クレマチスの丘


12月の寒波が全国を覆ってますね。

日本海側はかなりの大雪みたいですが、こちら東京でも連日寒い日が続いています。
逆に空は晴れてるのが、典型的な冬の太平洋側の天気っぽいですが。

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駐車場のエスも寒そうに凍えてます。
こんな時はエンジンに火を入れ、寒さを吹き飛ばすような熱いドライブに連れていってやりたいところ。

で、渋滞する朝の環八を南下して東名高速へ。
寒くてみんな外出を控えてるのか、高速上は全然渋滞無くスイスイでした。

沼津ICで下りて向かった先は、長泉町にある「クレマチスの丘」というところ。愛鷹山中腹で、美術館やレストランを集めた文化地区です。
ここに最近できた「IZU PHOTO MUSEUM」というミュージアムに訪れました。

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杉本博司という現代美術作家が設計した新しい美術館で、ついこの間開館したばかり。
その開館記念展として、杉本氏本人の作品の企画展が開催中でした。

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美術館て言っても、展示室がたった2室しかないギャラリーのような小さな建築でした。
内部空間は、美術作品と向き合う展示空間として、恣意的なものを一切感じさせない無の箱を創造してるように思えます。

唯一デザイナーの意図があるとするならば、中庭と前庭の石積みかな。
思いっ切り意図的な構成で、それ自体が建築に切り取られて作品になってましたが、展示品とは全く切り離されてますからね。
特に新しい視点というわけではないですが、スッキリと小気味よい空間に仕上がってました。

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展示は、PHOTO MUSEUMというだけあって写真でしたね。これが結構面白かった。
暗室でフィルムに直接放電して、その光の跡を焼き付ける(つまりカメラやレンズを使用しない)ことで生まれる画には凄みがあって、それが屏風のように空間世界を構築してるのが印象的でした。

その他には、昔の紙ネガの作品を調色して再現した作品など。
単色の色彩の中に浮かび上がる実像は、これは写真なのかどうかわからないほど。平面なのか立体なのか。。

面白かったです。あんまりにも小振りな美術館で、ほんと数えるほどしか展示作品は無いんですがね(^ ^;


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敷地内にはいくつも美術館がありますが、そのうちのひとつ、ビュフェ美術館で催されていた「レオナール・フジタ展」も鑑賞してきました。

レオナール・フジタって人は聞き慣れないかもですが、戦前に日本人としてほぼ初めて、向こうの国(パリ)で成功した画家なんですよ。
当時のパリの画壇の人気者だったフジタの代表作である「争闘」「構図」という大作が展示されてました。乳白色の色使いによる躍動感溢れる絵です。

また彼は80歳で亡くなる直前、フランスのランスという所に、壁画からステンドグラスといったありとあらゆるものを自身で、全身全霊をかけてデザインした礼拝堂を残しています。特に壁画は、老齢にもかかわらず全てを自身で描き切っているんです。
この小さな礼拝堂は以前テレビで見てとても興味があったので、壁画のデッザンや構想図の展示が充実してて満足でした。


てな感じで美術館を楽しんだ後、沼津魚がし鮨三島店に寄り、国道1号で箱根を越えて帰ってきました。
短い冬の時間をコンパクトにまとめて利用した、充実のショートドライブでした。
2009/12/19(Sat) 22:37:52 | 以前のコメント
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