流し火
川沿いを上流に向かって歩いていくと、灯籠を掲げた舟が数隻浮かんでいた。
川の上で停泊するその舟には、何人もの男が座している。
やがて時間が来ると、舟の松明から分けられた炎が、無数に川に流されていく。
最初は1つ2つから始まり、やがてそれは流域を覆い尽くさんばかりになった。
日常生活を送る町が、幻想的な空気に包まれ、流れる無数の炎が別世界へ導いていくかのようだ。
川面が炎に支配される頃、打ち上げ花火が始まった。
このイベント目当てに集まった観客から歓声が上がる。
2009/07/30(Thu) 00:35:57 | 以前のコメント