キャンプした駐車場?からはなかなかの展望だった。高台から北九十九島を見下ろすという絶好のロケーション。本来のキャンプ場は公園の奥の木立の中に押し込まれてるような場所にあったことを考えると、ここで幕営できたのは結果的には良かったのかもしれないな(珍しく職務質問もされなかったし)。 | |||||||||||||||||||
この日まず向かったのは、小佐々町の神崎鼻。最西端の碑があるということなので寄ってみた。 前の日も最西端に行ってるのにまた?と思ってしまうでしょうが、今度のは「本土」最西端だそうな。最北端の宗谷岬、最東端の納沙布岬、最南端の佐多岬に比べると圧倒的に知名度が劣る感じがするのは私だけではあるまい(地図見ても全然ピンとこないし)。 |
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海沿いに南下していくと次第に交通量が増えてきた。佐世保への通勤ラッシュだ。 これで少々時間ロス。でもまだ全然朝!って感じ(どんな感じだ)だったので、佐世保の展海峰に行ってみることに。 |
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ここまで辿り着くのにエラく迷った。 佐世保は神戸や函館並み(それ以上かも知れない)に急峻な山肌に発達した町で、走っている最中の景色もなかなか面白いのだが、蛇行具合がハンパでなく、つい曲がり角を見過ごしてあらぬ方向へ走り続けること数回、ようやくといった感じで展海峰に到着することになってしまった。 |
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展海峰 |
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平日の朝で人っ子一人いない展海峰は、苦労して来た甲斐があった!と思わせる素晴らしい展望!南九十九島をパノラミックに見渡す絶景が広がっていた。 海原にぽこぽこと顔を出しているような島々が織りなす風景がどこか微笑ましい。松原もそんな感じだが、こっちは海の蒼さ、緑の深さに代表される色彩のコントラストが印象的。山肌に張り付く佐世保の町も遠望できるしね、満足、満足。 |
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湾岸は造船所で埋め尽くされてる感じだ |
佐世保と言えば造船!とにかく大規模な造船所(と米軍)で発展した都市だ。 かなり広大な面積に巨大クレーンが乱立している。それがまるごと移動していたりしてすっげぇ迫力!造船所のスケールは完全に非日常もいいとこで、昔から変わらぬ風景だとはわかっていても、ちょっと廃れ気味な未来ってものを感じてしまう(早い話、ファイナルファンタジーに出てくる都市っぽい)。 |
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佐世保を抜けて、国道35号から国道202号へ入り、西彼町方面へと走っていく。 西海橋を渡って国道206号を南に向かうと左手には大村湾だ。 次は長崎に行こうと考えてたのでこのまま南に向かってもよかったが、なるべくずっと海沿いを走ってたかったので、外洋側を走る国道202号へと戻るルートをとることにする。 |
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県道12号 西彼杵半島を横断する快走路。まったく走ってるクルマもいない上、路面状況も良かったので、ハイアベレージで時間を稼いだ。中高速の峠越えは爽快この上なしってカンジ。 |
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国道202号 西海岸に出ると、後は延々シーサイドロードを走るのみ。海の向こうには五島列島があるはずだが、やっぱり遠いのか全く見えない。思いのほか単調な道路で、長崎直前では結構飽きてしまった(景色はいいんだけどね、長く感じた)。 |
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道路を跨いで港に突き出すクレーン。 海運関係の施設だと思うが、なんだかカッコいい。 |
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メイン道路は広くて快適 |
長崎市 10年ぶりの長崎。入り組んだ湾口に密集する都市。 |
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端島(軍艦島) |
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長崎から国道499号を南下して野母崎町に入ると、道は快適なシーサイドロード。その海の向こうには軍艦島が見える。 この軍艦島、正式な名称は端島(はしま)で、以前は炭坑の島として多くの労働者とその家族が生活していた島だ。 閉山後、島からは人影がなくなり、現在は完全な無人島。しかし、当時人々が生活した建物は残っていて、それが連なる景色が圧巻なのだ。小さな島(というか岩山)にコンクリート造の高層アパートが重なる姿はまさに「廃墟」そのもの。日本にもこんな形で見捨てられた街があるのかと思いたくなるほど衝撃的な風景。人の手が入らないと、人工の環境はこんなにもあっけなく朽ちていくものなのか。。 残念ながら、実際にはモヤってよく見えなかったけど、どこかで見た映像を思い出しながら、しばし想像の世界に身を置く。 |
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端島から南に行くとすぐに半島の先端、野母崎。先っぽには権現山展望公園なるものがあるらしいので、さらにクルマを進めてみる。 野母崎の漁師町の裏路地(クルマ1台通るのがやっと)を抜けると、登山道顔負けのワインディングが2,3km続く。コンクリート舗装の道をどんどん登っていくと、いつの間にやらかなり高度の高い所へ。権現山の頂上が岬の展望台だった。 |
野母崎 |
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山の頂上だけあって、360°視界の素晴らしい展望。 眼下に広がる海よりも、山裾の緑がとにかく眩しい! |
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東京より上海の方が圧倒的に近い。意外。。 | → |
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野母崎からは雲仙方面に向かいたい。そろそろ温泉に入りたいのだ(4日目なのにまだひとつも入ってないんだよな、珍しい)。 来た道を引き返すのは芸がないから、半島の南側の海岸をトレースして諫早に向かう県道34号線を走ってみよう。 |
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県道34号 |
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半島の南側は、海岸から直接急峻な斜面が立ち上がるダイナミックな地形が続いていた。県道はその山肌にウネウネと張り付いている。道幅は狭く運転には気を使うが、クルマの向きを変える行為自体を楽しませてくれるEK9なら気にならない。 |
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びっくりするほど安い! |
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それに県道沿いは長崎特産のビワの畑が延々続いていて飽きさせない。急勾配に張り付くビワの木々が視界を覆う感じ。これによって34号はすごく個性的なルートになっている。 ちょうど収穫期ということもあって、農家はビワの仕分け作業の真っ最中。所々無人販売もあって、穫れたてのビワが格安で売られている。もちろん購入。今晩の楽しみが増えた♪ |
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眼前に雲仙の山並みが見えて来た |
国道251号に合流すると、交通量は飛躍的に増えた。トラックに挟まれて雲仙方面を目指す。 眼前に雲仙の山並みがそびえ立ってきた頃に、国道57号にスイッチ。島原半島に入っていく。 |
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私とは関係ございません、、が、こんな自治体名があったとは。。 | → |
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小浜温泉 |
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雲仙の西側海岸沿いにある温泉街。あんまり知名度がある方じゃないけど、長崎県内では有数の温泉地で、高温の源泉が大量に涌いている。実際街のあちこちに湯煙が上がっていた。 共同湯は2ヵ所ばかりある模様。今回は温泉街の外れの静かな環境にある「脇浜温泉浴場」に訪れた。 |
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小浜温泉 脇浜温泉浴場 |
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番台の無口なばあさんに150円を支払い、脱衣所に上がると歴史情緒たっぷりな脱衣箱が目の前に並ぶ。全体のつくりは簡素な銭湯といった感じで質素そのものだが、その素朴な情緒が何とも言えない。 | ||||||||||||||||||||||||
この風情が泣かせるねー |
お湯はさすがに高温で、早めの時間に訪れたために温度調整がされておらず(掛け流される源泉の量で湯温を調節するのです)、2つある湯船の片方しか入れなかった。でも源泉は一緒なのでこれでも満足。 海の近くだけあって塩分多めのお湯だったが、これが飲んでみるとなかなか旨い。ぐいぐいイケてしまう(危)珍しい温泉だった。 |
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入浴後(脱水気味)クルマに戻ったら16時を回っていた。そろそろ今晩の寝床を気にしたいところ。 ここまで来たならやっぱり雲仙でしょう。豊富な温泉のある雲仙温泉近くで、豊かな自然に囲まれた静かな環境でキャンプがしたい。きっと星もキレイに見えるんだろうな。さっそく雲仙に向かうことにしよう。 |
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国道57号(小浜温泉〜雲仙温泉) |
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小浜を出発して雲仙を登っていく。これがとても2桁国道とは思えないほどの立派なワインディングだった。 |
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雲仙温泉手前でキャンプ場に目星を付けて、温泉街をそのまま通過。57号でしばしエンジンを回した直後だったけど、もう1ヵ所走っておきたいワインディングがあるのだ。 それは「仁田峠循環道路」。57号の最高地点付近から、普賢岳に向けてさらに登っていく有料の山岳道路。地図上では見るからに凄そうなワインディング。よだれもんだ。 料金所でお金を払い(この距離で710円!高っ)、1車線の峠道をそろりと走り出す。 |
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仁田峠循環道路 |
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なんなんだこの道路は!! |
思う存分走ってくれと言わんばかりの道路 |
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思わず叫んでしまった。。でもこれが率直な印象なのだ。 |
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狭いながらも路面状態は良く、2速のVTECハイカムゾーンがサイコー。1.6リッターDOHC
VTECが奏でるホンダミュージック(6000以降はまんまレーシングカー♪)に陶酔しながら次のコーナーへ。 ブレーキングで十分フロントに荷重をかけてインを舐めるようにコーナーをクリア。クリッピングポイントを過ぎ、視界が開けてくる頃にエンジンに鞭を入れ再びハイカムゾーンへ。少し長めのストレートではわざと3速に入れてコーナー手前のシフトダウンを楽しむ。 |
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ある程度登ってくると、異様とも見える大迫力の岩山が眼前に現われる。これが雲仙の主峰、普賢岳だ。 すぐに整備された駐車帯があり、展望スペースは普賢岳を眺める特等席とも言える場所。それにしても荒々しい岩肌だ。何かに削り取られたような痛々しい容姿をさらけ出している。 |
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よくよく案内板を見てみると、目の前にあるのは「平成新山」という山とのこと。普賢岳はその左側のやや低い山頂のことをいうらしい。意外にも普賢岳は雲仙でもっとも高い山ではないということか。 普賢岳はあの平成の大噴火で溶岩ドームが形成されて、噴火が収まった時には普賢岳より127mも高くなってしまったそうだ。で、これを新しく平成新山と名付けたらしい。今や目立つのは平成新山の方ばかりで、普賢岳は新山の影に隠れてしまったかのようにまるっきり目立たない。 それでも雲仙と言えば何と言っても普賢岳。雲仙の象徴としてこれからも敬われ愛されていくんだろうな。 |
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この駐車帯を過ぎると、さらに大きな駐車場がある。ここが仁田峠で普賢岳の登山口にもなっている。 仁田峠はハードなコースレイアウトでなかなか面白かった。地図上では見落としてしまいそうなショートコースで料金も高いが、満足度は今回の旅で走った道の中でもかなり高い。 |
さて、気持ち良く走ったことだし、そろそろ今晩の寝床に向かうとしますか。 と思ったのですが・・・ 雲仙温泉街に戻って目を付けていたキャンプ場にやってくるものの、ゲートが塞がれているではないか。立て札には、キャンプしたけりゃビジターセンターまで来いと書いてある。ここまで来て、更に今度はビジターセンターとやらまで探さにゃならんのか(温泉街のどっかにあるらしい)。 今回は毎晩こういう場面に遭遇して正直うんざりした。最近のツーリングでは、マトモに使えるキャンプ場を見つけるのに一苦労だ。おかげで野宿率が高くなる(こういう時の「道の駅」はやはりありがたい)。 |
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雲仙温泉 小地獄温泉館 |
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仕方ないからもうひとっ風呂浴びることにする。 やって来たのは雲仙温泉街からかなり離れた所にある小地獄温泉館だ。共同湯的な扱いだが、建物や料金的には日帰り入浴施設風である。 |
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硫黄泉のお手本のような白い卵臭のお湯はもちろん掛け流しで新鮮。さっきとはまったく違う種類の温泉に満足。 雲仙温泉にはここの他にもいい温泉がたくさんあるらしいので、機会があれば再度訪れてゆっくりしてみたい場所だ。 |
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温泉から出ると、少し薄暗くなってきていた。ヤバイ、速く寝床を確保しとかないと、と一瞬慌てるが、仁田峠からの帰り道で国道沿いにキレイな駐車スペースがあったのを覚えていた。いざとなればここでいいやと気に留めておいたのである。 | |||||||||||||
国道389号沿いにあるこのえらく金のかかった駐車場、自然に囲まれて(要は人気のない山の中なんだが)静かに一晩を過ごせそう。金を払って鬱蒼とした手狭なキャンプ場で寝るよりはよっぽど幸せなような気がしてきた。 何となくテントまで立てる気にはならなかった(立てても十分よさそうだったのだが、なぜか気分が乗らなかった)けど、夕飯は自炊した。 |
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その他にも野良犬やら野良猫やらいろいろ動物の出現するこの駐車場。明らかに山深く、この後何が出てくるかわかったモンじゃないからテントは立てなくて正解だったかもしれない。クルマの中の安心感は格別だもんね。熊が出ようと嵐に見舞われようと、EK9が守ってくれる。 |
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そんな安心感も手伝って、最近では車中泊でも朝までぐっすりだ。昔は寝苦しくてすぐに目覚めちゃってたもんね(セミバケだし(汗))。さすがに旅慣れてきましたよ、私も。 |
ビワです |
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