シルバーウィークなる秋の大型連休初日、の前日の夜。 昨年に引き続き、立山連峰の一角へと踏み込むべく、翌朝の始発のトロリーバスに乗り込み、合計4つもの乗り物を乗り継いで、AM8:30頃、室堂高原に降り立つ。 今回再び立山連峰の玄関口、室堂に訪れた目的は、北アルプスの中でも異彩を放つ名峰「剱岳」に登ることだ。 急峻極まりない岩山で、一般の登山者が登れる山の中でも、最も危険な山とされる剱岳。あまりの険しさに、国内の山の中では、最後まで未踏として残された山だった。 そんな厳しい山に、自己流登山を続ける自分なんかが登れるのか? |
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さて、室堂に着くと、まず目の前に現れるのが立山。 山肌は紅葉が始まってるけど、まだピークってわけじゃなかった。 |
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剱岳に向かう前に、まずは今回の山登りの安全を祈りに、玉殿の岩屋へと向かった。 玉殿の岩屋とは、室堂山荘から崖下へと降りた斜面の途中にある洞穴のことで、無数のお地蔵様が祀られていて祈りを捧げる場所となっている。 |
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玉殿の岩屋から戻る途中、斜面の頂部の室堂山荘を見上げると、鮮やかな青空が頭上を覆っていた。 微かな雲の切れ端の形状が面白い。 |
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室堂高原の散策路を雷鳥平に向かって歩いていく。 玉殿の湧水を3リッター補給したザックが、ずっしり重く背中にのしかかる。 龍の群れが空を飛んでいるかのように流れる雲を追いかけて、一歩一歩踏みしめて歩いていく。 |
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そして見えてきたのが雷鳥平だ。眼下に雷鳥沢キャンプ場が見える。昨年のベースキャンプとなった場所で、昨年の1日目はここでテントを張っておしまいになっている。 ここまでの行程と風景写真は、やはりコチラでどうぞ。季節の違いによる風景の違いが味わえます(^ ^) 今回の相手は剱岳なので、そのベースキャンプまではこの真っ正面の斜面、雷鳥坂を頂部まで登り詰め、越えていく必要があるのだ。 |
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特別急登でもない、登山ではよくある程度の傾斜の坂なのだが、ベースキャンプ地がこの先にあり、生水は無いと思わなければならないので、重い荷を担いで登らなければならないところが難儀なのだ。 右写真の底部の雷鳥沢から、頂部にちょこっと見える剱御前小屋まで、タイム的には約2時間。ううむ。 |
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救いは、美しく染まりつつあるカラフルな色絨毯が目を楽しませてくれること。紅葉は急速に進行しているみたい。まだ早いかなーなんて思ってただけに、ちょっと嬉しい誤算。 | |||||||||||||||||
いよいよ雷鳥坂に突入! いつもそうではあるが、山登りは登り始めの最初の数十分が一番キツい。身体というエンジンの暖気が完全に済むまでの時間を、とにかく乗り切ることがポイントだと思っている。 |
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最初はキツくても、とにかくちょっとずつ歩を進めていく。ここで休んでしまったら、せっかくのアイドリングがまた冷めてしまう。 暖気が済んだら、不思議と身体が軽くなり、思うように足が上がるようになってくる。それまでとにかく辛抱なのだ。 |
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30分くらい登り続けたところで、最初の小休憩。行動食と水を口にする。身体も温まったところでエネルギー補給で後押し。その後の登坂に勢いを付ける。 登山道を登る人は多く、さすが連休の初日ということを意識させられる。 |
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坂を登り詰めていくと、雲海が広がっているのが目に入り始めた。 奥大日岳の向こうの雲海の下は、富山平野のはず。 |
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そしてようやく剱御前小屋に到着。雷鳥坂を登り切った。タイムにして、雷鳥沢キャンプ場を通過してからちょうど2時間程度が経過していた。 場所としては別山から奥大日岳に繋がる尾根筋で、別山乗越と呼ばれるポイントになる。 |
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室堂からは雷鳥坂が壁となって見えなかった風景が、別山乗越に到達することで露になる。 別山尾根に隠れていたのは、そこから続く谷間の地形と、その最奥に岩壁となってそそり立つ剱岳だった。 |
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昨年、立山縦走後に別山乗越に辿り着いた際は、視界が全く効かなかったので、剱岳の全容に対峙するのはこれが初めての経験だ。 実際この目で見るその存在感に圧倒される。 |
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別山乗越からは、向かって右側の斜面を横切るように歩いていく。 こっちの山も、ガレた斜面が間近に迫って大迫力だ。 |
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谷間を下りていくようにして進んでいくと、眼下にテント村が見えてきた。あれが今回のベースキャンプとなる剱沢キャンプ場だ。 その真っ正面には、いよいよその偉容の全てを眼前に現した剱岳の岩峰。ド迫力。 |
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キャンプ場には既にかなりの数のテントが張られていた。 |
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雷鳥沢のテン場もそうだけど、絶品の自然景観の真っ直中である。 みるみるうちに増えていくテントは100張りは裕に越えているのではないだろうか。 |
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ベースキャンプ到着が昼過ぎで、剱岳アタックの翌日早朝までは相当時間がある。 今回持参の漆黒のテント、クローカー2はここ剱沢では注目の的だった(ようだ)。 |
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テントの出入口越しに、時間の移り変わりに伴って刻々と変化する剱岳の姿を見つめる。あの剱を、常に視界に入れながらのテント泊。なんて贅沢。 夕方近くになって、海側から斜面伝いに上がってきた雲が、谷筋を流れていく。 |
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剱御前に日が落ちると、急激に肌寒くなった。 暗闇に浮かぶ剱岳は、漆黒の影となり、その彫刻的容姿は判別できなくなる。 |
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夕食後、早々にシュラフに入って眠りについた。 まさに「満天」と言おうか。とにかく、こんなにも星降る夜空を見たのは初めての経験だった。 写真に収めようにも固定する術も無かったので諦めたが、この目にしっかりと焼き付けるまで見入っていた。 |
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