若狭湾 /南国風情の日本海を行く


2007GWのツーリングは、北アルプスを眺めた日帰り白馬ツーリングで終わりという、例年から比べればやや(かなり!?)寂しい結果になるかと思いきや、実はGW後半を使って1泊2日のツーリングを強行していました。仕事?なんとかなるさでサボリです(滝汗

前半が「山」の風景を楽しむ!というテーマだったので、後半はシンプルにそれと対比させて「海/湖」を楽しむことにした。
どこへ行くか。まだ訪れていないエリアというのは結構蓄積されてて、その中でも手薄に感じていた福井県若狭地方をテーマにすることで急遽決定。

とりもあえずも出掛けてしまえという感じで、久しぶりにキャンプ道具一式を準備して夜明け前の出発を心に決める。GW本番の初日だし。
前日は仮眠程度のつもりで、来るべき素晴らしい休日を夢見て眠った。

                                                                 

・・・・・・

・・・バッチリ寝坊してしまった(爆
4時前に八王子料金所を通過して深夜割引を頂こうと考えてたけど、起きたのが4時だった(- -;;)
慌ててエスのトランクに前日準備しておいたツーリング道具を放り込んで出発。
1年のうちで一番高速が混むこの日の時間を誤ったら、せっかくの休暇が台無しだ。焦る気持ちを抑えつつ、調布ICから中央高速へ。

八王子通過は5時台で、料金所出口のフン詰まりは相変わらずだったが、GWであることを考えれば最小限の渋滞で済んだかもしれない。あと数十分遅れてたら悲劇が待ち受けてたような気がする。
いつもより圧倒的にクルマの数は多いものの、その後は詰まることなくスムーズに西行き。

    <<< 双葉SAの辺りで、EK9の連帯に遭遇。ツーリング?
GWの高速で西に向かったかつての自分に重ね合わせて見てみたり。
   
                   
八ヶ岳付近ではCR-X&レジェンド。
EFのCR-Xって最近とんと見なくなったなぁ。これぞライトウェイトスポーツって感じで、今欲しくてもこういうクルマって無いからね。。実は、最初のクルマにCR-Xを買おうとしてたんだよね。
                                                         
   

駒ヶ根から恵那山にかけてはランエボ(いくつなのかはわからん)
こんなカンジでやたらとそれっぽいクルマと絡んだおかげで、そこそこ飽きずに高速をドライブ。

   
                                           
               
                                 

仕上げは恵那山から土岐までBMW M5。
これが速い速い。クルマ任せにガンガンアクセル踏めるんだろな。
高速飛ばしても面白くとも何ともないんだけど、カッコがいいのでしばらくお尻を眺めさせてもらった。

         
                                     
                                                                 
  土岐ICで降りて国道21号へ。東海地方の北部市街地を結ぶ幹線道路の起点から、まずは美濃加茂へと向かう。急激に落ちたアベレージ速度に、強制的に身体を慣らしながら。
美濃加茂過ぎると、木曽川に沿う。日本ライン。
犬山かすめて各務原。この辺まで来ると、いかにも幹線道路の無機質な車窓風景が続く。

岐阜市街は通らず、バイパス形式でパス。R21は、東海地方を最も効率良く横断できるルートのひとつだ。

長良川渡ってすぐに県道23号、国道303号へと乗り継いでいく。

 
そのR303に入ってすぐに見かけた交差点名。
ぜぇ〜ったいムリなんですけど。
>>>
 
                                         
    揖斐川町を過ぎて、ようやくR303は長閑になってくる。
揖斐川の川筋に合流するように進路を取ったら、そこからが揖斐峡。なのだが、この先ダムがある影響か、蛇行する揖斐川に沿わずに、トンネルで直線的に串刺しにしていくルートなので、景観的にはイマイチか。
                                               
      横山ダムで国道が分岐。
直進すれば国道417号で、超山深い中を延々走って、あの徳山ダムへと至る。それはそれで必見のハズだが、何せ行き止まり(正確には林道で山向こうに繋がっているようだが)なので、ここはR303をトレースする。意中の目的地は他にあるからね。
       
                                                       

この分岐を曲がって、ようやくワインディングらしい道になった。ダム湖に沿って小刻みに向きを変え続けるものの、道幅は広い快走路。

湖の向こうにはR417。徳山ダムは立派な観光地なのか、対岸から見ていても結構クルマの通りは多いみたいだった。

                                             
           
                               

ダム湖が姿を眩ますと同時に現れた謎の展望台。
崖に向かってステージが突き出している。

この構築物、昔、建築雑誌で見かけた記憶があったような気がして、道路沿いからビビッと来る物があって停車してみると、やはりその記憶は正しかった模様。

   
 
とは言え、テナントスペースは空き家だし、あまり手入れされていないみたいだし、道行くクルマは一切停車することが無いしで、時代が過ぎ去って死んじゃった建築物という雰囲気が拭えない。
   
早くも時代の遺構リストの仲間入りを果たしそうなこの展望台建築だが、おかげでのんびりと休憩ができた。
この後のルートの確認をして再度出発。
 
 

国道303号 坂内〜木之本

西濃の山奥とは思えないほど、スッコーーンと抜けた高速ワインディングが続く。一部集落の中で狭い道は残ってるけど、改良が進んで峠も長大な八草トンネルで一気に抜けてしまう。

       
 

トンネルを抜けたら滋賀県に突入。そしたらイキナリ打って変わってこの狭路。極端に整備状況が異なっていた。一応バイパス路の建設は進んでるみたいだが。
所々避けられない水溜まりがあって、ボディを汚してしまう。

木之本で国道8号に出た。これを北上する進路を取る。

   
                           
 

国道8号は凄く混んでいた。賤ヶ岳では完全に渋滞になり、逃れるようにして飯浦の交差点を藤ヶ崎へ。

琵琶湖に沿うレイクサイドロードだけど何の変哲も無く、あっという間にR8に戻って来てしまい、再び渋滞に参加するハメに。やっぱりGWってことか。

仕方無いから、またすぐに国道を逸れてショートカットする形で奥琵琶湖パークウェイに向かうことにした。

   
                                 

奥琵琶湖パークウェイ

琵琶湖の北湖畔を走るワインディングロード。東からアプローチしてるので、自然と半時計回りに湖畔を走る形をとろうとしたが、なぜかこの方向の通行が規制中。ご丁寧に道路の入口に人まで立っていて進入を阻んでいる。

仕方無いのでR303で迂回して大浦からアプローチ。
しばらくは湖畔のフラットな快走路。新緑の黄緑色のトンネルを抜ける清々しい道だ。

 
   

さっきの迂回路もそうだったけど、釣りをしてる人とヨットをしてる人、サイクリングしてる人が物凄く多い。それに比べてドライブしているクルマは拍子抜けするほど少ないのだ。

海とは違って波が無く潮のニオイもしないので、景色から感じる先入観とのギャップはかなりのもの。
湖面をそのレベル近くから眺めた後は、ようやく勾配路になってワインディングらしくなってきた。

               
     
   
それと同時に、法面の改修工事区間が次々と現れる。
あぁこれが一方通行の理由か。。てっきりGWで混雑するとかマラソン大会とかがあるからとか、そういう理由かと思ってた。
 
     
     
                                   
        登り切ったところが琵琶湖に突き出した半島の先で展望台になったけど、肝心の眺めの方はイマイチ。
                                   
             
展望台から月出に向かって下りていく区間は工事も無く楽しんで走れる・・・ハズだったが、あいにく前走車に先導されてしまう。
そうこうしてるうちに、最初に一方通行で入り込むことができなかった東側入口を通過。再びR303を大浦まで走る。
   
           

県道557号 海津大崎

奥琵琶湖パークウェイの西隣の半島を周遊する県道に挑む。今度は一方通行規制はないようだ。
こちらは打って変わって中央線の無い、さっきと比べれば格下の道路といったカンジだが、湖のホント縁をなぞるように走るので気持ちイイ。

 
 
           

海岸道路と違うのは、波や潮の満干きが無いために、ほとんど湖面と同レベルに近い所を遮る物ない状態で走ることができるところ。

琵琶湖くらいになると周りは市街地化されていて湖水も汚染されてるような、そんなイメージが先走っていたけど、こと北側に限っていえば、こんなに静かで穏やかな湖畔風景は却ってそうそうないんではないかと。。

まぁ夏場はこうも行かないだろうけどね。

道路と湖面の間のせまーいスペースに、湖水浴場とかキャンプ場が用意されている。
シーズンオフのこの時期に、湖畔でキャンプを楽しむならかなりいい場所なんではないだろか。。。

 
               
                                                   
   
                                                   

海津大崎を周遊して国道161号に突き当たったら左折してマキノ方面へ。
東京から走り続けてフューエルメーターが残り1メモリになっている、と思ったら消えてしまった。

早急に給油の必要性有りと判断してR161を走ってたら、この道ってバイパスで高架状になってて、交通量が多い割に道路沿いには何も無いんだよね・・・
まぢーなと思いつつ今津まで来てしまい、その後R303で小浜と考えてたけど峠道なので、大事を取ってR161の旧道を走る。ところが旧道とは言え国道にも関わらずメボしいスタンドが無く、結局さっきの海津の交差点手前まで戻ってきてようやく給油できた。

45.02L。エスのタンク容量は50L。残り7Lでエンプティランプが点灯する仕組みはそれなりに信頼できるのかな。

                                                   

今津〜マキノで想定外に行ったり来たりしてしまったので、そのついでにマキノのメタセコイア並木に寄り道してみた。

市街地から離れた県道沿いにあったが、思いの外長くて立派な並木道だった。何と言っても樹形が端正で美しい。

ただこうやって撮った写真を後から見ると、電柱と電線が邪魔だな。。
町の大事な観光資源なら、もう少し配慮があってもいいのでは。

 
                                                   

今津から再びR303で県境越え。滋賀県から福井県へとエリアが切り替わる。

国道27号に合流して一路小浜へ。予想では、この辺りで日没近くになって停滞、と読んでいたが、今津マキノの余計な時間を食っていた割にまだ16時くらい。陽は夕方のそれになりつつあったけど、刀を鞘に収めるにはちと早過ぎかと思って、若狭地方の名刹に寄り道することにした。

                                                   

明通寺

若狭湾に面した小浜の町の背に控える山々にはいくつもの寺社仏閣があり、今回は明通寺に訪れることにした。ここを選んだのは、国宝という響きに釣られた、という俗っぽい理由から(^_^;A 前知識なんて無いに等しいんだから、素直にそのグレード感を頼りにさせてもらった。

 
                                             
     
                     
   

国宝とは言え、非常にこじんまりとした質素な寺院だ。
一応石段の上に山門、そして本堂と続く参道、といった具合の基本的な空間構成は抑えてあるものの、本堂の先は三重塔があるだけ、と、建造物の多さや敷地の広さで圧倒してくる華やかさみたいなものは一切無いのだ。

拝観料の400円を払って早速本堂へと向かう。
さすが国宝のネームバリューか、場所からすれば拝観客はかなり多い感じがした。

                                           

>>> 本堂。非常に質素で、ありがちなボリューム的な威圧感も全く感じないくらいにこじんまりとしている。一切装飾の無い白木の入母屋造には、桧の皮を葺いた屋根が乗っている。

中に入れば本尊の安置された神聖な空間だが、良く見渡せば寝殿造に似た面影。鎌倉時代中期の建物ってことで、武家建築である書院造が定着していない時期に、本流だった寝殿造をベースとした質実な仏閣建築のエッセンスを垣間見ることができた。

 
本堂の本尊の目の前に座って、住職の説教、ではなく案内に耳を傾ける。
国宝建築の中に入って空間を味わい、僧侶自ら語るその成り立ちに思いを馳せる、なんて経験はなかなかできるもんではない。信仰心がある方ではないが、十分ありがたい気分になった。
     
   
           

本堂を見下ろすように立つ三重塔。こちらも国宝建築物。
本堂と同様、何の装飾も無く、複雑に組まれた構造材の反復性だけが、その端正なフォルムを形作っている。

仏閣建築の中での塔の役割は仏舎利の安置所だが、この日はその塔の扉が開け放たれ、中に安置されている仏像が見学できるようになっていた。
年に何度も開けることはないらしく、この日はたまたま連休中で天気も良かったから開けたとのこと。ラッキー。

塔の美しさもさることながら、本堂とこの三重塔が織り成す空間構成が絶妙だ。
この2つの建築と、その周りの杉林に囲まれた空間が、ひとつの舞台空間のようなカンジで、精神的な安定性や無欲感みたいなものを感じるのだ。

 
             
             
                                                       
     

さらりと見て帰ろうとか思ってたけど、結構長居してしまった。見るモノも限られてるのに珍しいことだ。

この辺りにはあと神宮寺や若狭彦神社といった由緒ある寺社仏閣が集結しているが、さすがに日が傾いて今夜の宿も気になりだしたので、それらはパスして小浜の町へと向かうことに。

R27で小浜に来たが、さすがにGW真っ最中で今からホテル予約という気もなく、市街はスルーして舞鶴方面へと向かう。
適当なキャンプ場を抑えて今晩は停滞しようと考えていた。

交通量の多い小浜湾沿いのR27を西へ。右手に小浜湾を眺めながら大飯町まで。

   
                                                               
青戸大橋んとこで県道へ乗り換えて、大島半島の先端を目指す。小浜湾を取り囲むこの半島の先には、原発と大きなキャンプ場があるみたいなのだ。とりあえずそのキャンプ場にアタック。  
半島の高速ワインディングをかっ飛んではるばるやって来たキャンプ場は、豪華設備の整ったオートキャンプ場だった。。
さすらいのツーリストには全く似合わない場所だが、一応泊まれるか聞いてみる。
                                                               

予想通り満杯でダメとのこと。フリーサイトも使わせてくれなかった(そういうの本来フリーって言わないと思うんですけど・・)
まぁこんな子供がぎゃーぎゃー走り回ってる上に、町中みたいに人とクルマが密集しているキャンプサイトなんて御免こうむりたい。

一応ダメもとでこの辺りに他にキャンプ場ないかと訊いてみたところ、隣町の海岸に1ヶ所あるとのこと。今はシーズンじゃないから空いてるだろうとか言っていた。他にあてもないので、素直にそのキャンプ場を目指すことにする。

                                                               
                               

若狭和田キャンプ場

結構目立たないキャンプ場だったけど、ツーリングマップルには載ってたおかげで何とか辿り着くことができた。海岸の松林の中にあるサイトスペースだ。

実は営業期間中ではないらしく、サイトの入口にはチェーンが渡され管理小屋も閉め切られていたのだが、駐車スペースは開け放たれ、サイトにはいくつものテントが咲いていた。これだけ仲間がいればまず問題あるまい(!?)
てゆーか最初からここで良かったジャン(笑

   

水場は無いけどトイレは前の海水浴場のが使えるし、駐車場とサイトも近い。住宅地と海岸に挟まれていて、サイトは十分広いので、環境的に問題があるわけでもない。オマケに隣には日帰り入浴施設があるではないか。

かくして無料で必要十分なキャンプサイトを確保することができたv

さわらび温泉 わだつみの湯

すっかりお馴染みのムーンライト3を立てたら、すぐさまビールをぐびっといきたいのをグッッと我慢して、まずは隣の温泉施設で汗を流すことにした。

何だかホントにできたばかりの凄く新しい施設で、こんな住宅地の中で成り立つのかなぁという心配をよそに、今のところは結構繁盛していた。
泉質がどうのこうの言うような温泉じゃないのは当然わかってたので、さらっと汗を流してさっさと出て、とにかくテントに戻って独りで宴会を始める。

 

毎度のことながら、こんな早い時間に寝床を用意して、長い夜をゆっくり過ごそうと思うわけだが、酒が入ると一気に睡魔が襲ってきて何もできないまま眠ってしまう。
この日も例外ではなく、今日は何時に出かけたんだっけな、明日は何時に起きてまずどうしよっかな、、、てなことを考えて答えも出ぬまま意識を失ってしまう。

ホントいつもながら、ただ寝るだけのキャンプ。まぁそういう目的で始めたスタイルではあるわけだが、もうちょっとイロがあってもいいかなと思う今日この頃なのだ。

 
2日目 / Touring S2000
 
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