奥薬研温泉「かっぱの湯」

4日目の朝は、まず贅沢に朝風呂を頂く。
贅沢とは言っても、ここも昨日の「夫婦かっぱの湯」同様、無料なんだけどね。

この温泉については昨日と同じくこちらで
青森名湯案内奥薬研温泉

 
                                   
本日はまず、下北半島のもうひとつの岬である、尻屋崎を目指すことにしています。
昨日来た道を大畑町まで戻り、国道279号をむつ市まで南下。県道6号線にスイッチして、あとは岬の先端まで一気。
                                   
 

県道6号線

むつ市と尻屋崎を結ぶこの道は、大間崎よりもよっぽど最果ての感じがします。道路脇に何にもないよー。田畑すらありません。
尻屋崎からフェリーが出ているわけでもないので、特に用がなければ行くようなところでもないからかな。
そのわりにトラックがやたら多い。なんで?

                         
         

尻屋岬港には巨大なプラントがそそり立っている。
最果ての風景にかなりミスマッチな巨大構造物。

トラックが多いのはこのせいなのかな?

                                   
   
                                   
 

県道からそれて尻屋崎に向かう道には遮断機が。

尻屋崎は岬全体が牧場になっていて、この先放牧されている動物たちに対する注意を促すためのもの。

   
                       
           
                       
    放牧されているのは「寒立馬」と呼ばれる馬。体の大きな道産子のような馬です。
この先、彼らの生理現象によって道路は大変なことになってます(笑)。
 
                                   
 

尻屋崎灯台

全国でも最大級の光量を誇る尻屋崎の灯台。
広々とした牧草地に端正なそのフォルムが映える。
大間崎に比べると人気はからっきしのようで、人の気配の薄い寂しい所。駐車場の場所もわかりにくく、その広さも数台程度。もっと人が集まってもよさそうな所なんだけどなぁ。

   
                                   
   

尻屋崎を巡る道路は、2車線で道幅も広く快適。通行するクルマはもちろんいない。
放牧されている寒立馬とその排泄物に気をつければ、至極快適な道。

と思ったら、この先で工事をやっていて、未舗装路をそろりそろりと走ることになってしまった。

尻屋の集落内は道が狭いので要注意。

 
                                   
 

ところで、今回の旅(特に下北半島)では、要所要所で同じクルマに会ってしまうということが多々ありました。
観光名所が限られているので、みんな行く場所がそんなに違わないってことでしょうか。

写真のプジョーもその1台。私より少し年上の方が一人で乗っておられました。恐山に行く途中や仏ヶ浦などで見かけましたが、日を跨いだにも関わらずまた会ってしまった。
こっそり車内を見てみると、私と同じツーリングマップルが。。そりゃ行くとこ同じになるかも。

 


品川ナンバーの206と練馬ナンバーのEK9
(最果ての地にて)

 
                                   

県道248号線

尻屋崎から県道6号を少し戻り、県道248号を太平洋側を八戸方面に向かう。
手つかずの 原野を貫く道路は、ただひたすらにストレート。 風を切って走る快感が味わえます。
ただひたすらまっすぐといった感じなのでワインディングとは呼べませんが、道を走る車は皆無で、とても気持ちのいいコースでした。

 
                                   
 

国道338号に合流した後、さらに南に進む。

途中、朝飯をと立ち寄った食処「松楽」で、朝から贅沢と思いつつも生ウニ丼を頂く。
海のものは何を食ってもウマイ青森だが、このウニも新鮮でとても美味。

ずいぶんな食い道楽だなぁ、と感じられるかもしれませんが、実質1日2食(うち1食はおやつ程度)しか食べてないので、そんなでもないですよ。1日1回満足できるものを食べて、あとはもう別に何でもいいってカンジの毎日でした。

                                   

さらに国道338号を南に進むと六ヶ所村に入る。
道路はこんな辺鄙な場所にも関わらず、かなりの高規格。道幅は広く、架かる橋も立派。
それもそのはず、この辺りは国の核燃リサイクル施設が配置されている場所。広大な敷地には物々しいまでの警備がしかれている。
その一帯を除けば 、六ヶ所村はのどかな田舎の風景。Aコープで本日の夕飯の食材を買い足して、そのまま野辺地の方へ向かう。

野辺地町の市街地から再び国道4号線に入り、青森市方面を目指す。

                                   
   
                                   
           
                                   
   

県道9号線は、陸奥湾に突き出す小さな半島、夏泊半島を一周する道。湾内の海を間近に見ながら、快適なシーサイドドライブを楽しむことができる。

今回は反時計回りに周遊してみました。
大島のある夏泊崎まではほぼ2車線。青森市に近いためか訪れる人は多く、交通量はそれなりにあります。道路沿いにはキャンプできそうな場所が多数。もちろんどこでキャンプしてもいいわけではないけど、いつかまた訪れたときは宿泊地候補になりそうな予感。

夏泊崎から先は、1.5車線あるかないかの狭路。ここは結構走りがいのあるワインディング。でもすぐに前走車に追いついてしまい、何となく消化不良のまま走り切ってしまった。ちょっともったいなかったかな?

   
                                   
               
                                   
    夏泊半島では素晴らしい青空に恵まれました。心地良い海風にあたりながら小休止。これから八甲田の方へ戻っていこうかと思ってるんだけど、具体的にどこに行こうかな。
持参した資料なんかを見て、しばし検討。黒石の山中にある青荷温泉が、入浴は15:00までとある。現在11:15頃。今から目指せば今日入れるかも。
そんな感じで、八甲田の森を横断して、青荷温泉にいざ行かん!と決定したのでした。
   
                                   
国道4号の青森バイパスから県道40号に入って、八甲田の樹海を抜ける。国道103号の抜け道かと思いきや、意外と交通量は多い。
国道103号に合流した後は、2日前と同じルートで酸ヶ湯方面に向かう。
その酸ヶ湯直前の城ヶ倉温泉前で国道394号にスイッチすると、すぐに城ヶ倉大橋が見えてくる。
                                   
 

城ヶ倉大橋

何の色気もない橋ですが、そのスケールから伝わってくる構造美が素晴らしい。
このアーチ形式の橋としては、支柱間の長さが国内最大(255m)とか。 確かに山と山をつなぐようにして橋を架ける強引さには恐れ入る。
橋の両端に駐車帯があるので、写真撮影には事欠きません。

                                   

国道394号線

八甲田から黒石市の方に抜けるルート。
有名な観光地である八甲田の中では、比較的空いていて走りやすい道。
山道の割に単調で、あまり印象がありません。

 
                                   

黒石温泉郷で国道102号と合流する交差点でハプニング発生。
なんと、この先青荷温泉方向の国道で落石が発生し、国道が通行止になっていたのでした。
せっかく遠路はるばるここまで来て、楽しみにしていた青荷温泉(青森の温泉の中ではここにいちばん行きたかった)に行けないのは心残りが大き過ぎる。何とかして行く方法はないものかと、すぐさま地図上でシュミレートしてみたが、どれも時間がかかり過ぎて15:00に間に合わなさそう。

仕方なく、通行止の看板の前で交通整理をしている若者に、事情を話してみる。青森弁丸出しの彼によると、青荷温泉に行くことができる迂回路が用意されているとのこと。訊いてみるもんである。

この迂回路がまた緊急で即座に設定したのがまるわかりの悪路。虹の湖というダム湖があるのだが、これの管理用の道路なのだ。
普段はまったく使われないようで、路面は汚れ放題、すれ違いが困難な1車線の道を延々走ることになってしまった。それでも今はこの道を使って行くしか方法はないので、ひたすらダム湖の輪郭をなぞるように走っていく。

ようやく国道に戻ったら、そこに青荷温泉に入っていく分岐があった。反対側はここから先が通行止になっているようだ。

青荷温泉には、7km程の山道を青荷渓谷に向けて入っていく必要がある。
道の途中には宿が設けた看板が無数に立っている。別に宣伝用の看板が立っているわけではなく、青荷に向かってくる人に語りかけるような内容で微笑ましい。ただし、青森弁で書いてあるので意味するところはイマイチわからなかったりする(それが狙いかもしれんが)。

                                   
   
                                   
   

渓谷にひっそり佇む山間の秘湯、青荷温泉。

ここが一躍全国区になったのは、今だに電気を使わずランプで明かりを灯しているのが知れ渡ったから。
人気の温泉なので俗化されていないか心配でしたが・・・

 
                       
    この先はこちらでどうぞ→青森名湯案内青荷温泉

青荷温泉ではずいぶんとゆっくりしてしまったので、そろそろ本日の寝床を気にしなければなりません。
昨晩寝る前に地図を見ながら十和田湖畔にキャンプ場をチェックしておいたので、ここからの距離もちょうどいいしそこで決定。国道102号線を十和田湖方面に向かいます。

この国道102号は十和田湖に向かう裏道的なカンジの道路。道は所々狭く、タイトコーナーが連続する区間もある。滝ノ沢峠を越えるとすぐに、十和田湖を周遊する道路に分岐する。キャンプ場は南下する国道454号に入ってすぐだ。

ところが何を思ったか、分岐を勘違いして逆の国道102号の方へ直進してしまった。
このまま行くと奥入瀬を経由して、十和田湖畔で一番賑やかな乙女の像の方に向かってしまう。
しかし、十和田湖はその周りを完全に一周できるよう道路が整備されているので、このままぐるっと一周してキャンプ場に入ることに。

                                   

国道102号線(十和田湖北側周遊区間)

十和田湖は、誰もが知っている有名な観光地。なので、周辺の道路は観光バスなども多く、常に渋滞ぎみ。
ところが、湖の北側を走る国道102号線の区間は、メインの観光スポットから外れている上、湖面よりかなり高いところを走るので、ほとんど車通りがありません。

                                   
 

コースはタイトコーナーが連続するテクニカルレイアウト。
特に御鼻部山の展望台前後は気合が入ります。勾配はそれほどきつくなく、ブナのトンネルを疾走する快感を味わえますが、道幅が狭いので、ごくたまに現れる対向車には要注意。

                         
               
           
奥入瀬バイパスとの分岐を過ぎると、ダウンヒルの低速コーナーがしばらく続く。交通量が少ないため路面が汚れている上、スノージェットで視界が奪われ、かつ内部はウェットの場合もあるので慎重にいきたいところ。
                     

道路が湖面と同じレベルになるくらいまで下りてくると、ストレート主体の構成になります。

このバイパス分岐から奥入瀬入口の子ノ口までは、通行量がさらに少なく、このときは1台のクルマとも会うことはありませんでした。

   
 
           
このように102号は、車の多い十和田湖周辺では、かなり穴場的なスポットという印象です。
途中に何かイベントがあるわけでもなくただ走り続けるといった感じになってしまいますが、それだからこそ通る車がほとんどおらず、純粋に走りが楽しめるんではないでしょうか。
 
 

十和田湖畔のメイン観光スポットと言えば、この乙女の像。高村光太郎の彫刻で、湖に突き出した半島の砂浜にあります。

この辺りはお土産屋さんが林立し、とても賑やか。一人旅には場違いな感じがしないでもない。
駐車場が妙にわかりづらいのもなんとかならないかなぁ。

   

この後、本日の宿泊地である「滝ノ沢キャンプ場」まで走り、ほぼ十和田湖を一周して本日の旅を締めくくりました。

結果的に、十和田湖一周をほぼ一気に走ったわけですが、これは距離も長く変化に富んでいるので、かなりタフなコースです。クルマにも結構負担がかかるので、万全を期して走りたいところ。まぁ、普通はそんな走り方しないでしょうが。。。でもおもしろいです、かなり。
ただ、奥入瀬子ノ口から発荷峠分岐までは通行量が多く、路駐も多いので、ペースには十分注意したいところ。この辺りは力を抜いて、景色でも眺めながら走るのが良いでしょうね。

   

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今回の旅は、青森の名湯を総ナメにしてる感じだ。

東北の温泉は本当に極上揃いで、しかも密集しているエリアが多いだけに、どこに行こうか本当に迷ってしまう。
また、東北には関東などと違って温泉街というものがあまりない。
見渡す限り自然の一軒宿に極上の湯がこんこんと涌き出ているパターンがほとんどだ。

歴史ある山間の一軒宿となると、何もしないでも勝手に涌き出る源泉(自然湧出という)に身を浸すという、温泉好きならたまらない環境が用意されている。
当然、自然に湧出するものをそのまま湯船に溜めているわけだから、熱かったりぬるかったりするのは当たり前である。常に40℃に保たれているっていうのは、裏で加熱しているか水を足して割っていると思った方がいい。

ところで、温泉に行くとよく見る風景がある。
こんこんと湯船に注がれる貴重な源泉に対し、「熱い熱い!こんなの入れるか」と言ってわめく客。確かにお湯は熱い。源泉そのままなんだからしょうがない。
でもこれは、単に温泉への入り方が間違っているだけなのである。

熱く感じるのは、身体がお湯の温度に慣れていないだけ。
温泉に入る前に掛け湯をしましょう。
1回や2回じゃないよ。20回くらい。最低でも10回くらいかな。
ちょろちょろ掛けるんじゃないよ。身体全体に。首筋のあたりからかぶるとグー。
するとアラ不思議。さっきまであんなに熱かった湯船にすんなりと入れてしまうはず。
是非、お試しあれ。

実はこれ、別に私のオリジナルでも何でもなくて、ちゃんとした温泉の入り方(のはず)。
これをやってるかどうかで、「あ、この人なかなかの温泉通」とか「ただの観光客だなこりゃ」なんて値踏みしたりしてます。
掛け湯もしないで熱いからと言って水を足すのは言語道断。自らせっかくの温泉を台無しにしているようなもの。他の人の迷惑になるのでやめましょう。

でもまあ何事にも限度はあるわけで、極度に熱い場合は何をやっても熱いわけで、そんな温泉はのぼせない程度(水を入れていい場合もある)に楽しみましょ。