紅葉の飛騨路、秋色の旅

 

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先日廻り目平で、これ以降の季節でキャンプすることはないなんて言っておきながら、全く同じ装備でフツーにキャンプしているオレ。。。耐え切れない程ではないにしろ、正直やはり寒かった。やっぱ紅葉の季節はダウンシュラフが欲しい。

まだ他のサイトは活動し始めていない時間に撤収作業を済ませ、ホテルでリモコン返して出発準備。

ホテルの車寄せにて、この後ルーフをオープン >>>

     
                                           
   

再びせせらぎ街道

さっそくせせらぎ街道へコースイン。
昨日あれだけ混雑していた道路がウソのように貸切状態。心配していた天気の方は申し分ないようで、今日も雲ひとつない晴天だ。

                                 
                 
平坦なようにも感じるせせらぎ街道にも峠はあって、西ウレ峠がその最高所になっている。
紅葉にも真っ盛りの所とそうでない所が割とハッキリしていて、峠を挟んでちょうど中腹辺りがいいカンジ。
   
   
     
時折停車して紅葉を楽しんでいたら、段々クルマが多くなってきた。これだけの紅葉が楽しめるんだから、考えることが同じ人がたくさんいても不思議じゃないよね。

ニュルブリンクブルーの04モデルに遭遇
年配のご夫婦らしきオーナーだった
適度に下がった車高とホイールが
キマっている

                                                     
   

主な駐車帯には、すでに結構な人出が。
それもそのはず、ちょうど頃合いに色付いた木々が目を楽しませてくれる。これにはさすがにエンジンを止めて、自然の芸術に身を委ねる他なかった。

                                                               

テクニカルなコーナーが連続するわけでもなく、ワインディングロードと言えるかどうか微妙なラインではあるが、せせらぎ街道は間違いなく走っていて気持ちがイイ。
夏場のように脇に渓流が流れているだのどうのといったことはあまり関係無く、極彩色に染まった景色にただ圧倒されながら、色とりどりの木々を合間を抜けていく気持ち良さが全てなのだ。

色付いた葉がひらひらとコックピットに舞い降りてくる、そんな一体感を楽しみながらのオープンエアドライブ。S2000でこそ味わえる濃密な時間を、ただただ味わい楽しむ。

 
 
せせらぎ街道沿いには、ポツリポツリと峠の茶屋みたいなお休み処が現れる。
その中で何となく目を引いた、可愛らしい山小屋のような建物の前に停車。暖簾がかかっているのを確かめて、窓越しに五平餅を注文。

香ばしく焼けたゴマ味噌がすこぶる美味

 
                                                               
         

その後は道路脇に民家やキャンプ場とかお店が頻度高く現れ出す。
紅葉もピークはこれからといったところで、色付きは疎らだ。

 
                                       
                           

昔遊んだ神社の境内のような懐かしい雰囲気

                                                   
せせらぎ街道も終わりかというところで、田んぼが広がる中にぽつりと神社があった。    
 
                   
                                                               

神社の敷地内には1本の大きなイチョウの木が。ドライブ中の目にも一際目立っていた黄金色に輝く房。
せせらぎ街道の終焉に相応しい極上の色彩だった。

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国道158号 清見〜荘川

せせらぎ街道が国道158号に突き当たったところで左折。右に行けばすぐに高山だ。

道の駅までは非常に賑やかな道路状態だが、そこを過ぎると長閑な快走路が続く。道は広く、登りでは登坂車線が現れて一気に先頭に立つことができる。

結構距離は長いのだが、「快走」という言葉通り、その距離を感じさせない不思議な区間。

   
このR158沿いの山々の紅葉がまた素晴らしかった。せせらぎ街道で十分過ぎるくらい堪能したわけだが、まだまだこんなもんじゃないよーっていわれてる感じ。

荘川で国道156号に合流して南下する。

夏の郡上八幡ツーリングでは、この交差点でツーリングの中止を決定して元来た道を引き返し、高山経由で帰路に着いた。
だからここからようやく前回のリベンジということになる。天気は申し分無く、ようやく夏の忘れ物を取り返せそうだ。

 
     

国道156号 荘川〜白鳥

さっきの交差点で、大抵のクルマは白川郷方面に向かっていったので、ひるがの高原へのワインディングはほぼ単独行で楽しめた。

ここでも目の前に迫る色とりどりの紅葉景色は圧巻。山深い飛騨の里では、あらゆる所が紅葉の絶景ポイントになりうるのか。

分水嶺公園を過ぎてすぐ、長良川源流という立て看板があったので覗いてみた。
ちょろちょろっとした滝があって、その先まだ源流には程遠い感じがしたので少々期待はずれだったが、名前に馴染みのある長良川の先端がこの先にあると思えばそこそこ満足。
                         
             

道の駅「白鳥」で休憩。昼食代わりに明宝ハムのスティックソーセージとみたらし団子を食す。ことあるごとに食べているが、飛騨に来たらこの2つ(と牛串)は外せないもんね。

道の駅を出てすぐ、道路脇に電車が止まっていた。こんなとこに線路なんて走ってたっけ?って思って調べてみたら、長良川鉄道だった。ここは白山長滝駅で、このひとつ先が最終駅のようだ。

 
                                                             
     

国道158号 白鳥〜大野

白鳥の町中で再びR158に進路を取ると、いきなりループ橋。そして激しい登坂路が続く。油坂峠だ。
国道の上には高規格な道路が走っている。これが油坂峠道路で、東海北陸自動車道に直結している。

この自専道でイージーに峠越えも考えられたが、敢えてここはR style的に旧道を行く。

旧道はタイトコーナーの続く狭い道。一気に高度を上げてきただけに、高所感もたっぷりある。

油坂峠道路が無料になって、ここを通るクルマもほとんどいないんだろう、なんて思ってたら、結構往来がある。峠道が終わって油坂峠道路に合流する地点では、走りながら迷ったあげく、急に旧道に折れてくる対向車が多数いた。
無料だってことが浸透してないか、単に古いカーナビを信用し過ぎているのか。

                                                             

前を行くのは、おにぎりテールのプレリュード
このクルマも最近見なくなったもんだ

   

峠を越えたら福井県。飛騨地方とはしばしお別れ。
すぐに大きなダム湖が左手に見えてきた。九頭竜湖。ロックフィルダムが溜める湖の大きさは十和田湖に匹敵する(と、ツーリングマップルにはある)

途中多くのクルマでごった返している所があると思ったら、箱ヶ瀬橋という吊り橋の袂だった。この橋、瀬戸大橋を建設する際の練習として造ったとかいう話を聞いたことがある。比べるべくもなく短い吊り橋なのだが。

   
 
                             

九頭竜ダムが見える駐車帯からダムを眺めてみたが、湖の割には少々迫力に欠けた。ちょっと全体的にみすぼらしい感じ。

仕方無いから代わりにエスの写真を撮る。
鼻先に写った雲と木。こんなにぎらぎらと写り込むのって、車体が黒だからこそなんだろうか。

     

道の駅「九頭竜」は町の中心にある上、珍しいことに右折車線がなかったりと、激しく混み合っていたのでパス。

それを過ぎると今度は九頭竜峽。ほとんど垂直かと思う程切り立った絶壁沿いに、九頭竜川が流れている、その対岸をスノージェットの連続で福井方面へと下っていく。

 
 

大な筒が道路の上を・・・ >>>

九頭竜峡を過ぎると、一気に地形が変化し、長閑な散居状態の田園地帯が目の前に広がった。
越前大野の街は近い。

 
 

その越前大野には立ち寄らずに、並木の美しい県道でショートカット。
国道157号に入ってしばらく走ると、道路はバイパス状になって片側2車線となる。勝山と大野を結ぶ幹線道路で、ここで一気に距離を稼ぐ。

勝山からそのままR157をトレースし、金沢方面に向けて山中に入っていく。

                                       

国道157号 勝山〜白山

大きな谷を地形に沿って迂回しながら北上。途中工事で片側通行の箇所も多かった。

ここでちょっとしたハプニング。
ある覆道の中でブラインドコーナーの外側を走っていた時、対向車線から明らかにクルマの性能を越えた状態でセンターラインをはみ出してくる軽自動車がこっちに向かってきた!

とっさに半車身アウト側に寄せた瞬間、バカ軽はグリップを取り戻して車線内に復帰して通り過ぎていった。

 
ある程度予測しながらのドライビングとは言え、相手の運転手がクルマの限界を把握している保証はない以上、こちらの注意にも限界がある。
公道を走るということは、そういうリスクを負っているということ。せめて加害者にだけはならないよう(被害者にだって当然なりたくないが)、クルマの性能を手中に収めながら走りたいものである。
   
 

白峰温泉 総湯

県境を越えて石川県に入り、まず最初に辿り着くのが白山の麓、白峰村の白峰温泉街。

石川県と言えば、和倉温泉や加賀温泉等の歓楽街的温泉街が有名だが、泉質という視点では白峰温泉が注目に値する。
掛け流しで温泉が提供される共同湯「総湯」。銭湯的な雰囲気が素朴で何ともいえない風情。

泉質は重曹泉とのことで、肌触りがぬるっぬるである。これは美肌効果満点だろう。三十路過ぎの汗臭いオトコの肌でも少なからず効果アリと見た。

相方がなかなか上がってこないので、共同湯前でのんびり待つことに。

それにしても次々とクルマが現れる。決して有名ではない山間の小さな温泉街なのだが、いつこんなに有名になったんだろうというほど県外ナンバーのクルマが出たり入ったりしている。

温泉街もこぢんまりとしていていい風情を保っている。
トチ餅や堅豆腐が有名らしく、小さな街ながらそういった店がたくさんある。

周囲を散策したり、今後のルートを設定したり、小さな温泉街の空気を味わいながら結構な時間を過ごした。
さすがにのぼせてるんじゃないかというほど時間がたって、ようやく出てきた相方が言うには、地元の人と話が弾んでずっとお喋りしてたとのこと。なんでも故郷が同じだったとか。

まぁ理由は何であれ、旅先で地元の方とのふれあいができるのは貴重なことである。
ましてや共同湯は地元の社交場であり、そのお湯を半ば借りて余所者は入っているわけだから、こういう出会いは大切にしたいものだ。
   

白峰温泉を後にし、R157を北上し続ける。もうすっかり夕方の陽の色になっている。
手取ダム湖を右手に見ながらのルートだが、トンネルが連続するため特筆すべき景色は見られなかった。

尾口で国道360号に合流すると、かんぽの宿や道の駅があって混雑していた。
今晩はR360沿いの山奥のキャンプ場で一夜を過ごす予定。まだ買い出しが済んでいなかったので、金沢方面にスーパーを求めて数km走ったが、いくら走っても現れないので諦めて尾口に戻ってR360へ。

                   

この道は石川県と白川郷を結ぶ、観光上重要なルートのひとつ。それだけにこの時間は帰宅すると見られる対向車が次々と現れ、夕方の山中の3桁国道とは思えないほど交通量が多かった。

スキー場が並ぶ中を走り、徐々に高度を上げていく。
やがて白山スーパー林道の入口へ。料金所はまだ先。そのまま走って白山の山中へ。

途中売店らしき小屋のある大きな駐車場があったので、そこに立ち寄るとその奥が目指していたキャンプ場だった。

キャンプ場の名前は「中宮温泉野営場」。野営場という響きがワイルドな感じでイイ。
小さな吊り橋を渡った向こうにサイトがあるようなので、売店のおばちゃんに申し込みにいく。

こんな時期にキャンプするの??と言いたげなおばちゃんだったが、快く承諾してくれた。財布を出してたが、「使っていいですよ、どうぞ」と言われてオシマイだった。よって無料。こりゃ意外。てっきり有料かと思い込んでいた。

「何か足りないものがあったら買っていってね」って言われたので、それが使用料だと思って店内を見たら、ラッキーなことに缶ビールが売っていた。スーパーが見つからなかったので、これだけは諦めていたのだ。
ビールを購入して、駐車場に停めたエスのトランクから野営グッズをサイトまで運ぶ。

サイトには誰もいなかった。
お世辞にもキレイに整備されているとは言えない(まぁそんなの求めていませんが)が、無料ならば仕方無いだろう。使わせてもらえるだけ感謝。

本来のサイトは崖の上にあって登るのが大変なので、誰も来ないことをいいことに、橋の麓でテントを張った。

水もトイレも使えず、対岸まで行かなければならなかったが、少々季節外れなので仕方無い。
水は売店で湧き水が流しっ放しにしてあって、それを勝手に使っていいらしいし、駐車場のトイレはキレイに掃除してあったので、少々遠いことに目をつぶれば設備的には申し分無いんじゃないだろうか。

月明かりのもと夕食を作ってビールと焼酎を嗜む。
ここは白山の麓、白山スーパー林道の入口。
明日は白山スーパー林道のゲートオープンに合わせて出発。もう一度飛騨に戻る予定だ。

 
   
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