S2000 10年の奇跡


2009年1月27日、ホンダから正式にS2000生産終了のアナウンスがありました。
モデル末期だと誰もが噂していただけに、今ここで生産を終えることについては、正直全く驚きませんでした。まぁ、来るべきときが遂に来たか、というくらいでしょうか。

正確には6月末で生産終了とのことで、結構猶予があるので、新車で欲しい人はすぐさま購入計画を具体化してほしいですね。
普通のモデルだと、こういう時には「モデルチェンジ予定」と出るはず。「生産終了」ということはつまり、後継車種が無いことを意味してます。
つまりS2000はこれで最後。同名でいつか復活する可能性は無いことは無いけど、このコンセプトを維持できる可能性は非常に低いと思います。
このパッケージングと性能こそがS2000だ!と思える僕みたいな人には、ぜひとも急いでもらいたいですね。

元を正せばS2000というクルマは、ホンダの創立50周年記念車でした。
SSMというコンセプトモデルから端を発していますが、1998年、創立50年という節目に、ホンダが初めて販売した四輪車S500やその後継のS600、S800といったオープンスポーツの現代版、そして50周年記念に相応しいモデルとして、もてぎで行われた50周年感謝祭で正式に発表されたという華々しい経歴を持つクルマがS2000でした。

翌年4月に販売開始。ワングレード、6MTのみで338万円という価格は2リッターのスポーツカーとしては当時非常に高価でしたが、その異常な回転域を常用として許容したエンジンと、満を持してホンダが送り出したFR駆動の車体性能、加えて爽快なオープンドライブが共存している世界観は、価格云々の世界ではないことをすぐに理解させてくれました。

それでも当時の僕にとっては完全に高嶺の花で、NSXと同類の高級スポーツカーであり、乗れるわけがないと思い込んでいた夢の中のクルマでしたね。
今でも覚えてますが、学生当時、中国道を広島に向かっている時にぶち抜かれた時が、最初にS2000を目の当たりにした時です。あの時の甲高い排気音は、しばらく耳について離れませんでした。

熱狂的な歓迎を受けつつも、販売台数がそれに繋がらなかったのは、今やスポーツカーの宿命ですから仕方無いですね。それ以上にS2000は、ホンダのイメージに大きく貢献してたと思います。それだけで存在価値があった。
忘れてならないのは、S2000は常に進化し続けていたということ。これは、初めからかなりしっかりした基本骨格を持たせていたからこそ可能だったことです。

最初のビッグマイナーは02モデルで、ライトの意匠変更とガラス幌への変更。ジオーレというジェントルなお洒落モデルもありました。
次の04モデルでは、ガラッと外観の雰囲気が変わりました。そっちに目がいきがちですが、実は運動性能に関わる部分もかなり手が入れられていて、まさに熟成という過程が明確になった時でしたね。僕のエスは、この04Mの末期モデルになります。

05年秋にエンジンが変わりました、2.2リッターのF22Cとギヤレシオの変更、ドライブバイワイヤの採用で実用性を補ってきましたが、当時は賛否両論が熱く飛び交いましたね。性能的には正常進化なんでしょうけど、古典的スポーツカーの魂みたいな部分で、マイナー前モデルが逆に見直された時期でもありました。
そして07年にはタイプSが追加。事実上これが最後のスペシャルモデル、ということになりました。

S2000発売から今年でちょうど10年が経過します。
10年前に憧れ、夢の中のクルマだと思ってたS2000が、今は自分の愛車になっている。わからないもんですが、それが故に、10年という時間の重みを感じます。
最近、ホンダには批判的な感情が多いのが事実(頑張ってほしいからですよ)ですが、こと今回の決定に関しては、「よく10年も作り続けてくれた」と拍手を送りたい気分です。
この時代に極端に趣味性が高いクルマが10年も姿を大きく変えないまま生きながらえたことは奇跡、とまでは言わないにしろ、相当すごいことだったのではないかと。。(20世紀のクルマが今だに新車で売られていたわけで・・)

専用エンジン、専用ミッション、専用シャシーと、あらゆるものがこのクルマだけに開発されたという国産では類を見ないほど性能本位のスポーツカーだったS2000。コンセプトはそれだけでは語れませんが、同じようなコンセプトを引っさげた後継を出すことは、今のご時世ではムリでしょう。
だから安易にS2000を名乗る後継車種は出てきてほしくありません。似たようなオープンスポーツがホンダから出てきたとしても、それはS2000には非ず。S2000は世紀を跨いで市販された、運動性能求めんがために突き詰めて開発されつつも、僕らのような単なるクルマ好きにも身近な存在になり得た類稀なるクルマ。そのイメージは簡単に崩れそうにはないので、このままメーカー生産を静かに終えて、ゆっくりと伝説となる道を歩んでいってほしい。そう思っています。

生産は終わりますが、終わってからもユーザーの手元にはまだまだ元気なS2000が残ります。手に入れたければ、中古市場を覗けばまだ程度のいい一台が見つかる状況にあります。大事に乗れば、いつまでもそのドライビングを楽しめると思います。

S2000の10年の軌跡、いつかそれは「奇跡」として語り継がれていく。そんな気がするし、そうなってほしいな。
ひとりのオーナーとしてその「奇跡」に関わり、今まで、そしてここからの伝説に携わっていくことを楽しみにしています。

港町の誘惑


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今年の年末年始は、神戸に滞在していました。
年が明けて間もないメリケンパークは人の影もまばら。
街に関しては、詳しいというほどの密接な関係があるわけではないんですが。

神戸という街は、港の背後に六甲の山並みが迫る特異な地形を持ちながらも発達した大都市で、街中を走ってたら突然山道が始まったりして、地形的にも都市空間的にもすごくおもしろい所。
もちろんその都市史も、興味深い背景を抱えているわけですが。

神戸に限らず、横浜、函館、長崎といった有名な港湾都市には、似たような魅力があります。
特に函館は札幌在住時代に特別な想いがあった街だし、横浜は今現在、公私で訪れることが多く、何かと縁がある街です。

普段はワインディングを走ったり、トレッキングを楽しんだりと、どっちかってゆーと「山」に関わりある場所を好んで訪れているような自分ですが、よく考えてみると、「海」に関わる港町が常に自分の拠り所となっているのも事実。

海があって港があって、すぐ背後には急峻な地形が控えている。それでいてちょっとした情緒ある歴史風情がある。
昔からそういった都市空間属性に、無意識のうちに惹かれているようです。

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シートレール調整


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今日は予定通りASMに行ってきました。

シートレールのガタツキ調整ですが、実は今回が2回目です。
S2000は構造上、シート下のフロアが一部盛り上がっていて、ローポジのシートを組み付けると、位置によっては当たってしまう場合があります。
僕が使っているRECARO RS-Gの場合、その出っ張りに干渉しないようにレール形状が考えられているようですが、ポジションを一番前に出した時は、どうしても当たってしまうみたいです。

普段一番前に出して運転することなんて無いんですが、フロア掃除とかする時に前に出し過ぎると、出っ張りに当たってシートが浮くかなんかして、レールがしっかり噛み合ない状態になってしまうらしいです。
ちょっと気を付ければ全く問題無いことなんですが、長く使ってると、まぁたまにはそんなこともあるってことですね。


横浜はASMに限らず非常によく行く所なので、いろいろアプローチの仕方はあるんですが、最近復路でハマってるのは、湾岸線で葛西まで行って中央環状線で板橋、その先の中台ランプで降りて帰宅というルート。
横浜から東京23区の外回りをぐるーっと回るわけで、明らかに遠回りなんですが、、首都高の割には空いてるルートでびゅーっと走れて気持ちイイんですよね(^ ^)

初乗り


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今日、今年になって初めてエスのエンジンに火を入れました。
昨年磨きに出して藤沢から乗って帰ってきて以来。
さすがにスターターの勢いは、ほんの少し悪かったように思えました。

連日太平洋側は晴天だし、久しぶりに伊豆にでも初乗りに行ってくるかーと前夜までは何となく思ってたんだけど、急遽飲み会が始まって終電帰りになってしまったので断念。(起きれなかっただけですが(汗)
せっかく初走りの気分だったのに乗らないのも心残りだったので、昼も思いっきり過ぎた時間に川越まで行ってそのまま帰ってきました。

お久しぶりなS2000でしたが、やっぱイイんですねぇコレが。
カラダがクルマの機能パーツの一部になるよな感覚。キモチヨカです。
ダイレクトに伝わるクルマの鼓動もまた一興。やっぱコレですよ。

そういえば、ドライバー側レカロのシートレールに、原因不明のガタツキが発生してるんだった。。微動ですが、荷重の移動でコトコト動くのはマズい。
明日ASMで調整してこよ。

乗鞍高原もsnow hike


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上高地は結局7時間以上も歩いた後、乗鞍高原温泉の安宿にて1泊。
翌日はその乗鞍高原を、同じくスノーシューを履いて散策しました。

スキー場上部の三本滝レストハウスまでリフトで上がって、そっからは森の中を、時には夏道に沿って、時には縦横無尽に歩き回る・・・
まっさらな深雪を踏み締めるムギュムギュッという心地良い感触を感じながら、思うがままに冬の自然のただ中を歩く。これが凄く気持ちイイんだ!

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スノーシューといういわゆる洋式の「かんじき」は、雪の上を浮力で歩くことができるので、靴のままだったら埋まって進むことのできない深雪の中を自由自在に歩くことが可能。
夏だったら登山道や散策路しか歩けないのがフツーですが、雪に埋まった地表はスノーシューならどこにだって入って行ける!
そんなシンプルなことなんだけど、これが凄く気持ちイイことなんですよ。

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地形図を確認しながら、設定したルートを歩いて行く。
途中で雪に埋もれかけた沢や、冬期通行止で自然に還ったかのように雪に埋もれた林道に出会い、閉ざされ雪に埋もれかけた山小屋のわずかに露出したベンチで休息をとる。

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ジェットボイルで湯を沸かせてコーヒータイム。暖かい一杯が、冷え切ったカラダに沁み渡る。う〜んシアワセ。

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停滞中に舞い落ちてきた雪は、結晶を保ったまま手元に落ちてくる。
自然に形成する形態とは思えないほど複雑で規則的な結晶。
その神秘的なカタチが崩れてしまうまで、時を忘れて見入ってしまった。

上高地スノーハイク


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正月直後の連休は、上高地をトレッキングしてきました。

槍穂に代表されるアルプスの玄関口である上高地。
類稀な景勝地であるため、夏場は相当の賑わいを見せるけど、真冬のこの時期は静まり返ってました。
静寂が支配する白い世界に踏み入れ縦横無尽に歩くことは、昨年から始めたスノーシューという道具が可能にしてくれます。
昨年に引き続いて、同じ仲間と同じ週末に、冬の荘厳な空気を味わいに出かけたわけです。

昨年と比べると、天気もそれなりに安定してたし(全国的には冬型だったにもかかわらず)、装備も進化させてたので、寒くてツライとかいうようなことは一切無かったのは進歩だったけど、スッキリと晴れるってことがやはり無く、せっかくの上高地で前穂も焼岳も結局拝めずじまい。
そこんところがまぁ、心残りと言えばそうだけど、贅沢は言わないほうがいいね。

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上高地に行ったことある、あるいは知ってるって人には当然のことだけど、ここは夏でも一般車両の進入は禁止。国道158号の松本側に数km離れた沢渡から、バスかタクシーに乗り換えて行くことになります。
道路の繋がっている河童橋まではそれら交通機関で行けるけど、冬は上高地公園線自体が冬期閉鎖になるので、安房トンネル手前の国道との分岐点までしか、バスもタクシーも行けません。要は、冬はそこから歩かなければ上高地には行けない。

今回、河童橋まで歩いて戻ってくるルートを取ったけど、朝早めに歩き出しても1日がかり。ただ距離は長いけどアップダウンがほとんど無いので、そういった意味ではラクだったかも。
それより、梓川沿いにずっと歩いていくので、その清流の美しさに眼を奪われながらの極上トレッキングになります。
ボリューム感たっぷりの山塊と原生林をバックに、どこまでも透き通った梓川の流れを従えながらパウダースノーに足跡を残すことは、天気がイマイチだったことが問題にならないくらいに気持ちヨカッタ(^ ^)

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こんなにキレイな場所なら、夏や秋に来たら、そりゃもう悶絶するくらいに美しいのかも。。
そう、上高地を訪れるのは、実は今回が初めてだったのでした(^ ^;

リアガラスも男前


前述の「衝撃の事実」とは・・・?


ぴっかり工房にて早野サンとエス談義してた時に指摘されたんですが、、、
僕のエスって、幌のガラスにスモークかかってるんですよね。。それも結構濃い目の。

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1059「・・・・えっ、ここって最初っからスモークじゃないの??」

早野サン「そんなわけないでしょう。こんな貼り難いところなのに、キレイに貼ってるな〜って感心してたんですよ」

1059「(o _ 0)!!!」

・・・エス乗りの皆さん!、S2000のリアガラスって、本当(純正)は透明ガラスなんですか??(爆

エスに乗り出して2年半、疑いもせずにスモークが標準だと思って乗ってたんですが!(てゆーか、スモークだって意識したこと自体ほとんどないよーな)(笑

だいたいエスオーナーが集まるオフ会に行っても、みんなオープン状態なもんだから見る機会ないし、第一、幌閉じててもそんなとこに注目しないしなぁ(@_@)
気になってカタログとか見てみると、確かに透明なような・・・・
ググってみるとフィルム施工してるのがヒットするので、やっぱ最初は透明なんだろーか!?

EK9が他のグレードのEKと違ってリアがプライバシーガラスだったので、車格が上がればスモークになると思い込んでたフシがあるんですよね〜。
だからと言って、悪い気がするワケではありません。ブラックボディにスモークリアガラスの組み合わせは抜群にオトコらしい!ので。
しかし言われてみてもフィルムが貼ってあるとは思えないほど、あまりにも自然なんですが・・・
確かにこんなとこよく貼ったもんだ・・・・って誰が貼ったんでしょうかねー(笑

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すっかり自分色に染まったはずのエスに、ヒミツな部分が発覚したというお話でした(^ ^;;

キレイなお肌で新年を


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新年1発目のネタは、昨年末のお話から(笑

年も押し迫った頃に、クオーツコーティングのメンテナンスを行いました。
行ったって言っても僕が自分でやるわけではなく、コーティング元施工の「早野ぴっかり工房」でやってもらったワケです。
思えば、最初にクオーツコーティングしてから早2年。
洗車キズが見るに絶えない状態になりつつあって、洗車してもキレイに見えない!って思ったのがメンテに出そうと思ったキッカケでした。

クオーツのメンテとは、ボディ表面に張り付いたクオーツ皮膜に磨きをかけることによって、細かなキズを取り去るようなイメージです。
「黒」というとにかくキズが目立ちやすいボディには、2年分の洗車キズやら水染みやらがビッシリでしたが、早野サンが一晩かけてばっちり落としてくれました!

仕上がったブラックボディの輝きは、まさに新車時かそれ以上(って新車時知らないんですが(爆)
常にキレイな状態でドライブしたい性分としては、非常に満足度高いです。
現在なら、リンクにあるぴっかり工房のサイトに、僕のエスの施工状況が載ってますので、興味ある方はご覧ください(^ ^;

店主の早野サンも、現在はS2000のオーナーさん。(しかも僕と同じAP1-200)
工房にてオーナー同士、いろんなお話ができてホント面白かった。マニアックなエスの話、車暦の話、僕のツーリングの裏話(笑)・・・・

その中で、僕のエスに衝撃の事実が発覚・・・・(爆

その話はまた今度。(^_^;;

早野サン、その節は長時間ありがとうございました!

謹賀新年 2009


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あけましておめでとうございます。

年末年始はいつものように、帰省やら何やらで時間を費やしていたので、毎度のことながらちょっと遅めのご挨拶になります。
何年も続けている割には拙いサイトですが、本年もお付き合い願えたら幸いです。

年末に年納めのコメントやメールを頂いた皆さん、どうもありがとうございます。
どのような側面にしろ、このサイトが誰かの趣向に多少なりとも影響を与えて、その人にとって新たな境地が開けるとしたら、作成する側としてもとても嬉しいです。
基本的には自己満足の領域を出ないサイトですが(笑)、訪れてくれる皆さん各々が、それぞれの解釈で楽しんでいただければと思います(^ ^;


さて、今年はこれまで以上にいろいろと頑張らなければならない年だと思っています。
本業の業務はもちろんのこと、多少将来のことを見据えて、業務以外の実績の積み重ねやキャリアアップの努力が必要だと考えています。
こんな世の中ですから、その日暮らしは良い選択とは言えない。自分自身はもちろんのこと、身の周りの人を守ったり助けたりできるだけの様々な「体力」を蓄えていかなければ。。

もちろん、最大のシュミであるクルマに関しても忘れちゃいません。
エスに関しては、今のところ現在の仕様がひとつの完成形かな、と感じてる部分があるので、当分は大きな変更はないと思います。(本当か!?)
当初の理想型を手に入れることができたので、今年はこのカタチでより繊細にエスと会話ができたらいいな。。


そんなことを考えて、冬休み最後の休日をぼんやりと過ごしています。

今年もどうぞヨロシクお願いしまーす(^ ^)

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