もうすぐ8月だというのに、今年はなかなか梅雨が明けてくれない。
7月最後の週末の天気予報も、全国的に雨マークが踊っている。

せっかくの夏の週末、都合が許せばとにかく走りたい。けど、わざわざ雨の降るような場所にはもう行きたくないし。。。前日の金曜日はそんな気持ちで、仕事の合間にヤフーの天気予報とにらめっこ。
九州四国は梅雨明けしたらしいけど、その他の本州の地域はまだまだ梅雨空模様。。

その中で唯一、紀伊半島だけはぽっかり梅雨前線の影響から外れているではないか。踊るお日様マーク。
ちょっと2日間じゃキツイかなーとは思いつつも、2日間で楽しめそうなエリアで晴れてる所が他に無かったので、週末のツーリング先は急遽紀伊半島に決定。

紀伊半島にはまだ走ったことのない道も多い。
日本有数の山深いエリアで、マニアックなワインディングロードをたっぷり堪能するのだ。

                                                     
フツーに出発したら移動だけで時間が過ぎてしまいそうなので、頑張って深夜3時出発。とりあえず雨は大丈夫そうなので、深夜の環八をオープンで東京ICまで走る。そのまま4時前には東名に乗って、深夜割引の権利を獲得。計算通り♪(前回と言ってること違うような気が・・・)
                                                     

由比PAでトイレ休憩。
ずっとオープンのまま走ってきた。深夜の高速をオープンで流すのって意外と爽快。

東名は浜松ICまで。
浜松から国道1号→国道42号で伊良湖岬へと向かう。

 
                                               
                             
                                   
        真冬に潮岬を目指したツーリング時と同じルートで向かっている。あの時感じたのと同様、この伊良湖岬までが単調で長く感じてしまう。
まだ時間は早朝なのに、かなり日差しがギラギラ。天気的には間違いないみたい。
その伊良湖岬には7:20頃到着。
岬には道の駅があって、フェリーターミナルを兼ねている。
こっから伊勢湾フェリーに乗って、対岸の伊勢志摩、鳥羽港までワープするのだ。

S2000初フェリー 埋もれてます
ちなみに運賃はEK9と同じ

                 

始発に乗れてしまった。

既に多くのクルマが並んでたけど、乗船待機する間もなくフェリーに誘導される。
グッドタイミング。まったく時間を無駄にすることなく、伊良湖を出航。

1時間程度の船旅で、普通なら海の景色を甲板で眺めつつ楽しむところだが、睡眠時間が短かったこともあり、内部の長椅子でバタンキュー。
気が付いたら、鳥羽港入港だった。慌てて車両甲板へ。
おかげで全然海を渡ってきた感じがしない。この航路初めてじゃないし、まぁいいけど。

 

ここまで抜群に効率良い時間の使い方してます。


そんなもんだから、目の前に広がる景色はイキナリ伊勢湾の向こう側、三重県は鳥羽市の鳥羽水族館前。

42号をちょっとだけ北上して、市街の外れから有料道路に向かって左折する。

   
                                                     
   

伊勢志摩スカイライン

パールロードは走ってるけど、ここは走ったことなかった。伊勢と鳥羽を結ぶ裏道的有料道路。

早速料金所で料金を支払うが、ななななんと1200円も取られてしまった・・・・・お世辞にも距離があるとは言えない道路である。

レシートと一緒になぜかお寺のパンフを渡される。ターンパイクみたいな私営の道路なのだろう。それにしたって随分強気な料金設定だと思う。

その高額通行料のおかげで、まるっきり走ってるクルマがいない。加えてなかなか良好な路面状態だ。
けど、ギリギリ2車線って感じなので、うねるように続くコーナーのライントレースが難しい。

有料道路らしく、キレイに維持してある。と、感じるのは主に路肩の状態である。草が生い茂ってるような所は一切無く、ガードレールの類も必要以上に設置してある。そりゃアレだけの通行量取るんだから、キレイで当たり前だよねぇ。

         

それはそうと、意外とアグレッシブなワインディングロードで、なかなか手に汗握るドライビングを楽しめた。
基本的に峠道で、ちょうど中間の展望台を境に登り下りが切り替わる。これが結構な急勾配。鳥羽側の登りはストレートが多く豪快なヒルクライムが楽しめる。

 
ハイカム領域に叩き込んで、超高音のエンジンサウンドに酔いしれながら加速と減速を繰り返す。
抜群のトラクションとクイックなステアリングを利用して、伊勢志摩随一のコーナリングステージをクリアしていく。FRの駆動方式とDOHC VTECの組み合わせが、官能的世界へとドライバーを誘ってくれる。
 
   

それに加えて、景色がなかなか良い。
伊勢志摩のリアス式海岸を一望できる展望所が何ヶ所かある上、道端にもクルマを停車させるスペースが多くて撮影には事欠かない。
コーナーが結構深かったりするので、余所見しながらの運転は危険だが、なかなかの開放感だ。

                       
         

頂上の展望台には広大な駐車場とレストハウスがある。

ここには数台の先客がいたが、走ってる間はほとんど独り(追い付いても譲ってくれるし)。どっかのコースみたいなワインディング、こんなに独り占めしていいのだろうか。。

                                   

頂上以外の駐車場ではまるで人がいないので、急遽エスの撮影会を実施。贅沢にスペースを使ってバシバシ撮らせて頂いた。

うーん、カッコいい・・・(陶酔)

S2000っていうクルマは男性的だ。
黒だからかもしれないけど、余計なものを削ぎ落としたシンプルな逞しさっていうのがあるよね。

オープンカーなのに色気のカケラも感じられないアスリート的なストイックさがいかにもホンダスポーツで、そこがまた気に入っていたりするのです。

 

いつまでノーマルのままでいられるか!?

                                   

さてさて下りだが、小刻みなコーナーが連続する急勾配のダウンヒルだ。坂を下ると言うより、重力によって落下していくようなカンジ。抜群の回頭性と重量バランスを武器に、難しいコースレイアウトをモノともせず駆け下っていくS2000。

伊勢志摩スカイラインというと、どこか軟派な観光道路というイメージを勝手に持ってたが、意外や意外、結構本格的なワインディングロードでビックリした。短いけど登り下りが明確に楽しめて走り甲斐たっぷり。
けど通行料金がネックなので、何年かに一度くらいは走ってみてもいいだろうか。

                                       
 

有料道路の終点は、伊勢神宮内宮付近。紀伊半島の深淵部に向かう為、効率良く高速でショートカットすることにする。
伊勢ICから伊勢自動車道に乗るつもりが、青看通りに進んでったら伊勢西ICから乗せられてしまった。まぁ大差ないけど。

伊勢道(初めて走る、地元なのに)を西に向かい、新しく開通した紀勢道にスイッチしてすぐ、勢和多気ICで降りる。
国道42号から国道368号にスイッチして、更に西へと走り続ける。

R368に入ってすぐから前を走るトラックに阻まれてジリジリ。オープンでトラックの後ろはキツいものがある。国道166号に合流した後はそれなりに交通量が増え、すれ違い困難な区間が一部残ってたりして抜きあぐねた。

 

ようやくパッコーーンと抜けた後は、気持ち良く単独行。いつの間にやら結構な山奥まで入り込んできている。

← 雰囲気あるアーチ橋だね

このR166、紀伊半島の一番幅のあるところを東西に一直線に横断している。奈良盆地で国道24号に入れば、距離的には最短の伊勢〜和歌山横断ルートだろう。

しかし、奈良県に入るまでが長い。いくつもの山里を繋ぎながらひたすら西へ。

青い空に濃緑の山、モコモコした雲が夏らしい →

                   
 

ようやく県境の峠に差し掛かってきた。

かなり険しい峠のようだが、山肌に沿ってウネウネ登っていくのではなく、大胆に空中を横断して一気に勾配を稼いでいく。

← 8の字を描くように絡み合う複雑な峠道

長い高見トンネルを抜けると、遂に奈良県。大宇陀に向かってダラダラ下っていくと、程なくして東吉野村への分岐。表示が無く一旦通り過ぎたけど、鋭い勘で分岐を見抜き(不思議とこういうのを嗅ぎ付ける能力って経験的に身に付いてるんだよね)、引き返して県道16号へと入る。

小さな東吉野の村を通過して、高見川沿いの道を行く。川では鮎釣りをする人で賑わっている。

途中から県道262号に入って更にショートカット。奈良の山奥の県道はさすがに狭い。ホントにこの道で方向合ってんのかなとさすがに不安になる。

しかしそれも杞憂で、やがて目指す国道169号へと出てくることができた。

                       
             
 

R169は紀伊半島の山中をぶった切る、数少ないルートのうちのひとつ。国道309号を経由して熊野市へと至る。

入ってすぐ、非常に大きく開けた谷の右側山麓を走る。
目の前に大きなダムが見えてきた。当然その先は湖かと思ったら、全然水がない。というか、まだ水が溜っていない感じ。できて間もないダムなのだろう。

道の駅「杉の湯川上」で小休止。柿の葉寿司を買って食べる。奈良に来たら外せない好物なのだ。

                           

この先に前々から寄ってみたいと思ってた温泉がある。時間的に厳しければ諦めても仕方ないかと思ってたけど、この時点でまだ正午前だ。この日はとりあえず大台ケ原を目指してたけど、ここまで来れば余裕持って行けるだろうし、それぐらいの寄り道は可能かなと判断した。

むしろこの真夏の正午の炎天下で、温泉に入浴というのもどうかと思わないでもなかったが・・・

                                 
   

入之波温泉 山鳩湯

この温泉地の為だけに維持されてるような、ダム湖沿いの荒れた道を行くと、目的の温泉に辿り着く。

湖畔の浴室には、黄褐色に濁った温泉が溢れる。源泉温度が39℃くらいなので、この時期に入るにはむしろ丁度いい温度だった。

露天もあったけど、内湯のお湯が流れていって溜る構造なので、新鮮な温泉を楽しみたいなら内湯だ。

     
   

お世辞にも交通の便がいいとは言えない、まさしく秘湯レベルの温泉だが、知名度は全国区で、この日も道端に溢れんばかりのクルマが停められていた。少し離れた不安定な路肩にエスを駐車する。

風呂にも当然多くの人が入ってたけど、ほとんどの人が狭い露天風呂にギュウギュウ詰めで入浴してた為、広くて新鮮な内湯で悠々と入浴することができたv
湯温も丁度良く、サッパリできて満足満足。

     

国道に戻って再び南下を続ける。
どんどん紀伊山地の深部に侵入してってるのに、道路はすこぶるよく整備されている。

終いにはループ橋まで出現。
橋梁で大きな円を描き、豪快に山々を貫いていくバブリーな区間が続く。

そして現れる大台ケ原への分岐。地理関係では進行方向向かって左側に大台ケ原があるはずなのに、なぜか分岐は右折する。

延びていく道路の雰囲気も一般的な道とは言い難い。入って突然石がゴロゴロ転がっていたりして、やや不安になる。
道はトラバース気味に進路を変えて、国道のトンネル上を横切って東方面へ。

                                     
大台ケ原ドライブウェイ

大台ケ原に向かって伸びる唯一の道路。
ドライブウェイというからには、かなり爽快なワインディングなんだろうと思いきや、目の前に伸びるのは森の影に飲み込まれるような薄暗い道。。路面の痛み具合も激しい。
                                             
                       
大台ケ原は深田百名山のひとつであり、多数のハイカーがアプローチするが為に、こんな道でも結構な交通量が予測できた。予想通り何台かの対向車が現れたが、荒れた道ながら難なくやり過ごす。
そのうちバスまでもが向かってきたが、うまい具合に路肩の広がった所で遭遇したので事無きを得た。
人の集まる自然に観光バス有りは定石だが、、こんなとこでお付き合いするのは勘弁願いたいものだ。

うっすら闇のジメジメワインディングは、勾配的にはずっと登り続けてる感じ。
トンネルが現れ、これを抜けると突然視界が開けた。

さっきまでとは似ても似つかない開放的なワインディングに豹変してしまった。。これまでは山の北側斜面に沿って走ってきたが、トンネルを抜けると左右が入れ替わって南側になったのだ。
明るく爽やかなワインディングをトレースしながら、ようやく「ドライブウェイ」の意味を知ることになる。

   

それにしても随分高い所まで登ってきてたもんだ。広大な紀伊山地が遥か遠くまで果てしなく続いている。
その稜線の眺めはあまりに広く大きく、まるで海原を眺めているかのよう。

ドライブウェイはビッグスケールの眺望を保ちながら、更に奥へ奥へと続いていく。

道路は最初と打って変わって、道幅広く路面も良好。
稜線に沿って走る感覚を保ちながら、少しずつ高度を上げていく。

やがてハッキリとわかるくらいに周りの植生が変化する。そのくらいになると、ワインディングは更に爽快さを増してくる。

スッキリと冷えた空気を、ルーフレスのコックピットで体感する。地形的変化を肌でも感じられるのがオープンカーの素晴らしいところだ。

   
大台ケ原

ドライブウェイの終点は、大台ケ原の登山口。大きなレストハウスが数棟と、これまた立派なビジターセンターに囲まれて、おびただしい数のクルマが停められていた。空いているところを探すのに一苦労してしまった。
それまでの道のりの長さと景色からすると、にわかに理解しがたい光景である。
                                   
                 

ほとんど予備知識も無く来てしまったので、とりあえずビジターセンターへ。

大台ケ原は日本一と言っていいほどの年間降水量を誇る山だそうだ。尾鷲より屋久島より多く、1年のうちのほとんどが雨降りなんだとか。

それゆえ大地が深くえぐられ、今日の大台ケ原周辺の険しい山岳地形が形成されたそうな。

とすると、今日のような晴れ晴れとした日はレアケースってことなのか。

今回はトレッキングの用意は特にしてなかったので歩くつもりはなかったのだが、ちょっと惜しい気もする。こんな遠くの山中に、オイソレとは来れないだけに尚更。

ただ、時間はもう午後を回ってるし、ロクな装備無しで徘徊できるほどヤマは甘くない。
わずかばかりでもヤマ登りをかじっていてモラルもあるつもりなので、誘惑に耐えてここはガマンしておいた。

 

また大台ケ原は、人が多く訪れるにつれて木々が枯れ、森が徐々に死んでいっているという。
数十年前までは、苔生した多湿の森だったが、年を追うにつれて木々が生命力を失い、山肌が露になってきている。急激に加えられた外力によって、森が悲鳴を上げているのだ。

そこのところをビジターセンターではしきりに説明している。
そんな事実は多くの人が知ってるはずなのに、それでも今日も多くのハイカーが大台ケ原の森に入っていっているのだ。

変わりいく森を眺め、見識を深めるのは間違ってはいない。自分もできれば大台ケ原の空気を吸いながら森を散策してみたいが、原因がある程度ハッキリしている以上、何だか後ろめたい気持ちがするのは当然のことなのだろうか。

                           
帰りは来た道を引き返す。
高度の高い大台ケ原付近の区間は本当に気持ちいい。
しかし、この道路も大台ケ原の植生に少なからず影響を与えている(直接的にも間接的にも)と思うと、やっぱり少し後ろめたい。ここに限ったことじゃないけどね。

行きは長く感じた大台ケ原ドライブウェイは、帰りはさほどでもなく、ハイペースで流すうちにいつの間にか国道に帰ってきていた。
       

さてさて、再び国道169号に戻って紀伊山中を南下していく。

大台ケ原ドライブウェイの交差点でシビックタイプR(EP3)の後ろについた。
ちょっと遊んでくれるかな?と思ってトンネルの中でVTECサウンドを意図的に響かせてみる。
応えてくれたのか、山間のワインディングをEP3が逃げる逃げる。一定の距離を置いてそれを追っかけていく。

たまたま前走車にまったく遭遇しなかったこともあり、しばらくEP3とのデットヒートに興じてしまった。
同じ2リッターDOHC VTECだけど、向こうは次世代i-VTECのK20A。駆動方式はFFである。
どっちがどう速いのか純粋に興味あったが、シビックは安定して速かった。意外と追いつけないものである。

K20Aに比べれば古典的なスポーツ(レーシング?)エンジンであるF20Cをギャンギャン言わせながら、迫力ある渓谷沿いのワインディングロードを楽しむ。
EP3は途中の道の駅でピットインしていった。楽しませてくれた相手に感謝し、その後はクールダウンに努めてそのまま走り続ける。
もっとも、すぐに他の車に追いついてしまったので、意図的にクールダウンする時間も無かったけど。

 
下北山村で国道425号にスイッチ。

国道425号
山岳狭路の宝庫である紀伊山地の中でも、この国道こそがキングオブ酷道だと思っている。
潮岬ツーリングの際にも、一区間じっくり味わった。今、目の前に続いているのは、その時走ったR425下北山〜十津川区間だ。もう一度季節を変えて味わってみようと思う。
             

国道425号/白谷峠(仮)

R425は、相変わらずの健在ぶりだった。
山の向こうへと続いているのが信じられないくらい頼りない道が延々と続いている。
岩をくりぬいたような強引なコーナー。電灯のない暗闇のトンネル。徐々に記憶が蘇ってくる。

 
しばしの登り区間を過ぎると峠のトンネルが現れた。思ってたより呆気ない到達。こんなに短かったっけ?
ここまでで遭遇したクルマは皆無。

これまた真っ暗闇のトンネルを抜けると、十津川方面に下っていくロングワインディング。こっち側は道路に水が流れてたり、大きな石がゴロゴロ落ちてたりで状況が悪かった。折りしも大雨が続いた後である。道路状態に不安を覚えないでもなかったが、本日1日の夏の日差しで幾分好転しているのでは、という勝手な解釈でひたすら走り続ける。

下りに限って言えば、長い。とにかく長い
一度通ったことがあるので余計にそう感じてしまったのかもしれない。

走れど走れど景色は一緒。走り慣れてる自分でもそう感じるのだから、ちょっとでも山道がストレスなドライバーには無間地獄だろう。
ここはそういった意味で、エキスパートクラスのワインディング。何十kmも集中力を途切れさせないでブラインドコーナーを抜け続けられる自信がないと、走るのがただ苦痛なだけ。。

まぁ時間にすれば1時間も走ってないのだが。

             

国道168号に合流した後は、南方向に進路をとった。
以前は北向きに走っていったので、ここの区間は初めて走る。

これがなかなか見応えのある景観が広がるコースだった。山塊と大河が織り成すビッグスケールの景色に思わず感嘆の声が漏れる。
すかさず激写だ!と思ったけど、路上からはあまりいい絵が撮れず残念。

やがて山肌にへばりつくような十津川温泉の集落に入っていく。

この辺は十津川温泉郷としてにわかに有名になりつつある所だが、まだ秘境の温泉地という風情を残していた。最寄の駅からバスで3時間以上!!ってな所である。そう簡単には俗化されまい。

村内でR425との分岐を過ぎ(ここまで重複区間)、更に南下を続ける。陽がだいぶと傾いてきた。
十津川の手前からペースの遅い集団についてしまって眠気を誘われる。
もうすぐ今晩の停滞地。もう一度気合を入れ直してハンドルを握る。

熊野大社を通過する頃には、かなり夕方の色が濃くなっていた。
大社の参道付近で酒屋やガソリンスタンドの位置をチェック。この先にあるとも限らないので。

ひたすらに広大な熊野川の河原(こんな山の中なのに異様な光景だ)を横目に、渡瀬温泉へとエスのノーズを向ける。

潮岬ツーリング時に元旦にキャンプしたのは川湯温泉。その至近の渡瀬温泉で本日のキャンプを行う予定。
熊野川の河原でキャンプも一興だったが、まだまだ紀伊半島ビギナーなので、あくまでオーソドックスな手法で停滞する。(つまりキャンプ場で停滞)

あいにく酒屋もスタンドも見つからなかったので、キャンプ場に到達する前に一度大社まで戻って用事を済ませる。
ガソリンは目が飛び出るほど高かったが、こんな山の中では仕方が無い。

だだっ広い河原の熊野川

   
渡瀬みどりの広場

渡瀬温泉の大露天風呂と川を挟んで対岸にある小さなテントサイト。近くのケア施設で料金を払って利用する。
既にファミリーキャンパーが目ぼしいスペースを陣取っていたので、隅っこの河原近くを選んで幕営することに。クルマを乗り入れられるので有難い。

狭いサイトだったが、トイレ炊事場も付いてたし、何よりサイトのすぐ横を流れるせせらぎが心地良い。
もう日が落ちかけてるのに暑く、とてもじっとしていられず、川の水に両足を突っ込みながら缶ビールを空けた。
紀伊の山に遂に日が落ちて、辺りが徐々に暗くなっていく。
足元のクールダウンが効いて落ち着いてきたところで夕食をつくる。いつものように簡単なパスタで済ませた後は、テントに入ってあっという間に眠りに落ちる・・・・

・・・・予定だったが、やっぱり暑い(汗汗
寝られないので、ムーンライト3の両妻をメッシュシートのみ残して全開にする。こうすればテント内に風が通って気持ちいい。人の目が気にはなるけど、オトコ一人の寝顔なんぞ覗いていくような輩がこんな山中にいるはずもないので、人目もはばからず休ませて頂いた。
   
やや過剰な本日の走行時間と、同じくやや過剰摂取のアルコールによって、開け放たれたテントからいつも以上の騒音を豪快に放っていたに違いない。
   
2日目 / Touring Top
 
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