昨晩の寝床は道の駅としては最低だった。トイレが閉鎖されているのである。 これまで数多くの道の駅を訪れ利用しているが、トイレが使えない道の駅は初めてだ。 当然用も足せないし顔も洗えない。近くに小さな便所はあったが、汚くて顔を洗うどころではない。 最近は道の駅の普及につれて「つくればいい」程度の施設も多くなってきて困ったもんである。 |
こういうとこで寝るのである |
愚痴はさておき、昨晩もなかなか良く眠れた。 こんな山奥なのにトラックがびゅんびゅん通るのは意外だったけど。(後で地図をよく見てみると、197号は九州から高知に向かう幹線道路なのであった) |
さて、昨日ここまでわざわざやってきたのは四国カルストに行くため。なのでまず、197号からカルストに続く道に入らなければならないが、カルストに続く道はどれも狭路でとてもしんどいということが事前の調査でわかってました。 でも、ツーリングマップルで見てみると、その中で1本だけオススメワインディングとして色付けされている道がある。今回はそこを選んでカルストに向かうことにしました。 |
東津野城川林道 |
この道を選んだのは大正解でした。全線2車線の快適ワインディング。中速コーナーと適度な勾配があって走りごたえ十分。しかも林道ということで、行き交う車は皆無。 路面は季節柄ダストに覆われていたけど、そんなの大した問題じゃない。山の尾根付近に向かってどんどん駆け上がっていくヒルクライム。早朝なので凍結しているかもしれないので、そこそこのペースで天狗高原まで走り切りました。 |
四国の山道としては奇跡的に道幅が広い その道を貸し切り状態で走れるなんて・・ |
四国は朝から絶景だね〜 (大泉洋 風) |
四国カルスト |
天狗高原まで来ると、そこからはいわゆる四国カルスト。広大な高原地帯に石灰岩がごろごろと転がっている不思議な光景が広がる地。 カルストを横断する道は冬季閉鎖されているはず。うーん、せっかくここまで来たからカルスト見に行きたいなぁ、と思って横断道路に向かってそろそろと走り出す。 |
どうも冬季閉鎖はされていないようでした(道路情報では3月末までとあった)。 やった!今回はあきらめていたカルストが拝めるぜ!と思ってたんですが、高地ゆえカルストは深い霧の中。がーん。まったく見えないよ・・。おまけに寒い、風が吹き荒れていると、結構シビアなコンディション。 しかしここまで来て引き下がるわけにはいかない。見えなくったっていいや。地坊峠まで行ってしまおう。 |
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その地坊峠側は比較的晴れていました。 カルストの独特の風景がちょっとでもこの目で見れて良かった。 |
さすがにこの季節、この時間にここに来る物好きはいないらしく、1組の若者に会っただけ。夏場はやっぱり混むのかな。でも夏がすごく良さそう。 ぜひまた来てみたいな。 |
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地坊峠で引き返すかこのまま進むか迷いましたが、結局引き返すことに。 もう一度カルストの風景と林道ワインディングを堪能したかったからね。 |
復路となった林道では、クルマも暖まったことだし、エンジンを回して元気に快走してみました。 タイヤのグリップと車体の動きを感じながら、ひとつひとつコーナーをクリアしていく。 B16Bの高回転の力強さは相変わらずで、こういうワインディングを流すにはちょうどいい扱いやすさ。 足まわりも絶妙の粘りで、こういう場所でも安心して流せるのはシビックタイプRの特権(インテRだとそうもいかないんだろうなぁ)。ただ最近はもうちょっとロールを抑えて、さらに軽快なコーナリングしてみたいなあと感じているので、そのうち足まわりに手を加えるかも。純正のバランスがいいだけに難しそうだけどね。 |
結局林道では1台の車とも出会わなかった。何という贅沢!何という快感! これだけの距離のワインディングを完全に独り占めして走り切った(しかも往復)のは初めての経験ではないだろうか。穴場中の穴場である。走りも楽しめ、景色も楽しめる(高所感たっぷり)。 国道197号から「天狗高原」と書かれた派手なゲートがあるので、カルストに行く際にはそれを目印に利用してみて下さい。 |
早朝のカルストツーリングの後は、国道197号をたどって佐田岬を目指します。佐田岬は四国最西端の岬。細長く突き出した岬の先端からは、九州も望めるとのこと。きっと素晴らしいパノラマが拝めるに違いありません! |
佐田岬メロディライン |
197号を走って大洲市、八幡浜市を通過。佐田岬半島に入ると、国道は通称「メロディライン」という道になります。佐田岬半島は細長いので、このメロディラインからは両脇に海が望めます。 |
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それにしても今日は青空が眩しい!最高のツーリング日和だぜ。 |
道の駅「瀬戸町農業公園」からの展望 メロディラインは走りながら両サイドにこういう風景を見ることができるちょっと珍しい道 |
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いつかは・・・ |
AM11:30過ぎに三崎町の中心街に到着。 陸路としての国道はここまでで、この先は海路(!)になります。その名も国道九四フェリー。九州大分の佐賀関まで約70分とか。このまま九州に行こうと思えば行けてしまう。。 しかし今回は四国ツーリング。九州はおあずけにして岬の先端に向かおう。 |
佐田岬 |
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中心街からは狭い県道を走っていくことになります。 急斜面のミカン畑を眺めながら走ること30分くらいで先端の駐車場に到着。 |
ここからは徒歩。岬の灯台目指してさらに20分ほど歩く。平日だけあって、ここでも見物客とは誰とも会いません。今日はまだ何も食べていなかったので、必要以上に疲れを感じながら灯台に到着すると、そこには期待通りの素晴らしい景色が広がっていました。 |
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荒々しい豊後水道の潮流。あまり知られてないけど、ここは日本有数の海の難所。岩礁も多く、それがよく理解できる激しい海が目の前に広がっています。 |
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うぐいす色の断崖、ヒスイ色の波打ち際、そして紺碧の海。自然の織りなす色彩があまりにも美しい。そして力強い。 |
四国に来て3本目の灯台 |
うんうんそうだねぇ |
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手が届きそうなところに対岸が見える。九州だ。本当に遠くまで来たもんだと、この時初めて実感しました。 |
これで四国3大岬(自分ではそう思っている)を制覇! 室戸岬は天気が悪くて残念だったけど、それぞれにそれぞれの魅力がありました。どこに行っても後悔することなし。機会があったらぜひ訪れてみてほしいですね(遠いけど)。 |
名残惜しさとともに佐田岬を後にし、元来た道をひたすら戻る。メロディラインを八幡浜手前で左折。国道378号で松山市に向かいます。 |
夕やけ小やけライン |
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今度の378号は通称「夕やけ小やけライン」。夕焼けがきれいなんでしょうね。 しかし、夕方ではなくとも快適なシーサイドクルージング! |
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PM3:30頃、松山市に進入。1日目の徳島市以来の都市らしい都市。 松山に来たのは、当然四国随一の名湯、そして日本随一の古湯、道後温泉に行くため。聖徳太子も夏目漱石も正岡子規も(たぶん)入ったここを外すわけにはいきません! |
道後温泉 |
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道後と言えば!「道後温泉本館」。 明治27年築のこの建物を知らない人はいないでしょう。 ちなみにあの「千と千尋の神隠し」に出てくる温泉「油屋」は、この建物のエッセンスを引用したそうです(ジブリ公認)。 |
本館の中に入ってみると、そこはまさに明治の趣。古き温泉情緒が当然のようにそのままそこにあります。 浴室は神の湯、霊の湯の2種類。神の湯は東浴室、西浴室の2つに分かれているけど、湯釜や壁面の意匠が違うだけで基本的に左右対称。神様(?)が鎮座する石彫りの湯釜、他のどこにもない形をした御影石の湯船、「坊ちゃん泳ぐべからず」の注意書き、どれをとってもここにしかないもの。唯一無二の温泉空間。古代から続く歴史が綿々と受け継がれているのがよく伝わってきます。 |
松山の市電「道後温泉駅」 坊っちゃん電車はお出掛け中でした |
駅前にある足湯 真ん中の円柱状の石彫りと同じような物が、 道後温泉本館の神の湯の浴槽に鎮座している |
道後温泉が古き良き姿のまま残され開かれているのは、おそらく市が管理しているからでしょう。あんまりに歴史が長いので枯渇してしまわないかという勝手な心配をしてしまいます。この希有な温泉文化をいつまでも受け継いでいってもらいたいものです。 |
混雑する夕方の松山市内を抜け、国道11号を東へ。途中で給油を済ませ、30kmほど走って道の駅「小松オアシス」に到着。ここを今日の宿泊地にしました。 この道の駅は松山自動車道のハイウェイオアシスと共用になっている模様。ちと便所が遠いのがつらいですが、駐車場も広くなかなか快適な車中泊(?)が楽しめそう。 明日の予定を地図で確認。うーん、結局決めきれずにいつの間にか就寝。 |
見かけたお遍路さん:0人 |
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