早朝、キャンプ場を出発し、すぐに登山道路で山頂を目指した。道路は北山麓から頂上に向かう坊中線。整備された2車線のワインディングを、エンジンを温めながらのんびりとしたペースで登っていく。
昨日はイマイチの天気で楽しみ切れなかった阿蘇登山道路。今朝はリベンジとして今一度この極上と言われるワインディングを走り切るのだ。早朝の澄み切った空気の中、至上の体験が待っているはず。
 
                                   
阿蘇登山道路 坊中線
                                   
 

しばらくは林の中を疾走する区間が続くところは昨日走った吉田線と同じだが、ある高さまで登ってくると景色は劇的に変わる。

見渡す限りの草原。朝日を受けてキラキラと輝くような黄緑の丘がどこまでも続いている。起伏が重なる先には阿蘇が鎮座するという構図。素晴らしい!

天気は昨日と比べれば申し分ない。早朝ということもあって、通行するクルマは皆無。最高のシチュエーションでのドライブに感動すら覚える。

ほんと次々と素晴らしい景色が現れる(角度が変わっているだけなのだが)ので、のんびり走ってはクルマを停めてしばし見入るってカンジで、いつものワインディング走りを楽しむってことはほとんどしなかった。 それでも十分、この景色があれば登山道路は楽しめた。
やっぱり天気と時期、時間は重要だねぇ。

                 
  今回はうまい具合に阿蘇のベストシーズンと言われる梅雨直前に訪れているので、新緑の眩しさがホント素晴らしかった。盛夏の燃えるような緑、紅葉時期のこれまた燃えるような暖色イメージの景色もいいだろうが、この時期も捨てがたいよねぇ。  
これ、もうちょっと前の時期になっちゃうと、阿蘇は山焼きで枯れたような景色と聞いてたので、実にいい時期に来たという感じ。
天気だけはどうにもならんけど、、最近は結構恵まれてる方だなぁ。ツーリングコンテンツ見返してみると、ここぞという時はだいたい晴れてると思いません?
                 
           
           
 
草千里ヶ浜
 
阿蘇の高原風景のハイライトと言えばここかな。果てしなく続く平原に所々点在する湿地。絵葉書のような景色でちょっと違和感がないでもないが、観光ポイントとして人気があるのもわかる気がする。
昼間は有料駐車場が満車になるくらい混雑する(昨日通った時そんな感じだった)場所だが、この時間じゃ誰もいやしない。放牧された馬がのんびり草を食んでいるというゆったりとした風景。昼間の喧騒とは全く違う世界だ。
   
阿蘇登山道路 吉田線
           
昨日登ってくる時に使った南山麓から山頂に伸びるルート。距離感は3本中もっとも長く、走り応えもある。それは昨日で確認済みだが、朝日が山肌に当たって照り輝く中では気持ち良さが違う。思わず山頂から麓までの全線を往復してしまった。  
 
                   
           

南阿蘇の外輪山を遠くに見ながら、
急勾配のヘアピン区間をクリアする

                         
  ヘアピンとストレートが連続する急勾配区間、黄緑色の草に覆われた丘の間を縫うように走る中速コーナーが連続する区間、そして登山道路唯一のトンネル、火の山トンネルで一気に山頂付近へ突っ切るストレート区間。
実にバラエティー豊かなのも吉田線の特徴。どんなクルマでもそこそこ楽しめる秀逸なワインディングロードだ。
   
                                 
阿蘇登山道路 赤水線
  坊中線から分岐し、西山麓に下りていく道路。距離は3本中最も短かく感じる。と言うのも、半分くらいは手の入った別荘地(の様な場所)を走るからだ。
だからと言ってまったく魅力がないわけではなかった。途中「米塚」という、その名の通り米粒が積もったような形状の山があって、それを間近で眺めることができる道だったのだ。
               

坊中線から見た米塚
阿蘇のカルデラの中にある火山のひとつらしい

1本も樹木が生えてない非常に端正な形の山で、その姿は阿蘇を代表する景観のひとつだろう。クルマを停める場所がないのでゆっくり眺めるわけにいかなかったが、大きなコーナーをぐりぐり回りながら、いろんな角度から見え隠れする米塚を眺めて走るのも面白いなと思った。
 
米塚に関しては、坊中線からも遠目に見ることができる。こっちからは見下ろすような角度になる。
大きな風景の中の小さくもキレイな山という感じの眺めになって、写真的にはこっちのが面白い構図になったかな。
 
                                   
     

3本の登山道路はすべて、素晴らしい景色を眺めながら走ることのできる最高のワインディングロードだった。距離的なボリュームも丁度いいし、路面も元有料道路だけあって全線2車線で非常に走りやすい。

さすがにこれだけの観光地なので、昼間は交通量が多く、しかも観光バスが黒煙をもうもうと吐きながら渋滞をつくってる場合が少なくないので、本当に楽しめる時間は限られている(ハイシーズンはかつての乗鞍並みの混雑らしい・・)。気持ち良く走るなら、今回みたいに朝が断然オススメだね。8時頃になるともう観光バスが登ってき始めてたので、早朝ツーリングが唯一の秘訣と見た。

   
                                   
                                   
      どっちかっていうと景色を楽しむような面白さが勝っていて、あまりハイペースで流すようなワインディングではないのはちょっと意外だったけど、それでも十分堪能できた。
東京からここまで来てホント良かった。最高だよ、阿蘇は。
     

 

 

阿蘇を下り国道57号に出てコンビニに寄る。最近は早朝の誰もいないワインディングを走ることに拘ってるので、キャンプ地で朝食を作るなんてことはしなくなった。明るくなって目が覚めたら、とにかくテント片付けて、とっとと走り出したいわけだ。前日どんなに走りまくって疲れても、目が覚めれば1秒でも早く走り始めたいって感じるんだよな。

この時食べたコンビニの「高菜おにぎり」はおいしかったなー。コンビニ飯と言えど、やっぱり本場は違う!?
コンビニおにぎりって、ご当地モノってあるよね。九州の高菜はようわかるけど、私の故郷である富山の「昆布おにぎり」って想像つくでしょうか?
これ富山の人は当然のように食べてるんだが、外部の人には白い目で見られる傾向があります。。(私なんかおにぎりと言えば海苔より断然昆布派だが)
富山行った際は、ぜひコンビニで探してみて下さい。


大脱線してしまった。。。国道57号からは県道11号に入って北上します。

 
                                       
やまなみハイウェイ(阿蘇側起点〜県道40号分岐)

県道11号は、阿蘇から九州中央部を突っ切って湯布院を通り、最終的に別府に至る道路だが、誰が呼んだか「やまなみハイウェイ」なんていう洒落た通称が付いている。道路走ってても「やまなみハイウェイ」なんて表示は全然出てこないんだが、なぜか異様に有名な名称で、私も大分前から知っていた。
それもそのはずで、阿蘇山から久住山、由布岳という九州の名立たる名峰を眺めながら走る高原道路のスケールは、どう見ても尋常ではないのだ。地図上で確認してもとにかく長い!その距離50kmを裕に超える大陸的スケールのワインディングロードなのである。

オマケにこの道路周辺には、これまた九州の誇る名湯秘湯が多数存在していて、旅人には堪らないシチュエーション。 オートバイツーリングの分野を中心に、北海道並みの聖地的扱いを受けるやまなみハイウェイ。 どんなもんなのか試してやろうじゃないの〜。

 
  国道からは平坦な農地の合間を直線的にがーっと走り、外輪山にぶつかったところで急勾配の九十九折れに突然変化する(内側の外輪山は崖の様に切り立ってるので、ここを横切る道はどこもかなり険しい)
ガンガン登っていくと、城山展望所という展望台があって阿蘇山を一望できる。阿蘇とはここでお別れ。
ここから久住高原の方に向かって北上していくわけだが、またしてもいきなり景色が一変する。
今度は見渡す限り遥か彼方まで続く草原が続く風景が視界を奪う。そのスケールたるや日本じゃないみたい。
                             
    地平線が見えようかというだだっ広い牧草地の風景は北海道に行けばいくらでもあるけど、ここ九州やまなみハイウェイ周辺の特筆すべきところは、緩やかながら起伏を描いているということ。ただひたすらまっすぐというわけではないのだ。大きく弧を描くコーナーが連続してる(もちろん気持ちのいいストレートもあるけど)ので、運転する楽しさも同時に味わえる。
                     
  EK9のようなコーナリングマシンを操る自分としては、ただまっすぐの道より地形に沿ってコーナリングするステージの方が断然嬉しいし、面白い。
スケールこそ北海道に匹敵しようかという阿蘇くじゅう国立公園一帯だが、ドライブする感覚は全く違う感じだ。
     
                     
                             
     

ここで撮影を頼まれた人にまたしてもビビられた。
こんなに毎日「えぇっ東京?」と目を白黒されるとは。。
九州ってやっぱり遠いんだなぁ。

                             
        違うと言えば、北に向かうほど拡がってくるくじゅう連山の風景も九州独特のものだ。阿蘇に負けじと荒々しくも美しい山容を見せる久住山。その名峰がどんどん近づいてくるのだが、この山と対峙するのはまた少し後で・・・
                                     

国道442号との交差点を過ぎてすぐに、県道40号にスイッチした。やまなみハイウェイはまだまだ続くけど、ちょっとした目論見があったので、ここで一旦離れることにしたのだ。

県道40号も久住高原を走っているだけあってそれなりに走りを楽しませてくれるが、ちょっとはずれにあるようなポジションなのか、やまなみハイウェイほどのインパクトはない。その代わりこの道路沿いにはおいしそうな温泉がたくさんあって、どれに入ってやろうかホント迷ってしまうんだな。

                                     
     
筌の口温泉
新清館
         
結局ここにした。あんまりメジャーじゃない(ていうか思いっ切りマイナー)小さな温泉地だが、出てくる温泉はホンモノだ。
新清館は共同浴場の隣にあった。共同浴場好きな私なので、何も知らなければそっちに入ったと思うが、新清館の露天は良さげだという情報を得ていたので、ここは迷わずこっちにした。
田舎風ながらセンスの良い内装の旅館の裏手にあった露天風呂は実に野趣溢れていてその気にさせる。
お湯は黄色に濁っていて透明度はまったくないといっていいほど。足元に気をつけてそろりそろりと奥まで歩く。源泉がふんだんに注ぎ込まれる近くまで行って横たわってみると、う〜ん気持ちいい!思った以上にワイルドなシチュエーションで、いかにも濃そうな濁り湯に浸かることができる極上の露天風呂。かなり広いのに湯温は結構高めで長湯とはいかなかったけど、九州の秘湯の底力を思い知るには十分だ。
   
筌の口温泉自体よーく注意してないと見落としてしまいそうな場所にある鄙びた温泉だが、こんなとこにこそ素晴らしい温泉が潜んでいるものだ。
九州にはそういった温泉が実に多く隠れているハズなので、こっから一気にスパートかけるぜ。。(怒涛の温泉巡りのハジマリである)
     
                                   
 
九酔峡
   

筌の口温泉から北へは、やまなみハイウェイ周辺では唯一?渓谷の谷間を走る。
道幅はさほど広くなく、かといってそれほど険しいほどでもない谷間のワインディング。先行者に追いついてもすぐに譲ってくれたので、割とあっという間に走り抜けてしまった。

国道210号に出たら、今度は東に向かって県道11号との分岐を目指す。

 
   
やまなみハイウェイ(水分峠〜県道40号分岐)
さっき県道40号に入ったところでやまなみハイウェイを逸れてしまったけど、それは水分峠から逆向きに走ろうという目論見があったから。南向きに走った方が、景色の移り変わりを楽しめるんじゃないかと地図を見ながら思ったので、わざわざこういうルートをとってみた。
熊本と大分の県境、阿蘇くじゅう国立公園の辺りをぐるーっと周遊してる感じ。今日は目的地に着くためのドライブではなく、純粋に最高のワインディングを楽しむことに主眼を置く心づもりだ。
     
  水分峠からは延々爽やかな景色の中を気持ちよくドライブできるコースが続く。急なコーナーとかはほとんどなく、林間の緩やかなコーナーをイージーにクリアしていく。前走車についていく形になって、少々眠目のぼんやりドライブになってしまった。。
時々こういうズドーンと抜ける
ロングストレートが出現する

朝日台展望台

水分峠から走り始めて最初にある大きな駐車スペースが朝日台。遠くくじゅう連山を眺める展望台だ。
視界はなだらかに広く拡がり、九州の雄大な地形を満喫できる。

 
               
                       
     ← 駐車場には枯れたドラ○もん?が鎮座
                       
                                 
さらに林間のコースをどんどん走っていく。
ひとつひとつの景色を脳裏に残すために、ペースは押さえ気味にして走る。
県道621号との交差点に出ると、高原の牧場のような風景にとって変わる。観光牧場に停まるクルマもまばらだが、平日にしては多い方なのかな。九州有数の観光スポットだもんな。
   
そのまま平坦な道を進んでいくと、長者原という平原に出た。
   
長者原
 
まっすぐ目の前にそびえ立つは久住山。荒々しい山肌の山容は、阿蘇山に負けるとも劣らないたくましさを感じ取ることができる。山頂からは噴煙が(写真じゃわかりづらいかもしれませんが、かなりもうもうと出てます)。生きた大地と対峙する、大陸的ストレート区間だ。
それにしても、久住山に向かって突っ込んでいくような構図のコース設定がニクイ。あまりのインパクトに思わず路肩に停車。EK9を降り、しばしその絶景を眺め入る。
 

これが道路上ではなく、登山の途中とかに見える風景だったらそんなに印象に残らなかっただろう。一直線に伸びるアスファルトの人工的かつ幾何学的な造形と、くじゅう連山の生命力溢れる自然景観との対比があって、初めてこの素晴らしい景観が生まれている気がする。

道路の真ん中に突っ立てると、ここがまるで異国の様なカンジがしてくる。そんな力のある風景。ロングコースであるやまなみハイウェイの中でも随一の景観だろう。

   

長者原を過ぎると、いくつか温泉がある。中でも「寒の地獄温泉」は、その名からしても興味のそそられる温泉だったが、もうしばらくやまなみハイウェイを走り続ける方を選択。そこを過ぎると、今度は急勾配が続く山岳路になっていく。

それほど厳しいコースなわけではないが、それまで緩やかな高原道路だったものが、急に気合いの入った山道に変わるもんだから、周りのペースが鈍ってのろのろコーナーをクリアする羽目に。休日はバスが多そうだから、そういう日は最悪だろうな。

牧の戸峠を越えると阿蘇のカルデラへと続く高原風景が果てしなく続く風景が迎えてくれる。今度は一気に下って先程折れた県道40号との分岐を通過。これでさっき途中まで走った所まで戻ってきた。


国道442号との交差点で右折し、西に向かって進路を変える。ちょいと温泉ハンティングでもしていこうと、再びやまなみハイウェイから外れたわけだ。(あちこちクネクネ走ってわかりにくくてすんません)

 

   
黒川温泉
   
国道442号をしばらく走ると現れる山間の温泉街。ここ、ちょっとでも温泉や国内旅行に興味ある人ならよく知ってるんじゃないかな。今や日本で3本の指に入るほどの超有名温泉地、黒川。九州では由布院と双璧をなし、全国レベルでも西の横綱と賞賛されることも多い名湯なのだ。
何でそんなに有名なのか。ここの魅力は和のテイストをうまく取り入れた温泉宿に尽きる。高級志向の和風旅館が多く、私のような貧しいただの温泉好きには縁のない温泉という印象だった。でも、せっかくここまで来たんだし、温泉好きを自認する者としては一応見ておかなにゃと思って訪れたわけだ。
温泉の湧出量が多いので、泉質的にはどこに入っても問題なさそうな黒川温泉。今回は温泉街から割と離れた所にある「山みず木」という旅館に立ち寄った。
                             
山みず木
山みず木は、メディアへの露出が極めて高い黒川の中でも屈指の人気を誇る宿で、予約なんか何ヶ月もいっぱいでなかなか泊まることができないそうである。でも温泉は気軽に入れるので心配無用。立ち寄りは露天のみだが、ウリが露天の宿だから問題なし。
渓流沿いに設けられた露天は確かに雰囲気バッチリで、落ち着く佇まいだ。
熱めのの温泉は無色透明で個性的とは言い難いが、新鮮で満足できる泉質だ。
それより先程入った筌の口温泉の新清館の露天と、構成が非常に似ている。それもそのはず、新清館はここ山みず木のオーナーの指導を受けてデザインされたらしい(後から知ったのだが)
             
山みず木を後にし、ちょっとお土産でもと思って温泉街を散策した。
この温泉街がまさに「目からウロコ」だった。
   
立ち並ぶ和風旅館の数々。山間の鄙びた温泉街をわざと演出するかのように、どれも低層で趣溢れる温泉宿だ。
それだけなら他の温泉地にもありそうだが、特筆すべきはそこから更に温泉街全体で統一したイメージを形成するまで至っているという事実だ。誤解を恐れずに言うならば、まるでテーマパーク。温泉宿だけじゃなく、お土産屋や酒屋、倉庫に至るまで、すべてに小綺麗な和のテイストが注ぎ込まれている。そんな街路空間をそぞろ歩くのがホント楽しい。
まちづくりの観点からしても、ここまで成功を収めてる例は珍しい。この分野をかじったことのある自分としては、いろいろ考えざるをえなかった。
   
温泉だけ見れば別にとんでもなく素晴らしいわけでもなく、ここまで有名にならなかったと思う。温泉ブームに乗って、情報が独り歩きしてるだけで大したことないんだろうなんて思ってたりしたんだが、この雰囲気ならその人気も納得できる。
ここには温泉以上に、今社会に求められてるいろんな要素が潜んでいる気がした。いずれじっくり研究してみたい。
     
満願寺温泉
露天共同浴場
黒川から狭い県道を少し走ると、満願寺温泉がある。温泉街というより集落だ(要は寂れた雰囲気)が、その割に有名な温泉。それは、この公共の露天風呂があるからに他ならないからである。
なんと言ってもこのシチュエーション。数々のキワモノ温泉に入ってきたが、露出度ではナンバー1ではなかろうか。民家(旅館)の玄関前と県道に挟まれた、小さな川の縁にあるコンクリートの浴槽。素っ気無いつくり以上に、こんなとこで風呂なんて入っていいのか!?っていう立地条件が凄い。
       
脱衣は旅館の玄関前。簡単な棚があるだけで、そこで適当に脱いで川に降り、温泉がひたひたに満たされたコンクリ浴槽へ静かに入る。お湯が溢れて川に流れていく。温泉と川の水面が同じレベルっていうのが面白い。もうちょっと川面か高いと同化してしまいそうな微妙な位置関係になっている(実際増水したら水没するんだろうが)
 

目の前はそんなに交通量はないといえ県道なので、それなりに人の目に付く。入っていた時には若い男女が通り過ぎていっただけだったが、さすがにこの距離だと視線に困っただろう(向こうが)。ちょっと時間を間違えると、晒し者になる可能性大である(それがこの温泉の魅力なんだろうけど)

洗濯場のような無骨な露天風呂で優雅さのカケラもないが、自然と生活に溶け込んでいるような存在感がいい。温泉に入ってどうのと言うより、こういう状態で温泉が自然に残されているという事実が嬉しい、そんな温泉だった。

 
奴留湯温泉
共同浴場
満願寺温泉から南小国、小国の町をそれぞれ経由して、国道387号から奴留湯(ぬるゆ)温泉という小さな温泉にやってきた。
狭い通りに共同浴場があるだけのシンプルな温泉で、多分地元の人しか来ないであろう銭湯のような浴場だ。
   

建物は現代風、浴槽の底には大きな石が転がっていたりと、結構個性的なつくりになっている。お湯はかなりぬるく(ぬるゆ温泉だしね)、長い時間をかけてじっくり入るタイプだ。こんなに小さな温泉ながらきちんと掛け流しされ(小さいからできるというのもあるが)、溢れたお湯がキレイに床を覆って流れ去っていく。照明が暗いのも功を奏していて、静かな環境でゆっくり疲れを癒すにはとてもいい。

裏手にクルマを停めた際に、隣の公民館みたいな所で婦人会か何かをやっていたおばちゃん集団に、またまた「東京から来たのー」攻撃を食らって注目の的(確かにこんな辺鄙なとこにわざわざ来る人もいないだろうからなぁ)
「ゆっくりしていきなー」の一言が嬉しいね。

                     
 

久住高原ロードパークを見下ろす

 

国道442号を戻り、再び県道11号、やまなみハイウェイに戻って来た。昼前に走った区間を今度は逆方向に走り出す。今日はほんとにワインディング三昧だ。

牧の戸峠に向かって登る区間はさすがにハードだが、道幅は十分確保されているので走りにくいことはまずない。それよりこの時間になるといろんなクルマが走っているので、どこでも大抵他のクルマのお尻を追っかける形になるのは仕方ないところ。まぁそれでも平日だし、かなり少ない方なんだろうけどね。

 
                   

牧の戸峠付近

  やまなみハイウェイは、一部区間を除いてほぼ緩やかなコーナーと抜けるようなストレートで構成される比較的穏やかなワインディングロードだった。走りが楽しいのは、どちらかと言うと次々に現われる雄大な景色が目を楽しませてくれるからだろう。特に阿蘇外輪山の北側の高原風景、長者原からのくじゅう連山の眺望が素晴らしい。
道幅は全線に渡って完全に2車線が確保され、路面状態も非常に良い。誰でも気軽にドライブが楽しめる、万人向けのロングドライブルートだ。

バックミラー越しの長者原

また、周辺には極上の温泉がたくさんあるのも見逃せない点だ。黒川温泉ばかりクローズアップされるが、他にも素晴らしい温泉はたくさんある。今回行った所の他、筋湯温泉、川底温泉、宝泉寺温泉、寒の地獄温泉、壁湯温泉等々、、秘湯名湯の宝庫である九州の面目躍如といった素晴らしいエリアなのだ。

また、やまなみハイウェイばかりでなく日田往還などの周辺の道路もなかなか楽しめそうで、短期間じゃとても制覇できそうにないくらいドライブルートのバリエーションが豊富。まさにドライブ天国。九州の人はいいなぁ。

                             
  水分峠で国道210号に入り東に進路をとると、すぐに湯布院の街に入っていく。湯布院は誰でも知ってるでしょう。抜群の知名度と膨大な湧出量を誇る、温泉番付西の正横綱「由布院温泉」の町です。    
                             
 
由布院温泉
下ん湯
     
その由布院温泉の共同湯である下ん湯(したんゆ)で入浴することに。
由布院は黒川同様、超人気高級温泉宿が数多く存在する温泉街。黒川が田舎和風なイメージで統一して人気を博しているのに対して、由布院はヨーロッパ的なエッセンスを取り入れて成功した温泉街。
 

黒川以上に貧乏ツーリストには不似合いな温泉なので、高級旅館なぞには行けるはずもなく、もっとも親しみの深い共同湯を選んだ次第だ。

見た目が由布院らしくないが、このくらいの方が入りやすくていい(笑)。料金箱に小銭を投入して扉を開けると、もうそこはイキナリ浴室というシンプルながらもっともスタンダードな共同湯のスタイル。浴槽は2つあるが、片方は熱過ぎて入れなかった。

   
  浴室は実は半露天になっている。
金鱗湖のほとりにあって、風流な景観を眺めながら湯浴みを楽しめるといった具合だ。湖の観光客から丸見えだが、あんまり気になるほどではない。けど女性にはハードル高いかな(混浴です)
     
                               

時計は17時を回ったし、そろそろ今日の寝床へと向かおう。

連日キャンプ場から不当な扱い(!?)を受けてたので、この日も不信感いっぱいで近くのキャンプ場に行くものの、やはりというか当然ながらというか、またしても旅人を拒むゲートが敷地への進入をガードしていた(もちろん営業期間中にもかかわらずである)。もう6日目にもなると「やっぱりね」とあっさり諦めもついてしまう。

他にキャンプ場も見つからなかったので、湯布院ICの目の前にあった新しい道の駅「ゆふいん」で車中泊を決め込むことにした。
この道の駅、なかなか興味深い構成で、「ここで車中泊してください」と言わんばかりの駐車スペースが用意されている(トイレも近い)。これ幸いとばかりにEK9を駐車して飯を炊き始める。
周りは車中泊仲間でびっしりという状態だった。温泉街の近くの駐車場って、車中泊してる人が多い。旅館に泊まらずに温泉を楽しむ人が多いからだろうか。


隣のワンボックスがエンジン掛けっぱなし(怒)でなかなか寝付けず、ぼんやり別府の下調べ。
明日は隣町の別府で観光&温泉三昧するつもり。見所の多い別府の効率のいい散策の仕方を考えてるうちに、いつしか眠ってしまった。

 

 
5日目 / 7日目