中国山地横断Touring
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2010年のGWは、中日の平日1日に有休を取得し、晴れて7連休の休暇となった。 行き先となったのは中国地方。それも山陰とも山陽ともつかない、中国地方の山間部。中国山地の中枢辺りの山岳ワインディングを目指すことにした。 それに加えて、九州に向かうルートとしてよく利用する中国自動車道。これを走ってる時に様々なICを通過するわけだが、そのほとんどがいまいちピンとこない(要は知らない)地名だったりする。 ちなみに昨年のGWは、四国の西半分を回って、最終的に瀬戸内、備前地方でフィニッシュしている。
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前口上はこのくらいにて、早速出発。 1000円高速による連休の大渋滞はもはや避けられない事態となっていたが、次の日が平日なので、29日の渋滞はさほどでもない予想が出ていた。 |
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4:30過ぎに東京料金所通過。想像以上に道は空いていて、いい感じで距離が稼げた。 まったく渋滞もなく最初の休憩地点、富士川SAに到着。SAは逆に混雑していた。前の日の夜に出て車中泊する人が最近ますます多いのだ。朝のSAでは、歯ブラシ持ってトイレに来る人を多く見かける。 |
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その後もいい感じで進んでいく。(この東名の部分って毎回だからワンパターンだな、しょーがないけど) 明るくなってからも今ひとつ天候は優れない感じだったが、愛知県に入るとますます雲行きは怪しくなってきた。 岡崎IC付近を先頭とした渋滞にハマったのが、この日最初の渋滞だった。10数kmというレベルだったと思うが、この辺はいつだってすんなりとはいかないので、今回もか、って感じ。 |
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渋滞になると同時に、雨が降ってきた。それも結構な土砂降り。大粒の雨がフロントガラスを覆って、あっという間に視界が無くなる。渋滞で停まっているから支障はないけど。 前日までは雨が続いていて気温も上がらない日が続いていた。予報ではGW初日のこの日から天候は回復するみたいだったが、まだ大気は安定していないようだ。 |
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最近、高速の渋滞中には、FMラジオを聴くのがマイブーム。 中高生の頃とかよく聴いてた懐かしさもさることながら、トークを聴いてると飽きないので、聴き入ってるうちにいつの間にか渋滞が終わってたりする。これもひとつの渋滞回避術!? |
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岡崎を過ぎて伊勢湾岸道に入る頃には、渋滞はすっかり終わっていた。 伊勢湾岸道は交通キャパシティ激大なので混むはずもなかったが、珍しく四日市JCT前の合流で、みえ川越IC辺りから渋滞していた。 |
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東名阪に入ってから渋滞するのはいつものことだが、合流のかなり手前から混雑するのは初めてのこと。 原因はわからなかったが。 |
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この渋滞にハマると同時に、今度は青空が広がって夏みたいな眩しい空に。
<<< 東名阪の合流渋滞にて、NSXとビート(奥の黄色いの)に遭遇 |
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東名阪の渋滞は四日市ICで解消。亀山JCTで新名神、土山SAで2回目の休憩。いつもと同じパターン。 1回目の給油も、いつも土山で行う。東京から400km弱で、タイミング的にもちょうどいい上、セルフなので気が楽。行きも帰りもここで給油するのが常になっている。 |
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<<< 土山SAのスタンド前にタイプSが | ||||||||||||||||||
新名神から草津JCTで名神。京滋バイパスには入らず名神を直進し、京都通過。 吹田JCTで中国道に入ると、定番の宝塚トンネル先頭の渋滞。まぁでもここの渋滞は結構進むので、感覚的には割とすんなり抜けられる。 |
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今回はまず備前でスタートラインに立つことにしているので、神戸JCTから山陽道へスイッチ。 ここまで割とペース良く来てしまったので、ちょっと欲が出てきた。 気分的な予定変更で降りたわけだが、なぜ三木小野ICだったかっていうと、前々から立ち寄ってみたいスポットがあったから。ICからそこまでは、いくらも時間はかからなかった。 |
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浄土寺 なんでもない田園地帯に、どこにでもあるような寺院の風情で現れるこのお寺。実はかなりの古刹で、メインの浄土堂は鎌倉時代に遡るというのだ。 それでもマイナースポットには違いなく、エス以外に停まってるクルマは1台だけ。それもすぐいなくなったので、結局誰もいない寺をのんびり散策することになった。 |
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さわやかな昼下がりの境内。人の気配は全くない。 威厳に満ちた伽藍配置は、この寺にはなかった。 |
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無造作に配置されたかに見える建物群の中でも、一際目を引くのが朱塗りの浄土堂(阿弥陀堂)。 外観だけの拝観かと思ったら、扉が1枚開いていて、そこから中に入っても良いようだった。 お堂の内部に鎮座する阿弥陀三尊像。これも巨大で素晴らしいが、さらに凄いのは、それを取り囲むお堂の内部空間。堂の柱梁の接合部に挿肘木が幾重にも重ねられて長大な梁を支え、それが堂の四隅から幾重にも重ねられるようにしてひとつの大空間を形成しているのだ。 |
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これほどの合理性を持った建築を、僕は知らない。 この浄土堂は鎌倉時代、かの重源上人によって建てられたものだ。 大仏様の様式を顕著に表す建造物は、東大寺南大門とこの浄土寺浄土堂しかない。にもかかわらず、これほどの評価を得ているのは、この浄土堂の内部空間を体感すればわかるというもの。それほどに圧倒される魅力を持った建築であり空間だ。 |
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内部の撮影は禁じられていたのでここに紹介することはできないのが残念。この内部空間の素晴らしさはなかなか言葉では表現し切れない。 浄土堂の他にも本堂(薬師堂)や開山堂といった古い白木造りのお堂は建っているが、逆に内部を拝観することはできないし、浄土堂ほどの存在感もない。 |
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境内にはなぜか八幡神社という社も建っていて、この神社の拝殿に、大仏様の要素を垣間見ることができる。 挿肘木と呼ばれる「腕」のような部材が、柱と梁の接合を担いつつ意匠的な効果をも出している。 浄土堂の内部はこれが朱塗りで、さらに上へと折り重なって伸び、阿弥陀像の天蓋としての意匠効果を現しながら大空間を形成しているのである。 |
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やや冷たい風が吹き付けるものの、爽やかな昼下がりに素晴らしい空間体験をした。 ちょっと出来心で立ち寄ったポイントとしては、充分すぎるほどだった。 |
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浄土堂を発ち、兵庫県道23号を辿って西に向かう。 姫路からは国道2号。姫路バイパスに入り、距離を稼ぐ算段。 |
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国道2号は相変わらずの快走バイパスっぷり。山陽地方の大都市は、高速道路みたいな信号無し区間ですっ飛ばしていく。 | ||||||||||||||||||
色気も何にもない典型的な大都市間主要幹線道路だから割り切りは必要だけど、距離を稼ぎたい場合は有用だ。ただ今は高速が安いから、走らなければならない距離によっては、山陽道を使った方が懸命だと思うが。。(この日は山陽道が渋滞してたので、R2で正解だったかと) | ||||||||||||||||||
R2のバイパス区間は龍野までなので、その後は流れに沿ってジリジリと進む。 相生あたりで単線の区間になり峠越え。岡山県に入って間もなく、山陽道備前ICで本日二度目の給油。 昨年は備前ICから帰途についていて、同じスタンドで給油をしている。ここからテープを逆戻しするように、旧閑谷学校方面へ。 |
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備前ICから閑谷学校にはすぐに着く。 県道から逸れて敷地まで行くことはしなかったが、入口で戻ってきた証拠(?)に記念撮影。 ここが今年のGWの本当のスタートライン。昨年の続きを始めよう(^ ^; |
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まずは岡山県道96号で和気へ。 このR374、吉井川の堤防上を走る感じで実に爽快。ツーリングマップルに「ゆったり流れる川」と書いてあったが、それに沿う国道の流れもゆったりしていて気分良く流した。 |
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国道484号の分岐で左折。この旅最初の400番台国道で、それなりに覚悟(?)して入ったが、拍子抜けするほどにいい道。 でも一通り観光地へと通じる道を通り過ぎると、突然道は心細くなる。(曲がり角もいくつかあって、見落としそうだった) これぞ400番台国道って感じではあるが。 |
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建部で国道53号と交わる。そのまま直進し、川を渡った所で大きなスーパーを見つけたので、夕食の買い出しをすることにした。 スーパーから出る時、白いS2000タイプSに遭遇。同じ無限マフラーで、カッコ良く駐車場から出て行った。 |
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吉備高原北部広域農道 建部からは広域農道を走ることにした。 今回のツーリングでは広域農道を走る機会が多かったのだが、そのまず1本目。「吉備高原北部広域農道」と書かれたこの農道。地形に沿ってダイナミックにアップダウンを繰り返して、人気の無い山中を貫いていく、刺激的なワインディングロードだった。 |
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農道とは言いつつ、周囲に農地なんてない山の中を走っていく。(広域農道ってそんなもんなのかもしれないけど) ザラザラした感触の舗装面はグリップ感があって、荷重をかけて這うようなコーナリングを楽しむ。 |
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ロングツーリングだけにリアが重いけど、その分フロント荷重を意識してやれば、かかりのいいトラクションを利用してうまい具合に加速体勢に入ることができる。 風を切って走るオープンドライブの醍醐味を楽しんでいたが、前走車に出会ってしまった。 |
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交通量が極めて少なかっただけに勿体無かったが、時間も時間なので、そのまま追走。 国道429号との交差部は立体交差で見落としそうだったが、うまく勘が働いて国道に出た。 |
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R429から小森温泉、県道371号に入って湯の瀬温泉。ここが本日のキャンプ予定地。 商店はすぐに見つかり、利用を受け入れてくれた。 |
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柵を開けてもらい、適当な場所を選ばせてもらう。 テントを張ったら温泉へ。 |
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渓流をはさんでキャンプ場の向かい側にある小さな旅館でお湯を頂く。 |
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温泉から帰ると、いつの間にかバイクが2台エスの脇に停まり、テントも2張増えていた。 河原の石段になっている所に腰掛けて夕食。 |
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