Chapter 3 ショックの組立

コンプリートキットと名前は付いてますが、完成品ではないので自分で組み上げなければなりません。
付属するピロアッパーを使用するのなら簡単なんですが、今回は
純正のアッパーマウントを流用して組み合わせるので、ちと苦労しました。

キットに含まれる部品たち

純正アッパーを使用する場合のためのアッパーマウントブッシュ、カラー、ワッシャーが付属してた。さすがオーリンズ。カユい所に手が届く。
アッパーマウント、スプリングマウントラバーは純正部品を事前にディーラーで注文、購入しておいた。アッパーマウントブッシュ(EK9はワッシャー一体タイプ)、カラーも購入したが、専用品が付属してきたので使用せず、予備部品入り。(純正ブッシュ、カラーをオーリンズに使用するには加工が必要)

 

これがショック1本分のパーツ
右のアッパーマウントとラバーは純正部品
その他はキット付属品

   

組み立てる

組み立て自体は非常に簡単。ただ上にも書いたように、ピロ使わない場合は悩ましい。

このテのパーツの取扱説明書って、どうもわかりにくいんだよね(似たようなのが何枚も入ってるし)。多分DIYでやることを前提にしてないんだろう。

         

完成

何も考えなければあっという間にこの状態。
この後、ある程度ロアシート(バネ下側のネジ)を上げておく。説明書の推奨バネ長さに合わせておいた。この状態でクルマに組むと、車高が前後とも30mm下がるとのこと。

                           
                           

Chapter 4 取り付け

さて、いよいよ車体にオーリンズを取り付けます。ちなみに私、ショック交換は初めてなもので、結構ドキドキ(わくわく)してます。
2tジャッキ、ウマ、メガネレンチ(12、14、17)、ラチェット&ソケット等、基本的な整備工具はもちろん用意するとして、次の道具があると便利です(というかないと困ります)。

クレ556(基本ですな)、かなり長めのエクステンション、ユニバーサルジョイント、14のディープソケット、インパクトレンチ(高いけどできればほしい)、トルクレンチ(使いませんでしたが、本来は必要です)、車載ジャッキorシザースジャッキ(油圧が便利)、助手1名(理解ある人(!?))、気合と根気(これ重要)

あとは「知識」ですね。せめて整備書に書いてあることは理解してから望みたいところ。走行中かなり力のかかる部位なので、中途半端な知識では危険な気がします。ダンパーの取り付け方はもちろん、サスペンションの構造なんかも理解しておくと、交換中「あれーわかんねー」ってことにならずに済むと思います。

市販のシビック本にも交換手順がよく載ってるので、そういうのを探して勉強するのもいいでしょう。でも基本は整備書。EK9の場合、「シャシー整備編」12-18ページ〜を参照してください。整備書は買うとえらい高いので、ディーラーでコピーしてもらうといいです。私も多方面のメディアを使って、事前によーく勉強してから望みました。

                             
 

まず最初に車高を計測しておきます。

ホイールのリム下端からフェンダーアーチ頂点までの距離を4輪とも計測。またはジャッキアップポイントから地面までの距離を計測する(この場合は空気圧が揃ってることもチェックする)。
車高調を組んだら車高が下がるので、その下がり幅を知るために必要な計測です。

 

ジャッキアップポイントで計った方が後々便利

 
                             
   

フロントから行きます。

 ジャッキアップし、ウマをかけたらタイヤを両輪ともはずす。

エンジンルームから、ダンパーのアッパーマウントのボルトを緩める。(純正タワーバーがジャマなので取り外しておくのが吉)
緩めるだけで、まだ外してはいけない。
       
 
ホイールハウス内にフロントダンパーが見えるので、その下側に付いているダンパーフォークを取り外す。
シビックのサスペンションはダブルウィッシュボーンで、独特の形状をしている。このフォークも特徴のひとつ。
             
      ものすごく固く締まってる2ヶ所のボルト。多分普通に緩めようとしてもムリ。
緩める前に、クレ556をたっぷりと吹き付けましょう。コレ基本。足回りやマフラーなど、力がかかったり熱が入ったりする部位のボルトは一筋縄では緩まないので、必ず556を使用する。これやらないでムリに緩めようとすると、ボルトがナメて悲惨な目に遭うので注意されたし。
 

556かけてしばらくしてから緩めると外れるはず。それでもムリな場合はさらに556。で、少し待ってまた緩める。そうしてるうちにいつか浸透して緩むはず。

それでも緩まないときの裏ワザ。シザースジャッキ(車載型の油圧ジャッキ)をレンチにあてがって、油圧でレンチを押し上げる。するとあれ不思議、ビクともしなかったボルトが簡単に緩むじゃあーりませんか。ワザをかけられる場所は限られるけど、これで緩まなかったボルトはないです。最終手段として覚えておくといいでしょう。

ダンパーフォークが外れたらショックがフリーになるので、さっき緩めておいたアッパーマウントのボルトを外す。当然だがこの時、下からショックを持ってないと落下してしまうので注意。助手と協力するのもいいね。

  外れました。
これがタイプRの鋭い走りを支える純正ショック。
88000kmもの長い距離、ご苦労さん!といったところ。
 
                 
    いよいよ新しいショックを組み付ける瞬間です。
付け方は外すのと逆のことをやればいいわけだから、外すのよりはよっぽど簡単。ただしコツがいる。
 
                     

ショックを所定の位置に差し込んだら、まずアッパーマウントのボルトを仮留めする。
ダンパーフォークは先にショックと結合してしまう。あ、せっかくだから組み付ける前に、外したダンパーフォークとかボルトとかをブレーキクリーナーとかでキレイにしとくといいかも。錆が粉上に付着してたからね。

で、最後にダンパーフォークの下側をロアアームに締結するんだけど、外したときにロアアームがフリーになってるので、ブレーキの重みでハブ廻りが垂れ下がってるはず。このままだとボルト穴が合わないので、ジャッキでロアアームを押し上げてやります。穴があったところでボルトを通して仮留め。

 
全体の形が復元できたら、ジャッキでロアアームをさらに押し上げる。車体がウマから浮きそうになったところでストップ。その状態のまま本締めします。
なんでこういうことするかっていうと、サスペンションを構成する部品はブッシュ(ゴム)を介して締結されているので、
実際に設置した状態(サスに1Gがかかった状態)をつくり出してから締め付けないと、ブッシュがよじれてしまって正確な働きができなくなってしまうから。これを忘れるとサスの動きが変になったり、最悪ブッシュがちぎれることもあるらしいので注意したいところ。
   

インパクトレンチでタタタタッと締め込んでやると手軽に高トルクがかかるけど、実際はトルクレンチを使ってちゃんと規定トルクで締め付けた方がいい。しっかり締め付けておけば問題無さそうだけど、やっぱりちゃんとトルク管理した方がいいなと感じた。

増し締めするときまでに買っておくつもりです(最初から用意しとくんだったな)。
アッパーマウントのボルトも締めて、全体に不具合や緩み、ガタがないか確認して終了。反対側も同じようにやりましょう。

 

目にも鮮やかな新品のショック&スプリング →

   
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