Japanese MINKA designed by R style
ここ最近、R styleでは建築探訪やら町並み散策やらが流行って(!?)ましたが、それには理由がありまして。。
実は先頃、好きが高じて!?、ある住宅の改修を設計・デザインしちゃいました(^ ^;)v
前々から思い描いていたことだったんですが、、実際やると決めた後に細々と計画していたものを、今年始め辺りからようやく気合入れてやって、盆前に何とか竣工した次第。
MINKA=民家とゆうてますが、実のところ改修したのは自分の実家です。
家がある場所は、富山県のとある海沿いの町。
別になんてことの無いただの古い家ですが、生まれてから幼少期に過ごした家でもあるので、個人的にはかなり思い入れのある家です。
築後75年を過ぎ、古くて住みにくいのを両親が手を入れたいと言うので、僕が改修をやらせていただいたという感じで。
大枚はたいて息子に任せてくれた両親には、とても感謝しています。
見てもらえばわかる通り、いわゆる「リフォーム」という言葉から連想される改修とは異なり、古い民家のデザイン要素を踏襲した改修内容としています。
この国特有の地理的気候的特性や文化で培われた住宅のデザインは、それなりの理由があるから形成されてきたと思うわけで、その積み重ねの上に現代のデザインがあることが重要だと思っています。
何もかもを壊して新しくすることもできたけど、代々引き継がれてきた家の空間には、家族の記憶とか想い出がぎっしり詰まっている。
それを残しつつも、住みやすくて豊かな気持ちになれる空間を創るにはどうしたらよいのか、ということを追い求めたつもりです。
なんだかエラソーなことを言ってますけど(笑)、、要は元の雰囲気を極力残して、必要十分な快適性を付加した、ってことです(^ ^;
これまでツーリングで、様々な風景に触れ、町に訪れ、建築を訪ねて、居心地の良い場所とは?ということを感じてきました。
それをぶつけるには、自分の実家ってこともあって絶好のチャンスでした。
言わば、R styleの感性が乗り移った民家の改修、なんて言い過ぎかな(^ ^;
図面作成はもちろん模型製作や業者選定に工事監理まで、一通りやるべきことはやりました。
本業が設計屋なので全くわからない世界ではなかったんだけど、普段の仕事とはカンケーのないプライベートのことだけに時間的制約はあったし、限られた工事費用の調整もタイヘン。けど、すごく良い経験になったなぁ。
こうやって自分が思い描いていた理想を具現化できるなんて、ホントに幸せなことです。
日付が999の本日、三十ウン回目の誕生日を迎えましたが、そんな日に自分の中ではメモリアルとなったこの経験を、この場で紹介できることに感謝したいと思います。
2009/09/09(Wed) 22:26:45 | 以前のコメント
Re:Japanese MINKA designed by R style
ありがとうございます。3枚目の天井の吹抜けは、元からあったものです。
でも薄暗くて埃溜まりで、生活の場としては適さなかった状態でした。
ただ、この木組みはこの家のシンボルであり、この場を生活の場(リビング)にしたいという住まい手の意向から、残し現すことを前提に、明るく美しく仕立て直してあります。
今新しく作る家にこれと同じような飾り梁を組もうとしても、限りなく不可能なのが現実です。それだけでも残す価値があると思います。
風情のある家、って今は少なくなりましたからね。
間取りや素材に目新しさはあっても、それが永続的に価値を持ち続けるかは疑問です。
住人の安全確保と最低限の快適性は必要ですが、時間や光と影の移り変わりを楽しむための不便さくらい残しておくくらいがちょうど良いのかもしれません。
多少コストがかかろうとも、ホンモノの素材を使うことで安らぎと持続性を得ることは大切だと思っていて、限られた予算と睨めっこしながらも、その意思を貫き通しています。
語り出せばキリが無いほど、いろんな想いを込めてやりました。
R style的には、これまで旅の先々で出てきたいろんな風景や空間にインスピレーションを受けてたり、オマージュしてたりするところが面白いかも。(結構意図的にやってます(^ ^;)
そういったことも、デザインすることのうちのひとつなんですよね。
工事が始まってからは、週末に富山に通って打合せや現場確認してました。
富山に向かう業務連絡車は2号車で、3ヶ月少々の工事期間だけで走行距離は1万km以上。1000円高速サマサマでしたよ(笑