那須高原 〜5年前の記憶をたどって


                                                           

那須高原は言わずと知れた日本有数の避暑地で、観光客も多い。
高原ってことで、多分に漏れずGoodなワインディングも揃ってはいるけれど、どうしても人混みの中というイメージが先走ってしまって、ここのところすっかりご無沙汰になってたエリアだった。

それが今回、相方の北温泉にもう一度行きたいというリクエストに応えるため、久しぶりに那須高原エリアに進出することになった。
ちょうど5年前、今回と同じ時期に那須高原ツーリングをレポートしている。その時とのドライブ感の違いや、ビジュアルの捉え方の違いなんかを意識しながらドライブしていこう。

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東北道を矢板ICで降りて、県道を北上する。
那須塩原を過ぎて少々。周囲がいよいよ高原風景の様相を呈してきた頃に、板室温泉方面へと向かうルートをとる。幹線道路から外れて、静かな高原の風景の中を疾走する。
                                                           
 

正面に那須岳を望みながら、牧草地の中を行く。
この時はまだごく平坦な道のりだけど、板室に近付くと徐々に山道の様相となっていく。

温泉街を抜けて那須湯本方面へ。県道の番号は、いつの間にか266号になっている。

                                                           

その266号は一部山岳路になっているものの、ほとんど→こんな林の中のルートって感じ。

でもよくよく地図を見てみると、この道の一帯は開発された別荘地なんだね。。この道路走ってる分には、そんな感じ全然しないんだけど。

時折大きな保養所とかが現れるけど、そのどれもが林の中に慎ましやかに身を隠して建ってるみたいだ。

 
 

やがて県道17号に合流。この道路が那須ICから湯本へと続くメインストリート。さすがに賑やかで、道路沿いの華やかさが今までとは雲泥の差。

結構な勾配をどんどん登っていく。
那須湯本の温泉街の中も←この勾配。
温泉神社を通過すると、右に大きく旋回するコーナーがあり、このイン側に那須湯本温泉の象徴たる「鹿の湯」がある。気軽にソロで訪れるにはもってこいの温泉だ。

 
                         

ボルケーノハイウェイ

鹿の湯前のターンを通過すると、そこからがボルケーノハイウェイ。那須岳へと登る有料道路だ。すぐに料金所があって、パワーの要する登坂区間が待った無しで待ち受けている。
那須岳はロープウェイで頂上近くまで行けたり、有料道路沿いに温泉があったりするので、交通量はいつも多い感じ。 それでなくとも知名度の高い観光地だからねぇ那須は。

                         

走ってくとすぐに、この道唯一?の展望台&駐車スペースがあって、ここからの那須岳の眺めは遮るもの無く全容を見渡せていい。
迫りくるような迫力は無いけどね。

開放的な風景をしばし楽しんでいると、ロードスターやMINIといった走りの楽しそうなクルマも次々やってくる。そしてS2000も!

同じ04mのセブリングシルバーが展望台前のこのコーナーを駆け抜けていった。
純正マフラーでもこれぞS2000!っていうような個性的な音出るんだよね。

   
                         
                         
 

展望台からの那須岳。主峰の茶臼岳は、今も火山活動活発な生きたお山だ。こういうイキのいい山の山麓には、いい温泉がいっぱいあるってもんだ。

それにしても、那須に来るのは春先か秋とかで、緑に覆われた状態ってまともに見たこと無いな。。

                                         
   

伸びやかなストレートがあるのはこの辺なくらいなもので、あとは細かいコーナーを繋ぎながら勾配を上げていく。
周りの景色はすっかり高所植生のそれになっている。

入口からほんの6kmくらいで大きな駐車場に到達。
ここから時計回りに周回するルートと、ロープウェイと登山口に向かって更に登っていくルートに分かれる。

登っていくルートって言ってもあっという間。ロープウェイの駐車場は空きがないくらいに大混雑。
まだ雪が残る那須岳山頂付近に観光客が大挙して押し寄せている。

混み混みのロープウェイはパスして、登山口へと向かう。これもあっという間。ここで道路は行き止まり。なんとも走り足りない不完全燃焼な道路である。

登山口の茶屋前には、整備された大きな駐車場がある。通常ならそこに停めて一休みってなところだが、敢えて一段下の第二駐車場で景色を愛でることにした。

っていうのも、結構広い駐車場に誰もいないから。誰にも邪魔されずに、目の前の那須連山と相棒S2000のコンビネーションが生む、どこかオトコらしい風景!?を楽しんでみる。

ブラックボディは案外、風景の味を損なわない。あくまでその存在を主張し過ぎず、素材たる風景の味をメインに据えた構図を創ってくれる。

 
 
 

S2000登場時からフロントフェンダーの造形が大好きで、オーナーになった今でもフロント周りのラインに意味も無く見入っていることがよくある(^ ^;
だからか、リアフェンダーラインは眺めたり写真に収めることもそんなに無いような(フロントと比べればの話だけど)。。。

でもオープンカーの後ろ姿には、フツーのクルマでは到底感じることのできない独特の世界がある。04mからLED化されたテールランプの形状も、ソリッドな辛口スポーツカーを後続車に見せつけているかのようでアグレッシブだ。

車高調を入れる前は、少々お尻が浮いていてバランスがイマイチだった。
車高を落としたことで重心が落ち、それが視覚的にもすごく安定感のあるフォルムとして印象付けられる。
     

第二駐車場でしばらくのんびりするものの、結局誰一人として他に入り込んでくる者無く、大きな駐車場で那須岳とエスを交互に眺めながら過ごす。
ここまで来ると、高さ的な迫力が感じられるというわけでもないので、少し物足りないかな、という気がしないでもなかったが。。

     
 

登山口の駐車場から大丸温泉前の大駐車場まで戻り、ボルケーノハイウェイの周回コースへとノーズを向ける。と、すぐに北温泉への入口を示す看板がある。

  しばらく進むと突き当たる。クルマはここに置いてあとは徒歩。
と言ってもさほど歩くわけでもなく、←の写真のような歩道を数百m歩くくらい。ただし勾配は結構ある。
                                           
             
             

北温泉

これが今回目的の北温泉。久しぶりだ。久しぶりだけど、その佇まいに変化はなかった。この鄙びた湯治宿の雰囲気が最高なので、変化がないのは嬉しい限り。

 
                                           
   

迷路のような宿の建物内には数カ所風呂が点在していて露天なんかも増設されているが、やはりメインはこの天狗の湯。廊下の突き当たりに突如として現れる、混浴の内湯だ。

決して広くはない浴槽に、ザンザンと注がれている源泉量が凄まじい。湯は溢れて浴室の床を洪水状態にして洗い流していく。この贅沢な温泉の使い方が、その泉質と新鮮さを計る上で重要なのだ。

無色透明のお湯には、地中から一緒に湧き出てきた湯の花が大量に混じっている。湯温は少し熱め。浸かっては出て冷やし、を繰り返して温泉成分を身体に染み込ませる。

その雰囲気といい、相変わらず温泉とはこういうものだという原点のようなものを教えてくれる、いい温泉だった。

                     
                                           

那須甲子道路

ボルケーノハイウェイから国道289号へと抜ける有料道路。途中スキー場が1ヶ所あるくらいで、後は何もイベントは無く、ただひたすら那須山麓を走り続けるワインディングロードだ。

問題は通行料金で、別段特筆すべきポイントもないにもかかわらず、なんと930円もするのだ。
キレイな2車線路で申し分無いのだが、距離にしてそんなに長くもない道路にこの料金では、さすがに走ってるクルマもいない。毎度のことながら今回も単独走。

   

中高速のコーナーが連続するコースは、確かに面白いことは面白いんだけどねぇ。。
まぁほぼ同額だった同じ栃木県道路公社管轄の霧降高原道路が無料化されたんだから、こっちも時間の問題なような気がするけど。

とか言いつつ、那須に来れば必ず走ってるんだよなぁ。。。
薄々感じてたけど、那須って知名度の割にバリエーション少ないってことなのか!?

 

甲子で国道289号に出て白河方面へ。
途中、阿武隈渓谷の展望ポイントに寄る。

←雪割橋。何の飾りっ気も無いアーチ橋だが、その渓谷の深さたるや目が眩む。

写真じゃイマイチわからんですが・・・
欄干から乗り出して真下にレンズを向ける勇気はさすがにありませんでした。。
   
   
                                 
                 

その雪割橋から国道をもう少し進み、ちょっとだけ脇道入ったところにある「追原庵」。ここも5年ぶりの再訪。

地元のおばちゃん達が公民館でやってるようなそば屋なのだが、地元のそば粉を使って打ったそばは実に美味しい。そば湯までたっぷり頂いて満足。

ここまで5年前とほとんど変化ない行程だな。。

                                                           
   

・・と、お叱りの声が聞こえてきそうなので、こっからは正真正銘初めての道。
県道37号で羽鳥湖を目指すことにした。

途中、タイトな峠区間は面白そうだったが、生憎前方がつっかえてしまい、のんびりついてってるうちに峠越え。
いつの間にか羽鳥湖の湖畔近くまで出てきていた。

                   
     
                                             
湖畔の道は、湖を眺めながらの快適ドライブ!を勝手に予想してたんだけど、ぜーんぜん湖見えない・・・
オマケにどんどん空は暗くなってきて、そのイメージとは裏腹に、うすら暗い湖という印象しか残らなかった。。
 
   
  <<< トンネルの中もうすら暗い。一気に走り抜けろ!
                                                   
     
             

羽鳥湖

ようやく眺められるところに出た。ってゆーかダムの上なんだけどさ。
特にこれといった印象は無い湖の景色でした。季節と天気のせいだろね。残念。

ここから国道118号に出てどっちに行くか迷うとこだったけど、とりあえず会津方面に向かうことにした。

                                                           

R118を西に向かって走る。
古き良き小さな温泉街、岩瀬湯本温泉をバイパスで通過し、秘湯ファンなら誰でも知ってる二岐温泉の入口を通過、やがて日光街道に合流する。

この時点で次は大内宿にでも行ってみようと考えてたのだが、何を思ったか思い込みで日光街道を右折。会津若松市に入ってようやく変だなということに気付いて、芦ノ牧温泉でUターン。
かなり回り道してしまった。

大内宿へと向かう県道329号は、ほとんど全線に渡ってどっちか片側の車線が工事で未舗装状態。前車と対向車の巻き上げる砂埃がもうもう。オープンカーにこれはキツい。
我慢我慢(ルーフ閉じれば良かったのか・・)でようやく大内宿。観光バスやら何やら、那須を上回る人出だった。

                                                           
 

大内宿

日光街道の宿場町の面影を色濃く残す町並み。町並みっていうよりテーマパークの趣さえ漂ってるほどの徹底ぶりに驚く。とにかく例外的に現代の建物が建ってるとかそういうのが全然目に入らないのだ。

その代わり、ほぼ全ての保存家屋が、土産物屋や食事処、あるいは民宿などの観光業を営んでいて、それが余計にテーマパーク然とした印象を与えてしまっている。

一見そんな印象でも、軒先で売られてたりするものは民芸品が多く、それをちょこんと座ったおばあちゃんが売ってたりするから微笑ましい。

大内宿の入口には憲章なる立て札が掲げられていて、この町並みを自分たちの手で守っていこうとする強い意思が感じられた。一過性の観光推進ではない、受け継ぐべき資源としての町並みのあり方が感じられる。

                 
   
       

<<< 会津を感じる土産物が

さて、時間もいい時間になってきたし、そろそろ東京に向かって南下を始めよう。
県道131号を使って日光街道、国道121号に復帰する。

                       

このR121は日光と会津を結ぶ有用な道路なので何回も走ったことがあるのだが、会津田島付近はちょい退屈。交通量も多い上、町中を走ってる区間が意外と多いのだ。

そんな中、並走する会津鉄道とランデブー。2両編成で「浅草」行きだった。。浅草ってあの浅草??長旅だなぁ。
鉄道はさっぱりなのだが、これって東武の電車だよね?
鬼怒川経由で東京に向かうんだろか。

これ抜かされるとこじゃなくて、電車を追い抜くとこだったりして(^ ^;

 

道の駅たじまで前が空き、山王トンネル手前まで一瞬のクリアラップ。
トンネルを抜けて栃木県に復帰。
上三依で塩原方面に行くか鬼怒川方面に行くかで直前まで迷ったけど、R121に沿って鬼怒川方面へと決定。

実は田島の辺りからパラパラと降ってきていたのだが、気にするほどのものでもなかったので、ここまでオープンのまま走っていた。
が、いよいよ降りも無視できないくらいになってきたので、ここでルーフを閉じる。

エスだけじゃないと思うけど、オープンカーは雨が降ってても走ってれば意外と室内には入ってきません。一度オープンのまま高速走ってて思いっ切り降ってきたことがあったけど、それでも全然濡れなかった。慌ててルーフ閉めなきゃならないのは渋滞の時とかそういう時くらいなんです。

ま、十分オープンドライブ堪能できたし、今日はこれにて閉店。

新しくできたらしい湯西川の道の駅(バイパスも新しくできてた)でトイレ休憩を済ます。
鬼怒川温泉手前で、遂に土砂降りになってしまった。
新調してたエアロワイパーがやたらビビってうるさい。少々辟易して間欠で今市まで走り切った。

今市から日光宇都宮道路で宇都宮環状へ。市街までの高架部分は、全国初、一般道での制限速度80km/h区間だ。こういう理にかなった規制緩和は、是非広まっていってほしい。
宮環で宇都宮市街を大回りして、いつもの高根沢の「みんみん」にやって来て夕食とする。

     

「宇都宮みんみん」って名前に変わってた。商標の問題か?
とにかく中身は変わっていない。焼餃子も水餃子も揚餃子も一皿220円(6個)。安い。。庶民の味方だ。今回もたらふく頂いた。

満足の後、国道4号で南下を始めると、またしても土砂降り。稲妻で時折空に閃光が走る。
そんな天気だからか日曜の夜だからか、R4はとっても空いてたけど、明日からの仕事に備えて高速でひとっ飛び。
北関東道経由で東北道、外環を突っ走って帰還。
トータルで590km程度の旅だった。

 
       

今回最初の目的が北温泉で、ここに行くには自動的に那須の有料ワインディングを走ることになるので、ルートも似通っている。ていうかほぼ一緒。

でも、あの頃と走り方もツーリングの感覚も全然違うから、5年前のと比べたら他人が書いたくらいに思えてしまうかもしれないね。
それもまた一興かな。成長してる証ですから、たぶん(笑

       
Touring S2000
       
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