7日目

札幌の朝。7日目にもなるからかフツーに起きてしまい、出発時間は大幅に遅れた。ビジホだとこれだからなー(- -;
とりあえずエスは駐車場に置いたまま碁盤目状の街を散策する。

散歩にはもってこいの札幌駅の北にある某所。僕が尊い青春を捧げた場所でもある。
もさもさと茂みまくった並木、青々とした芝生、北海道の夏休み、って感じだね

   
僕の血と汗と涙が染み付いた学び舎は、瓦礫と化していた・・・・orz
開拓時代の畜舎もまだある。移築だけど。
牧畜っていうのは、明治期に海の向こうから伝わってきたものだ。それが北海道の気候風土に合わせて徐々に変化し、これらの建造物のカタチになっていく。
                                                       
   

随分歩いてようやくエスに戻って市内を走る。
札幌とは思えない暑さ。ここに来てエアコンが稼動するとは予想外だった。

 
   
お土産買ったり、大通公園やらすすきのやらぐるぐる回ったりしたおかげで、本格的に出発したのは正午前。。
       

左:駅前通り南1条交差点付近三越前。札幌で一番賑やかな所。

右:すすきの交差点。ニッカおじさんも昔のまま。

大通りではビアガーデンが催されていた。札幌の夏の風物詩でかなり大規模。

 
         
       

札幌中心部から国道230号を南下し、南区、定山渓を通過し、中山峠へと登っていく。

札幌にいれば何かと言えば越える峠なので、久しぶりとは言え久しぶりな感じがしない。。

 
                             
                       
                                                         
これまた何かと言えば寄る道の駅「望洋中山」で、何かと言えば食べるあげいもとじゃがバターに舌鼓を打つ。
ジャガイモ大好きなのである。
 
   
     

喜茂別、留寿都と走り、最近できたと思われる留寿都の道の駅にも寄った。
ここでスタンプの精算。今回の旅でゲットできたのは100駅中の33駅。営業時間外で押せなかった駅もたくさんあったので、今回のルートで約半分は立ち寄れるってことになる。

さっきの中山峠の道の駅で、全駅制覇のシールを毎年分ボディに貼っているエスティマ(道外ナンバー)を見た。そういう人もいるもんだから、もはや全駅制覇も珍しくないのかも。

       

ずっとR230を走っていくと洞爺湖に行き着く。
その手前に(元廃墟の)ウィンザーホテル。
ドラキュラ城ともいう。(今度サミットするとこ)

 
 
 
洞爺湖から道道2号。
大きなホテルが密集する温泉街を抜け、昭和新山を横目に壮瞥へ。
 
 

北海道には珍しい、まともな路面のまともな峠道。EG4でよく走ったなぁ。

まともな路面とは言うものの、道内では狭い部類に入る。必ずといっていいほどキタキツネが道路に出ているので注意が必要。

       
タイトなコーナーが続いて、やっぱこれだよなーと改めて思ってしまった。
 

4速や5速でグオーンと走る峠道より、2速や3速でフットワーク良く元気に走る方がやっぱり楽しい。

この日は残念なことに峠付近はガスってたので、峠の展望台も寄らず、ハンドリングを楽しんで走ることに終始した。

                                   
     

カルルス温泉 鈴木旅館

オロフレ峠は北海道随一の温泉街、登別温泉に下りていく峠で、その手前にある温泉地がカルルス温泉。
入浴剤で名前だけ有名なアレだ。

温泉街の登別に対して、自然の中の保養地という趣のカルルス温泉。その中で今回は鈴木旅館という所で日帰り入浴していくことにした。
良く掃除が行き届いていて、宿の人の感じもいい。

       

温泉も非常にキレイで、透き通った源泉が掛け流されている。新鮮な温泉の効能に期待しながら手足を伸ばし、残り少なくなった北海道の旅に思いを馳せた。

登別の近くにあるので、白濁したイメージを勝手に持っていた(それはきっと入浴剤のせい)が、実際はほぼ透明である。
なかなか玄人好みの温泉だが、これぞホンモノという感じがする。

                               
登別温泉の温泉街は通過して、まっすぐ海側へは降りずに道道350号へと入っていく。
   
 

大湯沼を見下ろした後に現れるのは倶多楽湖。ほぼ円形のカルデラ湖で、これはこれで神秘的な感じがするのだが、今ひとつ観光的な人気がないのは何故なんだろう。

その後は狭いワインディングロードが続いた。
今回の北海道ツーリングで走るワインディングはこれで最後だろうか。。

       

「鹿部はこっちだ!」by 水曜どうでしょう

もとい、登別東ICまで降りてくると、登別にやってくる人たちを出迎える赤鬼に遭遇する。

その指差す方向を無視して、道央自動車道に乗った。何せすでに時刻は16:30である。あまりにも札幌で時間を使い過ぎて、この日はほとんど移動するばかり。

時間はそれでも足りずに、長万部までの退屈な国道36&37号をパスしてしまおうという魂胆なのだ。

 
   
   

北海道に住んでた時は高速なんて使わなかったので、たぶん初めて走るな、ここ。

途中、有珠山SAで停車して今晩の宿と明日のフェリーを予約する。

宿はなんとか取れたけど、フェリーは狙ってた便がすでに満車とのことでアウトだった。。 時間をずらすとキツそうなので、仕方なく別のフェリー会社で同じような時間の便の予約を取る。運賃が高いが仕方ない。

 

そんなカンジで失敗したな〜っていう気分で走ってると、不幸は畳み掛けるよう襲ってくるもので、対面通行になった所で物陰に隠れていたパトカーの追撃を受けてしまった。

一瞬の不覚!考え事していた&下り坂だったことが重なって、想定外のスピードが出ていたのだ。あれほどいつも集中して運転することを心がけてるのに、そうじゃない時に限って襲ってくるものである。

2○kmオーバーってことで青切符を頂く。出してたのは事実なので納得。納得いかないのは70km/h制限だという設定(- -#
北海道で捕まるのは慣れてる(核爆)とは言え、気分悪い。北海道最終日にして一気にブルーな気持ちに沈んでしまった。

長万部ICで国道5号に降りたが、せっかくの旅を台無しにされた(てゆーか自業自得だろ)気分で、もうとっとと帰っちゃおうと、淡々と5号線を走り続けた。
雲に覆われた夕刻の空はちっとも感慨深くなく、印象の悪いものにしか写らなかった。。。

2時間程で函館に着く。もうすっかり真っ暗。ではあるが、函館を全く見ずというのも、という気になって、ちょっとヤル気復活。元町の方に行ってみることにした。

 
                             
 
               
 

函館

ライトアップされた元町の教会群。異国情緒あふれる函館の街の中でも、最もそれが色濃く感じられる一帯だ。
それぞれが個性的な建築で、何度も見ているが、何回見ても飽きないものである。

   
 
 

昼間はパッとしない旧公会堂も、夜はパチンコ屋みたいな存在感である(笑
正面に停車したオープンカーが、建築の歴史性と妙にマッチしている。現代的な工業デザインでありながら、こういった文化遺産とコラボレートできるのも、S2000ならではの魅力である。

函館にはこの他にも見所がたくさんある。函館山の登山道路は、一般車通行禁止だったので登ることができなかった(ロープウェーは夜景見る人で大混雑)のは残念だったが、路面電車と並走したり、急な坂道をそろそろとドライブしたりといったことが単純に楽しめる街だ。

 

函館は、札幌から夜行で訪れたのが最初である。

その後、いろいろあって精神的に沈んでた時があって、その時先輩から旅を勧められて訪れたことをキッカケに、毎年のように訪れるようになった。
その度に新しい発見があり、今も忘れ難い感情のこもった場所がいくつも存在するという、住んでもいないのに想い出深い街なのである。

実は北海道を離れて一度だけ飛行機で訪れているのだが、それは親友の結婚式に出席するためであり、今回元町をぐるぐる回ってるとたまたまその時の教会に迷い込んで、あの時の感動がまた蘇ってきたりもした。

そんな背景があるから、函館は今でも僕にとっては「癒し」を与えてくれる、特別な街なのだ。

   
 

ベイエリアの金森倉庫に来てみた。
ここにも想い出深いお店がいろいろあったが、残念ながらすでに営業している時間ではない。

とは言ってはハラは減る。中山峠のジャガイモ以来何も食べてないのだ。
かろうじてやっていたビアホールみたいな店に入って、2日目の小樽地ビールの再来か!?と期待したが、全然大したことなくてガッカリした。。

                               
           

オマケにすぐラストオーダーになってしまい、全然物足りないので近くのラッキーピエロに入った。

ラッキーピエロとは、函館市内に展開しているハンバーガー屋のことである。
なにしろボリュームが凄いのだが、内装の雰囲気とかもかなり怪しい。客席がブランコになってたりするから油断はできない。

 
                                 
   

← 決して宗教的な施設ではない(と思う)

ちなみにお味の方は、凄く美味しい、と僕は思ってます。

ベイエリアのラッキーピエロの隣には、ツーリスト御用達「やきとり弁当」で有名なハセガワストア(函館のご当地コンビニ)が並んでいる。
函館が誇る2大ご当地グルメ(!?)がここに集結w
                                                               
・・・・・・・・・
 

8日目

翌日。函館は土砂降りの雨に見舞われていた。ワイパー全開にしても、すぐ先も見えないような強烈な雨。
思えば初日、2日目と、この函館を通過したときも雨が降るか降らないかの天気だった。それ以外は概ね好天だったわけだから感謝せねばなるまい。

 

フェリーターミナルで乗船手続きして順番待ち。

行きは青函フェリーだったが、帰りは東日本フェリーとなってしまった。
前者は割引を適用してることもあるが、同じ航路にもかかわらず、その差5000円近くもある。後者の方が旅客船っぽく、前者が貨物船の延長ってことを考えれば当然なのかもしれないが、、、たった4時間の航行、アメニティなんていらないので安い方が良かった。

北海道最後の景色は、土砂降りの雨と分厚い雨雲の攻撃を受ける箱館山の遠望だった。。。
   

青森港到着後、国道7号からもうイキナリ東北自動車道青森ICに向かった。

次の日は相方が仕事のため、常識的な時間に余裕を持って自宅に着くべきだったので、帰りはもう色気は出さずに高速だけで素直に帰ることにした。

 
青森は雨降ったり止んだりよくわかんない天気だったけど、走ってるうちに少しずつ天気は良くなってきた。
 
                                                   
 

津軽SAで最初の休憩、その次は長者原SAで昼食&給油。

外はいつの間にやらめちゃくちゃ暑い(汗
まー今回は北海道も暑かったけど。。

                                                   
                 
 

その後は東京まで一気。途中黄色いS2000を見かけたくらいで、特に目立ったイベントはなし。

こんなに真っ正面からマトモに高速走ったのも初めてかも。日本一長い高速道路;東北自動車道、完走である。青森IC→川口JCT(約680km)、普通車通行料金¥13500ナリ。

外環走って大泉から練馬の自宅に着いた頃には、当然暗くなっていた。
と同時に、無事に走り切った安堵感、そして充足感に溢れていた。
 
6日目 / エピローグ