ビーナスライン 2年目の定点観測記

・・・・・・・・・・・・

                                         

ビーナスラインは、八ヶ岳山系や霧ヶ峰、美ヶ原といった百名山系の山々に囲まれた高原を走る、国内屈指のスカイラインだ。
多くのワインディング好きに愛されているであろう人気のコース。R styleでも初期にツーリングレポートとして紹介済みだが、現在となってはまた異なった面で意味のあるコースになっている。

というのも、現在の愛車であるS2000を購入、納車されて、最初の休日に訪れたのがここビーナスラインだったのだ。
晴れた高原のワインディングロードを、ひとつひとつ確かめるように新しい相棒を駆ったあの時。
それから1年後にもここを訪れ、初心を思い出しながらひとつひとつのコーナーを駆け抜けていた。

そしてまた1年が経ち・・・・・
ここに来なければならない、そんな思いがどこからともなく湧き上がってきて、ようやく晴れたフリーの週末、満を持して出掛けることにしたのだ。

                                         

イキナリであるが、ビーナスラインである。

国道152号から霧ヶ峰方面に左折したのが、朝の7時過ぎ。もうちょっと早くかのワインディングに入りたかったのだが、予想以上にここまで時間がかかってしまった。
有名観光地なので、極力早朝のうちに走ることは楽しんでおきたいわけなのだが。。

   
                           
     
   

車山肩のレストハウス過ぎてすぐに現れる、2連のヘアピンカーブ。

長野県中部の天気予報はズバリ晴れ!の予想だったが、同時に前日から気温も高く、朝早くと言えどほとんど遠望が利かなかった。

強清水の駐車場には、既に走り目的らしきクルマが集結していた。中にはS2000の姿も・・・

強清水からビーナスラインに沿って北へと進路を取る。
それまでの霧ヶ峰の草原風景から一転、周囲に湿地や断崖が目まぐるしく展開する。

ビーナスラインの魅力のひとつに、この風景の多様さがある。異なるシーンが次々と展開していく様は、どこか贅沢な気分にさせるものがある。

                     

和田峠を過ぎて最初の駐車場&売店を少し過ぎた所。コーナーのアウト側にちょっとしたスペースがある。

ビーナスラインに訪れると、どういうわけか決まってここで休憩する。距離的にちょうどいいのかな。他に人もいないし。

今回のような定点観測には、特に欠かせない場所。

                                         
ここまで車高調の減衰力を一番ソフト(街乗り用セット)にしたまま走ってたので、調整を試みる。
さすがにビーナスライン級のワインディングともなると、このセットではムダな動きが多すぎる感じがして、いまひとつリニアじゃないのだ。

まずはいつものワインディング用セットに。
減衰速度を遅くして、大きな荷重移動に対するキャパシティを上げてやる。
格段にレスポンスの上がった操縦感が気持ちイイ。
フラットな姿勢を保ちながら、俊敏にコーナリングを駆け抜ける。

そうこう楽しんでいるうちに、県道178号との分岐。
ここから道路は突然、強烈なヒルクライム区間に変貌する。
幾重にも折り重なるヘアピンカーブで一気に高度を上げていく。

登り切った所が山本小屋(あるいは高原美術館)。美ヶ原の最高地点、王ヶ頭への登山道の入口に当たる所。
登山道とは言いつつ、美ヶ原はその名の通りほとんど真っ平らに近く、王ヶ頭への道もほとんど平坦。
この辺の様子は、一番最初の美ヶ原のツーレポに詳しいです。

その山本小屋で、クルマからも降りずにUターン。間髪入れずに今登ってきた急坂を、今度はダウンヒルで楽しむ。タイトな下りの低速コーナーを駒のように回りながら急激に高度を下げていく。

その先も来た道を戻っていく。強清水の駐車場で一服入れた後、車山肩の駐車場に移動し、カメラを持って軽く散策をすることにした。

山小屋の周囲の散策路を歩くだけだったが、湿原と高原の景色と美ヶ原の遠望を楽しむには十分だった。

コロボックルヒュッテの左手、ビーナスの丘から眺める車山、蝶々深山、車山湿原に八島湿原、そして美ヶ原。霧ヶ峰というイメージに違わない、さわやかな風景を堪能する。

                                         
 

しばしの高原散策は、ちょうど良いリフレッシュになった。
再びエスのコックピットに収まり、またまた来た道を引き返す形で進路を取る。
とにかく今日は、ビーナスラインを味わい尽くすのだ。

再び強清水から北側の中高速エリアに入り込んでいく。
強清水と八島湿原の間には、長めのストレートが2本連続する区間がある。
そのストレートから後ろを振り返ると、車山(霧ヶ峰)が真っ正面に控えていた。

 

雪が解け、花の季節がようやく始まったかのような美ヶ原の高原。
周囲の湿地帯からは鳥のさえずりが絶えず聞こえ、生命の息吹をヒシヒシと感じることができる。

S2000というオープンカーに乗ってドライブしていると、そういった季節の音やニオイを実に身近に感じることができる。
単純に風が当たって気持ちいいとかいうだけでなく、外部の空気の「味」みたいなものや、生命と時間の移ろいみたいなものに、感覚を刺激されるのである。

屋根のあるクルマやヘルメットを被るオートバイ以上に、周囲の世界との繋がりを強く感じることができるオープンカー。
走りが気持ちいいことに加えてこの一体感を感じられることが非常に優れた価値だと、今の僕は疑うこと無く信じている。

 
 

八島湿原を過ぎて、和田峠へと向かう区間を走り抜ける。

今回のビーナスラインツーリングは、一応、R style S2000の2周年目の記念ツーリングだ。
納車の翌週、1周年後にそれぞれこのワインディングを訪れ、その走りを楽しんできたので、2周年目も自然と足を向ける気分になった。
だから、この1年でどれだけ自分の技術と感覚が成長し、また、R style S2000がどのような成長を遂げたのかを計ることができる、言わば定点観測の意味合いを持つドライブでもある。

                   

と言いつつ、気合い入れてどんなカンジなんだろっ!って構えてたわけでは全然ないんだけど(汗

そんな気合い抜け状態でも一応わかるのは、最初から比べて格段にのんびり運転できているということである。

のんびりというのは、別にちんたら走っているということではなくて、、余計な力を入れずにゆったりとドライブしながらも、ワインディングをリズム良く走れている、そういうことでなのである。

EK9から乗り換えた最初の頃は、少なからず上昇したエンジンパワー、始めて乗る後輪駆動にどうしても力が入らざるを得なかった。
FFのアンダーステア対処走法みたいな変なクセ?もあって(今も完全に取れてる気はしないけど)、力入ってる割にはエスの能力がちっとも引き出せていない、そんなカンジだった。
それには純正のシートやサスの性能が、自分の求めるものに反している部分があったことにも原因はあった。

1年後、シートとサスは早急な対策を施したこともあって、かなりイメージ通りのドライビングに近づけた感はあった。
しかし、速くスムーズに走ることを念頭に置いていると、どうしてもバタバタしてたような気がする。一生懸命にならないとスムーズに走れない。操っている感では今ひとつ、という感触だったかな。

2年後の現在は、この1年で行った主にフロント廻りのボディ補強と排気系の効率化によって、車体はより洗練されたスムーズネスを手に入れている。

一方、ドライバーの方に大きな意識の改革は特に無かった(汗)にしろ、距離を走ることで自然に洗練されてきたという感触はある。

少なくとも、乗せられっぱなしという領域からは脱して、ある程度コントロールできているかな、という感覚は芽生えてきている。

 

そのひとつの現象が、先程書いた「余計な力を入れずに」ということだ。
フルバケにゆったりと身を預け、ステアリングを優しくホールドする。操作の入力は、ある程度メリハリをつけながらも、力は抜きつつ必要な分だけ行う。
良い意味でのユルユル感が、ドライビングに冷静さをもたらしてくれている。

2周年目の定点観測で何が一番大きな変化かというと、エスという高性能車に対峙するドライバーの心構えの余裕ってことになるかも。(慣れによるものも多分にあると思われるが・・)
それがひとつひとつの操作の洗練度に繋がってさえいれば、十分な成長であると思われんだけどね。。(肝心のそこは自信無かったり(爆)

 

和田峠と扉峠を過ぎても、前走車がいなくなる気配がなかったので、途中でUターンする。さすがにそろそろ交通量が多くなってきたかも。。

Uターン時に同じ所で後続のバイク2台もUターンしてきた。
2台のスポーツバイクを引っ張る形で、扉峠までのちょっとアツメの走りを楽しむ(^ ^;;
峠でバイクはいなくなったけど、少なからず余韻に浸りながら、強清水まで走り切った。

強清水で一息入れる代わりに、駐車場前の交差点から、池のくるみ方面へと向かうことに。

 
 

眺めのいい道端でエンジンを止めて小休止。遠くに蓼科山と八ヶ岳山系を望む開放感ある景色をバックに、妬ましいくらいオトコマエの相棒を眺める。

一見ノーマルルックを保っているR style S2000。それがコンセプトのひとつでもあるわけだけど、実際にはシートとマフラーが明らかな非純正品としてオーラを放っている。
しかし、自分的には純正同等の自然な納まりを見せていると思っていて、2周年目の外装の仕上がり具合としてはすこぶる満足なのだ。

       

その他にも、この1年間で、補強バーが入ったり、エキマニが入ったりという大きな変化があった。

全ては当初感じていたノーマルS2000の不足点を補う形で選んできたパーツだ。足りないと思った性能を補い、その変化を味わうというスタイルは、EK9の時と何ら変わってはいない。

そして、今のところそれが非常に高い満足感で達成できているという感触がある。

 

まだ足りないと感じる部分はいくらかあるけど、2周年目の姿としては、割と理想路線を外れず歩んで来れてるかな、という気はしている。

選んだベース車を自分好みの操縦性と官能性を持ったマシンに仕立て上げていくために、市場にあるパーツを吟味し、装着することで変化する性能を味わうという一連の行為は、クルマ生活を楽しむ重要なファクターだ。
その点では、EK9ではどらかというと純正状態で性能や楽しさを引き出すことに注力していたけど、エスの場合は意識的に自分の好みにセットアップしていくアプローチを取るようにしている。

 

絶対的な性能が、コストに見合った成長を遂げているかどうかは定かではないけど、コンセプトがワインディングベストであり、タイムを競うことではないので、あくまで理想は感覚的なもの。
そういう前提があるので、厳密な性能は追い求めていない。重要なのは自分の感性。

ひとつ改めてわかったことは、2年を過ぎた現在、徐々にではあるけど理想の感覚に近付いているという実感があるということだ。

 
 

池のくるみ湿原は、遠くに蓼科山を望む静かな野原だった。

ビーナスライン本線から枝道に入っただけなのだが、それまでの賑やかさが嘘のような静けさ。
諏訪から登ってくる何台かのクルマが背後を通り過ぎていったけど、それ以外は虫の鳴き声しか聞こえてこない別天地。

   

湿原の風景をひとしきり眺めて、元来た道を戻ってビーナスラインに復帰。本線は既にかなりの交通量になっていた。
梅雨の合間の絶好のドライブ日和。こんな日にビーナスラインが混まないはずがない。
これ以上満足なペースでドライブするのは無理かな?と思い、そのまま白樺湖方面へと向かった。

前を塞がれペースが乱れた時、案の定眠気が襲ってきた。すぐさま車山肩の駐車場に滑り込んで一眠り。
とは言え混み始めた駐車場で、なかなか寝付けるものではない。ウトウトしただけだったが、それなりにアタマはすっきりしたので走行再開。

         

走り始めても混雑しているのには違いなく、霧ヶ峰山麓のワインディングも、数時間前とは比べ物にならないほどの盛況ぶり。
やはり休日は早い時間にどれだけ走れるかだな。今回7時入りだったけど、欲を言えばもっと早く入ってじっくり走りを楽しみたいところだ。

ペースに馴染めず再び路肩に停車した時、携帯電話が鳴った。運転してると(運転に夢中で)まず気付かないので、なんてタイミング!?って思い出てみたら会社の先輩からだった。

話し始めると、地震のハナシが始まった。何のことだ???
今朝の地震での仙台の建物の被害状況云々・・・・・要領を得るまで時間はかからなかった。

岩手・宮城の内陸で起きた地震から、この時点で3時間以上が経過していた。ついこの間まで仙台で担当していた物件があり、その社内連絡が知らないうちに駆け巡っていたらしい(汗

事態をすぐに理解できたのは、以前も同じような経験があったから。
2005年の夏休み、EK9で青森の五戸付近を走っていた時、宮城県沖地震が発生。当時は震度6弱を観測した仙台に住んでいたので、多方面から連絡があったにもかかわらず、運転に夢中でしばらく気が付かなかった(揺れにも気付かず(爆のだ。
その記憶が残っていたおかげで、事態の把握は容易だった。

幸い被害はほとんど無く(帰ってきてから知った震源近くの被害は深刻だったが・・・)、今更ながら上司に連絡を入れて、ドライブ再開となった。

 
 

国道152号を横切り、白樺湖畔のローソンで小休止。
その後もビーナスラインに沿って蓼科の別荘地方面へと向かう。

家を出る時には満タンだったガソリンタンクも、早朝からエンジンを回したおかげでかなり軽くなっていた。
そろそろ給油をしたくなる残量だったので、別荘地内のSSで給油。リッター193円という信じられないリゾート価格に、ここで満タンにする勇気は無かった。。。

林の中の別荘地をかい潜って、国道299号メルヘン街道へと出る。麦草峠に向かって登る方向を選択。

麦草峠の特に茅野側は、難しいコーナーが連続する。勾配もキツめで、かなり走り応えのあるワインディングだ。

ビーナスラインだけでさえ相当タフで根性のいるコースだが、連続してこの麦草峠も走るとなると、相当の集中力が要る。

どちらもタフなコースなのだが、コースの特徴としては対照的なイメージだ。
そんな2つの印象深いワインディングが、近場で寄り添っているのだから、それだけで蓼科方面に遠征する価値があるってもんである。

麦草峠は標高2127mで、志賀草津道路に次ぐ日本で2番目に標高が高い国道峠。の割に展望は全く利かず、あっさりと越えてしまう。

 
 

麦草峠を越えるとすぐに、白駒池に向かう登山道があり、大きな駐車場が併設されている。
この周辺では珍しく、有料の駐車場(1回500円)。なので、トレッキング目的でないと停めるのは勿体無いかも。(麦草峠の反対側にも駐車場があって無料。ただし歩く距離は長くなる)

今回は素直にこの駐車場に停め、トレッキング用のザックを担ぐ。軽いトレッキングを楽しもうという算段だ。

 

車道から登山道に一歩入っただけで、荘厳な森の景色が楽しめる。

まっすぐに白駒池に向かえばあっという間なのだが、今回は高見石に向かうつもりでいた。

 
       

← 白駒池との分岐

       
     

高見石へと向かう登山道は、白駒池の西方をぐるっと回り道をするようにして取り巻いている。
白駒池に向かう人はたくさんいたが、わざわざ遠回りするような人もあまりいなくて、静かなトレッキングを楽しめそうだった。

最初の頃は歩きやすい森の道だったが、途中から残雪が出始めて、これが道にも残ってて歩くのに難儀するハメに。。
基本的には締まった雪だったので、踏み出しに気を付ければ難なく歩けたが、時々雪と地面の間を雪解け水が流れているような所があって、そういう所にうっかり足を置いてしまうと足首上まで埋まってしまう。

 

ライトなトレッキングのつもりだったので、シューズは登山する時に履いてるのじゃなくて、ツーリング時に使用するシューズをそのまま履いている。

ツーリング用だけど、歩くことやキャンプを想定してトレッキングも可能なシューズを履いているのだが、長いこと履いているのでそろそろ寿命が近い。

固くなったソールで足下を取られながら徐々に前に進んでいく。ちゃんとトレッキングシューズ持ってくるべきだったな。。そろそろ買い替えを考えてたので、ここらが限界っていう見切りがついて丁度良かったけど(^ ^;

         

歩き始めから約40分で高見石小屋に到着。この山小屋の裏手が高見石のようだ。

回り込むと、山小屋の裏には岩石が積み重なっている。
ルートの目印を頼りにこれを登っていくと、徐々に視界が広がってきた。

岩から岩へと乗り移りながら、頂点と思われる岩付近に近付いていく。

                       
         
         

高見石頂上付近からの眺めは格別だった。
2000m越えの山肩に浮かぶ白駒池。その遥か向こうには、千曲川沿いに展開する町並み。全てを眼下に収めた風景は、ちょっとした山のピークを極めた気分だ。

適当な岩に腰掛けて、この素晴らしい展望を楽しみながらしばしの時を過ごす。
既に昼を過ぎていたため、登山する時間帯から外れているためか、周囲には自分一人だけ。さわやかな風に吹かれながら、蓼科周辺の風景をのんびりと楽しむ。

         

白駒池の左手を仰ぎ見れば、北横岳とその向こうの蓼科山が見て取れる。

位置的には八ヶ岳の北端にいることになるので、背後に八ツの山々が鎮座していることになる。
しかし八ヶ岳連山に対して平行に見ることになるので、一番手前の山が見えるだけで、八ヶ岳独特の威容を眺めることはできなかった。

それでもこれだけお手軽に登れて楽しめる高見石の眺望は、魅力がいっぱいだった。

高見石は、ツーリング好きにはお馴染みのLONG TOURING CLUBで紹介されて、ビーナスラインに行った時にでも立ち寄りたいなと思っていたのだ。
今回もロッジモーティブに泊まる機会を逸してしまった(管理人様いつも口だけでスイマセン)のだが、蓼科周辺の絶景やワインディングの情報を仕入れるなら、LTCとモーティブが一押しです。

         

高見石で贅沢な眺望を存分に楽しんだ後、小屋に戻って遅めの昼食をとることにした。

ザックの中にはいつも軽食が忍ばせてある。最近のマイブームは、マルタイの棒ラーメン。醤油トンコツ系のスープとつるつるとした麺が食欲をそそり、これだけでもかなりエネルギーの補給になる。

ラーメンの後はコーヒータイム。ツーリングやトレッキングの時でも、コーヒーはちょっと贅沢に美味しいものを飲みたいもの。 キレイな空気の中で美味しいコーヒーを飲むのも、また格別なのだ。

 
               
                                         
下りの道は白駒池に向かう道を選択。この道がまた雪解け水でぐちゃぐちゃで、登山道どころか足を置く位置さえも考えながら一歩一歩歩く他無いような状態だった。
まぁトレッキングしてればこんな道を歩くことなんかザラではあるんですが。。
                                         
                                         
白駒池まで下りてくるのには、さほど時間がかからなかった(ような気がする)
池の廻りにはこれまでとは正反対に人がたくさんいて賑やか。子供たちが駆け回る中、ボートが浮かぶ静かな湖面の景色を楽しむ。
                                         

白駒池から駐車場へ戻る道では、たくさんの家族連れとすれ違った。
駐車場まであっという間なので、特段何の用意もなくても辿り着くことができるからだろう。

ただし高見石は別。一応シューズだけはそれ用のもので行った方がいい。
その分素晴らしい景色を拝むことができるのだから。

駐車場に戻って、再びエスのコックピットへ。さぁ後は帰路につくだけだ。

 
                                         
 

麦草峠の八千穂高原側をダウンヒル。
長大なワインディングはドライバーを退屈させないし、道路沿いの森林の爽やかなビューもこの上ない。

いつものパターンなら、ビーナスラインにアプローチする際は、このワインディングを登ってきて、麦草峠〜蓼科〜霧ヶ峰〜美ヶ原と至ることが多い。
そうなると数十kmに渡って結構激しいワインディングが続くので、本当にタフなコースになるのだ。

その上、ワインディングの種類としても多種多様。いろんなコーナーが散りばめられていて飽きることがない。

ムーンロック銀のS2000が、更に前のワンボックスに抑えられて、ずっと前を走っていた。

普段は滅多に見かけないS2000を、今回のツーリングではかなりたくさん見かけた。
何の関係もなくたまたま集まってきてるだけなのに、妙に嬉しい気持ちになれるのは僕だけ!?

                   
 
     
 

麦草峠の最後は、眼前に大きく広がった青空と、里山の緑のコントラストで締めくくりとなった。

国道141号で佐久、国道254号で内山峠越え。
長野と群馬の県境、内山トンネル手前の登坂車線でトラックを抜いたら、トンネル以後は完全クリアラップになり、荒船山山麓の険しいワインディングを想定外に楽しむことができてしまった。

あとはR254を淡々と走り、富岡ICから上信越道。ガソリン高だからか夕方なのに渋滞無しで練馬ICに帰還した。

 

・・・・・・・

というわけで、ビーナスラインを存分に走り楽しんだ日帰りツーリングは終わり。
クルマを運転すること、ワインディングを楽しむことを念頭に置いたツーリングは、まさにR styleの原点であり、それらを意識して走ることはやはりこの上なく楽しい。

特にビーナスラインは、勾配のない中高速コーナーが連続する区間や、急勾配の低速区間など、非常にバリエーションが豊富なのだ。ひとつの連続したワインディングにこれだけ多様なコーナーが揃っている所もなかなかない気がする。これに麦草峠が加わると、集中力が問われる相当タフなコースになってくる。まさに和製ニュルブルクリンクとは言い過ぎか(^ ^;;

一定の区間を切り取ってドライビングを楽しむこともできるし、バリエーション豊かなロングコースを一気に走り抜けるラリーのような楽しみ方も可能。しかも景色も楽しめるのだ。
エスの定点観測を行う場所として、これほど見合う場所はない。たぶん来年以降も訪れるんだろうな。

 

今回はワインディングドライブの更に後に、トレッキングまで楽しんでしまうという贅沢な1日だった。
これくらい濃密なツーリングができれば、1日だけの日帰りとは言え十分満足である。
トレッキングを優先したために、走りたいと思っていた蓼科スカイラインは、次回以降にお預けだな。

 

この2年を振り返り、今後のS2000ライフに思いを馳せた定点観測ツーリング。有意義な1日でした(^ ^)

 
Touring S2000
 
R style since 2002. Copyright 1059. All Rights Reserved.