数寄屋温泉旅館

向瀧のウリは何と言ってもその旅館建築が生み出す風情。
明治大正期から建築と改築を繰り返し、昭和初期の大増築を経て現在の姿に至っている。
山の急斜面に沿って広がる庭園を、時代折々の木造建築が取り囲んでいる。

荘厳な玄関部分を入ると、板張りの廊下が奥まで続いている。
丹念に磨かれ艶を放つ床板を踏み締めながら、庭園に沿って雁行する広縁状の廊下を奥の奥へ。
玄関から最も遠くにあるのが、昭和10年の増築部。忠実に山の斜面に沿って建つ複雑な木造建築の姿が庭園越しに現れるのだ。

今回取った部屋は、この昭和増築の一番下の小さな部屋だった。
8畳一間ではあるが、その分庭にはどの部屋よりも近い。こたつに入りながら、雪見障子越しに歴史風情溢れる庭園と建築を眺めるのは、この上ない贅沢のように思える。
この宿には同じ部屋がひとつたりとも存在しない。
全ての部屋に趣向を凝らした特徴がある。宿のホームページを見れば、その全ての部屋を疑似体験できてしまう。(凝り過ぎなくらいアグレッシブなHPで、実際の宿のイメージとは程遠いのはご愛嬌(笑)
そこから好きな部屋を指定して予約ができるのが、温泉好き建築好きには堪らないのだ。

伝統ある建築の様式は書院造りを基本としながらも、定まった様式を敢えて崩し、粋な装飾をセンス良く取り入れた数寄屋の風情がたっぷりと盛り込まれている。
当時の棟梁を筆頭に、職人が持てる技を結集して、ひとつの世界を後世に遺していることに感動する。
それを今日までこんなに状態良くキレイに維持している、宿に関わる歴代の人々の精神に敬意を感じずにはいられなかった。

2009/02/14(Sat) 00:55:45 | 以前のコメント
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画像より小さく感じました。けっこう重たいです。
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