翌朝。すっかり明るくなってから、ようやくテントから這い出す。 暑い夜だったけど、グッスリ眠れて良かった。体力回復十分。早く走り出したいので、早速顔洗ってテントをたたむ。平日と違って休日だけは早起きなオレ。サラリーマン失格だな。 |
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今回が初めてのエスでのキャンプツーリングだった(郡上八幡ツーリングの際も用意していたが、中断してしまった為)。 最近の軽量化政策によって、一式積み込んでもトランクは写真のようなカンジでまだまだ容積は残っている。 |
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EK9の時もだったけど、こういうスペシャルなクルマで走ることをメインにツーリングするのが自分の旅のスタイルであり、アイデンティティなのだ。 タイプRに勝るとも劣らない過激なスポーツカーでツーリングを継続していることに、無意味に優越感を覚えてたり。自慢するこっちゃないけど。 |
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7時前には走り出し、昨日来た道を十津川温泉まで戻っていく。 十津川温泉から国道425号にスイッチ。昨日から引き続き、R425大冒険である。ただ、ここからは全く初めて走る区間。十津川温泉〜龍神温泉の区間は、地図で見る限り昨日同様、いやそれ以上にハードそう。距離も相当長く、HP満タンのこの時間にもってこいのステージ。どんなにハードなワインディングでもかかってこい!ってな気分だ。 |
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国道425号/牛廻越 十津川温泉を出ると、早速狭路のワインディングが続く。昨日の区間とさほど変わりない雰囲気。 |
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そういう状況なので、対向車が割と多い。だいたい作業用の軽トラだったりするのだが、昨日みたいな感覚でいると肝を冷やすことになる。 また、いくつかの集落には公衆便所が道沿いにあって案内板もあったりと、かなり親切。 |
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渓流沿いの林道(イヤ、国道だった)を、少しずつ進んでいく。当然ペースは上がらない。 奥へ奥へと進んでいくが、相変わらず人が住んでいる。一体どうやって生活してるのか、ってことを想像せずにはいられない。 日本全国旅してて、本当にどんな所にも人は住んでるもんだということをいつも認識させられる。それぞれその土地に則した生業とライフスタイルで成り立っているので、住んでいる人には半ば当然のことなのだろうけど。 都市部にしか住んだことのない人を連れてきたら、信じ難い光景にビックリするんじゃないかな。 |
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上の写真↑で、下の方に今登ってきた道が見える。この辺りから急に登坂路になり、山肌に沿って思い付いたかのように急激に標高を稼いでいく。(そんな急峻な地形にも人家が貼り付いてたりする) 登り詰めると、そこが牛廻越。奈良県と和歌山県の県境だ。 あっさり着いたかように書いてるけど、ここまでメチャメチャ長かった。いやホントに。結構走り続けの場合が多い自分でも、途中集中力保つために、トイレ休憩含めて2度も一服入れている。とにかくすんごい距離なのだ。 |
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距離にしたら30km程なのだが、いかんせん道路が過酷なので時間がかかる。麓から1時間は裕に越えていた。昨日の白谷峠の全区間より長いわけだ。。このテの30kmって、絶望的に長いのである。 あまりにステアリングを切り続けたので、掌が少々痛い(写真じゃよくわからんが、結構真っ赤)。レーシンググローブ持ってくるべきだった。 |
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峠を越えると、少々様相が変わった。 それまでがどちらかというと人の手の入った秘境というイメージだったのに対して、ワインディングの基本とも言える自然探索的なルートに変化した感じ。 |
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長いばかりでこれといったポイントの無かった登り区間に比べると、思わずクルマを停めてしまうような魅力的な光景が続く。 清々しい湧水の流れに沿って、深い森の木々のトンネルをオープンで走り抜けるのはこの上なく爽快だ。 |
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少々薄暗い森のトンネルに同化するS2000。 黒エスは派手さは無いけど、旅の先々で違和感無く溶け込むことができる。見方によっては攻撃的な造形だけど、シックなブラックボディが溢れ出るアドレナリンを包み込んでくれる。 |
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オープンカーのインテリアは、エクステリアの一部だ。 ・・・・全っ然このルートとカンケー無いけど、、何となく写真見ながらそんな感じがした。親バカだね |
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その後もしばらく続く森のトンネル。段々道が狭くなってきて、ちょっと間違えたらずり落ちそうなほど危なっかしい道幅&路肩になってきた。 心地良い自然風景とは裏腹に、この峠道で最も過酷な区間だったかもしれない。 |
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やがて国道371号にブチ当たった。 ツーリングマップルによると、トータル45.5kmとある。 |
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龍神温泉 元湯 R371との合流地点が龍神温泉。R425でかいた汗を流すには抜群の立地。ってことで、ひとっ風呂浴びていくことにした。 元湯と名が付けば泉質良く気軽に利用できるだろうと思いやって来たが、随分と近代的な趣で、普通の日帰り入浴施設みたい。 |
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日本三大美人湯に数えられる温泉はどのようなものかと興味津々だったが、まぁそこそこかな。 ← この時間帯はツーリストの貸切!? |
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高野龍神スカイライン ツーリストが多いのは、この道の起点だからだろう。 前回取りこぼして次の機会には是非!と狙っていたワインディング。温泉でリフレッシュしたことだし、気分を新たに極上ワインディングを走り出す。 |
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のっけからぐんぐん高度を上げていく。 みるみるうちに外気温が下がり、肌に当たる空気の感触が変化する。山上にあったはずの雲が、目前に迫り来る。 案の定、前走車のワンボックスに追い付く。追い越し禁止な上、排気ガスを惜しげもなくブチまけて走ってくれるので、少々距離をとってクルージング。 |
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登り切ったかな?って所が、ごまさんスカイタワー。護摩壇山のすぐ近くにある展望台で、有料らしい。 |
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このスカイタワーの駐車場が、このワインディングのメインピットになっているらしく大盛況。特におびただしい数の二輪が大挙している。さすが関西のツーリングのメッカってところか。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
ここから先は尾根筋を走っていく。勾配はほとんど感じられず、コーナーもキツくない。どーーーんとストレートが出現することも。総じてかなりの高速コースだ。 コーナリングの立ち上がり重視でラインを取り、ストレート加速を楽しむ。 |
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ひたすらに続く中速コーナーとストレートの組み合わせ。ストレス無くアクセルを開けることができるので、気持ち良くワインディングをかっ飛ばす醍醐味を味わえる。 ただ休日はやはり交通量が多く、ペースを守れるかどうかは話が別。途中速いとウワサのハリアーハイブリッドに前方を塞がれてしまい、抜きあぐねているところにコテコテのRX-8に強引にパスされてしまう。 距離にして40km以上もある非常にアベレージの高いワインディングロードだったが、それだけにあっという間だった。さっきのR425と同程度の距離とは到底思えない。同じワインディングでも、こうも性格の違う2つのルートを連続して楽しめたのは貴重な体験だった。 |
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高野山 高野龍神スカイラインの名の通り、終点は高野山である。 恥ずかしながら、初めての訪問である。何の前知識も無いが、一応これといったポイントは鑑賞したいと思った。高野山と言えば、日本史の試験で重要だった金剛峰寺くらいなら覚えているが、あとはさっぱり。 |
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返ってきた答えは、金剛峰寺と山門と奥の院という在り来たりなものだった。 とりあえず最初に目についた公共の駐車場に入る。無料のようだ。こんな超有名観光地で、駐車場が無料というのは素晴らしい。 その門だが、奥の院に続く山道の入口らしい。記念撮影する団体で賑わっている。 |
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近くにあった地図看板を見てみる。 先に金剛峰寺に行って、それから帰ってくる道で表参道から奥の院に行って、この門から駐車場に帰ってくることにした。 |
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金剛峰寺までの道のり。最初は歩き始めで失敗したかなと思った。相当離れてるみたいなのである。全然歩いてる人がいない。。 高野山は奇跡的に駐車スペースが充実しているようで、後から思えばクルマで移動してもあまり問題なかったように思う。ただ、歩いてたからこそ巡り会えた風景も多く、徐々にやっぱり散策して良かったと思えてきた。 |
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奥の院と金剛峰寺の間には「院」と名の付く寺が多く存在し、独特の参道風景を見せてくれている。道路沿いにはほとんど〜〜院しか立ち並んでいないので、庭園の緑と趣ある木造建築ですべてが構成されている。建物も結構個性的で面白い。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
それを過ぎると、今度は土産物屋が建ち並ぶ観光街道。 |
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どこかで「ごま豆腐」というのを聞いたことがあった。 ホントに有名かどうかは知らないが、ちょうどいいカンジの店があったので入ってみる。生のごま豆腐というのがあるらしい。 迷わず購入したが、よく考えたらこの道戻って奥の院行くつもりなので、帰りに買えばよかった・・・ |
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金剛峰寺 空海(弘法大師よりこっちの呼名の方が好きだな)が開いた真言宗総本山、金剛峰寺。 |
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寺院建築は質実剛健というか。かなりあっさりさっぱりしている。あんまり観光客ウケしないような(いやウケなくていいんだけど)。 建物もオリジナルじゃないし、ちょっとインパクトに欠けるのは事実。正直こんなもんかと思ってしまった。せっかくここまで長距離歩いてきたのに。 |
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金剛峰寺から山門までは更に歩くようで、クルマを乗り捨ててきたことをここにきて再び後悔。ちょっと時間が気になることだし、残念だが山門は諦め、奥の院に向かうことにした。 同じ道を引き返して表参道の入口から奥の院へとアプローチする。 |
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表参道と言いながら、そのルートは杉林の中の墓地だった。 ビックリしたのは、武田信玄に始まり豊臣秀吉、織田信長といった日本史を彩る戦国武将や各国大名の墓まであったこと。無学なので、高野山がそれほどまで人々の信仰を集め続けていたことを認識していなかった。 |
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← 仏像に水をかけて拝む所 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
奥の院 空海上人の住処。杉林の奥に佇む寺院建築は、質素で無駄なモノが無いのに荘厳さを兼ね備えている。ロウソクの明かりに照らされた薄暗い内部空間には、日本の伝統的宗教空間独特の落ち着きがある。 建物の裏には、空海が今も生活している(らしい)場所がある。一心不乱に拝む人々に混じり、無心で拝む。信仰心の無い者が来る所ではないのだろうが、不思議と安らぎを感じられる。寺社仏閣の空間はそういう体験ができるので大好きだ。無性に訪れたくなる時がある。 |
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奥の院からは、最初の駐車場の前に出てきた。相当歩いた感じ。昼も回ってさすがに少々腹が減ったので、駐車場前の休み屋で味噌おでんを頬張る。 予想外の距離を歩いてしまったが、高野山の散策は走りっ放しの今回の旅に彩りを与えてくれる印象深い体験だった。 |
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高野山から橋本に出るには、引き続き国道371号を使うことにした。 高野山へのメインアプローチは西側の国道370号なので、こっちは裏道的存在。最初から大型車通行不能の表示が出ていたので、これから始まる狭路は容易に想像できた。 (林)って・・・ → |
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更にしばらくすると、ずいぶん自然一杯の道になる。脇には岩場の豊富な渓流が流れ、所々で川遊びをする家族連れが視界に入る。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
すれ違いで手間取っている前走車に次々と追い付いて、いつの間にか大隊列になってしまった。全車結構なスピードで突っ込んでいく(さすが関西)のでペースは悪くない。けど、ミスマッチだよね、こんなトコで。 結局隊列を維持したまま、国道24号に合流。高度が下がった上、幹線道路なこともあり、ここで今回初めてルーフを閉める。体力の温存も必要だ。 |
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相変わらず交通量の多い国道24号。五条を抜け、国道370号に乗り継いでも相変わらず。まぁこのルートは仕方無いよね。 ダルくなる程暑い昼下がり。幌が受けた熱気がそのまま室内にも影響して、エアコンの効きもイマイチ。 ←この先大宇陀の手前までお付き合いすることになる大型トラック(- -#) |
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下市からは吉野川沿いに国道169号を走っていく。 更に北上して針ICから名阪国道・・・・って、結局毎度お馴染みのコースか(笑 |
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名阪に乗る前に、針の道の駅で小休止。全国有数の巨大な道の駅は、膨大なクルマと人で大混雑。 名阪国道以降は流れると判断して、ここで再びルーフをオープン。 |
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名阪はイイ感じで流れたが、東名阪の鈴鹿辺りでやや渋滞。伊勢湾岸道に入ったら、それまでの混雑はどこ吹く風のガラガラで、豪快に連続する斜張橋群をすっこーーーんとかっ飛ばす。 刈谷SAで早めの夕食と給油を行い、東名高速で一路東京へ。 |
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浜松の辺りで、ムーンストーンメタリックのS2000に遭遇。しばらく着かず離れずのランデブー。 このまますんなり帰れればキレイに終われるのだが、そうはさせてくれないのが東名上り線。日曜の夜だけあって、気の遠くなるような渋滞表示が。。。 大井松田の辺りから横浜町田の手前まで、いつものように渋滞に参加して時間を浪費し、23時頃帰宅。予定では何時間も前に着くはずだったが、夏の日曜日はいつにも増して交通量が多いのだから仕方無い。 |
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・・・・・・ てなわけで、今回の南紀ツーリングも無事終了。 正直、紀伊半島は遠いし2日じゃ大して楽しめないだろうと思ってたんだが、行ってみて大正解。短い時間にキュッと詰まった中身の濃いツーリングができて良かった。 梅雨を思わせない夏空で、久しぶりに天気に恵まれたなぁ。 おかげでオープン比率は相当高く、S2000でのツーリングの楽しみを存分に味わうことができた。
紀伊半島は総じて凄く走り甲斐のある土地だよね。 走りのツーリング腕試しに。いかがですか紀伊半島、南紀の旅。 おわり |
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