道の駅「ふかうら」で目を覚ますと、空はどんよりとした灰色。雨は降っていないが、台風の進路がが気になるところ。
さっそくiモードで調べると、台風はすでに釧路沖とのこと。
どうやら寝ている間に通り過ぎてしまったらしい。全然気付かなかった。
吹き返しの心配もないほど離れてしまっているので、今日は台風一過を期待して出発。
 

千畳敷

少し走ると千畳敷という景勝地に着く。
青森県西岸ではそれなりに有名な場所のようで、早朝にもかかわらず何人かの旅行者が記念撮影をしてました。

 
                     
             
                   
  イカ焼の店が建ち並ぶ素朴な風景の鰺ヶ沢を抜けて、十三湖方面を目指します。
                   
       
交通量のありそうな県道を避けて、平行して走る地道を走る。
この道、地図には「こめ米ロード」と書いてあり、津軽半島の根元あたりに何本か走ってるうちのひとつ(たぶん農道)だが、これ何て読むんでしょう?
ずっと「こめこめろーど」だと思ってたんですが、どうも「こめマイロード」(myとかけていると思われる)と読むらしい。真相は定かではございません。
                           
十三湖を通過したところで国道339号に入り、津軽半島をさらに北上。
そして、小泊村でちょっと寄り道。小泊漁港に向けて険しい道を入って行くと、やがて日本海に突き出た権現崎に到着します。
                           
   
                           
 

まだまだ朝早かったので、駐車場にはEK9の他に1台が停まっているのみ。
権現崎の先端にはさらにここから遊歩道を歩いていかないと行けないらしい。せっかくここまで来たんだからと、先端まで行ってみることにしました。

最初はまぁ10分くらいかなと高をくくっていたんですが、これがかなりの急勾配。ほとんど登山道やん!と思ってみたのも後も祭り。1km以上はあったかな。相当登ったところに小さな神社があり、その裏が歩いていける権現崎の先端になってました。

 
                           

断崖絶壁の最上部からの眺めはなかなかの迫力。
適度に吹きつける海風が、汗をかいた身体には心地良い。

時間はそんなにかからないけど、苦労してここまで来ることになるだけに、なかなか達成感あるね。

 
     
元来た遊歩道を降りてきて、駐車場でしばらくのんびりする。高台になっていてなかなか気持ちの良い場所だ。
朝飯がまだだったので、駐車場に隣接する「キャニオンハウス」という漁協運営の食堂で頂こうかと思ったが、営業開始時間がわからない。
漁協だから朝早いんじゃないかと思い、しばらく待ってみることにしました。

待っている間に、EK9のエアクリーナーを交換する。
新品を買って家に置きっぱなしだったのを、旅のついでに交換しようと持ってきていたのだ。

交換自体は30秒ほどで終わってしまうが、旅しながらクルマのメンテする人ってあんまりいないよねぇ。
でも旅の間は四六時中クルマといっしょにいるわけだから、ふと気がついたときに面倒見れるわけで、それなりに合理的だと思うんですが。。

                     
キャニオンハウスは一向に開店の気配がしない上、次々と車が増え、しまいには観光バスまで乗り付けてきたので、あきらめて走り始めることにした。
                       
道の駅「こどまり」を過ぎると快適なシーサイドライン。「龍泊ライン」と呼ばれる龍飛崎までの区間は、ご機嫌なワインディングロードとして名高い。ここは今回のツーリングの中でも楽しみにしていたワインディングのひとつ。どんな風景、どんなコーナーが待ちうけてるのかな。
                       
道の駅から北に向かう方向で言うと、前半は海岸線をトレースするコース。とは言え、適度にアップダウンがあるのでワインディング度は高い。
                   
道路沿いに民家等なく、最果てを感じる自然風景が雰囲気抜群!
北海道では当たり前の風景だが、ここ本州ではこういう景色が貴重なのだ。
 
先程訪れた権現崎。
地図で見ると小さな岬ですが、こうやって眺めると大きな半島のよう。
       
   
スピードの乗るシーサイド区間から、それまでで一番急な上り坂を登る。
坂を登りきったところで眼前に広がったのは、緑豊かに連なる山々。その山肌を縫うように道路が走っている!海岸ワインディングから、いきなりの山岳ワインディングへの変貌。
そのダイナミックな変化に驚嘆!
     
  山岳ワインディング区間も走り応え十分。
前半は急勾配をヘアピンコーナーの連続で駆け上がる加減速の激しい区間。ヘアピンのイン側はクルマのノーズが完全に上に向いてしまうほどの勾配だが、コーナーとコーナーの間のストレート区間が比較的長く、2速が吹け切る。 程々で3速に上げてコーナー手前、余裕を残してブレーキ、シフトダウン、そのままブレーキを残しつつステアリングを切り、クリップを通過したあたりでじわっとアクセルを入れる。
登りで早くアクセルを開け過ぎると、フロントが浮き気味になって理想のコーナリングラインが描けない。タイヤのグリップ、トラクションを感じながら愛機を駆る。
                           

龍泊ライン唯一の展望台、眺瞰台は、さすがに一番高いところにあるだけあって雲の中でした。
しかしさっきまで海沿いを走ってたのに、この短い距離で雲の中まで来てしまうとは・・。

 
                     
             
                   
 

眺瞰台を過ぎると、道はそれまでと比べて平坦になり、激しさを潜めます。
ただ、小刻みなコーナーが連続し、ステアリング操作は休む暇もない感じ。勾配区間が比較的エンジンパワーに頼る区間だとすれば、後半はフットワークの良さが問われる区間でしょうか。

 

そうそう、最近どうも足回りに違和感を感じてるんだよね。。
車体が余計な動きをする感じ?足回りから上の車体の動きが大げさで、次の動きにスムーズについてこない、そんな感じがする。
ま、原因は見当ついてるんだけど。今年の冬は足回りの改善かなぁ。

         
 
                   
                           
龍飛崎に到着したところで、龍泊ラインは終了。
かなり、というか、最高!のワインディングでした。ここは絶対オススメです!
長さも適度だし、いろんなコーナーが揃ってる。風景も山あり海ありで楽しめること間違いなし!
いやはや、想像以上に素晴らしいコースでした。
                           
                           

さて龍飛崎ですが、ここは見所がたくさんあります。

まず、道の駅「みんまや」を併設している「青函トンネル記念館」(すいません、写真はないです)。
青函トンネルがいかなるのもかを紹介する施設で、真下の地中にある龍飛海底駅にケーブルカーで降りることもできる。
ここは一度行ったことがあるので今回はパスしておきました。

                           
誰もが知ってる石川さゆりの「津軽海峡冬景色」。の2番がでっかく刻まれた碑です。
2番「ごらんあれが龍飛岬、北のはずれと〜」と始まるので、ここでは2番が主役。
石碑の前にある赤いボタンを押せば、いつでもあなたのために、石川さゆりが(2番だけ)熱唱してくれます。
昔、この碑の前でテント泊したことありましたが、なかなかの大音響で叩き起こされた鮮烈な思い出(!?)がある場所です。
 
                           
  メインはやっぱり灯台かな?結構な人出で駐車場はいっぱい。
岬には、さっきまでの曇り空が嘘のような青空が広がっていました。 海の色が青い!
歌のイメージからか、えらく哀愁の漂う海ですが、そんな印象は微塵も感じられない本日の津軽海峡。
しかし、 緑と青のコントラストはいつどこで見てもいいもんです。
                   
         
                 
駐車場の脇から海岸に降りられる遊歩道は、あまり知られてない穴場。
見ての通り最高の景色を独り占め。遠くには北海道(松前か知内のあたりかな)が霞んで見えました。
 
                           
岬の駐車場には3件の売店が出てますが、店頭で売ってる魚介はどれもすごく美味しそう。
思わずツブ焼と焼タコ(たこ焼ではない)を食べてしまった。そんじょそこらのとは違って、新鮮で大きくてウマイよ!地物だから安いし。
                           
    道路マニアとして、ここははずせないでしょう。日本で唯一、階段の国道です。
当然クルマは通れません。バイクも無理。正真正銘、歩行者専用の国道。
東側から伸びてくるこの国道は、岬の漁村の中に入ると路地裏に折れ曲がって、この階段になって、登っていくとさっきの石碑の横あたりに出てきて、そのまま小泊方面に伸びていく。
つまり、本当に連続する国道の一部が階段になっているわけ。じゃあ、クルマはどうすんの?ってことになるけど、心配は無用で、ちゃんと迂回路があります。
階段は長く、結構ハード。ここも一度登り降りしたことあるので、今回は写真撮影のみ。
それにしてもたくさんの人が撮影してました(国道の標識と)。おそらく、日本一有名な国道であり、日本一人気のある道路標識でしょうな。
                           

龍飛崎がこれだけ晴れてるってことは、龍泊ラインも晴れてるかも、という淡い期待が沸いてきたので、龍飛を出発した後、再び来た道を戻る形で、龍泊ラインを往復してしまった。
うーん、やっぱりこの道気持ちイイ〜。何回走っても飽きないね、これなら。

でも本当に何回も走ってると他の道を走れなくなってしまうので、今日はこのくらいにしておいて次へと急ぐことにしました。

                           
 

県道281号線

国道と平行して走る裏道。
せり出した岬の斜面を走っているのに、高速コーナー主体のハイアベレージコース。通行量は皆無。龍泊ラインで遊び過ぎた時間の遅れを取り戻すにはうってつけの道だったね。

   
                           
     

青函トンネル入口

国道に戻ってわりとすぐに、表示に従って田んぼの間を300mほど入っていくと青函トンネルの入口が。
あっさりしたもんです。

 
                           
 

国道280号線

津軽半島の海岸線をぐるっとまわる感じで走っているので、東岸にさしかかると、海の向こうに向かいの下北半島が見えてくる。
明日は向こう岸に行くのだ。

   
                           
     

青森市街

さすがは終着駅の町。青森市は賑やか。
市内のメインストリートは渋滞気味。

青森市からは国道103号線を南下していく。
103号は八甲田山麓に向かう観光道路。やはり交通量は多い。

 
                           
 

国道103号線

八甲田が間近になると、道は深い森の中を突き進む。
とってもおそーい車に詰まって、ぞろぞろ隊列走行。長期休暇期間は普段あまり運転しないような人の車も観光地に繰り出してくるので、こういう状況は非常に多い。
我慢の走行が続く。

   
                           
   
                           
 

青森市街から20km足らず。名湯揃いの青森の中でも、ダントツの人気温泉です。

この日はもっとも混む15:00頃到着だったので、溢れかえるほどの人、人、人。
運良く駐車スペースはすぐ見つかったけど、その後駐車待ちの車の列ができていました。

   
この温泉についてはこちらでどうぞ→青森名湯案内酸ヶ湯
     
酸ヶ湯からさらに103号を南下。
この辺は本当にブナのトンネルの中を走るといった感じで爽快だ。道路の上の方まで張り出してくる生命力に圧倒される。
オープンカーだとさぞかし気持ちのいい道だろうな。少しでも爽やかな空気を味わいたくて、窓全開にして走り抜ける。
こんな道ですが、時折小さく回りこむタイトコーナーが連続する区間もあるので注意。
     
 
     
 

ここも国道沿いにある一軒宿。深い森に囲まれた歴史情緒ある建物が特徴です。
さっき酸ヶ湯に入ったばかりですが、今回の旅では、できるだけたくさん温泉を味わってこようと考えていたので、ここも迷わず入浴しました。

             
  この温泉についてはこちら→青森名湯案内蔦温泉
             
     

蔦温泉を出る頃には既に日も傾きかけていたので、早めに今日の寝床を確保しなければ。
今日の八甲田周辺は天気も良さそうだし、どこかでテントを張ろう。確か田代平の辺りにキャンプ場があったはず。

ところがこのキャンプ場が探せど探せど見つからない。おかしいなぁ、ちゃんと地図には載ってるのに。
結局キャンプ場は探せずじまいで、八甲田の東山麓の田代平と思わしき草原が広がる中の、道端のちょっとしたスペースでテントを張ることにしました。

闇に沈みゆく八甲田を拝みながら就寝です。。

     

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クルマとバイクの話が出たので。。

クルマでどこか走りに行くことを、私は「ツーリング」と呼んでいる。
ツーリングはTouringと書くので意味的には正しいと思うのだが、ここ日本で「ツーリング」と言うと、バイクで旅することを連想する人がほとんどらしい。
実際、手元にある国語辞典によると、「ツーリング=バイク(自転車)による遠出」とある。(それなのに「ツーリスト」は単に「旅行者」となっている)
それほど2輪車で旅することは市民権を得ているのだろうけど、悲しいかなクルマで各地を旅することは普通ではないらしい。車輪の数が増えると認められなくなってしまうのである。
やってることはバイクと大して変わらないと思うのだが。。

バイクは全身を使って運転するし、雨風の影響を直接受けるので、ちょっとMな感じの乗り物だ。それに対して、クルマはそこまで肉体を虐げない。
バイクの人から見ると、クルマはラクチンな乗り物だろう。今時のミニバンやオジサンセダンはまさしくそうだ。

しかし、私のクルマはそうではない。
一般的なクルマの印象から比較すると、EK9はうるさいし乗り心地悪いしエアコンも効かない。慣れない人がポンと乗ったら、ギクシャクしてまともに走らせれないだろう。
そのかわり、ワインディングをある程度のペースでトレースしていくとき感じる快感は何にも変えがたい。不要なものは捨て去った、走ることだけに特化した性能をもつクルマなのだ。
そういった意味では、かなりバイクに乗ってるカンジに近いと思う(乗ったことないからわからんけど)。エンジンもバイクみたいによく回るし。

なので、クルマ(EK9)で遠くに走りに行くのも「ツーリング」と表現したい。
これが別のクルマなら言葉を選ぶけどね。