さすがに朝は冷え込んだものの、シュラフの中は暖かくてぐっすり。雪のないところなら3シーズン用シュラフで十分だな。

それより気になるのは天気。昨日の快晴とはうって変わって、どんよりとした雲が空を覆っている。事前に調べていた週間天気では、31日のみぐずつき気味だった。どうか雨だけは降ってきませんようにと願う。

どうせ8時までは出れないからとテントの中でだらだらしてたら、出発が大幅に遅れてしまった。やっぱ道の駅で寝るべきだったなぁ。

 

テン場の前を流れる清流、銚子川

                                     
      キャンプ場から銚子川の上流に向かう。
この先には魚跳渓という岩と清流が織りなす自然の芸術があるという。
   
                                     
             
                 
           
                                   
     

魚跳渓

川流れてないんですけど・・・
やっぱ季節が悪いのかなぁ。ただの山奥の川って感じがしないでもないが。。
ちょっと(ていうかかなり)期待はずれ。

 
             
                                         
  国道425号経由で42号に戻り、年間平均雨量日本一の尾鷲市を走る。市街地を抜けるとすぐに国道311号に折れた。
 
                                         
 

国道311号(尾鷲〜熊野)

今回のツーリングで楽しみにしていた道のひとつが国道311号。
ちょっと前までの地図では未開通区間が残っていたが、今回持参したツーリングマップル(2003/4改訂)では全線がつながり熊野市まで抜けられるようになっている。
入り組む海岸線をしつこいまでにトレースするこの道、いかにも走り甲斐がありそう。幹線道路ではないので交通量も少なく、走りと景色が同時に楽しめることは間違いない。

           
八鬼山トンネルを抜けると、早速適度な勾配を伴ったワインディングが出現。夢中でステアリングを回すと、今度は三木浦トンネル。これを抜けると今度は静かな漁村へと道は下りていく。
             
小さな堤防沿いにEK9を停めて、静かな湾(というか「浦」だな)をしばし眺める。
ぱっと見四方を山に囲まれている上、波ひとつ立っていないので湖かという錯覚を受けるが、これは正真正銘の海。(でも湾口がどっちなのか全然わからない)
 
           
 

しっかし静かです。
もちろん漁村なので人家もかなりあるんだけど、全然音がしない。
普段いかに騒々しい環境にいるかがわかるというもの。
たまたま通った紀勢本線の電車の音がだけがこだましていく。

           

この穏やかな海を眺めながら、狭い道を湾に沿って走り切ると、やがて真新しいトンネルに出くわす。

この曽根トンネル&梶賀トンネルができるまで、国道311号は通り抜けできなかった。不釣り合いなほど立派なトンネルだが、私のようなワインディング好きとってはありがたい。開通しなければ来なかった道だろうし。

 
トンネルを抜けると、純度の高い自然の中を走るワインディングロードになる。
いつの間にか海面からかなり高くまで登ってきている。洋上に荒々しく突き出す地形に沿って続く道。交通量の極端に少ない極上のコースを楽しむ。
 
 
絶景が最高潮に達するのが、楯ヶ崎。
海岸の方まで下りていく遊歩道が整備されていて、歩いて行こうか迷う。けどやめておいた。ここまで相当のんびり走ってきてるし。。(こういうとこで今朝の遅出が響いてきている)
 
     

楯ヶ崎から一気に駆け下りると小さな漁村。
入り江にはどんなに狭かろうが必ず漁村がある。その飾らない風景が、かえって心に響く。

←対向車が来たらどうなるのー?

             
     

一応私も海に面した町で育ったので、こういう路地は見慣れている方なのだが。(だから好きなのかな、こういう風景)

国道ですからね、一応→

かと思えば、こんな崖っぷちの道になってみたり。ホント変化があって面白い。
次はどんな景色が待っているのかな?
次はどんな町が待ってるんだろう?(昔から遠くから町を眺めるのが大好きなんだよね。なんでだろ?)
 
 
出た出た〜(笑)。こういう箱庭チックな景色大好きなんですね〜。
ここまで湾が入り込んでると、もう海が町の一部なんだろうな。生活に欠かせない場所で、ここに住んでる人たちは海との付き合い方を心得ている。
何でもない漁村の風景だが、こういう景色を眺めながら、そこにあるライフスタイルを想像するのってホント楽しい。
(だから旅はやめられない)
 

311号は熊野市街手前で42号に合流しておしまい。予想に違わぬ素晴らしい道でした。
アスファルトを睨んでコーナリングを楽しむというより、変化に富む景色を眺めながら、入り組む海岸地形に沿って走るダイナミックなドライビングを楽しむ道でしょう。
山の中をショートカットする42号が並走しているので、311は言うなれば、最高の「寄り道国道」です。

   
 

鬼ヶ城

311号から42号に折れるとすぐにあるのが鬼ヶ城。
海による浸食と大地震でできた奇岩地形だそうだ。
その迫力もさることながら、この崖っぷちを歩けるようにしてあるのに恐れ入る。せっかくの自然造形なんだから、そのままの形で保存してもらいたいものだが・・
(歩いておいて言うのもなんだが)

         
     
         

右の写真の岩の中腹あたり、見えるかなー遊歩道が。すっげー怖そうだが、実際はそうでもない。でも波が高かったりしたらド迫力だろうな。

有名な観光地なのでもっと混んでるかと思いきや、ぱらぱらと歩いてる人がいるのみ。
・・ってよく考えたら今日大晦日やん。こんな日にお気楽にドライブしてるオレってどうなんだろう?

                     
鬼ヶ城を後にして熊野市街を抜けたあたりで、それまで降りそうで降らなかった雨が遂に本降りになってきた。
完全ウェットのシーサイドロード国道42号(ずっと山の中を走っていた42号が、熊野市以南は海岸沿いの道になる)を南下し、道の駅「紀宝町ウミガメ公園」に立ち寄ることに。
この辺の浜はウミガメの産卵で有名。道の駅にもウミガメがいるらしいが・・・
                     

またしても正月休みーー。
道の駅も正月休むんですねぇ。。別に営利目的じゃないから休むときは休むか。

もしかして今日も温泉入れないの?

   
                             
                   

心の叫びはさておき、クルマは更に南へ。
熊野川を渡ると、いよいよ和歌山県。新宮市に入っていく。潮岬が近づいてきた感じ。

←道路の構造上の問題(行けばわかる)でこの橋すごく渋滞します。なんとかならないのー?

                   

新宮と言えば、めはり寿司♪(だと勝手に思い込んでいる)
やはりここは元祖の店でその本来の味を堪能しなければ。

ってことで、やってきた「めはりや」。寿司屋でもないし飲み屋でもないし、かと言って食堂でもないし。。よくわからんけど、とにかくめはり寿司で有名なお店です。

   
 

元祖めはり寿司!

高菜で包んだ醤油味のご飯の中に、さらに高菜の漬け物が入っているという食べ物。寿司というよりおにぎりの変形版です。
昔、庶民のお弁当として定着していた頃はソフトボール級!だったそうだが、今は食べやすさを重視してこの大きさ。シンプルだが程よい塩気でウマい。満足のいく一品でした。

 
 

昼飯食って、気になるのはやっぱり今日の温泉。昨日入りそびれているだけに、今日は何としても入っておきたいところ。
新宮の先なら紀伊勝浦温泉が有名ですが、あそこは(ヘタすりゃ船で行くような)大きなホテルばっかりの一大温泉地。今の気分としては、もうちょっと気軽にさくっと入ってしまいたい気分。で、持参した「まっぷる南紀」(地図以外持っていくことってあんまりないんだけど、南紀って全然わかんなかったので購入、結構役に立ってしまった)で探したところ、国道沿いにもいくつか掛け流しの入浴施設があることが判明。とりあえずはそこを目指せーってな具合で出発。

っとーその前に・・・

 

那智の滝

やはり定番のここは外せないでしょう。
たぶん日本一有名な滝ですね、ここは。それだけに大晦日の午後というのに結構な人出。観光バスまで集結してきてました。
落差は当然日本最大級。滝自体がご神体で、展望台は神社の境内みたいになってますが、さらに奥に進むにはお金とってるみたい。そこまで行けば水しぶきかかるとこまで行けるんかな?

なんか物足りない記述をしてるのは、称名滝を知ってるからだな(富山県出身なもんで)。立山の膨大な雪解け水が4段階に分かれて流れ落ちる迫力は、那智の滝を凌ぐ(と思う。近くまで寄れるし)
優美なのが那智の滝なら、荒々しさはやっぱ称名滝だね。

   
                   
                     

良かった、ここはやってた(嬉

湯川温泉「桜湯」

紀伊勝浦温泉を過ぎた後、トンネルを抜けてすぐの国道沿いにある、銭湯みたいな日帰り入浴施設の温泉。
内湯は銭湯そのもの(っていうか人ン家の風呂)ってカンジだけど、ちゃんと露天風呂まであります。
掛け流しとのことだが、ちょっとどうなのかな?っていうのが正直なところ。
でもこの状況で贅沢言っちゃいけないな。

 
                     
 

橋杭岩

42号線を南へ走り、最南端の串本町に入ると、海岸に転がる奇岩の数々。空海が橋を架けようとしたとかなんとかの伝説が残るので、橋杭岩と呼ばれてます。
ガイドブックとかでは朝日が昇る時間の写真をよく見るけど、明るいときに見るとちょっとイマイチ。もうちっと大きいもんかなーと思ってたら、かなり小さく見えた。天気が悪かったせいもあるだろうけど。

 
ここまで来れば、潮岬はもう目と鼻の先。
ふとメーターに目をやると、昨日EK9に飲ませたガソリンが半分を切っている。明日は元旦。普段の日曜ですらやってない地方のガソリンスタンドが、正月早々やってるわけないよなー。
・・・と思いつつも、結局そのまま潮岬に到着してしまった。。おいおい大丈夫なのかなぁ。元旦から(しかもこんな最果てで)ガス欠なんてシャレんなんないぞぉ。
 

海まで歩いてすぐ
本州最南端のそのまた最南端でキャンプ!

潮岬望楼の芝生

潮岬には道路沿いに広大な芝生があって、ここでキャンプすることができます(無料!)。本州最南端(ホントに文字通り最南端の陸地です)でキャンプ!こんな特別なシチュエーションで年を越せるなんて、ワクワクするねぇ(ま、これが目的でもあったんですが)。本来は道路沿いの木陰でしかテントは張れないんですが、本日は大晦日ということで芝生を臨時解放、こんな奥の方まで進入してしまいました。

心配の種の雨もほとんど止み、明日の日の出が楽しみ。
さっそくテントを張って、めはりやで買っておいたサンマ寿司(2日連続!気に入ったので)と年越しそばで空腹を満たす。
日本中が曙vsサップ戦に夢中になっている頃、私はとっくに深い眠りの中でした。
周囲の喧噪を夢の中で聞きながら。

・・・あれ?喧噪?・・なんで?(その謎は翌朝明らかに)

 
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