空走区間
この間のハンクラで山野選手に訪ねたことをもうひとつ。
コーナー進入では前荷重を保つためにブレーキングを残し、クリップ付近から徐々にアクセルを開けていく、というのがグリップ走行の基本だと思う(特にFFは)。
この際、ブレーキからアクセル操作に至る過程で、どちらのペダルも踏まない、ある意味「空走区間」となる時間は存在するのか、という疑問。
よくドラテクを題材にした特集記事なんかでは、ペダルを一切踏んでいないのは何もしていない無駄な時間であって、プロはその時間がほとんど無いため無駄がないメリハリの利いた運転ができる、と書いてあることが多い。
しかし実際にそれを鵜呑みにして常にペダルを踏もうとすると、コーナリングのタイミングが合わずにリズムに乗れない走りになってしまうことが多い。
理屈では分かるけど、本当にそれって正しいんだろうか?
コレに対して山野選手からは、空走区間は「厳密にはある」という答えが返ってきた。
というのも、減速し荷重を操作するブレーキは何もフットブレーキだけではなくエンジンブレーキも含まれており、クリップ近くのブレーキが終わる直前の段階では、そのエンジンブレーキだけを使った減速に切り替わるから、とのこと。
よって、ブレーキもアクセルも踏んでいないが、曲げるためのブレーキングは継続している、という時間が存在するという。
なるほど〜〜
さらにこのエンジンブレーキというのは、エスのような軽いクルマは良く効くが、ランエボのような重量級のクルマは効きが弱く、この「空走区間」によるブレーキ時間は重いクルマであるほど短くなる、と。
クルマの性格によっても、この辺りの操作は変わってくるのだそうだ。
うーん、これは目からウロコ(@_@)
コーナリング中は何が何でもペダル踏んでないと効率悪いんかと思ってた。
そうじゃなくて、あくまでタイヤのグリップを最大限に引き出す荷重操作が重要なんだな。
案外気付きそうで気付かなかった山野理論によって、減速から加速に至る過渡期(時間にしたらホント一瞬なのだが)の操作に幅が生まれた。
気分的にもラクになるから、コーナリング中の冷静な判断にも繋がって余裕が生まれるし。
まだまだ速くスムーズに走るための努力はできる。練習あるのみですな。
2007/01/26(Fri) 02:36:22 | 以前のコメント