
三ッ岳登頂後は、一旦下って雨池山に登ることになる。
この下り坂が思いのほか急坂だった。
地形図である程度想像はしていたのだが、急坂というよりは急斜面で、スノーシューで歩いて下りることなど到底無理なほどだった。
そこで、下り斜面を座って滑り降りる、いわゆる「シリ
(尻)セード」で下りることに。
最初は調子良かったものの、一度に滑り降りる高低差がどんどん大きくなり、途中飛び出した岩で尻を打ったり、滑り落ちる途中で急旋回が必要だったり。
まるで何かのアトラクションのようで面白かったけど、さすがにコレってちょっと違わねーか??と感じてしまった(^ ^;
(その写真がないのは実に惜しい)シリセードのおかげ?で、三ッ岳はあっという間に下り切り、雨池山の登り坂に差し掛かる。
これをせっせと登って、頂上付近で小休止。その際のワンカットが最初の上の写真。
この日は午後の方が空が澄んでいた。午前中は山から雲が離れなかったのだ。冬山の天気は、夏のそれとはまるで違うんだなぁ。
雨池山を下りると、縞枯山と雨池に向かう登山道との十字路である雨池峠へと到着。
ちなみに、北横岳ヒュッテ直後の分岐から雨池峠までは、夏のタイムで2時間程度。冬なのにそれよりずっと速いタイムで歩いてしまった。下りを大半滑ってしまったのが要因だと思われ(笑

峠からロープウェイの駅までは、ほぼ平坦な道だ。途中に縞枯山荘があり、北横岳を遠望する。
帰りもロープウェイを使って、麓の駐車場に下りるつもりだった。
ロープウェイの運行時間は限られているので、雨池峠までの道で時間がかかるとちょっと微妙なところだったが、幸いなことに?想定より早く下りてきたので、のんびり最後のハイキングを楽しめた。

名残惜しむように、周囲の風景にレンズを向けて歩いた。
縞枯山は、昨年の初秋に登っている。冬の今回は眺めるだけだったが、この次は登ってみたいな。

冬の北横岳は素晴らしい天候に恵まれ、心に残る景色がいくつも見られた山行になった。
行ってみてわかったことだけど、北横岳はスノーシューよりどっちかってゆーとアイゼンが向いている。スノーシューでも楽しめないことはないけれど。
(後半の三ッ岳と雨池山は完全にアイゼン向き)北横岳スノーハイクの連載は、一応今回で終了。
長々とお付き合いありがとうございました(^ ^)

岩石が積み重なったような突起が、北横岳の東隣の小ピーク、三ッ岳だった。
雨池峠に向かうには、このピークを越えていかなければならないのだが、岩登りに近いこの斜面をスノーシューを履いたまま越えるのはどうかなと思ったのだが。。
岩と岩の間の切れ間は、落ちたら這い上がってくることさえ不可能なほど深く危険だったが、足跡を確実に辿ることで、スノーシューでも登れてしまった。狭い足場に大きなスノーシューを置くので、歩きづらいことは確かだが。。

こういった岩場の登山は、スノーシュートレッキングには不似合いだ。アイゼンを履いて楽しむ場所だろな。
でも山頂からの眺めはやっぱり最高だ。ここからは北八ヶ岳の東斜面も眺めることができた。雲と風向きの関係か、東側斜面の森の樹木にはほとんど着雪がなかった。

所々で目を楽しませてくれる雪模様。
岩肌に取り付く冬限定の白い苔絨毯のように、柔らかく斜面を覆っていた。

北横岳ヒュッテを過ぎた後、そのまま来た道を引き返して坪庭に降りることもできたけど、多少登り足りないという気持ちもあったし、仲間と相談して途中の分岐で雨池峠へと続く山道を選択することにした。
地形図からするとかなりアップダウンが激しそうだが、眺望が良く方角を見失う可能性も低そうだったので、寄り道的に歩いてみるのだ。

正面に岩峰を見据えて、比較的平坦な雪道を歩いていく。
坪庭から北横岳のように頻繁に歩かれているわけではないということが、足跡の付き方で判別できた。
しかし途切れることなく続く足跡があるのは、正直頼もしい。
足跡はあっても一応進む方角を確認し、視界に入るピークなどを確認するため、所々で地図を確認しながら歩いている。スノーシュートレッキングでは、行こうと思えばどんなルートでも取れてしまうので、危険回避のため地図読みは重要になるのだ。

振り返ると、今しがた登った北横岳が青空に浮かんでいた。

目指すは、見るからに険しい岩峰の三ッ岳。
果たしてスノーシューでアプローチできるのか!?

北横岳ヒュッテへと戻る雪道は、さながら白い樹海ロード。
積雪期でなかったら、そんな印象は受けなかったかもしれない。木々に覆われた地表から、樹木の枝の1本1本まで、くまなく白銀の衣に包まれた世界が、そういった印象を与えるのである。

樹氷と呼んでいいかどうかは各々の判断に任せるとして、群れをなす樹木はスノーモンスターと呼ぶに相応しいと感じた。

ヒュッテに戻ると、まだ多くの登山者が休憩していた。
仲間がヒュッテの玄関の前で「七ツ池」への分岐を見つけた。
夏の北横岳なら外せない景勝地だったかもしれないが、今は氷結した小さな池に雪原が広がるだけだった。
この季節に限って言えば、森の中で自然の造形を様々な角度から眺め鑑賞することが一番楽しいような気がする。

ミクロの観察にも事欠かない。
ただ、写真に記録しようにも、相変わらずの標準ズーム1本ヤリなので、寄るにもこの程度が限界。マクロ写真っぽくごまかしながら撮ってみる(^ ^;

深く澄んだ青空に輝くSnow Monsterたちを間近に感じて森の中に佇む。
豪快な景色を眺めることだけでなく、こういった空間体験も山の魅力のひとつなのだ。

昼食後、南峰に戻ると、南八ヶ岳の雲が上空へと移動し、その山容が露になっていた。
天狗岳、硫黄岳、横岳、赤岳。
幾度か登ったことのある
(一方的に)身近に感じる山でも、真冬の今は、遥か遠くでヨソヨソしくこちらを睨んでいた。

雪を被った樹海の文様に、再びシャッターを切る。
白い衣を着せられた森の、頂上から見た景色に何故か魅せられてしまった。