Epilogue・・・


利尻・礼文という最北の両島を目指したツーリングは、スケジュールが煮詰められながらも、どこかプリミティブで懐かしい感じのする旅だった。

トレッキングというドライブとは異質な要素を取り入れていることと、フェリーを多数使わなければならない(それも人気航路ばかり)が時間に拘束される要因となって、旅の自由度を削いでいるの確かだ。
だけど、北海道という雄大なステージと、そこが自分にとっての原点のひとつであるということが、シンプルでピュアな旅の感覚を常に感じさせてくれた。

   
                 
 

ドライブ

利尻島、礼文島という島は、クルマで行って楽しめるかというと、正直かなり微妙(^ ^;

おそらく島でレンタカーを借りるのがスタンダードだ。(屋久島と一緒)
それでも敢えて自分のクルマで上陸するのは、それがポリシーだから。今さら話すことでもないけど。。

今回のドライブのハイライトは、道内の名も無きコースをひたすら走り続けた2日目と7日目に集約されている。

ひたすらまっすぐで、ワインディングを楽しむというステージの印象の薄い北海道ながら、今回はそういう道を意図的に選択したということもあり、割と楽しめた感がある。
どのワインディングロードもかなりのハイスピードステージ。走っているクルマも皆無に等しいので、楽しいことこの上ない。
変化に乏しい景色というオマケはついてくるけれど・・

       
     
         
                 

トレッキング

昨年の屋久島ツーリングを彷彿とさせるようなツーリング途中の本格トレッキングは、天気にこそ恵まれなかったが、とても印象的だった。
むしろ利尻礼文は、歩いてこそ、という部分があることは否めない。

利尻山は本格的な登山だ。所要時間も日帰り登山としては限界に近い。
ルートも単純な往復になると思われるので、よほど山登りが好きだという人以外にはあまり勧められないかも。(百名山ハンター専用か)

万人にオススメできるのは礼文島の方だ。
8時間コースはさすがに本格的だが、4時間コースでも十分楽しめると思った。
咲き乱れる高山植物、遮るもののない原始的な風景。非日常的な体験が手軽に楽しめる。ソロで行くのもいいが、仲間を連れ立って歩いてみるのも楽しそうだ。
そうそう行ける場所でもないので、想い出深い体験になった。

 
 
     
 

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実質8日間もあったツーリングだけど、フェリーに全部で5回、丸2日をトレッキングに費やしているので、感覚的にはあっという間、いつも以上に短く感じたツーリングだった。

総走行距離が3466.2kmというのは、北海道に行っている割には非常に短い。
利尻礼文にまっすぐ向かって、まっすぐ帰ってきているというのがデータに出ている。

トータル燃費は12.05km/l。さすが北海道。2007年の北海道ツーリングには及ばないが、12km/l以上を叩き出してるのは、後にも先にも北海道をステージとしている時のみである。
ちなみに一番燃費が良かったのは、夜中に走り続けた青森〜札幌間の13.54km/l。思い切りワインディングを楽しんでも11km/lを割ることがなかったのは、さすがホンダスポーツ。

     
 

北海道というステージは、実は難しい。
そこに住んでいたという過去もあって、向かう場所、走る道というのが無意識に決められてくるところがあるのだ。

今回は行ったことのない北海道の離島を目指すことに加え、あまり走らないような、あるいはまったく走ったことのないような道を選ぶようにした。特に道北は、これまで走ったことのないエリアも多くてマンネリするような感じもなく、狙った通りに楽しんで走ることができている。
トレッキングをツーリングに織り交ぜる屋久島スタイルを応用したツーリングだったが、やはり根底はそこにあることに改めて気付いた。トレッキングはあくまで旅を豊かにする一要素なのだ。

走ったことのない道は、まだいくらでもある。
お気に入りの道、場所、ルートを定期的に訪れることはもちろん楽しいが、まだまだ見たことない風景、走ったことのない道がいくらでもあるのだ。


そういう場所と道を追いかけて、可能な限りこれからも走っていく。信頼できる愛機と共に。

 

おしまい

     
8日目 / Touring S2000
 
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