2nd day
                                     

昨晩は予想外の雨に降られ、目覚めの朝の空もどんより。雨は降ってないが気分はイマイチ。
今日は一番の目的である大山に行く日。こんな天気じゃちょっとマズイかも。(出発前に調べた天気予報で、3日目に雨が来ることはわかってたんだが・・)

朝の鳥取市街を抜け(交通量激少。本当に県庁所在地?)、県道21号を西へ。この道は国体道路と呼ばれてるらしく、競技場の辺りまでは高規格で広い道路なんだが、その先は普通の田舎道。でも三朝に到達するまでほぼ2車線で大変走りやすく、時間も稼げる。

                                     
三徳山三仏寺
三朝に入って程なく現れるのがこのお寺。創建706年の名刹。山岳修行の舞台で、三徳山そのものが寺というか修験場になっているような場所。
なんでわざわざお寺なんかに来たかっていうと、ここには是非この目で見てみたかったモノがあるからだ。
                                     
   

山の斜面に境内があるだけあって、最初から石段の連続。参拝料を払って途中途中のお堂を参拝しながら本堂を目指す。
本堂自体はすぐに到着してしまうが、本番はここから。見所もここから。本堂の裏の「登山事務所」で登山届を出し入山料を支払う。

         
お寺の中に登山事務所!?これがもう普通じゃないが、昔から修験者が参拝した仏閣なので、参道(と呼ぶのか?)がハードなのは当たり前。ここから本格的な登山(「峯入り」というらしい)に突入!
                                     
      木の根っこを支えにしたり岩をよじ登ったり、挙句の果てに鎖場が出てきたりと、もう完全な登山。それなりの装備は必要で、生半可な格好では危険(そういう人もいるにはいたが)
こういう道だってのはわかってたので、登山時のウェア、トレッキングシューズに軍手を装備して万全の体制。おかげで難なく登っていけた。
 
  ホントどうやって建てたのか不思議な場所にいくつもお堂がある。
崖っぷちにしがみつくように建つ地蔵堂から眺める景色は大迫力。凄い高所感。
 
 
その地蔵堂からの眺め
真下は崖なんです
 
           
  鐘楼もえらく厳しい登山道に張り付くように建っている。こんなでかい鐘どうやってここまで運んだんでしょう???  
   
観音堂 →
                 
程なくして修験道は終わりを迎える。
そこに今回求めていたものが鎮座していた。
                               
投入堂
 
                               
           
                               
今までのお堂はほんのプロローグ。最後に現れる投入堂は、切り立った岩肌の割れ目にすっぽりと挟まるように建っている。
このインパクトは凄い。質素でどこか神道的な意匠の素晴らしさもさることながら、それまでのお堂以上にこれいったいどうやって建てたの??と思わざるを得ない立地環境が凄まじい。ほとんど垂直に切り立った崖の窪みにあるんだから。
定説では、その昔「役の行者」(何者?)が気合いで岩肌に穴を開けて、そこにお堂を投入れたそうな(だから投入堂)。定説じゃなくて完全に伝説だが、実際のところ現在もどうやってこれが建てられたのか不明なんだそうである。この神秘さが堪らないね。これで建て方が容易に想像ついたら、ここまで感動しなかったろうな。
 
                                 

いやはや想像以上に凄い眺めだった。眼前にしたときのインパクトが強烈だ。ホント目の前にあっても、あそこに建っているのが信じ難い。
建築自体にも日本的な美しさが表現されていてキレイなんだよな。見とれてしまったよ。

日本建築史の本には必ず載っている投入堂。私もそれで知ったクチですが、これ鳥取にあるってことまでは実は知らなかった。今回三朝温泉調べてて偶然見つけてこれは!と思って来たんだけど、気が付いて良かった。大収穫。周辺に来ることがあったら是非行ってみてほしいっす。

     
その際、登山道は険しいので、それなりの服装は準備すべき(特に靴)
登りは勢いで登ってしまえるけど、難しいのは下りです。足滑らせると数メートル下まで落っこちます。脚力(ていうかアスレチック)に自信がない場合は、実は県道からでもはるか山の上に見えるポイントがあるので、そっちで楽しんではいかが?
   
三朝温泉 株湯
         
登山?の後はやっぱり温泉。てことで、三徳山からすぐ近く、三朝温泉に向かう。
三朝温泉が有名なのは、何といってもその泉質。含放射能泉で、ラジウム含有量はなんと世界一!東の増富温泉(山梨)と並んで日本が誇る放射能泉の名湯。これは楽しみ。
有名な温泉街でもあるのでどこに入るか迷うとこ。有名なのは河原のおおっぴろげな無料露天風呂。しかしそんなワイルドさを求める方ではないので、泉質を重視して、三朝のルーツと言われる共同湯「株湯」で入浴することにした。
 
  温泉街の外れにある素朴な共同湯。洗い場のないシンプルな構成でお世辞にも広いと言えないが、注がれる温泉は新鮮な源泉のまま。これがまたウワサに違わぬ素晴らしい温泉!
そういえば放射能泉は初めて入るような気がするが、まず肌触りが抜群にいい。さらさらする。無色で匂いもさほどないが、若干の湯の花は認められる。放射能だけに体には相当良さそうだが、それは入ったカンジではわからないのでなんとも言えないけどね。
共同湯の前には飲泉場もあって新鮮さは折り紙付き。三朝温泉入れるところは数あれど、株湯に入らずして三朝は語れぬと言われるのがわかる気がする。断然オススメだね。

 

・・・・・・
                                     
温泉でさっぱりした後は、倉吉市と関金町を経由していよいよ大山へと向かった。
アプローチは大山東裾に一直線に延びる県道45号。牧場の中を走る爽快な道(小雨降ってきたけど)
                                     
大山環状道路(県道45号区間)
                                     
  いよいよ大山が近づいてきた。大山の裾に設けられたワインディングコースはいくつもの選択の仕方があるが、一番単純なのは大山環状道路と呼ばれる県道45号や30号等からなる環状区間。一番山側を走ってるので、道も適度に険しく走りが楽しめる。
                             
     
地蔵峠 →
 

地蔵峠で展望を楽しむつもりが、あまりに寒々しいこの天候。。かろうじて雨天にはなってないが、空は分厚い雲で覆われている。これじゃ大山は見えないだろうなぁ。

路面はウェット。少し前の時間にさーっと降ったっぽい。コースは視界が開ける中速メインのワインディング。VTECの本領発揮、といきたいところだけど、路面が路面なので程々にしておく。

 
             
      蒜山大山スカイラインとの分岐を過ぎるとコースは森の中へ。局所的に九十九折れの低速コーナー連続区間が現れるテクニカルコースに変貌。
新緑の黄緑色のトンネルを駆け抜ける爽快なコース。青森の八甲田山中にそっくりだ。あっちに行ったときは盛夏だった。季節も場所も全然違うのに、ここまでそっくりな状況ってちょっと不思議。でも気持ち良さは一緒。
    ところで、今回はロングツーリングだけに荷物が重く、いつものようにクルマが動かない。特にお尻が重くて常にアンダー気味。これは足回りの変更も関係してるだろうな。
もうちょっとツーリング向けのセットアップも考えんと・・。
   
                                     

鍵掛峠

大山の南壁を展望できる随一の場所として事前に調べておいた場所。
しかし!大山は雲の中〜〜(涙)。そりゃこんな天気じゃなー。
GW真っ最中だけに走りが楽しめるほどの交通量じゃなかったのは仕方ないが、せめて威風堂々の大山だけは眺めたかった。無念。。

今後このまま西に向かうけど、もし帰路途中に天気が良ければ再度チャレンジしてみようかと思いつつ、この場は立ち去ることに。うーむ。。

 
                                     
        引き続き大山環状道路を大山寺方面に向かう。
途中、道を横切るように土砂の道があったりする。
大山寺付近がもっとも賑やかで、スキー場とかお店とかがたくさんあった。ここから大山の登山道も延びてて登れるんだが、それは次回のお楽しみにしておいた。
   
                                     

この辺から晴れ間が差してきて、あれーって感じ。さっきまでのどんよりしたのはどこいっちゃったの?

そのまま米子に出てから渋滞気味の中、国道431号を境港方面に向かう。

                                     
境水道大橋
           
天に届くがごとく伸びる橋。
トラスの構造美といい微妙な曲線美といい、非常に心に残る橋だ。一見無骨な土木構造物だが、橋って眺めれば眺めるほど味があっていい。建築以上に街並みのシンボルになりえる力に溢れてるのが悔しいくらいだ。
   
走ってもこの高度感がタマラン。あんまり登ってくぞーって感じはないんだけどね。いつの間にかこの高さに来てる感じ。
いかにも有料っぽい橋だけど、現在は無料。昔の地図を見ると有料だった。ちなみに橋の北側はもう島根県。
         
             
美保関
             

境水道に沿って東へ数km走ると美保関。ここまで行く一本道も昔は有料だったらしい。それだけに整備された海岸のワインディング。潮の香りがキツイが、窓全開のドライブが楽しい。

灯台にはなぜかビールの看板。。この中に軽食できるところがあるらしい。数多く灯台に訪れてきたが、中で食事できる灯台は初めてだ。灯台って海上保安庁の管轄のハズなのになんでだろ?

 
             
美保関の港町にはイカ焼きの露店がいっぱい出てた。おいしそうだったので適当な店で買って食べてみることにした。

これがまたデカいイカでウマかったー。
岸壁に腰掛けてイカをパクつきながら、しばらくのんびり。

 
       
    半分食べてもまだこの大きさ →  
         

松江市街

美保関から国道431号を西へばんばん走るとやがて松江。松江城とか街並みとか見所がある町だけど、ただでさえ渋滞情報が出てたので今回は通過。それでもちょっと抜けるのに時間かかってしまった。

 
           

宍道湖

(しじみ)で有名な宍道湖。蜆って海水と淡水が適度に交じり合う所で成育するらしいので、ここでたくさん獲れるのはよくわかる気がする。

湖なのに波が荒く、時々クルマにかかっちゃうのが気になった。海水じゃないんだろうけどなんかヤダ(湖の色汚かったし)

           
国道431号を更に西に走ると、出雲大社の真ん前に出る。大社は明日の朝行くことにして、日御碕で夕日を見よう(って曇ってるんじゃ・・・)
 
日御碕に通じる県道29号も、断崖を走る気合いの入った道路。単独で走れば面白そうだけど、なぜか交通量が異様に多く(岬に行くだけの道路なのに)、それどころじゃなかった。こんな日でも夕日目当ての人が多いのか。
                                 
 
日御碕
 
                                 
 

季節風の影響で露出した岩肌の上に立っているような灯台。随分背が高い灯台だ。
夕日が海原に落ちるのが眺められればさぞかしキレイだろうが、今日の天気じゃムリムリ。

東の美保関とはうって変わって、ここは土産物屋が立ち並ぶ賑やかな岬。サザエの壷焼きを食べてみたが、さっきのイカが美味すぎたので全然印象に残らなかった(しかもいやに高かった)。

 

 

 
うさぎ森林公園 夢の森うさぎ
 
 

出雲の辺りにはキャンプ場が少なくて、日御岬周辺ではここしか見つからなかった。大社町営の立派なキャンプ場。コテージが中心で、キャンプ場はオートが10区画あるだけ。しかも満員(当然か)で断られそうになったが、うまい具合にキャンセルが出てテントを張れることになった。

後から思えば、ここで断られて車中泊しとけば良かった。

この日の夜はまさに春の嵐で、テントのなかにいる間はいいんだけど、設営と撤収時にどうしてもテントが濡れてしまって、その後のキャンプに支障を来してしまった(フライシートはいくら濡れても構わないが、テント本体が濡れると厄介なんです)。それでも昔と比べれば全然快適になったんだけどね(低装備だった頃はホント寝られたもんじゃなかった)

料金は1区画3000円とかなり高めだけど、区画の面積が広く専用の流しが付いていたりして、そういった意味では納得の料金。豪雨でまったくその恩恵に預かれないまま終わったけどね。あーもったいなかった。

 

 

1日目 / 3日目