがに元有料道路だけあって、路面状態は抜群、豪快にうねってアップダウンを繰り返します。いや「豪快」というのとはちょっとちがうかな。ビーナスラインだけあって、「ふくよか」なラインを高原に描きながら走るといったところかな。

所々に展望台があって駐車スペースは充実しています。まだ朝早いだけあって、走っているクルマもまばら。当然駐車場もガラガラ。狙いは良かったんだけど、朝は決まったように霧は出るからなぁ。毎回選択に迷うところです。


霧ヶ峰のレストハウスに着いた頃に、ようやく霧、というか雲が晴れてきました。ここまでで4分の1ほど走っていたけど、晴れない視界にEK9のエンジンはちょいと運動不足。せっかく極上のワインディングが目の前にあるので、ちょっと元気に走ってみました。


霧ヶ峰から先は森林の中を駆け抜ける。ストレートで2速が吹け切り、3速にシフトアップするとほどなく次のコーナーが迫る。
EK9の心臓B16Bは、右足の操作に俊敏に反応するこの上ないレスポンスを誇る。そのたくましくも繊細なエンジンもさることながら、路面状態を常時伝達する重めのステアフィールやコントロール性に優れたブレーキがEK9には備わっている。これらがどれひとつ突出することなく高次元でバランスされているので、ワインディングでも安心して楽しむことができます。
こうやって運転していると、本当にEK9は「楽しい」クルマだ。「速い」クルマではない。もちろんこのクラスでは圧倒的に速いけど、これより速い車はいくらでもある。けど、この気持ちよさ、楽しさを備えたクルマはなかなかないと思う。

また褒めてしまった。いやでもマジで楽しいんです。運転という行為がまるで苦にならない。ずーっと走り続けても飽きないんじゃないかというほどに熱中してしまうんです。変わってるかなぁ、オレって。

というわけで今日も朝から右足に力が入ってしまいました。本来なら極上の景色を眺めてすいすい流そうかと思っていたのですが。

地図上で見るとビーナスラインは結構距離がありそうな感じでしたが、走りに熱くなってしまったので、あっという間に終わっちゃったという感じでした(おいおい)。
あ、でも、道はすごく印象的でしたよ。扉峠までは山腹を縫う比較的フラットなワインディング。うって変わって山本小屋までは、急な登り坂がヘアピンとともにこれでもかと連続する山岳道路。
メインだったはずのビーナスラインの紹介がこんなんでいいのか!?



コホン。気を取り直していきましょう。
ビーナスラインはその区間中でもっとも標高が上がった辺りで終点。その近くの山本小屋という休憩所にEK9を停めて美ヶ原を散策。ここから1時間くらいの王ヶ頭までハイキングです。

ちなみに日本百名山にも入っている美ヶ原ですが、実は山の名前ではなくこの辺一帯に拡がる2000m級の高原台地を指しています。その中でもっとも標高が高い場所が王ヶ頭(おうがず)なわけです。


宇宙へ続く道かここは!と思っちゃうような解放感。何もかも忘れてただ頂上に向かってのんびり歩いてると、本当に吸い込まれていっちゃいそうなカンジ。往路45分程の間にすれ違ったのは2組くらい。もったいなさすぎるぞ。

高原にはウシでしょう、やっぱり。

こんなだだっ広いところで好きなだけ草を食えるなんてお前ら幸せモンだ。

約100mの標高差を登り切ると王ヶ頭。1軒のロッジと林立する電波塔が迎えてくれました。
標高は2034m。かなりラクチンな道のり。ただ上の写真のような道が延々延びているだけなので、かなり遠い感じはします。迷子になって彷徨っているかのようでした。

ロッジでは高原牛乳を1杯。

さっきのウシのお乳かどうかは定かではありませんが、濃くてウマかったです。

しかし広過ぎです。
360度見渡す限り草原と空だけ。しかもここは2000mの高所。ありえんシチュエーションだ。恐るべし美ヶ原。

復路ではうって変わってたくさんの家族連れに遭遇しました。駐車場に戻るとすでに満車状態。このとき10時くらいだったので、徐々に混み始めるところだったんでしょう。
ラッキーな時間帯に美ヶ原を楽しむことができました。大勢の観光客(ってオレもそうだろうが)に囲まれていては、こんな感動を覚えることなどできなかったでしょう。やっぱ、ここぞという場所は朝に限るねー。ツーリングの鉄則です。


さて、これで美ヶ原もビーナスラインもおしまい。あとは帰るだけ、っておいおい、早過ぎるぞ。
実はこの後どうするかあんまり考えてなかったのです。美ヶ原は有名な観光地だけに、土曜日の今日はどんどん人が集まって来つつあるので、早めに退散することにはしたのですが、さてその後どうしたものやら。
と思うヒマもなく、案の定軽くハイキングしたから温泉にでも入りたいなーと温泉好きのムシが疼き出したので、とりあえず温泉に向かうことで腹は決まりました。

信州は温泉の宝庫。この辺だったら丸子温泉郷が近いな♪


で、やってきたのは、療養・保養温泉地として伝統のある鹿教湯温泉。温泉地としてはこぢんまりとしているが廃れた様子はなく、それなりに風情のある所でした。

川には木橋が架かり、休憩できる場所が設けられていたり、階段の代わりにスロープが設けられていたりと、療養のための温泉地づくりがなされています。

2つある共同浴場のうち、今回は「文殊の湯」に入りました。
単純温泉ですが、柔らかい肌触りのお湯がとってもグッド。そこいらの日帰り入浴施設とはお湯の新鮮度が違います。豪華さは皆無ですが、素朴で静かなおかげで心まで安まる思いです。例によってとっても空いていたので、かなりのんびりとさせていただきました。



国道254号(丸子町〜下仁田町〜藤岡市〜川越市〜練馬区)を攻める

風呂上がりに十割そばを食し、かなり満足度いっぱいになったところで、帰路に着くことに。さてどうやって帰ろうかなと考えるまでもなく、私の頭の中にはまたしても意味不明のドライブルートが既に成立しつつあった。
鹿教湯温泉にアプローチする国道は254号。よくよく考えてみると254号は我が家のすぐ近くを川越街道という名で通過しているではないか。つまりこの国道を延々走り続ければ、理論的には我が家にたどり着くということになる。
かくして帰りのルートは決定した。254号は松本から文京区までの国道なので、ここから走ればほぼ全線完走できる。そういう意味のない充実感が欲しくてついスタートしてしまったのでした。

区間距離200km(くらいだったかな?)、交通量も多く面白味のない道路を延々走ること6時間。本当に練馬に着きました。特筆すべきものも何もないのでレポートはなし!
私の無意味な努力のみを讃えてあげてください。

というわけで、考えてみれば今回はほとんど299とビーナスラインと254しか走ってません(笑)。いいんです、私は満足してますから。
でも、ビーナスラインは噂に違わない走り甲斐のあるワインディングでした。ぜひまた熱い走りをしに繰り出したいと思います。そのときは素直に高速で行こうかな!? おしまい。





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