新年あけましておめでとうございます!

今年の幕開けは、本州最南端の岬で華々しく初日の出。旅好きには最高のシチュエーションでの年越しに大満足。

今年はいい年になりますように。

                                     
    さすが最南端だけあって暖かく、テントの中で寒さを感じることはほとんどなかった。
昨晩から星が見え出してたので、初日の出の心配はしてなかったが、予想以上の快晴は最高のお年玉。
ただ、岬だけあって風が相当強い。日の出を見るときはほぼ無風だったが、深夜は暴風?って思うほどに強烈な風が吹き荒れてました。しっかりしたテントを持ち込んで良かった(昨年秋に、それまでの安売り品からちゃんとしたツーリング用テントにスイッチしました)

朝起きたら景色が一変してた(笑)

ただねぇ、ちょっとは予想してたんだが、深夜にどんどん人が集まってくるんですよ。もちろん初日の出目当ての人達ですが。
ここの芝生の解放もそのためで、朝テントからはい出したら、広大な芝生がすっかりクルマで埋まってました。その端っこでぽつんとテント張ってる私。なかなか疎外感ありましたけど、邪魔になってるわけでもなかったのでいいんです。
しかし一晩中騒々しかった。ほとんどのクルマはエンジン掛けっ放しだし、暴走族が初暴走に来るし。気になって寝れないほどではなかったけど。
ま、旅人ならそんなこと気にせず堂々とキャンプすべし。
 
                                         

潮岬灯台

もちろん本州最南端の灯台。
キャンプした望楼の芝生から少し西にある(歩いて行ける距離)。潮岬周辺は結構駐車スペースがあるが、この灯台前だけは有料(朝だからタダだったけど)

 
 

←エラく青い空だ(補正してません)
灯台の写真を撮るといつも空の彩度が異様に高く写る。上の方向いてるからか?

灯台の足下でキャンプしてるツーリストがいた。
そこでキャンプしていいかどうかは別にして、なかなか賢い!と思ってしまった。
潮岬周辺はキャンプするには好適地なんですが、水場はないのでその辺だけ注意しときましょう。
   

県道41号潮岬周遊線を反時計回りに走る。
賑やかなのは潮岬の芝生周辺だけ。そこを離れると、静かな海沿いの道が延びるのみ。海の景色を楽しみながら、紀伊大島へと向かう。

くしもと大橋を渡り、県道40号で紀伊大島最西端の樫野崎灯台へ。

     
                                         

樫野崎灯台

紀伊大島を横断する県道40号の終点にある灯台。昔、トルコ軍艦が遭難した海ということで、その記念碑やトルコ人の店(?)が並んでいたりする。

←潮岬とはうって変わって、鄙びた雰囲気の
  強い灯台で、なんか北国みたい
螺旋階段がサマになっている  →
端正なフォルムで非常にカッコいい

←スイセンが咲き乱れる灯台周辺の花畑
 とても1月1日とは思えない陽気だし

                             

当然ながら高台にあるので、海の眺めはいい。
周辺は遊歩道やあずまやが整備されていて、小さな公園みたい。

それにしてもいい天気。昨日の雨がウソのようです。
南紀は暖かいというイメージがありましたが、潮岬とここはまさにそのイメージ通りでした。今日が元旦ということを忘れてしまいます。

                                   
     

県道40号

紀伊大島を走る県道40号は、なかなか爽快なワインディング。おおらかなアップダウンと、緩やかな高速コーナーで構成される。典型的なジェットコースター気分のコースだが、1ヵ所小さく回り込むコーナーがあり、非常に予想しにくいので注意。

   
                                   
 

くしもと大橋

1999年に完成した、本州と紀伊大島とを結ぶ橋(それまでは船でしか大島には行けなかった)。写真はアーチ部分だが、この他にループ橋の区間もあり、1粒で2度おいしい橋だ。
それにしても絵になる橋だなぁ。深い藍色の海とのコントラストが美しい。

     
 
                     

橋のすぐ脇には駐車スペースがあって、写真撮影には事欠かない。が、釣り人のクルマで満車。。

前走車がいなくなったところを見計らってスタート!
2、3、4、とテンポ良くシフトアップ。俊敏なアクセルレスポンスに感謝しつつ、右足と左足の動きをシンクロさせる。

 
                       

ループ橋は、360°回って高度を稼ぐタイプ。
伊豆の天城越えにある何回転もするタイプにはかなわないが、こちらの橋は海の上。

アウトにはらまないように荷重をフロントに寄せ、最低限の蛇角を与えてノーズをインに切り込む。安定した姿勢を保ったまま次のストレートに備える。

なんてね。

                                 

国道42号(串本〜白浜)

この区間の国道42号は想像以上に気持ちのいいコースでした。ほぼ波打ち際を走り、テクニカルなコーナーも数多く配置されてます。
また、午前中走ったため順光になり、景色も一層鮮やか。
植生は完全に南国のそれで、ソテツ?っぽい木が並木になってたりする区間もあって楽しい。
ただ、やはり交通量は多いので、自分のペースで走ることはできません。

   

白浜温泉

42号を走ること1時間半。ようやく白浜町に到着。一昔前(イヤ相当昔か)の新婚旅行のメッカ、関西の熱海(←これは私が勝手に思ってるだけ)白浜温泉です。
今でこそリゾート地的な印象の強い白浜温泉ですが、有馬、道後と並ぶ日本三古湯に数えられる由緒正しい温泉です。

     
 

崎の湯

白浜と言えば!「崎の湯」にやってきました。
現在も白浜に残る唯一の湯壺である崎の湯は、海に突き出す露天風呂で全国的に有名。加えて昨年から行われていた改修工事が終わり、なんと偶然にも本日が新装開店(?)初日!混雑覚悟でいざ入浴です。

想像通りマジで混んでた。。
完全なイモ洗い状態で、入る場所を探すのも大変でした。

改修されて、脱衣所と奥の波打ち際にもうひとつ露天風呂が新設されてます。
最初、入口には入浴を待つ人の列ができていて、えーそんな混んでるのーって思ったら、それは脱衣所の空きを待つ人の列。

わかってないなぁ。こういうお風呂に羞恥心は必要なし!その辺の岩場でさっさと脱いで、十分掛け湯をしてからドボンです。
奥の露天の方が海に近く(ホント手が届く)てぬるいため、ほとんどの人がそっちへ流れていくので手前の露天は空いてます。なので手前の方が明らかに湯が新鮮!(熱いけど)
海岸にあるだけあってさすがに塩分の強い温泉ですが、硫黄の香りも強い。こういう泉質って初めてだなぁ。泉質にはかなり満足。でももっと静かな環境で楽しみたいね。
   
  崎の湯に続く小道で売っている「反対タマゴ」。何ゆえに「反対」?
本来温泉タマゴは、白身が固くて黄身が柔らかいものですが、これはその反対だから。まぁそれはいいとして、おいしかったっすよ。
   

←左 タマゴ暖めるカメ
 ・・・マヌケ(失礼)

←右 店の中の看板
 ・・・すっげー売り文句

           
その反対タマゴをゆでるのに使用している源泉が隣にある。崎の湯もこの源泉。
泉質は含食塩重曹泉、泉温は86℃、日本書紀、万葉集に記されている銘湯、とある。白浜にはこの他にもたくさんの源泉が点在していて、多くが今だ現役だ。
   

千畳敷

湯上がりに白浜の町を散歩することに。
大きなホテルや保養所の間を抜けて、千畳敷にやってきました。

その名の通り、畳状に浸食された砂岩が何層にも重なって見える地形。
海風が心地良い。

                     
   
 

白良浜

白浜と言えば、この白い砂浜と水色の海岸の景色を思い浮かべる人が多いのでは?
白浜を代表する景勝地、白良浜は、冬でも南国情緒たっぷり。砂浜に張り巡らされているカラフルなネットが邪魔だけど。。(砂の流出防止?)

                             

とれとれ市場

白浜の半島をぐるっとドライブして、最後に町の外れにある「とれとれ市場」にやってきました。
漁協直営の海産物売り場ですが、中はディスカウントストアのような雰囲気。元旦の昼間というのに、かなりの混雑っぷり。
ちょうど昼過ぎだったので、サバの棒寿司とハマチの煮付けを買って昼食としました。

                               

さて、白浜は十分堪能したことだし、この次はどこに行こうか。

今晩のキャンプ地は川湯温泉と決めているので、暗くなるまでに本宮まで行かなければなりません。
とれとれ市場を出た時刻は13:30。普通ならまだ存分に走れる時間。しかし今は冬。しかも冬至から1週間しかたっていません。

今回のツーリングでひしひしと感じたことのひとつとして、冬の日の短かさがあります。夕方5時頃には暗くなってしまう(特に山の中では)ので、とにかくそれまでにはキャンプ地に入ってしまう必要があるわけです。
日中の行動時間が夏場に比べて圧倒的に短く、毎日走り足りない気分。別に暗くなっても走り続ければいいんですが、せっかく来たことない地に来てるんだから、明るい時間に景色を楽しみながら走りたい。
暗くなったら寝て、明るくなったら走り出すってのが、私の旅の鉄則。そういうわけで、冬はどうしても行動時間が限られてしまう。それを常に感じずにはいられないのが今回の旅でした。

白浜から御坊方面に向かってさらに海岸を北上し、大回りする形で川湯に向かいたかったんだけど、それをやってたら絶対暗くなってしまいそう。白浜を昼までに出られればそうしたかもしれませんが、この時間では多分無理。キャンプ地を変更する気にはならなかったので、素直にまっすぐ川湯方面に向かうことにしました。

 

・・・っとその前に、EK9のフューエルメーターがもう限りなくEmptyに近づいている。このまま本宮に向かったとしても、元旦に営業しているガソリンスタンドがあるとは思えない。白浜に隣接する田辺市は比較的大きな町っぽいから、そこでスタンドを探そう。

と、田辺に向かったら、国道の交差点であっさり営業しているスタンドが見つかった。本日ここまでまったく営業しているところがなかったので、これはラッキー。
迷わずハイオク満タンを注文してタンクを満たし、国道311号をひたすら東へ走り始める。

                                 
     

国道311号は、昨日「寄り道国道」と称していたく気に入ったあの国道だが、こんなとこにまで伸びていた。

こっち側は向こうとは似ても似つかない幹線道路。険しい山道の多い紀伊半島の山中の道路としては、奇跡的に整備度合いが高く、本宮までほとんど一直線に山を貫いている。熊野本宮があるからかな?

   
                       
             
目指す本宮町には、川湯の他にも湯の峰、渡瀬の各温泉が点在している。
国道の看板→のイラストも、各温泉の特徴を表すようにちょっとずつ違うのがわかるかな?
 

熊野古道なかへち美術館

中辺路でちょっと寄り道。静かな山村集落の川縁にあるなかへち美術館。ガラスの外壁が印象的な建築です。
美術館とは言うものの、規模は公民館レベルでとても小さな施設。元旦なので当然中には入れず、外から眺めるだけ。
何の囲いもなく、公園の中の休憩所みたいな配置に驚く。都会じゃ絶対にあり得ないよなー。

             
 

←フィルター?表皮としての外壁?

                     
   
外壁に施されたプリント→
呪文ではありません 
 
   

美術館の反対側はこんな景色。
のどかだなー。

中辺路に限らず、紀伊半島のいたる所に熊野古道と呼ばれる道が存在します。おそらく熊野本宮への参拝路だと思いますが、近年この古道巡りが人気を集めているとのこと。
さらに、この熊野古道が世界遺産に登録予定となっているそうな。登録後はどっと人が押し寄せて、白神山地や屋久島みたいなメジャーな観光地になっちゃうのかなぁ。

 
                                           
     

なかへち美術館以降は、運良くほぼ単独行。急いで早く着きすぎても困るので、スピードは程々にしておく。

この分だと15:30頃までにはキャンプ場に着いてしまうから、川湯温泉くらいは楽しめるかも。

   
                                           

川湯野営場木霊の里

思惑通り15:30頃にはキャンプ場についてしまった。ちょっと中途半端な時間だが、テント張って温泉入って夕飯作ればちょうどいいくらいだろう。
ここは2人で1泊1700円と妥当な線。しかし大変混んでいて、滞在型のロッジ型テントでサイトはぎっしり。奥の河原のサイト(こっちはクルマの乗り入れOK)はまだ空いてたが、石の河原では 安眠できない気がしたので、混んでいる方のサイトの河原の至近にテントを設置。
しかしこれがまた固い地面で、ペグを何本か曲げてしまった(泣)。

 

ファミリーキャンパーで大賑わい
でもまぁこの辺の散策拠点には悪くない

テントを張り終わってもまだ16:00。せっかくだから、冬にしか設置されないという川湯温泉の仙人風呂に入ってみよう。

                                           

川湯温泉 仙人風呂

川湯温泉はその名の通り、河原を掘れば温泉が涌き出すことで有名。さらには、冬期間だけ川を塞き止めて巨大露天風呂が用意される。
これだけ天然の要素が強いと、場所によって熱かったり冷たかったりする(実際そうだった)が、思いのほか気持ちのいいものだった(俗的娯楽って感じがしてあんまり期待してなかったんだが)

 
                                             
2日目 / 4日目