東北縦断!DANGANツーリング

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  黒崎
   

翌朝、テントを撤収した後、敷地内にある黒崎の展望台へとやってきた。

朝日を受けて暖色に光り輝く台地。海はあくまでも穏やかだ。

鵜ノ巣、北山崎、黒崎と、3つの展望台を連続して訪れたけど、やっぱり鵜ノ巣からの眺めが印象的だった。

                                   

県道44号の最後のワインディングを通過したら、普代の街中に入る。ここで昨日以来のR45に復帰。

R45は緩やかな登りを維持して北上していく。
朝早いこともあって交通量は少ない。気持ちのいいペースを保ちながら走っていく。

 
 
R45は三陸鉄道と並行して走る区間が多い。
長大なトンネルや谷間を渡る豪快な橋梁が、ほとんどの区間を占めるローカル鉄道。
こんな強烈な土木構築物の集合体を、第三セクターの鉄道会社がよく維持できるもんだ。
                 

野田から県道268号で小袖海岸へと向かう。
前回も通ったルートだが、小袖海岸の豪快な風景がアタマに残ってたので、再訪することにしたのだ。
小袖海岸に出るまでは、細い林の中の山道を行くことになる。

                 
県道268号 小袖海岸  
   

その小袖海岸には、断崖の足下に無理矢理道路を取って付けたような険しい海岸道路が通っている。
クルマ1台がやっと通れるくらいの道幅しかない区間も多く、すれ違い箇所には気を使う。

それでもいくつかある停車スペースを利用して、崖に張り付く道路と海上に転がる巨岩、奇岩を眺めるのが楽しい。

 
                 
 
         
 

R45は快走ワインディングの連続で、それだけ走っててもかなり楽しめるのは確かだけど、たまにはこういう険しい道路も恋しくなるのは、全国の様々なワインディングを求めて走り回ってる者の性なのか。。

そういう性に応えてくれるかのように、R45にはこういう脇道が結構あるのだ。時間と相談しながらそれらに寄り道しつつ走れるのも、三陸ツーリングを面白く感じさせるひとつの要因だと思う。

         
                                   
                                   
 

小袖海岸が終わってR45の交差点に来ると、そこはもう久慈市街。

ここからさらにR45を北上して八戸に向かうこともできたが、前回と全く同じルートになんてしまうこと、そろそろ新しい道を走りたくなってきたこと、今日一日で東京まで帰らなければならないこと、等々の要因を考えて、ここで三陸海岸R45のトレースは終えることにしていた。(昨晩地図を見ながらそう決めた)

R45との交差点を直進し、国道281号に入って久慈市街中心部を走る。
すると、街のど真ん中に真新しい道の駅があった。ここで本日最初のトイレ休憩。

 
  国道281号 平庭高原
           
 

久慈からR281をそのまま直進。道路はほぼ西に向かうので、内陸の北上山地の山越えとなる。
盛岡と久慈を結ぶ主要道路だけあって、道路の整備率は抜群にいい。

最初は久慈川に沿って緩やかなコーナーが連続するルート。バイパス的に掘られたトンネルもいくつかあって、終始安定したペースで流すことができる。

       

渓流沿いの助走段階が終わっていよいよ登り始めると、視界が開けた先に爽快なワインディングロードが待ち構えていた。

緩やかな登りを風を切って走り抜けていく。
さっきまでご機嫌斜めで曇り気味だった空も、高原に近付くにつれて青さを増していく。

前がどーんを空いているのは、登坂車線で前走車をあらかたパスした後だから。
かなり長い区間に渡って登坂車線があって、それが終わると白樺林の中に入っていく。

       
 

その白樺林の中がコチラ。
さすがに季節が季節だけあって、まだまだ春の景色は程遠いって感じだったけど、新緑から初夏の季節は凄く美しい緑のトンネルを味わえることになるだろう、ということが容易に想像できる。

峠近くになるとさすがに肌寒なってきた。
スキー場があり、ドライブインのような建物が林の中に現れると、そこが平庭峠。
その後は今まで少しずつ稼いできた標高を、一気に落としていく。

       

葛巻の町に入ったところで、ローソンで朝食とコーヒーを買う。
空はいつの間にか曇っていたが、雨が降る気配があるわけではない。
実はこの日の東北は、太平洋沿岸を除いてあまり天気がよろしくないという予報が出ていた。それをわかっての内陸突入だったから、いつ降られてもその覚悟はしてきたつもりだ。

そんな悲壮な(!?)覚悟とは裏腹に、時折降り注ぐ日差しが淡い期待を抱かせる。
しかし、西に行くに従い、その頻度も少なくなっていく。
R281を八幡平方面に向かって走り続けていくと、周囲の風景は徐々に、特徴ある牧場の風景が占めるようになってきていた。

           
岩手広域農道 沼宮内〜松尾  
               

沼宮内で国道4号に出て、すぐに広域農道に入った。
八幡平へのショートカット路に使えそうだったので入ってみたのだが、実際に走ってみると、丘という丘を次々に越え、周囲の大規模な高原の畑作&牧草風景を眺めながらの絶景ドライブが待っていた。

その風景は、北海道の美瑛周辺の丘風景に似ていると言っても過言ではない。
畑の合間に整列する並木と、台地の中にちょこんと建っている赤い屋根の建物は、北海道の台地を彷彿させるに十分な、メルヘンチックな風景なのだ。

 
                     
         

その風景に驚いて、農道から更に農作業用の脇道に入り込んでエスを停め、風景を楽しみ、写真を撮ろうとしたのだが、そういう所に限ってことごとく農作業中の農家の方々が近くにいらして、視線が気になって早々と退散することになってしまった。

農家のみなさんの大事な畑を風景として楽しませていただいているわけだから、その作業を邪魔してまで居座ることはできない。降車して写真の1枚すら撮ることはできずに、いくつものポイントで立ち去ることに。。。

それにしても農作業をしている人の多いこと。たまたま季節と作業時間がピッタリ合ってしまったんだろうな。

           
R282を横切って県道45号へ。これを行くと、八幡平アスピーテラインに繋がる。ここまで来たら、当然八幡平越えだ!GW始まったばかりだから、アスピーテラインも開通したばかりだろう。
八幡平アスピーテライン
 

県道23号、岩手県と秋田県の県境にある名山、八幡平頂上のすぐ脇をかすめるように越えていくワインディング。
R styleでも既に何度も登場している通り、お気に入りのエリアってこともあり、毎年のようになんだかんだ言って訪れる場所である。

おそらく頂上付近はまだ雪が大量に残っていると思われるが・・・

   
   

前の車列があまりにも低速なので、一服兼ねて撮影を試みる。この場所は八幡平に来る旅にクルマを停めてシャッターを押している、言わば定点観測点みたいなようなものだ。

アスピーテラインを走る時は天候に恵まれないケースがどちらかと言えば多く、こんなカンジで雲に覆われた絵しか撮れないことが多い。
そこんとこいくと、最初にツーレポにした2003年のGWの時が一番天気良かった気がする。

   

スキー場を通り過ぎた辺りから、周囲に残る雪が段々と多くなってきた。
それと共に外気温は急降下。ヒーターのダイヤルを回して、コタツモードへシフト。

                 
外に降り立っても、あまりの寒さにじっとしていられないほどである。
     
     

頂上に近付くにつれて、道路脇の雪壁は高くなっていく。それと同時に、垂れ込めた雲の中に入る形になって、周囲の眺望、というか視界自体が全く効かなくなってきた。

頂上付近は完全に雲の中で、慣れない観光客の駐車場渋滞が発生している。
それを横目に見て通過して秋田県入り。

八幡平はまだまだ立派に冬山だった。

     

途中で久しぶりに寄ろうかと思っていた大深温泉も雪に埋もれていたので、結局アスピーテラインはほとんど停まることなく通過してしまう形になった。
ちょっとレポ的に寂しい気もするので、ここで昨年ここを訪れた際のことを回想で紹介しちゃおう。

実は昨年の秋に八幡平に訪れ、峠から八幡平頂上にトレッキングしたり、樹海ライン走ったり温泉入ったりしているのである。
このツーリングはレポートになっていない。全体として何となく気合い抜けした内容だったこと、単に遠くへ行っただけというカンジだったことが、レポートを作る気にならなかった理由だ。

季節は秋。紅葉真っ盛り。かなり季節外れだけど、八幡平って実はこんなにいいんだよーってのが今回のじゃわかんないだろうから、敢えて回想しちゃいます。

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岩手側からアスピーテラインを登っていく。

紅葉シーズンってこともあって、交通量は絶望的に多かった。まったくワインディングを楽しむ、とかそういう状況ではない。美しい景色と引き換えに、走る楽しみは諦める他ないようだ。

 
           

それにしても、この時は天気良かったんだな(- -;

紅葉はもうピークを過ぎてるかと思ったんだけど、いやいや、十分過ぎるほど色付いてたな。秋とは思えない日差しの下で、山々に黄金が散らばっているかのような光景に見とれていた。

 
       

八幡平の頂上へは、アスピーテラインの峠からさほど時間をかけずに行くことができる。百名山だけどピークを踏むのは簡単で、峠からなら特段これといった装備がなくても登れてしまう。

昔一度歩いたことがあったけど、天気も良かったし、再度八幡平頂上周辺の散歩コースを歩いてみた。

         
       

登山道はほとんど平坦に近く、散歩道に近い。周囲の植生を見てると、あぁ結構山の上なんだなぁと思うけど、歩いている人たちの格好を見てると、その辺の公園の中でも歩いている気になる。

眼下に八幡沼が現れた。
こうやって見ると、八幡平とはますます山というより台地的な地形なんだなーって感じる。

         
  振り返ると、ガマ沼。ずっと向こうには岩手山が浮かんでいる。
こんな美しい景色が駐車場から歩いてすぐに見られるなんて、八幡平ってば贅沢。
   
 
                   

更に歩いていると展望台が現れて、そこが頂上であるとの表示がある。
最後まで急な坂道とかは無かった。こんな楽な登山は他には無い!?

 
                   
 
   
 

展望台から見渡す景色は、水平に広がる原生林。頂上なのに(笑

八幡平とはその名前が示す通り、山というよりどちらかというと巨大な台地なのかもしれない。

それが百名山の仲間入りをし、ひとつの山としての認識が広まっているだけのことなのかも。

ただ山らしくないから良くないということはなく、逆にこれだけ短いトレッキングコースの中で様々な美しい景色が気軽に楽しめるのは素晴らしい。

これだけ気持ち良かったんだから、ツーレポにしといても良かったな・・・(写真も昨年の方が見応えあるし・・)

 
       

この後、峠直下の藤七温泉彩雲荘へと立ち寄った。
八幡平の一軒宿温泉群の中では最も高所に位置する昔ながらの湯治宿だが、観光バスも訪れるほどの盛況ぶり。完全に芋荒い状態だった。。

その他にも後生掛温泉にも寄っている。八幡平の温泉はどこも素晴らしい。それぞれに個性があって、毎回どこに入るか悩んでしまうナァ。

   
     
   

この時はアスピーテラインだけでなく、樹海ラインも走っている。どちらも混んでいて、のんびりドライブになってしまった記憶があるが。

いつも人が多いので休日に訪れるのは厳しいものがあるが、これだけの景色が楽しめる魅力が八幡平には存在しているのだ。

           
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ハイ、現実に戻りましょう。

昨年の紅葉ドライブとは全くイメージとしては正反対のグレーな景色が支配していた今回。
頂上付近は雲の中で、視界ゼロ。少し下りてくると雲から逃れることになり、うねる路面をトレースしていく。

アスピーテラインはそれで終わり。
国道341号とのT字路で、左に折れる。

             
           
国道341号 八幡平〜田沢湖

R341に入ったところで、それまで持ちこたえていた曇り空から、大きな雨粒がぽたりぽたりと。。
仕方ないので一旦ルーフを閉じる。(八幡平の雲の中でも当然ながらオープンだった)

大深温泉がダメだったので、じゃあ玉川温泉、っていう気分だったが、今度は満車で敷地にすら入れなかった。。。

 

もう温泉はいいや、ってカンジになって、更にR341を進む。雨は落ち始めてきた段階で止んだり、また降り出したりを繰り返している。

長い山岳国道であるR341。原生林の中を走り続けているうちに、今度は晴れ間が。。
長い隊列から逃れるためにトイレ休憩した時に、再びルーフをオープン。

 
   
田沢湖周遊道

乳湯温泉郷との分岐で、正反対の田沢湖に向かう方向にノーズを向ける。

田沢湖には湖畔をしっかり一周できる道路がある。全長約20km程度。今回は半時計回りに半周するだけにした。
というのも、ここも昨年の秋に走ってるからであって、その時に比べれば天気もイマイチだし、通り過ぎるだけでいいか、という気になってしまったからだ。

         

田沢湖を半周もしないうちに、県道38号に沿って湖畔の道から離れる。
と、同時に、再び空からぽたぽたと雨粒が。。

ルーフを閉じるほどでもないかな、と思ったけど、一応停車してクローズド(エスはサイドブレーキを引かないとルーフが閉じられない機構になっている)
走り出したらすぐに、大粒の雨がどどどどっと降ってきた。ナイスジャッジだった。

そのまま国道105号まで走り、角館方面へと向かう。

     
 

今度の雨はしばらく降り続いて、角館、中仙とクルマを降りずに走り続ける。
ちょうどこの時期は角館で桜祭りが催されているはずで、以前その影響で大渋滞に巻き込まれたことがあったのだが、この日は雨だったからか、ほとんど混むことなく通過できた。

中仙を過ぎて大曲に近付く頃に、再び陽が射してきた。大曲のローソンで小休憩した際に再びルーフオープン。空はまたまた曇りつつあったが・・・

                     

案の定、再び雨粒が落ち出してきた。
慌ただしく再びクローズドした後に本降りに。。今回のツーリングはルーフ閉じるタイミングが抜群(笑
しかし、短い時間で晴れたり降ったりと、変な天気である。

今度の雨は結構ヒドかった。
かなり豪雨に近いカンジで、視界は遮られ、路面には落ちた枝葉が散乱している。
路面も水が浮いていたが、POTENZA RE050の排水性能は揺るぎない。終始安定したグリップを保ちながら、R105を由利本庄に向かって西進する。

 
                     

R105を走っていると、大内の道の駅を過ぎたところで日本海東北自動車道のICがあった。

昨年北海道ツーリングの際に国道7号を北上した時にはまだ開通していなかったが、既に本庄の南側の仁賀保から秋田までの区間が開通、しかも岩城までは無料共用中している。

時間短縮のため、早速無料高速に乗って本荘の街中をショートカット。
新しい道のはずなのに、妙に路面が波打ってるのが印象的だった。

この日本海東北自動車道、ほぼR7沿いに日本海沿岸を通る高速道路で、秋田から仁賀保まで開通していることを考えると、秋田から先の秋田自動車道と合わせて、仁賀保から能代の先の二ツ井の間を高速でカットできるということになる。
うち半分くらいは現状無料共用中だから、急ぎの旅で青森や北海道方面に向かうケースが幾分楽になるかも。

仁賀保でR7に合流。ガソリンの残量が心もとなくなってきていたので給油する。その際にルーフを再びオープン。日本海沿岸は眩しいほどの晴天だった。やっぱりヘンな天気。

     

R7を酒田方面に向かってジリジリ走る。
時間的にもそれほど余裕があるわけではなくなってきていたので、この先どの道を選択するかは限られつつあったが、ここまで来たら、やはり鳥海山はハズせない。

八幡平アスピーテラインを走って、さらには鳥海ブルーラインも堪能する。あぁなんて贅沢なツーリング。

象潟で県道58号に折れる。目の前には雄大な鳥海山!のつもりだったが・・・

 
     
  鳥海ブルーライン
   
 

雲の中だったorz

ていうか、この道ほとんど晴れてたことないんですけど。。来る時期が悪いのかな。

1合目から順を追って徐々に駆け上がっていくワインディングはスリリング。路面はややバンピーで、コーナーはかなりトリッキー。牡鹿コバルトラインとの違いは、急勾配なのと低速コーナーが主体だということ。
典型的な山登り系のワインディングロードである。

アスピーテラインと同様、時期的には開通したてだな、よく考えると。最高地点に近付くにつれて、道路脇は雪の壁になっていく。

あぁ昔もこんなことあったなぁなんて思い出す。2003年のGWのツーリング時に寄っているのだ。あの時もこんなカンジで視界が利かずに通り過ぎたのだ。

当時との違いは、クルマの違い。
エスのルーフは開けっ放しで、周囲の空気は雪の冷たさから想像できる通り。ヒーターをゴーゴー言わせて駆け上がっていく。

   

登り切った辺りには鳥海山登山の基地になるレストハウスがあり、広大な駐車場があるハズなのだが、濃霧で入口すらよくわからない状態。

クルマから降りると、悪天候のヤマで遭難したかのような寂しさ。
こんな状況でもドライブに来てるのか、結構クルマは走っている。

晴れてたら眺めのいいワインディングなんだけどねぇ。。

       

そのまま山形県側を下っていく。
鳥海ブルーラインはピストン型の登山道路ではなく、山形側と秋田側にそれぞれルートを持つ峠型のワインディングロードである。

どちらもたいした違いはない。上の方はこれでもかと低速コーナーが連続し、下半分はストレート比率が多くなる。

視界が開けた中高速区間でエンジンを回して楽しむ。コーナー手前でギヤを落として加速に移る、一連の動作が本当に気持ちイイのだ。

 
       

やがてR7に復帰を果たす。完全に寄り道で景色もへったくれもない状態だったけど、満足感があった。
こういう寄り道とも思えるような、走り甲斐のある道を走ってこそのツーリングなのだから。

R7を走って、酒田、三川を通過。交通量が多く、ペースが大きく落ち込む。
鶴岡でもそれは変わらず。そのままR7で海岸沿いを行くか、R112で月山越えか。
ただそれらはどちらも夕方にかけて混んでそうな感じがする。気分的にはそういったメジャー路線よりも、ちょっと寂しい山道をブンブン行きたい気分。
思えばこの日太平洋側からいろんな道を走ってるにもかかわらず、まだちょっと物足りない、というかここまできたらもっと走ってやる〜的なアブナイ自分がいるのだ。

で、白羽の矢が立ったのが、国道345号。笹川流れの国道だが、鶴岡と山形県境の間はいかにも寂しそうな山峡の1本道として地図に描かれ、気にはなっていたけど今まで走ったことのないルートだった。

       
  国道345号 鶴岡〜鼠ケ関
   
 

R7を鶴岡ICを過ぎたところで県道に折れて、湯田川温泉方面を目指す。写真はその県道部分。
やや夕方の色合いになった田園風景が美しい。

湯田川温泉前からR345に入る。
写真で前を走っている軽四が、R7からずっと前にいる。どうせすぐにどこかで曲がってくだろうと淡々とついていったけど、なかなか前からいなくならない。

         

そうこうしながら相当な距離を走るハメに。。
いくつもの峠を越えてトンネル抜けて、相当山深い集落でようやく脇道へと消えていった。

ここまで道路は非常に整備されていて、走りにくさは皆無だった。R345のこの区間って狭路区間として知られていたような気がするのだが。。

 
               
   
       
 

と思ってたら、ちゃんとありました。

関川という集落を抜けると、おもむろに道は狭くなり、最初は路肩線もあったんだけど、そのうちそれも無くなってしまった。

 
             

こりゃあ相当気合いの入る酷道だ。道幅はクルマ1台がやっとで、時折現れる対向車に幾度かバック回避を強いられる。
それに加え、夕暮れの薄暗くなりつつある時間ということもあって、暗い森の中へ飛び込んでいくのはなかなかスリリングなものがある。

この道に果たして終わりはあるのだろうか・・・

間違いなく道が続いているのはわかっているのだが、何となく不安を感じざるを得ない時間帯である。

                 

ちゃんと道は続いておりました。

鼠ケ関でR7に再会。左折すると直後に新潟県入り。その後、日本海を望むシーサイドウェイをひた走る。

羽越本線と並行しているこの区間、途中特急列車とすれ違う光景を楽しんだり、今にも沈みそうな夕日の風景を楽しんだり。。

って言っても雲の量は多めで、日本海に沈んでいきそうな太陽の存在を何となく感じながら、ってなだけ。

                     
国道345号 笹川流れ
                 

R7からR345が再び別れる分岐(正確には重複区間ってだけだけど)では、ほぼ迷いなくR345を選択した。

ここから先のR345は言うまでもなく笹川流れであり、僕の場合はよほど特別な理由でもない限り、特徴のない山中を走るR7よりこちらを選択することになる。

昨年北海道へ向かう途中ではわざわざR7を使ったが、あれはいつもR345を使うばっかりにR7を通ったことがなかったから。

       

海際を海岸線に沿って駆け抜け、行く手を阻む巨岩の内部を通過する。そんな豪快なルートを、日本海の白波を眺めつつドライブするのは、この上ない贅沢かもしれない。

夏場は海水浴で相当な混み具合になる道路だが、この時期この時間であれば、静かにシーサイドワインディングを楽しむことができる!?と思ったが、微妙に隊列の一部になってしまった。
道の駅で回避しようとしたが、閉店しかけだったので停まらずパス。

                     
                     

堤防脇にちょうどいい路肩の駐車スペースがあったので、しばらく夕闇に落ちていく日本海の風景を愛でることにした。
夕日は残念ながら、海上に積層する雲によって正確な位置を判別することはできなかったけど、微妙にオレンジがかった空と、その色彩を受けたターコイズブルーの海が不思議な色合いで光り輝いている光景を味わった。

海上に浮かぶ黒影は粟島だろう。
地図上では小さな島だが、こうやって対岸で目の当たりにすると、なかなか威風堂々として見える。

                     
                     
周囲の明るさが海と空に吸い取られるようにして急激に変化していく。
飛沫を上げる日本海と、それを照らす恥ずかしがり屋の夕日の景色が、この旅の最後に焼き付いた景色となった。
                     

笹川流れは瀬波温泉までで、温泉通過後も海沿いの道を行く。
R113を経由して、日本海東北自動車道の中条ICに着いた頃には、さすがに周囲は真っ暗。
ルーフを閉じて高速へ。新潟通過後の黒埼PAで夕食タイム。ロクに食べないで走り続けた胃袋にカツカレーはちょっとヘビーだった。。
人間様だけでなく、エスにも燃料を補給してやる。これで最後まで走り切る準備はばっちり。

あとはお決まりの関越自動車道一気乗り。途中、関越トンネル手前の湯沢の登りで結構強い雨に降られた(ここって通る度に雨降られるんだよなぁ)が、その後はそれなりにスムーズ。

埼玉県に入って少し行った辺りで、エスのオドメーターが50000kmを表示した。
40000kmっていつだったけか?
そうだ、去年の秋の能登半島だ。早いような遅くなったような。この間に2号車が導入されたので、ペースは遅くなっているはずなのだが。。

22時過ぎに練馬の自宅到着。明日が仕事であることを考えればこんなもんかな。

2日間の総走行距離は1400kmくらい。
ちなみに2日目に走った距離がその大半で、1000kmに少し満たないくらい。
うち340kmは最後の高速道なので、下道だった岩手黒崎から新潟中条まで600km弱ってとこか。
1日に走った距離としては、最長の部類だったかもしれない。

                     

東北を舞台にしたツーレポは、2006年の4月以来丸2年ぶりで、実はエスでは初めて。(ってことに書きながら気が付いた)
仙台在住時に東北ツーリングを集中的に行っていた関係で、しばらくの間、意図的に封印していたのだ。

仕事で仙台にはこの4月までずっと通っていたので、東北自体久しぶり、という感覚ではなかった(本文中にある通り、昨年の秋にはクルマで訪れているし)が、やはり走り出せば懐かしい記憶、走ることの楽しさを提供してくれる良質のワインディングが揃っていることを再認識できた。

今回の目的と言えば、三陸のリベンジくらいなもので、あとは結構行き当たりばったりだったんだけど、まぁこういう弾丸系のツーリングはいろいろ溜まってる時にはキクわけで(^ ^;;
あ、当初の目的だった三陸海岸のリベンジは、鵜ノ巣断崖、北山崎、黒崎でしっかり堪能できたので任務成功と思われます(汗

またしばらく時間を置いて、旅立ってみたいと思います。

                     
1日目 / Touring S2000
                     
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