福岡は観光しないで(でも前日天神だけうろうろした。いい街だね)、そのまま国道202号を唐津の方に向かった。

市内の202号には、中央線が時間帯によって切り替わる古風なシステムがまだ残ってた。余所者には中央線側を走る勇気がない。交通量はさすがに多めだったけど、通勤方向とは逆向きなので難なく市外に抜けた。

 

ホテルの立駐から出動

                           
  しばらく西九州自動車道の下のバイパスを走って、有料道路になる手前で旧道(ていうか本来の国道202号)に戻る。
青看に忠実に走ってたら、またバイパスに連れていかれてしまった。唐津は虹の松原通って唐津城見ながら街中を通り抜けたかったので、適当なところで引き返す。
         
     
虹の松原
     
 

奥行きある松林の中をぶち抜く道路。朝の澄んだ空気と相まって、とても気持ちいい。

松原に入る手前のスタンドで給油。スタンドの親父の「よかです」という言葉に、ようやくあー九州だなーっていう実感が湧いた。

ほかにも「・・・かと」「・・・ばってん」とか、旅情をかき立てる語尾をことあるごとに耳にした今回の旅(若い女の子もバリバリだった)。九州弁(筑豊弁?)ってわりと意味わかるから安心して話せるねぇ(それに比べて東北は・・・)
   
 

唐津城

私の勤務先の施工らしい。
価値が薄れた(笑)。

         
    唐津抜けた後は、呼子に向かって北上。そう言えばいつの間にか佐賀県に入ってたんだな。    
         
呼子大橋
           

呼子の街から加部島に架かる橋。道幅狭いし距離もそんなにないので、期待してたほどインパクトはなかった。

呼子と言えば朝市とイカ!ですが、食道楽に来たわけではないので見向きもせず加部島入り。(ホントのこと言うと、イカの造りが高価過ぎて怖気づいただけ(汗))

 
 
 

風の見える丘公園

加部島ったって、何があるのか全然知らないので、とりあえずガイドブックに載ってたここに来てみた。

風は見えない(^ ^;) → 

さっきの橋と呼子の町が見えるくらいで、そんなに素晴らしいわけでもない。(でもこうやって後から見るとなかなかイイ景色だな)

島の端っこのほうに行けばそれなりにいい場所あるらしいけど、道がうねり過ぎてようわからんのでそのまま呼子に戻ることにした。

 
国道に戻って名護屋大橋を渡り、すぐに現われる道の駅でお土産を物色(小アジのみりん干しを購入)した後、今度は近くの波戸岬に向かう。  
ハングル語が併記されているのもお土地柄!? →
 
 
波戸岬

駐車場にクルマ停めて、10分くらい歩くと小さな灯台があった。海面との高低差がほとんどなくって浜が海に突き出してる感じ。こんな迫力のない岬ってのも珍しい。まぁでもいい散歩になった。

駐車場にはサザエの壷焼きを売る露店(なんか掘っ立て番屋みたいでいい感じ)が軒を並べてて、ちょっと惹かれる(貝関係には目がない私)。が、まだ準備中っぽかったのでパスすることにした(日御碕での失敗が尾を引いているっていうのもある)

   

国道204号(呼子〜伊万里)

ほとんど走ってるクルマもいない快走路。時折、多島の海を右手に覗き込みながら南下。
あんまりクルマが走ってないとついついスピード出がちだし、そういう所はおばあちゃんなんかがふらふら横断してるケースが多い。こんなとこで何かあったらつまんないので、のんびり流すことにする。

 
   
伊万里の町はバイパスでショートカット。橋の歩道上にデカくて高そうな壷(当然伊万里焼だろう)が鎮座しててビビった。
いたずらや盗難に遭ったりしないのかなぁ。長閑な町には無縁なのかね。
   

(伊万里〜田平)

伊万里からはシーサイドルートの趣。小高くなった海岸線をトレースする。自然豊かなルートという感じではなく、割と人の手の入った賑やかな印象だった(交通量も多かったし)
このくらいの時間になると太陽も眩しく、明るい気分での気持ちいいドライブ(暑いですが)

       
 
平戸大橋
 
       
 

田平から平戸島に渡る赤い吊橋。平戸って陸続きじゃなんだねぇ。てっきり本土かと思ってた。
そんなにすげーって感じはなかったな。吊橋はやっぱり支柱の高さだよ。走りながら眺めるあの圧倒的な高さに驚くんだ。明石海峡渡ったら、後は全部物足りなくなってしまうなぁ。

ちなみに有料(100円)です。

 

川内峠
平戸の市街には向かわず、町のはずれの川内峠という場所にやってきた。
ここはなかなかの絶景!南北に海が見渡せる平戸島随一の展望地。
        青空と緑の境界に向かって伸びる峠 →  
                   
                   
                             
  足元には草原の丘が拡がり、そよぐ風が最高に気持ちいい。丘のてっぺんまで登ってしばし眺望を楽しむ。
                             
             
                           
      区間は短いけど、草原の丘の合間を縫って走る道路は気持ちいい。
特に名前のないルートなので入り込みづらい道だけどね。
   
                           
                                           
          峠を降りた後は、県道19号を西に走って平戸島の北西に浮かぶ生月島を目指した。        
                                           
 
生月大橋
 
                                           
        これは凄かった。さっきの平戸大橋より全然イイ(通行料は高いが)
離島に架かる、長大スパンのトラス鉄橋。2本の支柱に吊り上げられているような架構は吊橋のシルエットに似ているが、規則的な構造体の鉄骨トラスが持つ力強さが何とも美しい。
 
                           
                   
        平戸島側からは橋に向かって急降下していく
ジェットコースターみたいでカッコいい
 
                                   
 

このライトブルーの着色が目にも鮮やかでキレイ。
周りの自然色にうまくマッチしてるし、今日みたいな天気のいい日には明るく輝いてる感じで印象的。

これぞ心に残る1本。お気に召しました。

       
                                           
     

渡ってすぐに道の駅がある。
生月大橋をサイドから展望しつつ、売店で土産を買う。生月町の特産は「あご」らしい。いわゆるトビウオのこと。
これの干して焼いたものが大変旨いので、ここでひとつ購入しておく。

売店のおばさんが生月島のガイドをしてくれた。
島内は一周できるらしい。おおよそ東側は漁村や集落が集まり、西側には自然が残されているという。
とりあえず時計回りに走ってみることに。

 

日陰で涼むノラ猫
こういう風景は実によく目にした
しかし肥えとるのう

     
                                           
   
生月島の西海岸
   
深い群青の大海原と、そそり立つ岩壁に挟まれた位置に立つ自分。凄い迫力!
間近に迫る様々な自然が覆いかぶさってくるようなワインディングルート。これだけ上下に幅を見せるドライビングビューも珍しい。
テクニカルなワインディングというわけではなかったが、迫り来る深い色彩に飲み込まれそうな印象が強いルートだ。
実はただの農道なんだけど、生月島のベストスポットだろう。
   
大バエ断崖
  生月島北端の岬。尋常じゃない高さの崖っぷちに灯台が立つ。
     
適当に柵してあるだけなので、崖っぷちに立つと強烈に怖い。目が眩むなんてモンじゃない、吸い込まれそうな引力を感じる。
能登半島のヤセの断崖並みの大迫力っす。
 
     
                   

東海岸はガイド通り集落の集まる区間で、大量の農耕車に混じってのんびりドライブ。そのまま生月大橋を渡って平戸島に戻る。
これといった見所もない島なので普通なら来ることもないんだろうが、生月大橋と西海岸はすごく印象に残った。走るのが目的なら行っても後悔しないだろう。

ただし、平戸島も生月島も(当然だが)行ったら帰ってこなければならないので、橋を2回ずつ渡らなければならない。平戸は100円だが生月は600円とかなり高い。道の駅で割引券が売ってる(2本とも)ので、必ず通るんだし帰りの分だけでも買っておいた方がいい。
しかし、もし万が一帰りの分の通行料が払えないほどサイフが寂しかったらどうなるんでしょう?
島人になるしかない?(そんなギリギリの旅はヤダ)

 

このまま平戸に戻ろうかと思ったけど、せっかくここまで来たんだし、「最西端」まで行ってこそ旅人!っていうふうにモチベーションが上がって宮ノ浦まで行くことにした。

生月大橋から島の西側の山肌を縫うようにして走る県道19号を行く。ここがまたタイトコーナーの連続で面白かったー。海を眼下にもこもこした緑の中を走って楽しいのなんの。今回こういうとこ初めてだったから余計にそう思ったのかもしれないな。エンジン回して楽しんじゃった。

獅子っていう小さな漁村で道に迷って、その後も行きたい所になかなか行けずにいつの間にか国道383号に出てしまう。
ここは普通の田舎の国道って感じで、コンスタントに通行するクルマが存在する。でも国道が突然途切れて県道になってしまってからは、ほとんど通る人もいない寂しい道になる。
とは言っても天気はイイし、まだ日は高いし、道幅も十分なので気分良く突っ走った。

                                 
   
宮ノ浦漁港
       
                                 
     

「最西端」の港。最西端といっても実はいろいろあって、日本の領土の最西端と言えば、ご存知与那国島。宮ノ浦は何の最西端かというと、橋で繋がれた最先端の漁港(集落)、なんだそうだ。つまり東京からクルマだけで行けるもっとも西の端、ってことだね。

その宮ノ浦は小さな漁港にびっちりと漁船が詰まってる上釣り人もたくさんいて、最果ての侘しさとはまったく無縁の雰囲気だった。

   
             
                                 
 

宮ノ浦からは来た道を引き返す他手段はない。同じ道なので、写真も撮らずにちょっとがんばって走ってみる。

エンジン回すのは気持ちいいが、同じ道に飽きてきたので県道60号に曲がる。漁村集落を繋ぐ道だけど、予想以上に狭くて荒れた区間が多くてちょっと心細くなった。狭い道を走ること自体は苦にならないんだけど、あんまりにも路面状態が悪いとクルマが心配だからね。

   
                                 
 

国道に戻って平戸大橋から戻るつもりだったけど、まだ日が落ちるには時間がありそう。
どうせだから、ちょっと平戸の街でも観光していこう。

   
                                 
平戸
 
 

南蛮貿易で一時代を築いた城下町の平戸には、キリシタン関係の史跡が数多く残されている。これは別に市街地の中にだけというわけではなく、市内のいたる所に教会が残ってたりして、島全体にそんな空気が流れてたのが印象的だった。

← 平戸城

   

オランダ橋

西洋伝来の技術で架けられたアーチ橋。ただ残ってるだけで、周りの環境とかはそりゃないんじゃない?って感じがしないでもないが・・。

 
     
 
 

フランシスコ・ザビエル記念聖堂

日本にキリスト教を伝えたザビエルの名が冠された、結構新しい教会。いかにも教会って感じの尖状の形態で凝ったつくりになってそうたけど、外壁はペンキぬりぬりしただけの案外簡素な建物だったりする。

       
平戸は坂が多くて細い路地を通り抜けて散策する楽しみがある町だ。雰囲気は函館に似てるけど、あそこまでは大きくないかな。同じ県内に長崎があるだけに目立たないけど、ちょっと散歩するには悪くない場所です。
       
・・・・・
 

平戸島を離れて南に向かう。景色は夕方の眠た気な色に染まりつつある。今日はここらで落ち着こう。
地図で調べてやってきたのが鹿町の長串山キャンプ場。ていうか近くにここ以外野営できそうな場所がなさそうだったので、あまり迷いもせずに決めつけてやって来た。
町営の大きな多目的公園の一角にある小さなキャンプ場といった感じで、あんまり開放的で気持ちのいいサイトではない。それ以前にいるはずの管理人がいないし、管理センターにも人っ子一人いないし、申し込みしようにもできない状態。そのまま黙ってテント立てることもできたけど、あんまり感じのいいサイトじゃないので気乗りしない。かと言ってもう他にはキャンプできるとこなさそうだし。。。

幸い駐車場がたくさんあって、その中で海への眺めのいい未舗装の空き地っぽい野営にぴったりの場所を見つけた。もう日が暮れるし誰も来ないだろうと思って、その場で幕営。

多島の海に沈む夕日を眺めながらビールを飲みつつ、不確かな意識でテキトーな夕食をつくってガッつく。
毎回のことながら、メシ食ったらあとは(酔っぱらって)ただ眠たくなるだけなので、さっさと片付けてシュラフに包まり、あっという間に眠りに落ちてしまった。
 

 

 
2日目 / 4日目